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公開番号
2025123675
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019278
出願日
2024-02-13
発明の名称
微細藻類培養方法及び油脂製造方法
出願人
国立大学法人神戸大学
,
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/12 20060101AFI20250818BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】藻類を用いた油脂製造のための技術の提供。
【解決手段】窒素充足条件下で油脂産生能を示し、培地中の窒素濃度が17 mg/L以上に維持される条件下での培養で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、微細藻類を提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
窒素充足条件下で油脂産生能を示し、
培地中の窒素濃度が17 mg/L以上に維持される条件下で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、微細藻類の培養方法。
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【請求項2】
培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下での培養で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項3】
培地中の窒素濃度が17mg/L以上に維持される条件下で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項4】
培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下での培養で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、請求項3に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項5】
ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する株を利用することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項6】
ナンノクロロプシス・ガジタナ(Nannochloropsis gaditana)に属する株を利用することを特徴とする、請求項5に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項7】
以下のいずれかの株であるか、又はそれらの株のとの間で98%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる18SrDNA配列を有しかつ窒素充足条件下で油脂産生能を示す株を利用することを特徴とする、請求項6に記載の微細藻類の培養方法。
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNa1株(受託番号:FERM BP-22470)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNb1株(受託番号:FERM BP-22471)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNc1株(受託番号:FERM BP-22472)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNd1株(受託番号:FERM BP-22473)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNe1株(受託番号:FERM BP-22474)
【請求項8】
微細藻類を培養する工程と、該微細藻類から油脂を抽出する工程とを含む油脂の製造方法であって、
前記微細藻類が、窒素充足条件下で油脂産生能を示し、培地中の窒素濃度が17 mg/L以上に維持される条件下での培養で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得るものであり、
前記培養が、培地中の窒素濃度が17mg/L以上に維持される条件で行われる、製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、微細藻類培養方法及び油脂製造方法に関する。より詳しくは、窒素充足条件下で油脂産生能を示す微細藻類等に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
藻類は、栄養欠乏や強光などのストレス条件下で油脂を蓄積する。藻類を用いて油脂を製造する方法として、窒素を含有している培養液を用いて藻類を培養し増殖させた後、培養液を窒素を含有しないものに交換して細胞を窒素飢餓状態とすることによって、藻類の油脂産生を誘導する方法がある。
【0003】
特許文献1には、藻類をリジンデアセチラーゼ阻害剤(KDAC阻害剤)で処理し、細胞内タンパク質のアセチル化度を亢進させる工程を含む、藻類油脂の製造方法が開示されている。この方法によれば、培養液中に栄養が十分に存在していてもKDAC阻害剤を添加するだけで細胞の油脂蓄積を誘導できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-153369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、藻類を用いた油脂製造のための技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題解決のため、本開示は、以下の[1]-[14]を提供する。
[1] 窒素充足条件下で油脂産生能を示し、
培地中の窒素濃度が17mg/L以上に維持される条件下で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、微細藻類の培養方法。
[2] 培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、[1]の微細藻類の培養方法。
[3] 培地中の窒素濃度が17mg/L以上に維持される条件下で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、[1]又は[2]の微細藻類の培養方法。
[4] 培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下での培養で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、[1]-[3]のいずれかの微細藻類の培養方法。
[5] ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する藻類を利用することを特徴とする、[1]-[4]のいずれかの微細藻類の培養方法。
[6] ナンノクロロプシス・ガジタナ(Nannochloropsis gaditana)に属する藻類を利用することを特徴とする、[1]-[5]のいずれかの微細藻類の培養方法。
[7] 以下のいずれかの株であるか、又はそれらの株のとの間で98%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる18SrDNA配列を有しかつ窒素充足条件下で油脂産生能を示す藻類を利用することを特徴とする、[1]-[6]のいずれかの微細藻類の培養方法。
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNa1株(受託番号:FERM BP-22470)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNb1株(受託番号:FERM BP-22471)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNc1株(受託番号:FERM BP-22472)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNd1株(受託番号:FERM BP-22473)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNe1株(受託番号:FERM BP-22474)
【0007】
[8] 微細藻類を培養する工程と、該微細藻類から油脂を抽出する工程とを含む油脂の製造方法であって、
前記微細藻類が、窒素充足条件下で油脂産生能を示し、培地中の窒素濃度が17 mg/L以上に維持される条件下での培養で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得るものであり、
前記培養が、培地中の窒素濃度が17 mg/L以上に維持される条件で行われる、製造方法。
[9] 前記微細藻類が、培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下での培養で、乾燥藻体重量当たりの油脂含有率20%以上を呈し得る、[8]の製造方法。
[10] 前記微細藻類が、培地中の窒素濃度が17mg/L以上に維持される条件下での培養で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、[8]又は[9]の製造方法。
[11] 前記微細藻類が、培地中の窒素濃度が197mg/L以上に維持される条件下での培養で、油脂生産速度(mg/L/day)100以上を呈し得る、[8]-[10]のいずれかの製造方法。
[12] 前記微細藻類が、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する、[8]-[11]のいずれかの製造方法。
[13] 前記微細藻類が、ナンノクロロプシス・ガジタナ(Nannochloropsis gaditana)に属する、[8]-[12]のいずれかの製造方法。
[14] 前記微細藻類が、以下のいずれかの株であるか、又はそれらの株のとの間で98%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる18SrDNA配列を有しかつ窒素充足条件下で油脂産生能を示す、[8]-[13]のいずれかの製造方法。
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNa1株(受託番号:FERM BP-22470)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNb1株(受託番号:FERM BP-22471)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNc1株(受託番号:FERM BP-22472)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNd1株(受託番号:FERM BP-22473)
ナンノクロロプシス・ガジタナMCNe1株(受託番号:FERM BP-22474)
【発明の効果】
【0008】
本開示により、藻類を用いた油脂製造のための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
微細藻類(MCNa1株)の、培養開始時の硝酸ナトリウム濃度を振って培養した際の培養液上清中に含まれる硝酸ナトリウム濃度(mg/L)推移を示す。
微細藻類(MCNa1株)の、培養開始時の硝酸ナトリウム濃度を振って培養した際の培養液容積当たりのバイオマス量(mg/L)推移を示す。
微細藻類(MCNa1株)の、培養開始時の硝酸ナトリウム濃度を振って培養した際の乾燥藻体重量当たりの油脂含有率(%)推移を示す。
微細藻類(MCNa1株)の、培養開始時の硝酸ナトリウム濃度を振って培養した際の培養液容積当たりの油脂生産量(mg/L)推移を示す。
微細藻類(MCNa1株)の、培養開始時の硝酸ナトリウム濃度を振って培養した際の培養0日目から各サンプリング日までの油脂生産速度(mg/L/day)を示す。
微細藻類(MCNa1株)の、硝酸ナトリウム濃度2000mg/Lで培養した細胞の電子顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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