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公開番号
2025129399
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-04
出願番号
2025114665,2023029982
出願日
2025-07-07,2018-05-14
発明の名称
二本鎖DNA合成方法
出願人
国立大学法人神戸大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/10 20060101AFI20250828BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、PCR法を用いた二本鎖DNA断片の合成方法において、目的とする二本鎖DNA断片を、その配列によらず、正確に、容易に、効率よく、且つ迅速に合成できる方法を開発することを目的とする。
【解決手段】本発明は、短い二本鎖DNAを、オーバーラップエクステンションPCRにより連結して目的の二本鎖DNA断片を取得する、二本鎖DNA合成方法であって、上記オーバーラップエクステンションPCRのPCRサイクルにおいて、複数段階のアニーリング温度設定を有することを特徴とする、二本鎖DNA合成方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
図面に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の二本鎖DNA合成方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
遺伝子工学の分野において新規の配列を有する長鎖のDNAを構築するためのDNA合成は種々の目的のために行われている。この長鎖のDNAを合成するための方法は、大きく分けて2つの工程からなる。第一の工程は、多数の一本鎖オリゴDNAから二本鎖DNA断片を合成する工程である。第二の工程は、第一の工程にて得られた二本鎖DNA断片を多数集積して長鎖のDNAを構築する工程である。この長鎖のDNAの構築方法としては、酵母集積法(非特許文献1参照)、Gibson assenbly法(非特許文献2参照)、Golden gate法(非特許文献3参照)、LCR法(非特許文献4参照)、OGAB法(非特許文献5参照)等が知られている。
【0003】
上記二本鎖DNA断片の合成方法としては、例えばPCR反応溶液中で多数の相同領域を含む一本鎖オリゴDNA同士を同時に貼り合わせ、アセンブルすることで、二本鎖DNA断片を合成する方法がいくつか知られている(特許文献1、非特許文献6~8参照)。これらの方法では、多数の一本鎖オリゴDNAがひとつのPCR反応溶液に混在しているため、PCR反応によってこれらの一本鎖オリゴDNAを貼り合わせるとき、一本鎖オリゴDNA同士のミスマッチ、プライマーダイマーの形成等が起こるという不都合な事態を招く。上記理由のため、これらの合成方法では、合成しようとするいかなるDNA配列に対しても二本鎖DNA断片を合成できるとは必ずしも限らない。特に、合成しようとする目的のDNA配列が、長い反復配列、連続した同一塩基配列等を含む複雑なDNA配列であると、合成が困難或いは不可能な場合もある。
【0004】
また、これらの合成方法では、目的のDNA配列を有する二本鎖DNAを合成するために、その出発材料となる一本鎖オリゴDNAを設計しなければならない。これら一本鎖オリゴDNAの設計の際には、PCR反応のアニーリング温度の設定のため、多数の一本鎖オリゴDNAを貼り合わせるための相同領域の長さを調節しなければならない。加えて、合成工程での一本鎖オリゴDNAのヘアピン形成等を防ぐため、各一本鎖オリゴDNAの長さ、数及びGC含有量の構成等を調節する必要がある。即ち、これまでの合成方法においては、合成しようとする目的のDNA配列の一本鎖オリゴDNAの設計が複雑であること、数個~数100個単位の多数の二本鎖DNA断片を合成しようとしても、それらのDNA配列ごとに一本鎖オリゴDNAを設計しなければならないことから、一本鎖オリゴDNAの設計に時間と手間がかかるという不都合が生じる。
【0005】
上記第二の工程である長鎖のDNAの合成においては、上記第一の工程で得られた多数の二本鎖DNA断片を集積材料として用いる。上記第二の工程で長鎖のDNAの合成において二本鎖DNA断片を集積する際には、その二本鎖DNA断片がひとつでも欠けてしまうと、目的とする長鎖のDNAを合成することが不可能となる。しかし、これまでの二本鎖DNA断片の合成方法では、数個~数100個単位の多数の二本鎖DNA断片を合成するまでに時間と手間がかかるという不都合が生じること、合成しようとする目的のDNA配列の複雑性によっては、合成が困難或いは不可能であることから、集積材料となる全ての二本鎖DNA断片を速やかに取得することが困難な状況である。即ち、これまでの二本鎖DNA断片の合成方法では、長鎖のDNAの合成のための集積材料となる二本鎖DNA断片を速やかに供給することができず、ボトルネックとなっているのが実情である。故に、これまでの合成方法に代わる、二本鎖DNA断片の合成を効率よく迅速に合成できる新たな方法が強く求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許公開20080182296号
