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公開番号
2024145746
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058230
出願日
2023-03-31
発明の名称
排水処理剤とその製造方法及び排水処理方法
出願人
地方独立行政法人山口県産業技術センター
,
日進工業株式会社
代理人
個人
主分類
C02F
1/00 20230101AFI20241004BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】化学工場などから排水される工場排水に含まれる有害な水溶性有機化合物に対し、入手及び管理が容易で環境に対する負荷が小さな天然由来の素材を用いることで分解可能な排水処理剤とその製造方法並びに排水処理方法を提供する。
【解決手段】排水処理剤の製造方法は、青パパイヤの表皮、果肉、種、葉、茎又は根のうち少なくとも1つを切断又は粉砕して液汁を採取する採取工程と、液汁のpHを2~9に調整し、温度を10℃~50℃に保温する保持工程と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
青パパイヤの液汁を主剤とすることを特徴とする排水処理剤。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
青パパイヤの表皮、果肉、種、葉、茎又は根のうち少なくとも1つを切断又は粉砕して液汁を採取する採取工程と、前記液汁のpHを2~9に調整し、温度を10℃~50℃に保温する保持工程と、を有することを特徴とする排水処理剤の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の排水処理剤を用いて2-メチルピロリドンを含む排水を処理することを特徴とする排水処理方法。
【請求項4】
納豆の水溶性成分を主剤とすることを特徴とする排水処理剤。
【請求項5】
納豆と水を混合し固形の大豆を除去して水溶性成分を抽出する抽出工程と、前記水溶性成分のpHを2~9に調整し、温度を10℃~50℃に保温する保持工程と、を有することを特徴とする排水処理剤の製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の排水処理剤を用いて2-メチルピロリドンを含む排水を処理することを特徴とする排水処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学工場などからの工場排水に含まれる有害な有機化合物を分解するための排水処理剤とその製造方法及び排水処理方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
青パパイヤに含まれるパパイン酵素は、タンパク質や脂質を分解する作用を有しており、食品、化粧品などの分野において活用されている。例えば、特許文献1には、青パパイヤ液汁、アルコール水溶液、補酵素を主とした溶液にタンパク濃縮物を調合したペースト状で低温環境での酵素活性の抑止、タンパク質の安定な変性状態、加熱過程でのプロテアーゼ酵素の活性に有効な耐冷性を有する無添加のタンパク濃縮物合成ペースト類加工方法が開示されている。
また、納豆は、水煮した大豆を納豆菌により発酵させた食品である。納豆菌は大豆のタンパク質を種々のアミノ酸に加水分解することが広く知られている。
一方、化学工場などで使用される有機化合物には、例えばラクタムである2-メチルピロリドン(以下、NMPという。)などがあり、これらは毒性を有することが知られており、人間や動植物を含めて広く環境に悪影響を及ぼすことが危惧されており、その処理や管理も含めて厳しい規制が課されている。
そこで、化学工場などからの排水中に含まれるこれらの有機化合物の分解方法に関する技術がこれまで開発されてきており、具体的には、活性汚泥法、長時間エアレーション法などが挙げられる。
活性汚泥法は、反応タンク(エアレーションタンク)内で下水と活性汚泥と呼ばれる微生物とをエアレーションによって混合し、その後、最終沈殿池で活性汚泥を沈殿させて、上澄みの水を処理水として流出させる方法である。
長時間エアレーション法は、活性汚泥法の一つの処理方式であり、反応タンク内で下水と活性汚泥と呼ばれる微生物の混合液を長時間対流させて、微生物の増殖する条件を変化させることにより、余剰汚泥をできるだけ少なくさせる処理方法である。
これらの活性汚泥法を用いて、特許文献2には、水溶性の有機化合物であるラクタム及びラクトンはグルコンアセトバクター属またはマイクロバクテリウム属の微生物群によって分解できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6631892号公報
特開2021-175389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に開示されている発明では対象の有機化合物の分解には1週間程度で180mg/Lから80mg/Lに低減できるものの、その分解速度が遅く、化学工場などで排出される有機化合物を分解するための時間が長くかかってしまうという課題があった。
また、特許文献2に開示される発明では、ラクタム及びラクトンを分解できる微生物群としてグルコンアセトバクター属又はマイクロバクテリウム属の微生物群を用いることが開示されているが、これらを単独で用いる場合には入手や管理などが煩雑であるという課題もあった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、化学工場などから排水される工場排水に含まれる有害な水溶性有機化合物に対し、入手及び管理が容易で環境に対する負荷が小さな天然由来の素材を用いることで分解可能な排水処理剤とその製造方法並びに排水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明である排水処理剤は、青パパイヤの液汁を主剤とすることを特徴とするものである。
本願において青パパイヤとは、パパイヤ(学名:Carica papaya)の未完熟のものをいい、青パパイア、グリーンパパイヤ、グリーンパパイアなどの呼称がある。品種はとくに限定しないが、フルーツタワー、甘泉DX、洛陽、ベジキング、ドリームフルーツ、台農2号、グランデなどを挙げることができる。未完熟の度合いは、表皮が緑色乃至黄緑色の状態を保っていればとくに限定されない。果実の大きさ(重さ)は限定しないが、0.2kg以上3.5kg以下のものであることが望ましい。
青パパイヤには前述のとおりパパイン酵素が含まれており、青パパイヤが熟すとそのパパイン酵素が含まれなくなることから、青パパイヤであることが必要である。
この青パパイヤに含まれるパパイン酵素が排水に含まれる有害な化学物質であるNMPを分解するように作用する。
【0006】
また、第2の発明である排水処理剤の製造方法は、青パパイヤの表皮、果肉、種、葉、茎又は根のうち少なくとも1つを切断又は粉砕して液汁を採取する採取工程と、前記液汁のpH(水素イオン濃度)を2~9に調整し、温度を10℃~50℃に保温する保持工程と、を有することを特徴とするものである。
【0007】
第3の発明である排水処理方法は、第1の発明の排水処理剤を用いてNMPを含む排水を処理することを特徴とするものである。
【0008】
第4の発明である排水処理剤は、納豆の水溶性成分を主剤とすることを特徴とするものである。
納豆は、市販のものや自作のものに限らず使用することが可能であるが、市販のものの方が品質が安定しており入手が容易で管理も容易であるので、好適に使用することができる。
この納豆の水溶性成分に含まれる納豆由来の納豆菌が排水に含まれる有害な化学物質であるNMPを分解するように作用する。
【0009】
第5の発明である排水処理剤の製造方法は、納豆と水を混合し固形の大豆を除去して水溶性成分を抽出する抽出工程と、前記水溶性成分のpHを2~9に調整し、温度を10℃~50℃に保温する保持工程と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
第6の発明である排水処理方法は、第4の発明の排水処理剤を用いてNMPを含む排水を処理することを特徴とするものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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