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公開番号2025005660
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105921
出願日2023-06-28
発明の名称記憶障害改善剤
出願人国立大学法人神戸大学
代理人個人,個人,個人
主分類A23L 33/10 20160101AFI20250109BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、新たな記憶障害改善剤を提供することである。
【解決手段】PKCγ活性阻害剤は、記憶障害改善剤の有効成分として有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
PKCγ活性阻害剤を有効成分とする、記憶障害改善剤。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記PKCγ活性阻害剤が、スクテラリン、バイカリン、バイカレイン、ルテオニン、アピゲニン、アピゲニングルコシド、及びこれらの塩からなる群より選択されるフラボノイド類である、請求項1に記載の記憶障害改善剤。
【請求項3】
アミロイドβの蓄積に起因しない記憶障害の改善に用いられる、請求項1に記載の記憶障害改善剤。
【請求項4】
全身麻酔暴露に起因しない記憶障害の改善に用いられる、請求項1に記載の記憶障害改善剤。
【請求項5】
脳梗塞に起因しない記憶障害の改善に用いられる、請求項1に記載の記憶障害改善剤。
【請求項6】
請求項1に記載の記憶障害改善剤を含む食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶障害改善剤に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
記憶障害は、アルツハイマー型認知症のような非可逆性神経変性を要因として生じることが知られている。非可逆性神経変性を要因として生じる記憶障害は、当該要因が非可逆性であるため基本的には改善する性質のものではなく、対処法としては進行を遅らせるにとどまる。
【0003】
一方、記憶障害は、別の要因でも生じることが知られている。例えば、うつ病、心的外傷、ストレス、ブレインフォグ等が挙げられる。
【0004】
例えば、非特許文献1には、うつ病の神経心理学的症候として記憶障害があり、うつ病の脳機能が臨床的な回復に一致して回復することが記載されている。また、新型コロナウイルス感染症の後遺症で急増しているブレインフォグの症状として記憶障害があり、非特許文献2には、ブレインフォグが時間の経過により徐々に回復することが多いこと、非特許文献3には、個人差あるものの、当該後遺症は半数以上が5か月以内に症状の改善が感じられやすいことが記載されている。さらに、非特許文献4には、心的外傷またはストレスによって引き起こされる解離性健忘の主な症状が、正常なもの忘れと一致しない記憶障害であること、及び大半の患者は失った記憶を取り戻し、健忘が解消されることが記載されている。つまり、これら別の要因による記憶障害は、回復が見込める症状である点で、上記の非可逆性神経変性を要因として生じる記憶障害とは根本的に異なる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
岡本泰昌 うつ病の病態に関わる脳内基盤、精神神経学雑誌 第111巻第11号(2009) 1330-1344頁
新井久美子 新型コロナの後遺症で急増中のブレインフォグとは?認知症や物忘れとの違い,[online],2023/2/13,[令和5年4月12日検索],インターネット<URL:https://nishiharu-clinic.com/2023/02/13/korona-bureinfogu/>
初村英逸 コロナ後遺症の「ブレインフォグ」とは?,[online],2022/10/13,[令和5年4月12日検索],インターネット<URL:https://utu-yobo.com/column/brain-fog/>
David Spiegel,MSDマニュアル プロフェッショナル版 08.精神障害/解離症群/解離性健忘,[online],2021年3月,Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA,[令和5年4月12日検索],インターネット<URL:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/08-%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E8%A7%A3%E9%9B%A2%E7%97%87%E7%BE%A4/%E8%A7%A3%E9%9B%A2%E6%80%A7%E5%81%A5%E5%BF%98>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
記憶障害を改善するには、発症要因を取り除く治療を行うことが一般的である。つまり、うつ病、心的外傷、ストレスを要因とする記憶障害を改善するには、当該要因に対する治療が必要であり、これらの治療に用いられる類の薬剤は、一般的に副作用のリスクを考慮して慎重に適用されなければならない。また、新型コロナウイルス感染症の後遺症のブレインフォグについては、明確な原因が分かっていないため治療法は明らかになっていない。このような背景のもと、記憶障害に対して明確な作用機序に基づいて奏功する新たな成分がもたらされることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、作用機序が明らかな記憶障害改善剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、独自の記憶障害モデルとして、脳内のPKCγリン酸化亢進(PKCγ活性異常)を示すことを見出したDGKβノックアウトマウスを用い、PKCγ活性阻害剤を服用させることで、脳内のPKCγ活性の正常化と共に記憶障害が改善することを見出した。本発明は、この知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. PKCγ活性阻害剤を有効成分とする、記憶障害改善剤。
項2. 前記PKCγ活性阻害剤が、スクテラリン、バイカリン、バイカレイン、ルテオニン、アピゲニン、アピゲニングルコシド、及びこれらの塩からなる群より選択されるフラボノイド類である、項1に記載の記憶障害改善剤。
項3. アミロイドβの蓄積に起因しない記憶障害の改善に用いられる、項1又は2に記載の記憶障害改善剤。
項4. 全身麻酔暴露に起因しない記憶障害の改善に用いられる、項1~3のいずれかに記載の記憶障害改善剤。
項5. 脳梗塞に起因しない記憶障害の改善に用いられる、項1~4のいずれかに記載の記憶障害改善剤。
項6. 項1~5のいずれかに記載の記憶障害改善剤を含む食品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作用機序が明らかな新たな記憶障害改善剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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