【非特許文献】
【0007】
Gibson, D. G., et al. Science, 5867, 1215-1220.,2008
Gibson, D. G., et al. Nat. Methods, 6, 343-345.,2009
Engler, C., et al. PLoS ONE, 4, e5553.,2009
Stefan de Kok, S., et al. ACS Synth. Biol., 3, 97-106.,2014
Tsuge, K., et al. Nucleic Acids Res., 31, e133., 2003、Tsuge, K., et al. Sci. Rep., 5, 10655., 2015
Stemmer, W. P., et al. Gene, 164, 49-53.,1995
Xiong, A., et al. Nat. protoc., 1, 791.,2006
Xiong, A. S., et al. Nucleic Acids Res., 32, e98-e98.,2004
Prodromou, C., and Pearl, L. H. Protein Eng. Des. Sel., 5, 827-829.,1992
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況の中、本発明者らは、上述の不都合を解決し、長鎖DNA合成のための集積材料として使用できる二本鎖DNA断片を正確に、容易に、効率よく、且つ迅速に合成できる方法を開発することを目的として本研究を進めた。即ち、本発明は、PCR法を用いた二本鎖DNA断片の合成方法において、目的とする二本鎖DNA断片を、その配列によらず、正確に、容易に、効率よく、且つ迅速に合成できる方法を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、短い二本鎖DNAを、オーバーラップエクステンションPCRにより連結して目的の二本鎖DNA断片を取得する二本鎖DNA合成方法において、PCRサイクルのアニーリング温度設定を多段階とすることで、目的とする二本鎖DNA断片を正確に、容易に、効率よく、且つ迅速に合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0010】
[1]短い二本鎖DNAを、オーバーラップエクステンションPCRにより連結して目的の二本鎖DNA断片を取得する、二本鎖DNA合成方法であって、
上記オーバーラップエクステンションPCRのPCRサイクルにおいて、複数段階のアニーリング温度設定を有することを特徴とする、二本鎖DNA合成方法。
[2]上記アニーリング温度設定が、2段階~20段階である、[1]に記載の二本鎖DNA合成方法。
[3]上記アニーリング温度設定が、65℃~85℃である、[1]又は[2]に記載の二本鎖DNA合成方法。
[4]上記アニーリング温度設定の各段階における温度保持時間が、10秒~2分である、[1]から[3]のいずれかに記載の二本鎖DNA合成方法。
[5]上記オーバーラップエクステンションPCRにおけるDNAのオーバーラップ領域が10塩基~40塩基である、[1]から[4]のいずれかに記載の二本鎖DNA合成方法。
[6]上記オーバーラップエクステンションPCRにおいて、3種~20種の短い二本鎖DNAが連結される、[1]から[5]のいずれかに記載の二本鎖DNA合成方法。
[7]上記オーバーラップエクステンションPCRにおいて用いられる短い二本鎖DNAが、プライマーエクステンションPCRにより合成される、[1]から[6]のいずかに記載の二本鎖DNA合成方法。
[8]上記プライマーエクステンションPCRのPCRサイクルにおいて、複数段階のアニーリング温度設定を有する、[7]に記載の二本鎖DNA合成方法。
[9]上記プライマーエクステンションPCRにより合成される短い二本鎖DNAのサイズが、100塩基~300塩基である、[7]又は[8]に記載の二本鎖DNA合成方法。
[10]二本鎖DNA合成方法であって、
プライマーエクステンションPCRにより短い二本鎖DNAを合成するプライマーエクステンションPCR工程、及び
オーバーラップエクステンションPCRにより、上記プライマーエクステンションPCR工程において合成された二本鎖DNAを連結して目的の二本鎖DNA断片を合成するオーバーラップエクステンションPCR工程
を含み、上記オーバーラップエクステンションPCRのPCRサイクルにおいて、複数段階のアニーリング温度設定を有することを特徴とする、二本鎖DNA合成方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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