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公開番号2025054161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2024045541
出願日2024-03-21
発明の名称畑わさびの冷蔵苗生育方法
出願人山口県
代理人弁理士法人維新国際特許事務所,個人,個人
主分類A01G 22/25 20180101AFI20250328BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】幼苗から成熟株になるまでの生育期間を短縮可能であり、かつ、畑わさびの収穫量を増加させることができる冷蔵苗を生育可能な、畑わさびの冷蔵苗生育方法を提供する。
【解決手段】生育方法1は、畑わさびの種子を発芽させるステップS1の発芽・幼苗工程と、畑わさびの幼苗を、2~5℃の冷蔵温度で、一定期間冷蔵して冷蔵苗を作成するステップS2の冷蔵工程と、冷蔵苗を畑に定植し、生育させるステップS3の生育工程を備える。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
畑わさびの幼苗を、2~5℃の冷蔵温度で、一定期間冷蔵して前記畑わさびの冷蔵苗を作成する冷蔵工程を備えることを特徴とする畑わさびの冷蔵苗生育方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記冷蔵工程は、前記畑わさびの前記幼苗に対して光が照射され、
前記光は、前記幼苗がない状態の栽培面における光合成光量子束密度が2~30μmol/m

/sであることを特徴とする請求項1に記載の畑わさびの冷蔵苗生育方法。
【請求項3】
前記一定期間は、5~6か月であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の畑わさびの冷蔵苗生育方法。
【請求項4】
前記冷蔵工程の後に、前記畑わさびの前記冷蔵苗を畑に定植し、生育させる生育工程を備え、
前記定植は、前記畑における最高気温が25℃以下になる時期に、実施されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の畑わさびの冷蔵苗生育方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、わさびの苗を生育する生育方法に係り、特に、畑わさびの幼苗を所定の条件下で冷蔵して畑わさびの冷蔵苗を生育する畑わさびの冷蔵苗生育方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、わさびの苗は、気温が約25℃を超えると枯れてしまうため、夏季に育苗することが困難である。そして、この点がわさびの収穫量が増加しないことの一因となっている。なお、わさびは、同一種であっても栽培方法によって、畑わさび、または水わさびという異なる呼び方がされている。前者は、一般的な畑で栽培されており、葉柄や葉身を収穫する。後者は、渓流や湧水を利用したわさび田で栽培されており、根茎を収穫する。
そのため、畑わさびでは、慣行の栽培方法として、畑わさびの幼苗を冷涼な高冷地の林間畑で約一年間育苗し、その後、育苗した苗を遮光したパイプハウス内の畑に定植し、さらに収穫可能なサイズの成熟株になるまで約7か月から8か月程度生育させる、という方法が採られていた。
しかし、上記の栽培方法では、幼苗から成熟株になるまでの期間が約20か月となり長期化するという課題があった。さらに、畑わさびの幼苗を高冷地に運び上げたり、パイプハウスに降ろしたりする作業が必要であるため、手間やコストの負担が大きいという課題もあった。
そこで、近年、このような負担を軽減することができる技術が開発されており、それに関して既に発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「ワサビ苗の育成方法」という名称で、人工的な環境下においてワサビ苗を育成する方法に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、18~20℃に保持されている人工的な施設内の育成培地に、養液を含んでもよい水及び光を供給しつつ、種子の殻内に子葉が収納され、3~7mmの幼根に毛根状の側根が発根している状態のワサビ種子を播種し、発芽して子葉が展開してから、子葉に代わって本葉が4~6枚に展開するまで育成することを特徴とするワサビ苗の育成方法である。
このような特徴を有する発明においては、人工的な施設内でワサビ苗を育成するため、この人工的な施設をワサビ田等の近傍に設けることによって、ワサビ苗を通年で育成できるとともに、輸送コストの削減も可能になると考えられる。また、ワサビ田は、湧水等により20℃前後の環境が維持できるため、定植時期が7月であっても、ワサビ苗の活着率を約100%にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5993156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、畑ワサビに適応できるか否か不明である。さらに、育成されたワサビ苗により、例えば、幼苗から十分に収穫可能なサイズの成熟株に育成するまでの生育期間が短縮されたか否か、についての記載が見当たらない。そのため、特許文献1に開示された発明によって、成熟株になるまでの期間が長期化するという課題を十分に解決できているか否か不明である。
また、特許文献1に開示された発明は、定植時期が7月であっても、ワサビ苗の活着率が約100%になるものの、定植以降の高温による枯死を防止可能か否か、についての記載も見当たらない。よって、特許文献1に開示された発明によって、わさびの収穫量が高温によって増加しないという課題を十分に解決できているか否かも不明である。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、幼苗から成熟株になるまでの生育期間を短縮可能であり、かつ、畑わさびの収穫量を増加させることができる冷蔵苗を生育可能な、畑わさびの冷蔵苗生育方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明は、畑わさびの幼苗を、2~5℃の冷蔵温度で、一定期間冷蔵して畑わさびの冷蔵苗を作成する冷蔵工程を備えることを特徴とする。
このような構成の発明において、幼苗とは、所定の生育状態に達した苗であって、例えば、本葉が一定の枚数や面積に達した苗をいう。ただし、これ以外にも、所定の生育状態は任意に規定することができる。
また、畑わさびの種子を育成培地に播種して発芽させ、この発芽させた種子を幼苗に育苗するまでの育苗方法は、特に限定されない。さらに、本工程においては、畑わさびの幼苗に対して人工光が照射されても、されなくてもよい。
なお、本願において、幼苗や成熟株とは、畑わさびの苗の成長度に着目した呼び方であり、冷蔵苗とは、幼苗が冷蔵工程で冷蔵されている状態に着目した呼び方である。
【0008】
上記構成の発明においては、畑わさびの幼苗を、2~5℃の冷蔵温度で、一定期間冷蔵することによって、幼苗が休眠導入され、その後に休眠打破が起こると考えられる。なお、冷蔵は、幼苗を例えば冷蔵庫内に収容することで行われる。また、一定期間は、例えば、幼苗が高温で枯死することを回避できるように、あるいは、冷蔵工程前の幼苗に対する人為的な冷蔵にかかるコストを抑制できるように、外気温に応じて調整される。
そして、休眠打破が起きた幼苗、すなわち冷蔵苗を、畑に定植すると、冷蔵苗が急激な成長を開始する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、冷蔵工程は、畑わさびの幼苗に対して光が照射され、光は、幼苗がない状態の栽培面における光合成光量子束密度が2~30μmol/m

/sであることを特徴とする。
このような構成の発明において、光の光源として、例えば植物生育用のLEDランプが好適に用いられる。
【0010】
上記構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、光合成光量子束密度を2μmol/m

/s以上とすることによって、2~5℃の冷蔵温度での幼苗の生育が安定的に維持される。また、光合成光量子束密度を30μmol/m

/s以下とすることによって、同冷蔵温度での光阻害の発生が防止される。
(【0011】以降は省略されています)

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