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公開番号2025051959
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023160731
出願日2023-09-25
発明の名称化粧料組成物
出願人株式会社ナリス化粧品
代理人
主分類A61K 8/49 20060101AFI20250328BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ハリ感とうるおいを両立した良好な使用感と、経時安定性に優れながらも、メイラード反応による変色と変臭を抑制する優れた化粧料組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)~(C)
成分(A)ニコチン酸アミド
成分(B)糖類
成分(C)ビフェニルアゼパニルメタノン
を含む化粧料組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(A)~(C)
成分(A)ニコチン酸アミド
成分(B)糖類
成分(C)ビフェニルアゼパニルメタノン
を含む化粧料組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記成分(B)が
単糖、オリゴ糖、および多糖から選ばれる1種または2種以上の糖類
である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
さらに成分(D)として
アニオン性界面活性剤を含み、
水中油型乳化物である、
請求項1または2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記成分(D)が
セチルリン酸K、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ココイルグルタミン酸K、ステアロイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸2Naから選ばれる1種または2種以上のアニオン性界面活性剤である、
請求項3に記載の化粧料組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は化粧料組成物に関し、さらに具体的には肌のハリとうるおいを感じながらも経時安定性とメイラード反応による変色と変臭を抑制した化粧料組成物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
一般的にアミノ基を有する化合物と、糖類などカルボニル基を含む化合物が加熱などにより反応して褐変現象が起こることをメイラード反応と言い、このメイラード反応によりメラノイジンと呼ばれる褐色色素や匂い物質が発生することが知られている。
糖類は、保湿、皮膚コンディショニング等の目的で、化粧品によく用いられる成分である。アミノ基を有する化合物としては、アミノ酸、タンパク質、アミン類やその誘導体などが挙げられ、生理活性や、保湿、皮膚コンディショニングを有することが知られている。糖類及びアミノ化合物は、どちらも化粧品に汎用される成分であり併用されることも多い。
【0003】
メイラード反応は、高温で速やかに進む反応であるが、みそやしょうゆの醸造で知られるように常温でも緩やかに進行して変色、変臭が発生するため、化粧品の処方開発を行う上で十分注意する必要がある。変色や、変臭は製品の品質不良として容易にわかるだけでなく、使用者の心理的な不信感や不快感にもつながり、化粧料組成物においては解決しなければならない重大な課題である。
【0004】
水中油型乳化化粧料組成物では、安定性改良のためにアニオン性界面活性剤を配合することがある。アニオン性界面活性剤の多くは、強アルカリと弱酸の化合物でありアルカリ性を示すことが多い。また、メイラード反応は、中性からアルカリ性で進行する反応であり、pHが高くなるほど促進されることが知られている。アニオン性界面活性剤を使用することで安定性改良にはつながるが、メイラード反応を促進して変色や変臭を起こすことがある。
【0005】
近年、化粧品に配合される有効成分として、美白・抗シワ・肌荒れケアなどの有効成分であるアミノ化合物としてニコチン酸アミドがある。ニコチン酸アミドは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種であり、肌荒れ改善効果、美白効果及び皮膚の抗老化効果などが知れられている。そのため、ニコチン酸アミドを配合した製品が多数上市されている。さらに糖類は比較的配合される機会が多いため、ニコチン酸アミドと併用したときにメイラード反応による変色、変臭などの品質不良の懸念が大きい。
【0006】
そこで経時または加熱条件下において、ニコチン酸またはその誘導体と、カルボニル基を有する化合物または、カルボニル形成能を有する化合物とのメイラード反応による変色および不快臭の発生を抑制する方法として、クロルフェネシンを配合する技術が開示されている(特許文献1)。クロルフェネシンは化粧品基準の別表第3、所謂ポジティブリストで配合量が制限されている防腐剤であるため、配合量及び配合する製品によっては、肌への刺激が懸念され汎用することができない。
【0007】
また、皮膚の抗老化効果を求める消費者は、若々しく見られたいという意識からスキンケア後の肌のハリ感やうるおいも重視している。ニコチン酸アミドにはさまざまなスキンケア効果があったり、塗布時にハリ感を感じる効果がある一方で、使用感上の問題点があることや、結晶性があることにより肌上での粉吹きや乾燥感につながることが知られている(特許文献2、特許文献3)。乾燥感を改良するために、乳化型化粧料のように油剤を配合して保湿感を付与することもできるが、十分な保湿感を感じるように油剤を高配合することは、クリーミングといった安定性不良につながりやすい。
【0008】
クリーミングとは、乳化組成物において表面に油分が浮いてかたまる現象である。通常、連続相と分散相の密度が異なることから生じる。分散相である油滴の密度が小さい水中油型乳化組成物の場合には、油滴が上部に浮き上がり濃縮される現象が起こる。このように、クリーミングによって分散相の濃縮が起きると、分散相同士の衝突頻度が上昇するため、分散相が凝集を起こし分離などの問題を生じやすくなる。クリーミングが起こることで、乳化型化粧料組成物本来の機能を発揮することができない場合や、状態異常による使用者の不満を生じることがあるため、クリーミングという現象は解決しなければならない重大な課題である。
【0009】
ビフェニルアゼパニルメタノンは皮膚のコルチゾール経路の主要な酵素11β-HSD1を阻害し、コルチゾールレベルのバランスをとる機能があるため、小じわ、しわ、肌のひ薄化、弾力性の低下、肌バリア機能などに対しての改善機能が知られている。しかし、メイラード反応による変色、変臭を抑制するという効果は知られていない。
【0010】
これらの理由からニコチン酸アミドと糖類を配合し、良好な使用感と経時安定性を保ちながら、メイラード反応による変色と変臭を抑制した化粧料組成物を作製することは困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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