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公開番号2025040201
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2023146969
出願日2023-09-11
発明の名称潅水装置
出願人イノチオアグリ株式会社
代理人個人
主分類A01C 15/00 20060101AFI20250314BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】様々な形態の圃場に対して所望の濃度の希釈薬液を用いた潅水を行う。
【解決手段】給液ユニット10は、送水路11において送水ポンプPの上流側で分岐して下流側へと戻る循環路12に設置されたパルス駆動式の肥料ポンプfp1等によって肥料1,肥料2、酸を原水に混入させるインラインミキシング方式を採用している。循環路12にはフローセール13を備え、フローセル内でEC値及びpH値を検出する。潅水制御装置10は、潅水時刻の異なる複数の潅水グループに割り当てられた潅水バルブごとに設定値を別個に設定可能に構成され、潅水時刻が到来するたびに、肥料ポンプfp1等にパルス信号を出力し、送水ポンプPを起動すると共に潅水バルブを開いて圃場3への潅水を開始し、潅水完了までの間、センサse1,se2による検出値を設定値に収束させる様に、潅水グループごとの設定に応じたフィードバック制御を順次実行する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
原水タンクに貯留した原水に薬液を混入させた希釈薬液を用いて圃場に対する潅水を行う装置であって、前記希釈薬液を生成する給液ユニットと、前記給液ユニットにおいて生成する希釈薬液の濃度を設定値に収束させる制御を実行する潅水制御装置とを備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする潅水装置。
(1A)前記給液ユニットは、前記原水タンクから前記圃場へと送水を行うための送水ポンプを備える送水路と、前記送水路において前記送水ポンプの上流側で分岐して当該送水ポンプの下流側へと戻る定流量の循環路と、を備え、前記循環路に設置された薬液ポンプによって前記薬液を前記原水に混入させるインラインミキシング方式を採用していること。
(1B)前記循環路には、前記薬液ポンプよりも下流側かつ前記送水ポンプよりも上流側に流入口を有し、前記薬液ポンプよりも上流側かつ前記送水ポンプよりも下流側に流出口を有するフローセールを備え、当該フローセル内には、前記希釈薬液の濃度を検出するセンサが設置されていること。
(1C)前記潅水制御装置は、潅水実行タイミングが到来したとき、前記薬液ポンプに信号を出力し、前記送水ポンプを起動すると共に潅水バルブを開いて前記圃場への潅水を開始し、潅水完了までの間、前記センサによる検出値を前記設定値に収束させる様に、フィードバック制御によって前記薬液ポンプの薬液吐出量を増減させる制御処理を実行する様に構成されていること。
(1D)前記潅水制御装置は、前記潅水実行タイミングの異なる複数の潅水グループに対して前記設定値を別個に設定可能に構成され、前記潅水実行タイミングが到来するたびに、当該潅水実行タイミングにおいて潅水を実行する潅水グループに対する前記フィードバック制御を順次実行する様に構成されていること。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載の潅水装置。
(2A)前記給液ユニットは、前記薬液ポンプが前記原水に肥料を混入させるための肥料吐出ポンプであって、前記フローセル内には前記センサとしてEC値を検出するECセンサを備え、前記設定値には目標EC値が設定されていること。
(2B)前記潅水制御装置は、前記フィードバック制御の初回に、前記目標EC値に対して収束する前の立ち上がり時の前記肥料吐出ポンプに対する制御条件をEC立ち上がり時学習値として記憶し、次回以降の灌水時には当該EC立ち上がり時学習値に基づいて前記肥料吐出ポンプに対するフィードバック制御を開始する様に構成されていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2に記載の潅水装置。
(3)前記潅水制御装置は、前記フィードバック制御において、前記設定値を中心とする不感帯を設定し、前記検出値と前記設定値の差が前記不感帯に収まっている場合は前記信号を維持する制御を実行する様に構成されていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2に記載の潅水装置。
(4A)前記給液ユニットは、前記薬液ポンプを複数台備え、該複数台の内の少なくとも1台は前記原水に肥料を混入させるための肥料吐出ポンプであり、少なくとも他の1台は前記原水に酸又はアルカリを混入させるためのpH調整用吐出ポンプであって、前記フローセル内には前記センサとしてEC値を検出するECセンサと、pH値を検出するpHセンサとを備え、前記設定値には目標EC値と目標pH値とが設定されていること。
