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公開番号2024147433
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023060449
出願日2023-04-03
発明の名称PET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法
出願人地方独立行政法人山口県産業技術センター
代理人個人,個人
主分類C08J 11/24 20060101AFI20241008BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】廃棄物がPET樹脂とポリウレタンの混合物である場合に、PET樹脂から可塑剤を、ポリウレタンからポリウレタン原料を、それぞれリサイクル可能に回収可能なPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法を提供する。
【解決手段】処理方法1は、PET樹脂とポリウレタンを含む対象混合物60を、沸点180℃以上の単一又は異性体混合物の対象用アルコール中で、反応温度180℃以上240℃以下で塩基触媒を用いて解重合させて、テレフタル酸ジエステル63と、ポリオール64と、カルバミン酸ジエステル65に分解するステップS1の解重合工程と、テレフタル酸ジエステル63と、ポリオール64と、カルバミン酸ジエステル65と、をろ過及び/又は層分離で分離するステップS2の分離工程と、テレフタル酸ジエステル63を、ろ過及び/又は蒸留で精製するステップS3の精製工程と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
PET樹脂とポリウレタンを含む対象混合物を1段階の解重合で処理する処理方法であって、
前記対象混合物を、沸点180℃以上の単一又は異性体混合物の対象用アルコール中で、反応温度180℃以上240℃以下で塩基触媒を用いて解重合させて、テレフタル酸ジエステルと、ポリオールと、カルバミン酸ジエステルに分解する解重合工程と、
前記テレフタル酸ジエステルと、前記ポリオールと、前記カルバミン酸ジエステルとを、ろ過及び/又は層分離で分離する分離工程と、
前記テレフタル酸ジエステルを、ろ過及び/又は蒸留で精製する精製工程と、
を備えることを特徴とするPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記対象用アルコールが、1価アルコールであることを特徴とする請求項1に記載のPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法。
【請求項3】
前記対象用アルコールが、2価アルコールであることを特徴とする請求項1に記載のPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法。
【請求項4】
PET樹脂とポリウレタンを含む対象混合物を2段階の解重合で処理する処理方法であって、
前記対象混合物を、沸点180℃以上の単一又は異性体混合物の第1のアルコール中で、反応温度180℃以上240℃以下で弱塩基触媒を用いて前記PET樹脂をテレフタル酸ジエステルに解重合する第1の解重合工程と、
前記第1の解重合工程で得られた前記テレフタル酸ジエステルと、前記ポリウレタンを含む第1の混合物を固液分離する第1の分離工程と、
前記第1の分離工程で分離した前記第1の混合物が含む前記ポリウレタンを、第2のアルコール中で、240℃以下で強塩基触媒を用いてポリオールと、カルバミン酸ジエステルに解重合する第2の解重合工程と、
前記第1の分離工程で分離した前記テレフタル酸ジエステルを、ろ過及び/又は蒸留して精製する精製工程と、
前記第2の解重合工程で得られた前記ポリオールと、前記カルバミン酸ジエステルを含む第2の混合物を、固液分離によりそれぞれの成分に分離する第2の分離工程と、
を備えることを特徴とするPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法。
【請求項5】
前記第1のアルコールが、1価アルコールであり、
前記第2のアルコールが、2価のアルコールであることを特徴とする請求項4に記載のPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種のプラスチックが混合された廃棄物の処理方法に係り、特に、廃棄物がPET樹脂とポリウレタンの混合物である場合の処理方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、PET樹脂と、これ以外の樹脂が混合された廃棄物を処理し、再生材料を得る方法が試みられている。しかし、再生材料が例えば可塑剤である場合、処理の反応速度が非常に遅かったり、複雑な工程を要するために処理コストが高価になったりすることから、実用的でないという課題があった。
