TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025031375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137558
出願日2023-08-25
発明の名称二酸化炭素回収方法及び二酸化炭素回収装置
出願人国立大学法人神戸大学
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 53/22 20060101AFI20250228BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】CO2を低濃度(具体的には、100~10000ppm程度)で含む原料ガスから効率的にCO2を回収する、新規なCO2回収方法を提供する。
【解決手段】CO2選択透過膜を用いて、原料ガスからCO2を回収する方法であって、原料ガスを、第1のCO2選択透過膜に接触させて、第1の透過ガスを取得する工程1と、第1の透過ガスを、第2のCO2選択透過膜に接触させて、第2の透過ガスを取得する工程2と、を備え、工程1において、原料ガスは、CO2濃度が100~10000ppm、水蒸気分率が1~10%であり、工程1において、第1のCO2選択透過膜により、第1の透過ガスの水蒸気分率を、原料ガスの水蒸気分率よりも高め、工程2において、第2のCO2選択透過膜は、促進輸送膜であり、工程2において、第2のCO2選択透過膜により、第2の透過ガスのCO2純度を、第1の透過ガスのCO2純度よりも高める、CO2回収方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
CO
2
選択透過膜を用いて、原料ガスからCO
2
を回収する方法であって、
前記原料ガスを、第1のCO
2
選択透過膜に接触させて、第1の透過ガスを取得する工程1と、
前記第1の透過ガスを、第2のCO
2
選択透過膜に接触させて、第2の透過ガスを取得する工程2と、
を備え、
前記工程1において、前記原料ガスは、CO
2
濃度が100~10000ppm、水蒸気分率が1~10%であり、
前記工程1において、前記第1のCO
2
選択透過膜により、前記第1の透過ガスの水蒸気分率を、前記原料ガスの水蒸気分率よりも高め、
前記工程2において、前記第2のCO
2
選択透過膜は、促進輸送膜であり、
前記工程2において、前記第2のCO
2
選択透過膜により、前記第2の透過ガスのCO
2
純度を、前記第1の透過ガスのCO
2
純度よりも高める、CO
2
回収方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記工程1及び工程2は、1~200℃の温度範囲で行われる、請求項1に記載のCO
2
回収方法。
【請求項3】
前記促進輸送膜の水蒸気透過係数が、500,000barrer以下である、請求項1又は2に記載のCO
2
回収方法。
【請求項4】
前記第1のCO
2
選択透過膜の表面積が5~100m
2
であり、前記第2のCO
2
選択透過膜の表面積が2~200m
2
である、請求項1又は2に記載のCO
2
回収方法。
【請求項5】
前記第2の透過ガスは、CO
2
純度が10%以上である、請求項1又は2に記載のCO
2
回収方法。
【請求項6】
原料ガスからCO
2
を回収するために用いられる、CO
2
回収装置であって、
前記原料ガスを接触させて第1の透過ガスを取得するための第1のCO
2
選択透過膜と、
前記第1の透過ガスを接触させて第2の透過ガスを取得するための第2のCO
2
選択透過膜と、
を備え、
前記第1のCO
2
選択透過膜により、前記第1の透過ガスの水蒸気分率が、前記原料ガス水蒸気分率よりも高められ、
前記第2のCO
2
選択透過膜は、促進輸送膜であり、
前記第2のCO
2
選択透過膜により、前記第2の透過ガスのCO
2
純度が、前記第1の透過ガスのCO
2
純度よりも高められる、CO
2
回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、CO
2
選択透過膜を用いた、CO
2
回収方法及びCO
2
