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公開番号2025040391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2024101776
出願日2024-06-25
発明の名称獣枷装着装置
出願人個人
代理人
主分類A01M 23/34 20060101AFI20250314BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】近年の農山地では獣害対策が喫緊の課題になっているにも拘わらず、免許のない一般人は鳥獣保護管理法により狩猟は禁じられ、取り得る手段は限られている。その手段も有効性や費用等の問題があり、十分には普及し難い状況にある。上記規制を受けることなく一般人がなし得る有効で、かつ、安全で経済的な獣害対策が緊急に求められている。
【解決手段】くくり罠を含めた罠類は、害獣を捕獲するから上記法の規制を受ける。本発明は、害獣を捕獲することなく音具等の枷類を装着しその後は逃走させる装置により解決することを提案する。本発明は、枷類を装着した直後に、害獣が逃げようとする力を利用して連結手段が外れるようにすると共に、敏感度を高めたトリガー手段により、猪等の比較的大型の害獣だけでなく、ハクビシン等の小型害獣にも利用できるようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上面に略円形の開口部を、後部に該開口部の上面と同一高さに一定長さの柄を備えた枠体と、前記開口部内又は下側にあって、かつ、下動可能な踏板とを設け、
金属製の細帯又はワイヤーを締め具に通して成る縮小のみ容易なくくり輪を設け、該くくり輪を前記開口部の上面より僅かに突出した、前記踏板の上端周り、又は前記踏板の周端上側に略円形の輪郭を形成する郭部材を設けてその周り、に掛け回し、
前記くくり輪に、振動により音を発する音具及び/又は害獣の足へ一定の負担を与える足纏具を設け、
前記柄に前記くくり輪を縮小させる付勢力を発生する弾機を設け、
該弾機の前端に備えたキャッチ部材本体と前記くくり輪の後端に備えた受座とを一時的に連結し、かつ、一定の力以上で該連結を解除する構造の連結手段を設けると共に、前記キャッチ部材本体の後部に一定長さの地面への固定索を備え、
前記弾機を付勢して前記踏板を一時的に略水平に保持し、かつ、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させる構造のトリガー手段を設け、
もって、前記害獣の脚部に前記音具及び/又は前記足纏具を装着させた後、前記害獣が発する引張力で前記連結手段による連結が解除されて、前記害獣を解放するように構成されている、獣枷装着装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
第1レバーを設けて該第1レバーの、前部を前記踏板又は前記郭部材に固定し、後端部を前記枠体又は前記柄の下部に設けた第1レバー支持台に回動自在に軸着し、中間部の何れかの個所に上向き突起状のトリガー心金を設けて該トリガー心金が通過する孔を前記枠体又は前記柄に設け、
前記連結手段を連結して前記弾機を付勢すると共に、前記キャッチ部材本体の後部に備えた芯受け孔に前記トリガー心金を嵌入して前記踏板を一時的に保持し、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記第1レバーの回動により前記トリガー心金が前記芯受け孔から外れ、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させる構造を前記トリガー手段とする、請求項1記載の獣枷装着装置。
【請求項3】
請求項2記載の獣枷装着装置に於いて、
前記第1レバーを軸着位置より後方に一定長さ延長し、更に、前記柄に長窓を設けて第2レバーを前端部が前記第1レバーの後端部上に一時的に重なるよう設け、該第2レバーの後端部を前記柄の下部に設けられた第2レバー支持台に回動自在に軸着し、
前記第2レバーの前端部は前記柄の上面までの高さを備え、更に、前方に前記くくり輪の一部と前記連結手段を一時的に載せるためのトレイを備えて、該トレイに前記トリガー心金が通過する孔を設け、
前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記第1レバーの回動により前記第2レバーも回動し、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させつつ跳ね上げた後、前記第2レバーの前端部が前記第1レバーの後端部から外れ、前記第2レバーと前記トレイは元の位置に復するようにした、獣枷装着装置。
【請求項4】
請求項2記載の獣枷装着装置に於いて、
前記郭部材は前記踏板を底板とする内筒とし、該内筒を前記第1レバーの前端に固定し、
前記くくり輪を、前記開口部に嵌入した前記内筒の上端周りに掛け回すようにした、獣枷装着装置。
【請求項5】
前記枠体は筒状であって外筒とし、前記郭部材は前記踏板を底板とする内筒とし、該内筒を前記外筒に上下動自在に嵌入して前記くくり輪を前記内筒の上端周りに掛け回し、
前記弾機を付勢して前記キャッチ部材本体と前記受座とを連結することにより、前記くくり輪を引張して前記踏板を一時的に保持し、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記くくり輪が前記外筒の内縁に押し上げられて前記内筒から外れ、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させる構造を前記トリガー手段とする、請求項1記載の獣枷装着装置。
【請求項6】
前記郭部材は、前記踏板の周端の前後に上向きに設けた一対の側板と、左右対称に該側板に回動自在に軸着した一対の半ループ状のガイドとで構成し、該ガイドが前記開口部を左右に跨ぐようにして、前記ガイド周りに前記くくり輪を掛け回し、
