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公開番号
2025064751
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2023174729
出願日
2023-10-06
発明の名称
細胞用の凍結保護剤
出願人
国立大学法人神戸大学
,
日油株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A01N
1/10 20250101AFI20250410BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】細胞(好ましくは2次元または3次元培養した細胞)を凍結保存および解凍した後に、高い細胞生存率を達成することができる凍結保護剤を提供すること。
【解決手段】特定のカチオン性基および特定のアニオン性基を有する両性高分子と、疎水性アミノ酸とを含む細胞用の凍結保護剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
両性高分子と、疎水性アミノ酸とを含む細胞用の凍結保護剤であって、
前記両性高分子が、*-N
+
(CH
3
)
3
、*-N
+
(CH
3
)
2
H、および*-S
+
(CH
3
)
2
(前記式中、*は結合位置を表す。)からなる群から選択されるカチオン性基と、*-CO-O
-
および*-O-P(O)(O
-
)-O-*(前記式中、*は結合位置を表す。)からなる群から選択されるアニオン性基とを有する、凍結保護剤。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記両性高分子が、式(1):
JPEG
2025064751000021.jpg
30
43
(式(1)中、*は、結合位置を表し、
R
1
およびR
2
は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、並びに
A
3
は、存在しないか、またはメチレン基を表す。)
で表される繰り返し構造Aと、式(2):
JPEG
2025064751000022.jpg
31
39
(式(2)中、*は、結合位置を表し、
R
3
は、水素原子を表し、
A
1
は、*-CO-O-*(前記式中、*は、結合位置を表す)を表し、
pは、1~6の整数を表し、並びに
X
1
は、*-N
+
(CH
3
)
2
H(前記式中、*は、結合位置を表す)を表す。)
で表される繰り返し構造Bと、式(3):
JPEG
2025064751000023.jpg
28
36
(式(3)中、*は、結合位置を表し、
R
4
は、水素原子またはメチル基を表し、
qは、0~6の整数を表し、および
Y
1
は、*-CO-O
-
(前記式中、*は結合位置を表す。)を表す。)
で表される繰り返し構造Cとを有し、並びに
前記繰り返し構造Bおよび前記繰り返し構造Cの合計に対する前記繰り返し構造Bのモル比が、0.1以上0.9以下である請求項1に記載の凍結保護剤。
【請求項3】
前記両性高分子が、式(4):
JPEG
2025064751000024.jpg
34
52
(式(4)中、*は、結合位置を表し、
R
5
は、水素原子またはメチル基を表し、
A
5
は、*-CO-O-*(前記式中、*は結合位置を表す。)を表し、
rは、1~6の整数を表し、および
X
2
は、*-S
+
(CH
3
)
2
(前記式中、*は結合位置を表す。)を表す。)
で表される繰り返し構造Dと、式(5):
JPEG
2025064751000025.jpg
28
52
(式(5)中、*は、結合位置を表し、
R
6
は、水素原子またはメチル基を表し、
sは、0~6の整数を表し、並びに
Y
2
は、*-CO-O
-
(前記式中、*は結合位置を表す。)を表す。)
で表される繰り返し構造Eと
を有し、
前記繰り返し構造Dおよび前記繰り返し構造Eの合計に対する前記繰り返し構造Dのモル比が、0.1以上0.9以下である請求項1に記載の凍結保護剤。
【請求項4】
前記両性高分子が、式(6):
JPEG
2025064751000026.jpg
16
49
(式(6)中、*は、結合位置を表す。)
で表される基を有する請求項1に記載の凍結保護剤。
【請求項5】
前記両性高分子の数平均分子量が、1,000~2,000,000である請求項1~4のいずれか一項に記載の凍結保護剤。
【請求項6】
前記疎水性アミノ酸が、プロリンである請求項1~4のいずれか一項に記載の凍結保護剤。
【請求項7】
2次元培養した細胞を凍結保存する方法であって、
培養基材上の培地中で接着細胞を2次元培養する工程Aと、
2次元培養した細胞上から培養上清を除去する工程Bと、
2次元培養した細胞と、請求項1~4のいずれか一項に記載の凍結保護剤とを混合する工程Cと、
培養基材上の2次元培養した細胞および凍結保護剤を含む混合物を凍結する工程Dと
を含む方法。
【請求項8】
3次元培養した細胞を凍結保存する方法であって、
培地中で細胞を3次元培養する工程Eと、
3次元培養した細胞を凍結保存容器に移し、培養上清を除去する工程Fと、
3次元培養した細胞と、請求項1~4のいずれか一項に記載の凍結保護剤とを混合する工程Gと、
3次元培養した細胞および凍結保護剤を含む混合物を凍結する工程Hと
を含む方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の凍結保存および解凍後の細胞の障害を軽減できる凍結保護剤に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞は、時間経過や周囲の環境により、変化し続けるために、その性状を維持するために適切に保存される必要があり、現在は凍結保存によりそれが為されていることが多い。従来、細胞の凍結保存は分散状態で行われることが一般的である。近年ではより生体内環境に近付けるために複雑な構造または複数種の細胞を組合せた2次元または3次元培養法なども数多く開発されており、培養期間は増える傾向にある。そのため細胞使用のたびに、細胞培養から始めると、実際に細胞を用いるまでに時間を要する。また上記の通り、複雑な構造または複数種の細胞を組合せた2次元または3次元培養法には熟練した培養技術が必要になるため、培養技術の普及の障害となっている。また細胞使用のたびに、細胞培養から始めた場合、得られる結果が培養時の差異等を含むものとなるため、均一な測定結果を取得する観点からも望ましくない。
【0003】
例えばジメチルスルホキシド(DMSO)のような一般的な分散細胞の凍結保護剤を2次元または3次元培養した細胞へ適用しても、凍結保存および解凍後の細胞はほとんど死滅してしまう。そのため、2次元または3次元培養した細胞にも適応可能な新たな凍結保護剤の開発が試みられている。そのなかで近年、両性高分子を用いた凍結保護剤の開発が盛んである。
【0004】
例えば、特許文献1には、下記式(8)で表される両性高分子が2次元培養した細胞に対する凍結保護効果を有し、細胞の凍結保存時に該両性高分子を使用すると、解凍後の細胞生存率が高いことが報告されている。
【0005】
JPEG
2025064751000001.jpg
35
43
【0006】
また、非特許文献1には、下記式で表されるカルボキシ化ポリリジン(PLL-GA)が2次元または3次元培養した細胞に対する凍結保護効果を有し、細胞の凍結保存時に該カルボキシ化ポリリジンを使用すると、解凍後の細胞生存率が高いことが報告されている。
【0007】
JPEG
2025064751000002.jpg
50
82
【0008】
両性高分子は、氷晶形成阻害効果を有することが知られており、細胞の凍結保存時に両性高分子を使用することによって、細胞内外の氷晶形成を阻害することで、解凍後の細胞生存率が高くなる。しかし、両性高分子を使用するのみでは、解凍後の細胞生存率は充分ではない。
【0009】
また、非特許文献2には、プロリンが凍結時の細胞への浸透圧ストレスを緩和する効果を有し、2次元培養した細胞に対する凍結保護効果として、解凍後の細胞生存率が高いことが報告されている。しかしながら細胞の凍結保存時にプロリンを使用するのみでは、解凍後の細胞の生存率は充分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2019/175596号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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