回収装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大気中のCO
2
を直接回収する「DAC(Direct Air Capture)」という技術が、注目を集めている。日本においてもパリ協定に始まった2050年までの「ネットゼロ」達成に向けて、温室効果ガス排出削減策の一つとして活用が検討されている。
【0003】
大気中のCO
2
濃度は400ppm程であり、火力発電所の排ガス中のCO
2
濃度の1/100~1/300程度であることから、従来、大気からのCO
2
の回収は、化石燃料燃焼時の排ガス等からのCO
2
回収と比較して、より大きなエネルギーが必要とされてきた。
【0004】
また、大気中に400ppm程度しか存在しない低濃度のCO
2
を回収するためには、既存技術ではCO
2
を分離、回収するために加圧や加熱などの多大なエネルギーが必要である。効率的にCO
2
回収量を増加させるためには、スケールメリットを生かす他なく、大規模な施設が必要となる。
【0005】
人口密度が高くCO
2
排出量が多い都市部では、大規模なDAC施設を建設する場所が限られる。その為、CO
2
濃度が高い人口集中地域や工業地帯に設置可能な小型装置及び回収効率が高い技術の開発が求められている。そのようなコンパクトなCO
2
分離回収を実現し得ると期待される技術として、CO
2
分離膜(CO
2
選択透過膜)を用いた分離回収法が注目されている。
【0006】
CO
2
の選択透過性に優れたCO
2
分離膜として、例えば、ゴム状高分子膜、ガラス状高分子膜、促進輸送膜などの様々な高分子膜が開発されている。例えば、特許文献1には、促進輸送膜をガス分離膜に利用した、CO
2
回収方法が開示されている。促進輸送膜では、ガス分離膜としての促進輸送膜の一方の面に、水(水蒸気)とともに二酸化炭素を含有する混合ガスを供給し、ガス分離膜によりCO
2
をイオン化することで、二酸化炭素が選択的にガス分離膜を透過し、CO
2
が回収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012-192316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、CO
2
を低濃度(具体的には、100~10000ppm程度)で含む原料ガスから効率的にCO
2
を回収する、新規なCO
2
回収方法を提供することを主な目的とする。さらに、本開示は、当該CO
2
回収方法に好適に使用することができる、CO
2
回収装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、CO
2
選択透過膜を用いて、原料ガスからCO
2
を回収する方法において、原料ガスを、第1のCO
2
選択透過膜に接触させて、第1の透過ガスを取得する工程1と、第1の透過ガスを、第2のCO
2
選択透過膜に接触させて、第2の透過ガスを取得する工程2とを備え、工程1において、原料ガスは、CO
2
濃度が100~10000ppm、水蒸気分率が1~10%とし、工程1において、第1のCO
2
選択透過膜により、第1の透過ガスの水蒸気分率を、原料ガスの水蒸気分率よりも高め、工程2において、第2のCO
2
選択透過膜として、促進輸送膜を用い、工程2において、第2のCO
2
選択透過膜により、第2の透過ガスのCO
2
純度を、第1の透過ガスのCO
2
純度よりも高めることにより、CO
2
を低濃度で含む原料ガスから効率的にCO
2
を回収できることを見出した。
【0010】
本開示は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. CO
2
選択透過膜を用いて、原料ガスからCO
2
を回収する方法であって、
前記原料ガスを、第1のCO
2
選択透過膜に接触させて、第1の透過ガスを取得する工程1と、
前記第1の透過ガスを、第2のCO
2
選択透過膜に接触させて、第2の透過ガスを取得する工程2と、
を備え、
前記工程1において、前記原料ガスは、CO
2
濃度が100~10000ppm、水蒸気分率が1~10%であり、
前記工程1において、前記第1のCO
2
選択透過膜により、前記第1の透過ガスの水蒸気分率を、前記原料ガスの水蒸気分率よりも高め、
