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公開番号
2025000300
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-07
出願番号
2023100082
出願日
2023-06-19
発明の名称
アデノシン三リン酸の捕捉剤及びアデノシン二リン酸の捕捉剤
出願人
国立大学法人神戸大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
38/40 20060101AFI20241224BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】ATP捕捉剤及び/又はADP捕捉剤として有用な成分を提供する。
【解決手段】トランスフェリンはアデノシン三リン酸の捕捉剤として有用であり、ブチリルコリンエステラーゼはアデノシン二リン酸の捕捉剤として有効である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
トランスフェリンを含む、アデノシン三リン酸の捕捉剤。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
アデノシン三リン酸過剰症の予防又は改善剤として用いられる、請求項1に記載の捕捉剤。
【請求項3】
前記アデノシン三リン酸過剰症が、同種造血幹細胞移植の合併症及び/又は同種造血幹細胞移植の移植前処理である、請求項2に記載の捕捉剤。
【請求項4】
前記合併症が、移植片対宿主病、肝中心静脈閉塞症/類洞閉塞症候群、及び血栓性微小血管症からなる群より選択される、請求項3に記載の捕捉剤。
【請求項5】
鉄過剰症を伴う患者に適用される、請求項3に記載の捕捉剤。
【請求項6】
前記アデノシン三リン酸過剰症が、腫瘍崩壊症候群である、請求項2に記載の捕捉剤。
【請求項7】
アデノシン三リン酸過剰症患者の血液浄化治療用吸着材に担持して用いられる、請求項1に記載の捕捉剤。
【請求項8】
アデノシン三リン酸と結合する化合物のスクリーニング剤として用いられる、請求項1に記載の捕捉剤。
【請求項9】
ブチリルコリンエステラーゼを含む、アデノシン二リン酸の捕捉剤。
【請求項10】
アデノシン二リン酸の阻害を要する症状に対する予防又は治療薬として用いられる、請求項9に記載の捕捉剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノシン三リン酸の捕捉剤及びアデノシン二リン酸の捕捉剤に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
同種造血幹細胞移植では、移植片対宿主病(GVHD)、肝中心静脈閉塞症/類洞閉塞症候群(VOD/SOS)などの合併症が、感染症とともに治療成績を大きく左右する。GVHDに対しては免疫抑制剤を使用することにより予防処置が施されるが、処置患者の約半数に発症する。GVHDが治療抵抗性で重症化した場合には、大量のステロイドホルモン又はサイモグロブリン、若しくは、近年では間葉系幹細胞又はJAK2阻害剤が用いられ、次第に治療成績は改善されているが、依然として致命的となる症例もある。また、VOD/SOSは稀な病態であるが、その原因が不明であり、一旦発症すると予後は不良である。
【0003】
組織障害時に分解及び放出されるヘパラン硫酸が、Toll様受容体TLR4を介して樹状細胞を活性化しマウスGVHDを惹起すること、及びα-1アンチトリプシンがHSを減少させてGVHDを軽減させることが報告されており(非特許文献1)、GVHD予防に対するα-1アンチトリプシンの治験は第II相臨床試験に進んでいる(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Todd V Brennan, Liwen Lin, Xiaopei Huang, Diana M Cardona, Zhiguo Li, Keith Dredge, Nelson J Chao, Yiping Yang, Heparan sulfate, an endogenous TLR4 agonist, promotes acute GVHD after allogeneic stem cell transplantation, Blood. 2012 Oct 4;120(14):2899-908.
The Safety and Efficacy of Alpha-1 Antitrypsin (AAT) for the Prevention of Graft-Versus-host Disease (GVHD) in Patients Receiving Hematopoietic Cell Transplant (MODULAATE),[online],2023年4月24日,Good Clinical Practice Network[令和5年6月13日検索],インターネット<URL:https://ichgcp.net/clinical-trials-registry/NCT03805789>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、α-1アンチトリプシンの治験が進行しつつあるが、未だ有効性についての情報は十分ではないため、GVHD予防薬として別の選択肢が望まれる。
【0006】
ここで、GVHDが重症化すると、VOD/SOSと同様に、全身における血栓性微小血管障害(TMA)の原因となる。TMAでは破砕赤血球が観察されることから微少血管で血小板凝集が起こっていると考えられ、凝集した血小板からはADPが放出され、他の血小板を活性化してさらに凝集を助長する。また、ADPと同時にATPも放出され、放出されたATPは血小板表面の受容体でADPと競合し、ADPへ変換されて凝集を刺激する可能性がある。また、GVHDでは細胞外ATPがP2X7受容体を介して免疫に影響を与えて重症化に関与するとの報告もある。さらに、VOD/SOSでも同様のTMA状態におけるATPの関与が疑われる。
【0007】
このように、GHVD、VOD/SOS、及びTMAでは、細胞外ATP・ADPが関与していると考えられるため、これらの病態の予防又は改善のための医薬品有効成分として、細胞外ATP・ADPの量を制御できる成分が望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、ATP捕捉剤及び/又はADP捕捉剤として有用な成分を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討の結果、トランスフェリンがアデノシン三リン酸の捕捉剤として有用であり、ブチリルコリンエステラーゼがアデノシン二リン酸の捕捉剤として有効であることを新たに見出した。本発明は、これらの知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成された。すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
【0010】
項1. トランスフェリンを含む、アデノシン三リン酸の捕捉剤。
項2. アデノシン三リン酸過剰症の予防又は改善剤として用いられる、項1に記載の捕捉剤。
項3. 前記アデノシン三リン酸過剰症が、同種造血幹細胞移植の合併症及び/又は同種造血幹細胞移植の移植前処理である、項2に記載の捕捉剤。
項4. 前記合併症が、移植片対宿主病、肝中心静脈閉塞症/類洞閉塞症候群、及び血栓性微小血管症からなる群より選択される、項3に記載の捕捉剤。
項5. 鉄過剰症を伴う患者に適用される、項3又は4に記載の捕捉剤。
項6. 前記アデノシン三リン酸過剰症が、腫瘍崩壊症候群である、項2に記載の捕捉剤。
項7. アデノシン三リン酸過剰症患者の血液浄化治療用吸着材に担持して用いられる、項1に記載の捕捉剤。
項8. アデノシン三リン酸と結合する化合物のスクリーニング剤として用いられる、項1に記載の捕捉剤。
項9. ブチリルコリンエステラーゼを含む、アデノシン二リン酸の捕捉剤。
項10. アデノシン二リン酸の阻害を要する症状に対する予防又は治療薬として用いられる、項9に記載の捕捉剤。
項11. 前記症状が、同種造血幹細胞移植の合併症である、項10に記載の捕捉剤。
項12. 前記合併症が、移植片対宿主病、肝中心静脈閉塞症/類洞閉塞症候群、及び血栓性微小血管症からなる群より選択される、項11に記載の捕捉剤。
項13. アデノシン二リン酸と結合する化合物のスクリーニング剤として用いられる、項10に記載の捕捉剤。
項14. アデノシン二リン酸の阻害を要する症状を検査する方法であって、下記工程:
(i)被験動物から採取した検体中のブチリルコリンエステラーゼを測定する工程;及び、
(ii)前記工程(i)の結果に基づいて前記症状を検出する工程、
を含む、検査方法。
項15. 前記工程(ii)が、前記被験動物について得られる工程(i)の結果を、正常対照について得られる工程(i)の結果と対比して、前記アデノシン二リン酸が減少していることを指標として行われる、項14に記載の検査方法。
項16. ブチリルコリンエステラーゼを検出可能な試薬を含む、アデノシン二リン酸の阻害を要する症状の診断キット。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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