(4B)前記潅水制御装置は、前記フィードバック制御において、前記目標EC値に収束した状態における前記肥料吐出ポンプに対する制御条件をEC安定時学習値として記憶し、次回以降の灌水時には前記EC立ち上がり時学習値及び前記EC安定時学習値に基づいて前記肥料吐出ポンプに対するフィードバック制御を実行し、前記目標pH値に対して収束した状態における前記pH調整用吐出ポンプに対する制御条件をpH安定時学習値として記憶し、次回以降の灌水時には当該pH安定時学習値に基づいて前記pH調整用吐出ポンプに対するフィードバック制御を実行する様に構成されていること。
【請求項5】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の潅水装置。
(5)前記潅水制御装置は、前記薬液ポンプとして複数種類の肥料を別個に吐出する複数台の肥料ポンプを備え、前記潅水グループに割り当てられたバルブ毎に前記設定値として目標EC値が設定されると共に、前記複数台の肥料ポンプに対して、単位EC値を実現するための肥料吐出量をポンプ同士の吐出量の比率で設定可能に構成され、前記フィードバック制御に際しては、前記単位EC値を実現するための前記吐出量の比率と前記目標EC値とから、前記複数台の肥料ポンプに対する信号を出力する様に構成されていること。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潅水装置に係り、特に、原水に液肥等の薬液を混合させた希釈薬液を用いて潅水を行うための装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、原水に液肥等の薬液を混合させた希釈薬液を用いた潅水を行うための装置に関する提案がなされている(例えば、特許文献1~3)。
【0003】
特許文献1に記載された装置は、薬液ポンプによって供給される薬液と、給水ポンプによって供給される水とを混合槽内で混合して希釈薬液を生成し、この希釈薬液を混合槽から供給槽へと送出ポンプで送出し、供給槽に貯留した希釈薬液を作業機に送出して潅水を行う構成となっている。そして、混合槽及び供給槽には液量センサを設置し、この液量センサの検知した各槽の液量に基づいて薬液ポンプ、給水ポンプ及び送出ポンプを駆動制御することで、所望濃度の希釈薬液を散布できる様に構成されている。
【0004】
特許文献2に記載された装置は、液肥(薬液)と希釈用の原水とを合流させて下流側に送出する供給路中に、両液が合流した液を濾過する濾過部を設け、濾過部によって混合された培養液の電気伝導度(EC値)を測定し、測定されるEC値に比例させて液肥(薬液)を供給路に供給する液肥ポンプを駆動制御し、培養液(希釈薬液)の肥料濃度を目標肥料濃度に一致させる構成となっている。
【0005】
特許文献3に記載された装置は、液肥槽の液肥(薬液)の状態をECセンサ及びpHセンサで検知し、液肥槽内の液肥(薬液)の濃度が薄くなったら養液タンクから養液(薬液)を供給することで、液肥槽内のpH値とEC値との濃度が適正になるように制御する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-61546(要約,図1)
特開2004-298055(要約,図1)
特開2016-178891(要約,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,3に記載の装置は、予め希釈薬液タンクを設置する必要があるため、潅水バルブ毎に肥料濃度を変更できないという問題がある。特に、栽培ステージの異なる区画が存在する圃場や、作物や品種が異なり、肥培管理を別々に行わないといけないような圃場では、それぞれに装置導入が必要になるという問題がある。
【0008】
特許文献2に記載の装置は、この様なタンクを必要としないものの、濃度ムラのない希釈薬液を生成するため、混合機の機能を兼ねさせるためのフィルタエレメントを必要とする。このため、潅水時の希釈薬液の供給量が抑制されるおそれや、濾過部のメンテナンスが必要であったり、流速の変化や希釈薬液濃度が低い場合により混合精度が低下するという問題がある。
【0009】
この結果、特許文献1~3に記載の装置は、様々な形態の圃場に対して潅水を行うための汎用性に欠けるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、様々な形態の圃場に対して所望の濃度の希釈薬液を用いた潅水を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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