そこで、近年、このような課題を解決するための技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「PET及びPTTのリサイクル流の統合処理方法」という名称で、PET及びPTTのリサイクル流から、ポリエステルポリオール及び可塑剤を製造する方法に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、(a)複数種類のPET物品、またはそれらの混合物から選択されたリサイクル流を反応器内でグリコールと反応させて、ポリオールを含む消化生成物流と、少なくとも1つの未消化流とを生じさせる工程と、(b)複数種類の油類、分岐鎖状もしくは直鎖状のC

~C
36
脂肪族アルコール等、またはそれらの混合物、から選択された疎水性物質と、消化生成物流とを反応器内で反応させて、ポリエステルポリオールを生じさせる工程と、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、PETまたはPTTカーペット繊維は、一例として、疎水性物質、一塩基酸(一価酸)、二塩基酸(二価酸)、またはモノオール、グリコール、水、またはそれらの組み合わせと反応して、硬質発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、ポリウレタンポリマー、または軟質ポリウレタン発泡体に使用できるポリオール;単量体型可塑剤;または高分子型可塑剤を生成させる。
【0004】
次に、特許文献2には「スクラップまたは未使用テレフタル酸ポリエステルの崩壊エステル交換によるテレフタル酸ジエステルの製造方法」という名称で、テレフタル酸ポリエステル生成物の崩壊エステル交換によるテレフタル酸ジエステルの製造方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、テレフタル酸ポリエステルを、高分子量アルコールまたは各々6~20個の炭素原子を有する高分子量アルコールの混合物と、触媒の存在下で反応させること、およびテレフタル酸ジエステルを回収することを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、ジオクチルテレフタレート(DOTP)のような可塑剤が、現在有効な方法のコストと同等なコストで製造され得る。
【0005】
さらに、特許文献3には「ポリエステル含有多種混合プラスチックの処理方法」という名称で、ポリエステルを含む廃プラスチック混合物からポリエステル成分を選択的に分離したポリエステル成分を可塑剤としてリサイクルする方法等に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、ポリエステルを含む廃プラスチック混合物をエチルヘキサノール及び炭酸カリウムと反応させて可塑剤を合成する可塑剤合成工程と、可塑剤合成工程でエチルヘキサノールと反応させた廃プラスチック混合物を、固体部分と液体部分に分離する固液分離工程と、固液分離工程で分離された可塑剤と過剰エチルヘキサノールを含む液体部分から、過剰エチルヘキサノールを除去する精製工程を有することを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、廃プラスチック混合物に含まれているポリエステルをアルコール分解することで、可塑剤をリサイクルすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2018-510225号公報
特許第2927495号公報
特開2021-63181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、PET物品にポリウレタンが混合されているとき、PETとポリウレタンがともにアルコールに反応するため、PETからの可塑剤のほか、ポリウレタンに起因する成分が含まれる溶液が回収される。さらに、この溶液と可塑剤とを分離することが困難であるため、可塑剤の収率が低く、リサイクルに適していないことが考えられる。
【0008】
また、特許文献2に開示された発明においては、廃棄物がテレフタル酸ポリエステルのみからなる場合についての、可塑剤の回収方法が開示されている。すなわち、廃棄物がポリウレタンをも含む場合についての、可塑剤の回収方法については開示されていない。
また、特許文献2に開示された発明においては、テレフタル酸ポリエステルを、高分子量アルコール等と反応させるため、特許文献1と同様に、回収された可塑剤がリサイクルに適していないおそれがある。
【0009】
さらに、特許文献3に開示された発明においては、廃プラスチック混合物にポリウレタンが含まれる場合に、分離された固体部分を熱分解し、熱分解ガスと残渣とを発生させる熱分解工程を行うことで、ウレタンを熱分解油化することができる。しかし、ウレタンを熱分解する際に、アミン溶媒が用いられると、塩基性化されて、ウレタンを化学原料化してリサイクルすることが困難である。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、廃棄物がPET樹脂とポリウレタンの混合物である場合に、PET樹脂から可塑剤を、さらにポリウレタンからポリウレタン原料を、それぞれリサイクル可能に回収することのできるPET樹脂とポリウレタン混合物の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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