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公開番号2025044396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023151947
出願日2023-09-20
発明の名称鋼製スリットダム
出願人日鉄建材株式会社
代理人弁理士法人山名国際特許事務所
主分類E02B 7/02 20060101AFI20250326BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】土石や流木等が鋼製スリットダムの頂部を越流する場合、越流した土石や流木等が下流側柱材へ落下衝突しにくい構造を実現することにより、経済性、安全性(品質性)、及び施工性に優れた鋼製スリットダム、更にいえば、ハイダムと称されるダムも実現可能な鋼製スリットダムを提供する。
【解決手段】上流側柱材1と下流側柱材2とを横繋ぎ材3および縦繋ぎ材4で連結して立体的に構築される鋼製スリットダム10において、少なくとも河川の河幅方向両端部に設ける下流側柱材2Aは、上流側から下流側へ向かって下方向に傾斜させて設けられ、その他の下流側柱材2Bは、鉛直に設けられている。前記下流側柱材2の上端位置は、前記上流側柱材1の上端位置よりも低く設定され、最上段に設ける縦繋ぎ材4Hは、上流側から下流側へ向かって下方向に傾斜させて設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上流側柱材と下流側柱材とを横繋ぎ材および縦繋ぎ材で連結して立体的に構築される鋼製スリットダムにおいて、
少なくとも河川の河幅方向両端部に設ける下流側柱材は、上流側から下流側へ向かって下方向に傾斜させて設けられ、その他の下流側柱材は、鉛直に設けられていることを特徴とする、鋼製スリットダム。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記下流側柱材の上端位置は、前記上流側柱材の上端位置よりも低く設定され、最上段に設ける縦繋ぎ材は、上流側から下流側へ向かって下方向に傾斜させて設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製スリットダム。
【請求項3】
前記最上段に設ける縦繋ぎ材は、一端部は前記上流側柱材の上端近傍に接合され他端部は前記下流側柱材よりも下流側へ軒状にせり出す構成で前記下流側柱材に受け支持される軒状の縦繋ぎ材であることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製スリットダム。
【請求項4】
前記軒状の縦繋ぎ材は、平面方向からみて、その直下に位置する下流側柱材を少なくとも半分程度覆う長さに設定されていることを特徴とする、請求項3に記載した鋼製スリットダム。
【請求項5】
前記軒状の縦繋ぎ材には、隣接する軒状の縦繋ぎ材へ延びる落下防止部材が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載した鋼製スリットダム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、山間地の渓谷や河川等に構築され、土石流時、大洪水時に発生する巨礫や流木等を捕捉し、或いは土石流を減衰(減勢)させて災害を未然に防止する鋼製スリットダム(鋼製透過型砂防堰堤とも言う。)の技術分野に属する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
鋼製スリットダムに関しては、下記に特許文献1、2を例示したとおり、既に多種多様に提案がなされ、実施例も多く存在する。
【0003】
特許文献1は、河川の上流から流れてくる物体を捕捉する捕捉体(鋼製スリットダム)1であって、基端部から先端部に向かって前記河川の上流側に向かって傾斜するように、前記河川の幅方向に互いに所定の間隔をあけて並んで設置される複数の第1柱部10と、基端部から先端部に向かって前記第1柱部10とは反対の側に傾斜して前記第1柱部10の延在方向と交差するように、前記第1柱部10と同じ並び方向に所定の間隔をあけて並んで設置される複数の第2柱部20と、基端部から先端部に向かって前記第2柱部20と同じ側に傾斜して前記第1柱部10の延在方向と交差するようにかつ前記第2柱部20に対して前記第1柱部10とは反対の側で、前記第1柱部10と同じ並び方向に所定の間隔をあけて並んで設置される複数の第3柱部30と、前記第2柱部20と前記第3柱部30とを互いに連結する柱連結部90と、を備えることを特徴とする捕捉体が開示されている(請求項1、図1~図2Cの記載等を参照)。
具体的に、図示例に係る前記捕捉体1は、複数の柱部10、20、30と、梁部40、50、60と、延出部70と、柱連結部80、90と、を有する。柱部10、20、30は、砂防堰堤100の高さ方向に延在し、梁部40、50、60は、柱部10、20、30に交差して、河川の幅方向に延在する(同文献1の段落[0026]参照)。
前記延出部70は、鋼管柱21及び鋼管梁51から下流側に向かって延在している。延出部70は、複数の延出鋼管71、72と、複数の梁鋼管73と、を有する。延出鋼管71、72及び梁鋼管73は、鋼製の管材により形成されている(同文献1の段落[0043]参照)。
