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公開番号2025019951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123883
出願日2023-07-28
発明の名称発酵食品組成物の製造方法
出願人国立大学法人神戸大学,マルトモ株式会社
代理人個人,個人
主分類A23L 5/00 20160101AFI20250131BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】産業廃棄物である鰹節抽出残渣の有効な活用方法を提供する。
【解決手段】魚節からだしを抽出する工程と、魚節とだしとの混合物から魚節抽出残渣を分離する工程と、魚節抽出残渣を好乾性Aspergillus属に属する糸状菌を用いて発酵させる工程を含む。加えて魚節抽出残渣に対しタンパク質分解酵素を作用させる工程が含まれてもよく、前記タンパク質分解酵素は、好乾性Aspergillus属に属する糸状菌由来のエンド型ペプチダーゼおよびエキソ型ペプチダーゼの少なくとも一方であることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
魚節からだしを抽出する工程と、
魚節とだしとの混合物から魚節抽出残渣を分離する工程と、
魚節抽出残渣を好乾性Aspergillus属に属する糸状菌を用いて発酵させる工程を含むことを特徴とする、発酵食品組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
魚節抽出残渣に対しタンパク質分解酵素を作用させる工程を含み、
前記タンパク質分解酵素が、好乾性Aspergillus属に属する糸状菌由来のエンド型ペプチダーゼおよびエキソ型ペプチダーゼの少なくとも一方である、請求項1に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項3】
魚節抽出残渣に対しタンパク質分解酵素を作用させる工程を含み、
前記タンパク質分解酵素が、好乾性Aspergillus属に属する糸状菌由来のエンド型ペプチダーゼを含み、
前記エンド型ペプチダーゼが、二種のセリンプロテアーゼである、請求項2に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項4】
魚節抽出残渣に対しタンパク質分解酵素を作用させる工程を含み、
前記タンパク質分解酵素が、好乾性Aspergillus属に属する糸状菌由来のエキソ型ペプチダーゼを含み、
前記エキソ型ペプチダーゼが、アミノペプチダーゼである、請求項2に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項5】
好乾性Aspergillus属に属する糸状菌が、セリンプロテアーゼおよびアミノペプチダーゼの少なくとも一方によるタンパク質分解酵素活性を基準として、0.3 unit/培養物(g)以上である、請求項1に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項6】
好乾性Aspergillus属に属する糸状菌を用いる発酵期間が、1から3週間の範囲である、請求項1に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項7】
好乾性Aspergillus属に属する糸状菌が、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受託番号NITE AP-02122菌株として寄託されているAspergillus glaucus MA0196である、請求項1に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項8】
発酵食品組成物の製造方法が、ラジカル消去活性用発酵食品組成物、抗酸化活性用発酵食品組成物、アンジオテンシン変換酵素阻害活性用発酵食品組成物および乳酸菌生育促進用発酵食品組成物よりなる群から選ばれる少なくとも一つの用途の発酵食品組成物を対象とする製造方法を含む、請求項1に記載の発酵食品組成物の製造方法。
【請求項9】
魚節からだしを抽出する工程と、
魚節とだしとの混合物から魚節抽出残渣を分離する工程と、
魚節抽出残渣を好乾性Aspergillus属に属する糸状菌を用いて発酵させる工程を含むことを特徴とする、
発酵食品組成物の味覚向上方法、発酵食品組成物のラジカル消去活性向上方法、発酵食品組成物の抗酸化活性向上方法、アンジオテンシン変換酵素阻害活性向上方法および乳酸菌生育促進性向上方法よりなる群から選ばれる少なくとも一つの向上方法を含む、発酵食品組成物の品質向上方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵食品組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
