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公開番号2025133236
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031058
出願日2024-03-01
発明の名称イオン液体中の着色成分の除去
出願人国立大学法人神戸大学,株式会社ダイセル
代理人園田・小林弁理士法人
主分類B01D 61/02 20060101AFI20250904BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】イオン液体中の着色成分を除去し、イオン液体を含む液体を効果的に回収するための方法を提供する。
【解決手段】イオン液体及び着色成分を含む着色液体から、イオン液体を含む液体を回収するための方法であって、前記着色液体をナノろ過膜又は逆浸透膜に供することにより、イオン液体を含む前記液体と、前記着色成分とを分離することを含む、方法が開示される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
イオン液体及び着色成分を含む着色液体から、イオン液体を含む液体を回収するための方法であって、前記着色液体をナノろ過膜又は逆浸透膜に供することにより、イオン液体を含む前記液体と、前記着色成分とを分離することを含む、方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜の塩阻止率が、95%以上であり、
前記塩阻止率が、
数式1:塩阻止率(%)=(1-C
fill
/C
feed
)×100
[数式1において、C
feed
は、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜にNaCl水溶液を通液する際に、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜に供給されるNaCl水溶液中のNaCl濃度であり、C
fill
は、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜にNaCl水溶液を通液した際に、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜から排出されるNaCl水溶液中のNaCl濃度である]
により算出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜の透水係数が、1.0L/m

/h/bar未満であり、ここで、前記透水係数は、1600ppm NaCl水溶液が前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜を透過する際の、単位時間(h)、単位膜面積(m

)、単位圧力(bar)あたりの透過速度として定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記着色液体が、前記着色液体の総重量に対し、30重量%以上のメタノールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜の塩阻止率が、85%以上であり、
前記塩阻止率が、
数式1:塩阻止率(%)=(1-C
fill
/C
feed
)×100
[数式1において、C
feed
は、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜にNaCl水溶液を通液した際に、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜に供給されるNaCl水溶液中のNaCl濃度であり、C
fill
は、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜にNaCl水溶液を通液した際に、前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜から排出されるNaCl水溶液中のNaCl濃度である]
により算出される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜の透水係数が、8.0L/m

/h/bar未満であり、ここで、前記透水係数は、1600ppm NaCl水溶液が前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜を透過する際の、単位時間(h)、単位膜面積(m

)、単位圧力(bar)あたりの透過速度として定義される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜が、ポリアミド樹脂を含む活性層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記イオン液体が、カチオン成分として、イミダゾリウムカチオン又は四級アンモニウムカチオンを含み、アニオン成分としてカルボン酸アニオンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記イオン液体が、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート(EmimOAc)、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムアセテート(EDmimOAc)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ナノろ過膜又は前記逆浸透膜による着色除去率が、30%以上である、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、イオン液体中の着色成分を除去する方法に関する。また、本開示は、イオン液体及び着色成分を含む着色液体から、イオン液体を含む液体と、着色成分とを分離し、イオン液体を含む液体を回収するための方法に関する。また、本開示は、該方法を含むセルロースエステルの製造方法にも関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
酢酸セルロースなどのセルロースエステルを合成するための溶媒として、イオン液体を含む液体が使用されている。イオン液体はセルロースに対する溶解性が高く、セルロースエステルを均一に合成させることが可能である。イオン液体を含む液体は、共溶媒を含んでいてもよい。共溶媒は、液体の粘度を下げ、また、イオン液体の使用量を削減することができる。
【0003】
イオン液体は高価であるため、工業的規模でセルロースエステルを合成するには、合成に用いたイオン液体及を含む液体を次の合成に再使用することにより、イオン液体をリサイクルすることが望ましい。
イオン液体を含む液体中で合成されたセルロースエステルは、析出させ、固液分離をすることにより、固相から回収することができる。一方、液相のイオン液体を含む液体には、合成中及び合成後の処理により生じた不純物が含まれる。このような不純物としては、セルロース由来不純物(例えば、未反応のセルロース、置換度が低いセルロースエステル、分子量が比較的小さいセルロースエステルなど)や、合成後の液体を蒸留などの工程において加熱することに生じる着色成分が含まれる。このような不純物を取り除くことは、イオン液体をリサイクルする上で、重要である。
【0004】
不純物を除去し、イオン液体をリサイクルする方法として、例えば、特許文献1では、抽出法により不純物を除去する方法が開示されている。特許文献2では、再結晶法により不純物を除去する方法が開示されている。特許文献3では、イオン交換膜を用いて不純物を除去する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-177324号公報
特開2012-144441号公報
特開2015-96255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イオン液体を含む液体を反応溶媒としてセルロースエステルを合成する場合、合成後の反応溶媒には、通常、セルロースをエステル化させるために添加された有機酸無水物由来の有機酸や、セルロースエステルを析出させるために添加された貧溶媒が、含まれる。したがって、セルロースエステルの製造プロセスにおいてイオン液体をリサイクルするには、イオン液体を含む液体を次の合成において再使用する前に、前の合成で混入した有機酸や貧溶媒を十分に除去する必要がある。
イオン液体を含む液体に混入した有機酸や貧溶媒は、蒸留により効果的に除去することができる。しかしながら、このような蒸留を行うためにイオン液体を含む液体を加熱すると、該液体中に着色成分が生じる。このような着色成分を含むイオン液体を含む液体をセルロースエステルの製造に使用すると、例えば合成するセルロースエステルが着色するなどの好ましくない影響が生じ、良好な品質を有するセルロースエステルを合成することが困難になる。
本開示は、これらの事情に鑑み、イオン液体及び着色成分を含む液体から着色成分を効果的に除去することにより、イオン液体を効果的に回収する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、例えば、イオン液体及び着色成分を含む着色液体から、イオン液体を含む液体を回収するための方法であって、前記着色液体をナノろ過膜又は前記逆浸透膜に供することにより、イオン液体を含む前記液体と、前記着色成分とを分離することを含む、方法が開示される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、イオン液体及び着色成分を含む液体から着色成分を効果的に除去することが可能であり、これにより、イオン液体を効果的に回収し、再使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例2のナノろ過膜に供給した、イオン液体及び着色成分を含む供給液、並びに該ナノろ過膜を透過した透過液の紫外/可視光スペクトルを示す。
図2は、実施例7で用いた限外ろ過膜の耐溶剤性試験における、(1)破断強度の経時変化、(2)破断伸度の経時変化、及び(3)弾性率の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明するが、本開示の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。また、本開示に記載されている数値範囲の下限値及び/又は上限値は、その数値範囲内の数値であって、実施例で示されている数値に置き換えてもよい。数値範囲を示す「X~Y」との表現は、「X以上Y以下」であることを意味している。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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