前記延出鋼管71は、図2C、図5A等に示したように、高さ方向において鋼管柱21の先端部の側に設けられている。延出鋼管71は、河川の水平方向に対して下流に向かって下方に延出している。延出鋼管72は、高さ方向において最も上側の鋼管梁51において鋼管柱21の間に設けられている。延出鋼管72は、河川の水平方向に対して下流に向かって下方に延出している。延出鋼管71、72の先端は、少なくとも鋼管柱11の基端部よりも下流側に張り出している(同文献1の段落[0044]参照)。
【0004】
特許文献2は、河川の河幅方向にスリット構造体2を設置して成る鋼製スリットダムであって、スリット構造体2は、河川の流れ方向における上流側位置Aと下流側位置Bとに間隔を開けて立てた支柱3、4と、隣接する上流側支柱3、3同士を連結した上流側横繋ぎ材5と、一端部は上流側支柱3の上端近傍に接合され他端部は下流側支柱4よりも下流側へせり出す構成で前記下流側支柱4に受け支持される天端軒部材6とからなり、前記下流側支柱4の上端位置は、前記上流側支柱3の上端位置よりも低い位置とされ、前記天端軒部材6は上流側から下流側へ下る勾配θに傾斜させて設けられていることを特徴とする鋼製スリットダムが開示されている(請求項1、全図の記載等を参照)。
要するに、特許文献2に係る鋼製スリットダムは、一端部は上流側支柱3の上端近傍に接合され他端部は下流側支柱4よりも下流側へせり出す構成で前記下流側支柱4に受け支持される天端軒部材6を設けることで、堆積上面部を流れ下る巨礫や流木等が下流側支柱4へ落下衝突する可能性を低減する構成を実現することにより、傾斜した下流側支柱4の破損を有効に防止できる構造のスリット構造体2を備えた構造を呈している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-41257号
特開2021-143583号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に係る捕捉体1は、下流側の柱部(第1柱部)10をすべて傾斜させた構成で実施しているが故に、下記する課題があった。
すなわち、前記延出部70を構成する前記延出鋼管71、72の先端は、前記下流側の柱部10のうち、最も下流側に位置する鋼管柱11の基端部よりも下流側に張り出す構成で実施しているので、張り出した前記延出鋼管71、72は、片持ち状態で支持される構造を呈する。よって、前記延出鋼管71、72に大きな土石が衝撃的に落下すると、その落下衝撃によって前記延出鋼管71、72に大きな曲げモーメントが衝撃的に作用し、破損する懸念があった。
この懸念は、前記鋼管柱11、ひいては下流側の柱部10の高さが高くなればなるほど、傾斜した下流側の柱部10の幅寸(水平投影面積)が増大し、これに伴い前記延出鋼管71、72の張り出し寸法が増大するので顕著となる課題があった。
【0007】
前記特許文献2に係る鋼製スリットダムは、前記天端軒部材6が下流側支柱4よりも下流側へせり出す構成であることから、せり出した天端軒部材6は、前記特許文献1に係る前記延出鋼管71、72と同様に片持ち状態で支持される構造を呈する。
【0008】
仮に、特許文献1に係る下流側の柱部(第1柱部)10、特には前記鋼管柱11を(1本でも)鉛直姿勢で設け、かつ捕捉体(鋼製スリットダム)全体1を構造上安定的に構築することができれば、前記鋼管柱11の幅寸(水平投影面積)を最小限にできることはもとより、前記延出鋼管71、72の張り出し寸法を最小限に抑えることができるので、経済性、安全性に優れた捕捉体1を実現できる等、有益であることは明らかである。また、傾斜姿勢で接合するよりも鉛直姿勢で接合する方が施工(作業)が簡易で優れていることも明らかである。
同様に、仮に、特許文献2に係る下流側支柱4を(1本でも)鉛直姿勢で設け、かつ鋼製スリットダム全体1を構造上安定的に構築することができれば、前記下流側支柱4の幅寸(水平投影面積)を最小限にできることはもとより、前記天端軒部材6のせり出し寸法を最小限に抑えることができるので、経済性、安全性に優れた捕捉体1を実現できる等、有益であることは明らかである。また、傾斜姿勢で接合するよりも鉛直姿勢で接合する方が施工(作業)が簡易で優れていることも明らかである。
【0009】
しかしながら、特許文献1に係る前記鋼管柱11を含む下流側の柱部10は、傾斜した第2柱部20とダイレクトに接合する構成であるが故に、前記鋼管柱11を鉛直姿勢で接合しようとしても、前記第2柱部20と形成する角度が鋭角とならざるをえず、施工(接合作業)が困難で、また、捕捉体(鋼製スリットダム)全体1を構造上安定的に構築することも困難である。
また、従来の鋼製スリットダムは、そもそも、特許文献2に開示されているように、上流側支柱3が傾斜している場合、下流側支柱4もそれに合わせてコンパスのように開脚するように傾斜させる構成が支配的であり、下流側支柱4のみを鉛直に設ける技術的思想は見当たらない。
【0010】
したがって、本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、少なくとも河川の河幅方向両端部に設ける下流側柱材は、上流側から下流側へ向かって下方向に傾斜させて設け、その他の下流側柱材は、鉛直に設ける等の工夫を施した構成とすることにより、堆積上面部を流れ下る巨礫や流木等が下流側柱材へ落下衝突しにくい構造を実現することにより、経済性、安全性(品質性)、及び施工性に優れた鋼製スリットダム、更にいえば、ハイダムと称されるダムも実現可能な鋼製スリットダムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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