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公開番号
2025004366
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104011
出願日
2023-06-26
発明の名称
プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法、及び腫瘍の治療又は予防候補物質をスクリーニングする方法
出願人
国立大学法人神戸大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6851 20180101AFI20250107BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法の提供。
【解決手段】被検体から採取された卵巣がん細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を指標とする、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
被検体から採取された卵巣がん細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を指標とする、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
(I)被験物質とFdx1遺伝子発現細胞とを接触させる工程、及び
(II)前記Fdx1遺伝子発現細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を測定する工程を含む、腫瘍の治療又は予防候補物質をスクリーニングする方法。
【請求項3】
前記腫瘍が、卵巣がんである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記卵巣がんが、プラチナ製剤耐性卵巣がんである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記Fdx1遺伝子発現細胞が、卵巣がん細胞である、請求項2又は3に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法、及び腫瘍の治療又は予防候補物質をスクリーニングする方法等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
卵巣がんは、本邦では年間約13000人が罹患し、約5000人が死亡する、婦人科悪性腫瘍の中でも最も死亡率が高いことが知られている。卵巣がんは、手術療法単独での完全除去は困難であることから、化学療法の感受性が重要となる。
【0003】
化学療法としては、パクリタキセルと、カルボプラチン等のプラチナ製剤とを併用するTC療法等が知られている。しかし、プラチナ製剤に対しては、耐性を獲得してしまうことが問題となっている。具体的には、プラチナ製剤を用いた初回治療時には、約80%程度の割合でプラチナ製剤に対して感受性を示し、奏効率は40~80%程度であるのに対して、治療後6カ月未満で再発した場合、プラチナ製剤耐性卵巣がんに分類され、奏効率が10~20%程度と、予後が非常に悪くなる。このため、プラチナ製剤耐性卵巣がんに対する早期診断方法の確立や治療法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Oncogene. 2003 Oct 20;22(47):7265-79.doi:10.1038/sj.onc.1206933.
Nat Rev Drug Discov.2005 Apr;4(4):307-20.doi:10.1038/nrd1691.
Cancer Res Treat.2018 Apr;50(2):445-460.doi:10.4143/crt.2016.572.Epub 2017 May 10.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法を提供することを課題とする。また、本開示は、腫瘍の治療又は予防候補物質、より具体的には卵巣がんの治療又は予防候補物質をスクリーニングする方法を提供することも課題の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、シスプラチン耐性の獲得に伴い、主にミトコンドリアに局在する鉄・硫黄クラスタータンパク質Fdx1をコードするFdx1遺伝子の発現量が増加することを見出し、また、その結果、発現量が増加するFdx1タンパク質はシスプラチンによるフェロトーシス(鉄依存的な細胞死)に対して抑制的に機能することでシスプラチン耐性の獲得に寄与していることを見出し、さらに改良を重ねた。
【0007】
本開示は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
被検体から採取された卵巣がん細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を指標とする、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法。
項2.
(I)被験物質とFdx1遺伝子発現細胞とを接触させる工程、及び
(II)前記Fdx1遺伝子発現細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を測定する工程を含む、腫瘍の治療又は予防候補物質をスクリーニングする方法。
項3.
前記腫瘍が、卵巣がんである、項2に記載の方法。
項4.
前記卵巣がんが、プラチナ製剤耐性卵巣がんである、項3に記載の方法。
項5.
前記Fdx1遺伝子発現細胞が、卵巣がん細胞である、項2又は3に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
プラチナ製剤耐性卵巣がんの診断マーカーとしてFdx1が有用であること、また、Fdx1がプラチナ製剤耐性卵巣がんにおけるフェロトーシス耐性に寄与していることから、Fdx1がプラチナ製剤耐性卵巣がんに対する新規治療標的であることを明らかにし、これまでにないプラチナ製剤によるフェロトーシスに対する抑制機構を標的とした新規治療方法の確立に有用であることが明らかとなった。
プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法が提供される。また、腫瘍の治療又は予防候補物質のスクリーニング方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
各シスプラチン濃度におけるA2780、A2780cis、OVK18、及びOVK18cisの細胞生存率についてWST8を用いて解析した結果を示す。
A2780、A2780cis、OVK18、及びOVK18cisのRNAシーケンス結果、並びに遺伝子発現解析結果を示す。
卵巣がん患者の組織染色結果を示す。
OVK18細胞にシスプラチン又はデフェロキサミンを添加したときの細胞生存率の解析結果、OVK18及びOVK18cisにシスプラチンを添加したときのミトコンドリア膜電位の染色結果、並びにOVK18及びOVK18cisにシスプラチンを添加したときの過酸化脂質の染色結果を示す。
Fdx1の発現を抑制したときの、ミトコンドリア膜電位の染色結果、過酸化脂質の染色結果、及び細胞生存率の測定結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本開示は、被検体から採取された卵巣がん細胞におけるFdx1遺伝子の発現量を指標とする、プラチナ製剤耐性卵巣がんの検出方法を包含する。本明細書において、当該方法を、「本開示の検出方法」等と表記することがある。
(【0011】以降は省略されています)
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