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公開番号
2025064225
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2023173810
出願日
2023-10-05
発明の名称
抗SARS-CoV-2抗体、及びそれを含む検査キット
出願人
国立大学法人神戸大学
,
一般財団法人阪大微生物病研究会
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
C12N
15/13 20060101AFI20250410BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】SARS-CoV-2の検査に適した抗SARS-CoV-2抗体、及びそれを含む検査キットを提供すること。
【解決手段】SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、重鎖可変領域が、特定のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、CDRH2領域、及びCDRH3領域、を含み、軽鎖可変領域が、特定のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、CDRL2領域、及びCDRL3領域、を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
続きを表示(約 2,900 文字)
【請求項2】
前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、請求項1に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項3】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号17に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号18に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号19に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号20に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項4】
前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号14に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号14に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、請求項3に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項5】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号28に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号29に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号30に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項6】
前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、請求項5に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項7】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号35に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号36に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号37に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号38に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号39に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号40に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項8】
前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号32に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号34に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、請求項7に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項9】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号45に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号46に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号47に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号48に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号49に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号50に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項10】
前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号42に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号44に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号44に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、請求項9に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗SARS-CoV-2抗体、及びそれを含む検査キットに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
新しく同定されたウイルスによる新興感染症は、ウイルスや症状が十分に明らかにされていないことから診断および治療が困難であることが多い。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が引き起こす感染症COVID-19についても、中国武漢でのアウトブレイクから、瞬く間にパンデミックへと拡大した。SARS-CoV-2は、ウイルス粒子表面のスパイクタンパク質(「Spike Protein」又は「Spike」と表記する場合がある。)がヒト細胞表面のACE2をウイルス受容体として結合し、細胞内に侵入し細胞を破壊することにより、発熱、空咳、倦怠感などの症状を引き起こし、重篤な場合には肺炎を引き起こし死亡する場合もある。また、回復した場合でも一定頻度で後遺症が生じ、その後の社会活動にも多くの制約が加わることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/158497号
特開2022-022607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SARS-CoV-2感染症の拡大を防止する観点から、検査キット、治療薬の開発が進められている。SARS-CoV-2の検査法としては、分離培養検査、遺伝子検査(PCR法)、抗原検査(発光法、簡易法)などが知られている。分離培養検査法、遺伝子検査法(PCR法)及び抗原検査(発光法)は、(1)特殊な検査室又は検査機器が必要である、(2)検査の手法が煩雑である、(3)検査結果を得るまでに時間がかかる等の特徴を有している。一方、抗原検査法(簡易法)は、特殊な検査室等が不要であり、簡便性に優れている。
【0005】
しかしながら、簡易法に用いられている抗体が、ヌクレオカプシドに対するマウスモノクロナール抗体であるため検出感度が低いという課題があった(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、SARS-CoV-2の検査に適した抗SARS-CoV-2抗体、及びそれを含む検査キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、所定のアミノ酸配列を有するヒトモノクローナル抗体が、SARS-CoV-2の検査に適した抗体であることを見いだし本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、以下に例示される項目に関する。
[1] SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号9に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
[2] 前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、[1]に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【0009】
[3] SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号15に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号16に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号17に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号18に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号19に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号20に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
[4] 前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号14に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号14に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、[3]に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
【0010】
[5] SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合する抗SARS-CoV-2抗体であって、
重鎖可変領域が、
配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるCDRH1領域、
配列番号26に記載のアミノ酸配列からなるCDRH2領域、及び
配列番号27に記載のアミノ酸配列からなるCDRH3領域、
を含み、
軽鎖可変領域が、
配列番号28に記載のアミノ酸配列からなるCDRL1領域、
配列番号29に記載のアミノ酸配列からなるCDRL2領域、及び
配列番号30に記載のアミノ酸配列からなるCDRL3領域、
を含む、抗SARS-CoV-2抗体。
[6] 前記重鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号22に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
であり、
前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列が、
配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、90%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は、
配列番号24に記載のアミノ酸配列に対して、1又は数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列、
である、[5]に記載の抗SARS-CoV-2抗体。
(【0011】以降は省略されています)
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