前記工程2において、前記第2のCO
2
選択透過膜は、促進輸送膜であり、
前記工程2において、前記第2のCO
2
選択透過膜により、前記第2の透過ガスのCO
2
純度を、前記第1の透過ガスのCO
2
純度よりも高める、CO
2
回収方法。
項2. 前記工程1及び工程2は、1~200℃の温度範囲で行われる、項1に記載のCO
2
回収方法。
項3. 前記促進輸送膜の水蒸気透過係数が、500,000barrer以下である、項1又は2に記載のCO
2
回収方法。
項4. 前記第1のCO
2
選択透過膜の表面積が5~100m
2
であり、前記第2のCO
2
選択透過膜の表面積が2~200m
2
である、項1~3のいずれか1項に記載のCO
2
回収方法。
項5. 前記第2の透過ガスは、CO
2
純度が10%以上である、項1~4のいずれか1項に記載のCO
2
回収方法。
項6. 原料ガスからCO
2
を回収するために用いられる、CO
2
回収装置であって、
前記原料ガスを接触させて第1の透過ガスを取得するための第1のCO
2
選択透過膜と、
前記第1の透過ガスを接触させて第2の透過ガスを取得するための第2のCO
2
選択透過膜と、
を備え、
前記第1のCO
2
選択透過膜により、前記第1の透過ガスの水蒸気分率が、前記原料ガス水蒸気分率よりも高められ、
前記第2のCO
2
選択透過膜は、促進輸送膜であり、
前記第2のCO
2
選択透過膜により、前記第2の透過ガスのCO
2
純度が、前記第1の透過ガスのCO
2
純度よりも高められる、CO
2
回収装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

国立大学法人神戸大学
糖鎖を有する重合体
2か月前
国立大学法人神戸大学
高効率な酵母遺伝子系
13日前
株式会社カネカ
結晶化促進剤
12日前
株式会社カネカ
耐衝撃性改良剤
2か月前
国立大学法人神戸大学
埋設管の埋設構造及び埋設管の埋設工法
2か月前
花王株式会社
3-ヒドロキシ安息香酸類の製造方法
2か月前
国立大学法人神戸大学
単相ダイレクトAC-ACコンバータとその電力制御方法
1か月前
住友ベークライト株式会社
冷凍生肉用真空包装体の製造方法
1か月前
株式会社ファーマフーズ
SARS-CoV-2変異株特異的認識抗体
2か月前
ENEOS株式会社
クレゾール又はベンズアルデヒドの製造方法、及び、触媒
2か月前
国立大学法人神戸大学
細胞の有する二本鎖DNAの標的部位を改変する方法
3日前
日本電信電話株式会社
学習装置、シミュレーション装置、学習方法、シミュレーション方法、及びプログラム
2か月前
国立大学法人神戸大学
潰瘍性大腸炎の検査方法および装置ならびに治療薬のスクリーニング方法
10日前
ダイキン工業株式会社
中空微粒子の製造方法、中空微粒子、相分離微粒子、水分散体及び組成物
2か月前
東ソー株式会社
捕捉剤
1か月前
株式会社近畿理研
吸引・収集装置
18日前
日本バイリーン株式会社
円筒型フィルター
18日前
株式会社石垣
フィルタープレスの運転方法
3日前
株式会社Tornada
気泡発生装置
17日前
個人
循環槽用フィルタ及び浄化システム
19日前
株式会社クレハ
流体処理装置
12日前
株式会社トクヤマ
有機スズ化合物を低減する方法
27日前
ユニチカ株式会社
フィルター材の製造方法
26日前
トヨタ自動車株式会社
混合ガスの均一化方法
17日前
東レ株式会社
除害装置、除害方法及び半導体製造方法
19日前
アクアインテック株式会社
攪拌槽
12日前
株式会社放電精密加工研究所
混合溶融装置
24日前
東レ株式会社
親水性多孔質フィルムおよび、その製造方法
25日前
DIC株式会社
二酸化炭素吸収材
13日前
リンナイ株式会社
混合装置
25日前
日亜化学工業株式会社
流体処理装置
13日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
除湿装置
13日前
オルガノ株式会社
液体処理ユニットとその運転方法
24日前
アクアインテック株式会社
固液分離システム
17日前
クリーン・テクノロジー株式会社
排ガスの処理装置
3日前
住友重機械エンバイロメント株式会社
沈殿装置
1か月前
続きを見る