鰹節等の魚節は昆布、煮干しやしいたけなどと同じく伝統的な和食料理のための基本調味料である。例えば、魚節の一つである鰹節の削り節等から抽出されるだしは、吸い物、味噌汁、煮物、めんつゆ等に利用される。
【0003】
鰹節の削り節等から水可溶性成分を抽出し、得られた液体のだしから液体調味料や粉末だしを製造する工程では、大量の鰹節抽出残渣が食品製造副産物として生じる。これらの食品製造副産物は、通常は産業廃棄物として廃棄される。
近年、食品製造副産物、余剰食品、調理残渣や農場残渣などは、飼料自給率向上や食品リサイクルの観点から、サイレージ化や液化が推進されている(農林水産省 畜産局飼料課 令和4年9月 エコフィードをめぐる情勢より)。
【0004】
鰹節抽出残渣はタンパク質と水が主成分であり、既存の飼料と混合利用等で肥育効果などが明らかとなれば、飼料化は促進される。例えば、先行技術として同抽出残渣をアイガモの自給飼料としての活用が検討されている(非特許文献1)。
これまで同抽出残渣を含め食品製造副産物に分類されるもの(例えば、おから、醤油・酒粕、大豆油粕、米糠、ふすま等)についての飼料化への試みは多数あり、同抽出残渣の成分に特化した有効利用法の開発が望ましい。
例えば、同抽出残渣の加工により、種々の生理活性を発揮する多機能な食品素材・保健機能食品やファインケミカルとしての活用が想定される。
【0005】
タンパク質を主成分とする鰹節抽出残渣を活用する方法としては、例えば加水分解による液化方法が挙げられる。この液化方法に関連して、これまで提案されている先行技術として、塩酸による酸加水分解法(非特許文献2)、市販のプロテアーゼを用いた酵素加水分解法(特許文献1)等が知られている。
これらの方法によれば処理時間を短縮できるが、分解が進みすぎると風味の劣化や着色の原因になる。
例えば、タンパク質を主成分とする卵殻膜タンパク質の分解において、酸やアルカリ処理では、茶褐色の着色やアミノ酸のさらなる分解による異臭発生の問題が指摘されている(特許文献2)。
よって、うま味やこく味などが増強されたアミノ酸溶液がうまく製造できなければ、活用法は前記の家畜飼料等に限定される恐れがある。
一方、市販のプロテアーゼを用いた酵素による加水分解のみで液化を期待すると、製造コストが膨大となることが容易に予想される。
【0006】
また先行技術として、アルコール・味噌・醤油醸造に用いられるAspergillus属麹菌をプロテアーゼの供給源とした分解法が知られている。
例えば、鰹節抽出残渣-醤油麹-エタノールからなるもろみからの調味料製造方法(特許文献3)、固体麹または麹菌による鰹節抽出残渣の分解による調味料素材の製造方法(特許文献4および特許文献5)、麹菌と市販の酵素製剤を組み合わせた鰹節抽出残渣の液化方法(非特許文献3)が挙げられる。
いずれも食経験のある麹菌を用いていることから安全性に配慮された方法であるが、Aspergillus属糸状菌を別途培養した麹を製造する必要や麹菌の分泌生産するタンパク質分解酵素群のいずれが鰹節抽出残渣のタンパク質効率よく働くか明らかではなく、製造製品の品質を維持することや最適化が難しい。
また、麹を添加していることから、鰹節抽出残渣を主体とする組成物とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平01-300872
特開2016-152816
特開2001-149033
特開2005-080627
特開2011-36206
【非特許文献】
【0008】
農生技管誌 25(4) 93-97 (2019)
日本水産学会誌 86(3) 196-203 (2020)
山口県産業技術センター 技術研究報告 24 18-20 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、食品製造副産物である魚節抽出残渣を用いて微生物による発酵を行い、発酵食品組成物とし、全量を無駄なく食品素材として利用できる製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微生物発酵を行うことで味覚が向上した発酵食品組成物を製造でき、さらには、種々の生理活性も有する付加価値のある発酵食品組成物を製造できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、魚節抽出残渣の発酵について検討を重ねた結果、タンパク質分解酵素分泌量が高い好乾性Aspergillus属に属する糸状菌を用いた発酵を含む場合に、うま味等の呈味性や種々の生理活性を示す可溶性アミノ酸やペプチドを含む発酵物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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