前記弾機を付勢して前記キャッチ部材本体と前記受座とを連結することにより前記くくり輪を引張し、前記ガイドが僅かなハの字形を成して前記踏板を一時的に保持し、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記ガイドの左右が反転して前記くくり輪が外れ、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させつつ跳ね上げる構造を前記トリガー手段とする、請求項1記載の獣枷装着装置。
【請求項7】
前記音具及び/又は前記足纏具と前記受座とを備えた前記くくり輪と前記踏板を複数設け、全ての前記踏板を前記枠体の下側に設けた1個の連結腕により一体的に連結し、
全ての前記受座を1個の前記キャッチ部材本体に連結し、
前記弾機を付勢して全ての前記踏板を一時的に保持し、前記害獣が何れかの前記踏板を踏み下げると、前記トリガー手段が働き、前記害獣が踏み入れた前記くくり輪を縮小させるように構成されている、請求項2乃至4の何れかに記載の獣枷装着装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、田畑等に侵入又は接近した害獣を捕獲することなく、一定の負担と警戒心を与えることによって人の活動域への侵入を防止するための、獣枷装着装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、農山村地域に於ける過疎化と住民高齢化に伴い野生動物の勢力が増し、鳥獣による農林業等に係る被害が深刻な状況にあり、これに対処することが重大な全国的課題となっている。対処する方途として第一に害獣の個体群管理があるが、我国には鳥獣保護管理法があり、狩猟免許と行政の許可なくして駆除又は捕獲を行うことが禁止されている。
【0003】
狩猟免許を取得した者が実行できる、特に猪や鹿等を対象とする捕獲法の一つに、ワイヤーで作るくくり罠がある。その中でも下記両文献に示すように、くくり輪を害獣の脚部上方へ跳ね上げる方式が従来知られている。くくり罠は猟銃や箱罠等、他の方法に比して簡便で経済的にできる方法であるが、危険を伴うことが一つの問題である。
【0004】
一方、狩猟免許を持たない一般人にできることは侵入防止対策であり、その従来の方途として最も簡便なものは、音による威嚇である。爆竹等大音量のものもあるが、鳥獣は自らの近辺で音を発して居場所を知られることを非常に嫌がり、それだけで逃げ去るものが多いから、この習性を利用して、鳥獣の接近を電子的に感知して警報や光を発する装置も、市販されている。しかし、これらの方途ではやがて鳥獣が軽い威嚇だけであることを学習してしまい、その効果は限定的である。
【0005】
より確実な従来の方途として、農地周りの防護柵がある。それ用の様々の柵や網が市販されているが、強力な害獣には頑丈で十分な高さの金網と支柱を要し、広い農地には費用がかさむ。また、柵を登る、又は掘り潜ることのできる害獣に対しては無力である。
他の方途として電気柵があるが、同じく万全なものでもなく、経済的問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6908305号公報
【非特許文献】
【0007】
「山口県わな捕獲・解体マニュアル」、発行 山口県環境生活部自然保護課、平成31年3月発行、P2~P4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、近年の我国の農山村地域では獣害に侵され、その対策が喫緊の課題になっているにも拘わらず、農林業に携わる一般人は鳥獣保護管理法による規制で狩猟や捕獲は原則禁じられ、取り得る従来の手段としては主に防護柵か電気柵の設置に限られている。
本発明が解決しようとする課題は、幅広い害獣を対象として上記規制を受けることなく一般人がなし得る安全で有効な自衛手段、即ち、害獣を捕獲することなく侵入した地域から退散させ、その後は再接近することを恐れさせ、もって農山地への害獣の侵入を防止する方策の一つを、経済的に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、
上面に略円形の開口部を、後部に該開口部の上面と同一高さに一定長さの柄を備えた枠体と、前記開口部内又は下側にあって、かつ、下動可能な踏板とを設け、
金属製の細帯又はワイヤーを締め具に通して成る縮小のみ容易なくくり輪を設け、該くくり輪を前記開口部の上面より僅かに突出した、前記踏板の上端周り、又は前記踏板の周端上側に略円形の輪郭を形成する郭部材を設けてその周り、に掛け回し、
前記くくり輪に、振動により音を発する音具及び/又は害獣の足へ一定の負担を与える足纏具を設け、
前記柄に前記くくり輪を縮小させる付勢力を発生する弾機を設け、
該弾機の前端に備えたキャッチ部材本体と前記くくり輪の後端に備えた受座とを一時的に連結し、かつ、一定の力以上で該連結を解除する構造の連結手段を設けると共に、前記キャッチ部材本体の後部に一定長さの地面への固定索を備え、
前記弾機を付勢して前記踏板を一時的に略水平に保持し、かつ、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させる構造のトリガー手段を設け、
もって、前記害獣の脚部に前記音具及び/又は前記足纏具を装着させた後、前記害獣が発する引張力で前記連結手段による連結が解除されて、前記害獣を解放するように構成されている、獣枷装着装置、である。
【0010】
請求項2記載の発明は、
第1レバーを設けて該第1レバーの、前部を前記踏板又は前記郭部材に固定し、後端部を前記枠体又は前記柄の下部に設けた第1レバー支持台に回動自在に軸着し、中間部の何れかの個所に上向き突起状のトリガー心金を設けて該トリガー心金が通過する孔を前記枠体又は前記柄に設け、
前記連結手段を連結して前記弾機を付勢すると共に、前記キャッチ部材本体の後部に備えた芯受け孔に前記トリガー心金を嵌入して前記踏板を一時的に保持し、前記害獣が前記踏板を踏み下げると、前記第1レバーの回動により前記トリガー心金が前記芯受け孔から外れ、前記弾機の付勢を瞬時に開放して前記くくり輪を縮小させる構造を前記トリガー手段とする、請求項1記載の獣枷装着装置、である。
(【0011】以降は省略されています)

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