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公開番号2025051087
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023160002
出願日2023-09-25
発明の名称車椅子
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類A61G 5/08 20060101AFI20250328BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】例えば車両の運転席に着座した状態でも、片手での簡単な操作により車外にある車椅子の展開が容易に行えるようにする。
【解決手段】車椅子1は、左側サイドフレーム20及び右側サイドフレーム30を連結するとともに左右方向の中央部で上下方向に折り畳まれる上側支持アーム40及び下側支持アーム50と、上側支持アーム40及び下側支持アーム50に連結される可撓性を持った張力付与部材86と、張力付与部材86に取り付けられた把持部88とを備えている。張力付与部材86に入力された所定の張力により、折り畳み状態にある上側支持アーム40及び下側支持アーム50を展開方向に付勢する。
【選択図】図13
特許請求の範囲【請求項１】
車椅子利用者が着座可能な折り畳み式の車椅子であって、
車体左側の駆動輪を軸支する左側サイドフレームと、
車体右側の駆動輪を軸支する右側サイドフレームと、
前記左側サイドフレーム及び前記右側サイドフレームを連結するとともに左右方向の中央部で上下方向に折り畳まれる上側支持アームと、
前記左側サイドフレーム及び前記右側サイドフレームを連結するとともに左右方向の中央部で上下方向に折り畳まれ、前記上側支持アームよりも下方に設けられた下側支持アームと、
前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結される可撓性を持った張力付与部材と、
前記張力付与部材における前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結された側と反対側に取り付けられた把持部とを備え、
前記張力付与部材に入力された所定の張力により、折り畳み状態にある前記上側支持アーム及び前記下側支持アームを展開方向に付勢する、車椅子。
続きを表示（約 1,300 文字）【請求項２】
請求項１に記載の車椅子において、
前記張力付与部材はワイヤにより構成され、
前記ワイヤを巻き取り可能な巻き取り装置を備え、
前記把持部は、前記巻き取り装置の上部に設けられるとともに、前記ワイヤにおける前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結された側と反対側に、前記巻き取り装置を介して取り付けられている、車椅子。
【請求項３】
請求項２に記載の車椅子において、
前記上側支持アームは、当該上側支持アームの左側を構成する第１上側アーム構成部材と、当該上側支持アームの右側を構成する第２上側アーム構成部材と、前記第１上側アーム構成部材の右端部及び前記第２上側アーム構成部材の左端部を回動可能に連結する上側連結部材とを有し、
前記上側連結部材には、前記巻き取り装置を載置可能な台座部が設けられている、車椅子。
【請求項４】
請求項３に記載の車椅子において、
前記巻き取り装置は、前記台座部に載置された載置位置から上方へ所定距離だけ離れ、かつ、前記台座部から外れた位置に配置されるまで前記ワイヤを繰り出し可能に構成されている、車椅子。
【請求項５】
請求項４に記載の車椅子において、
前記巻き取り装置は、前記台座部に載置された載置位置から上方へ前記所定距離よりも大きく離れないように、前記ワイヤの繰り出し量が規制されている、車椅子。
【請求項６】
請求項４に記載の車椅子において、
前記巻き取り装置は、前記ワイヤに対して巻き取り方向の力を常時付与可能に構成されている、車椅子。
【請求項７】
請求項４に記載の車椅子において、
前記第１上側アーム構成部材の左端部は前記左側サイドフレームに対して車体前後方向に延びる軸周りに回動可能に連結され、
前記第２上側アーム構成部材の右端部は前記右側サイドフレームに対して車体前後方向に延びる軸周りに回動可能に連結され、
前記第１上側アーム構成部材及び前記第２上側アーム構成部材は、上方へ回動することにより折り畳まれる、車椅子。
【請求項８】
請求項７に記載の車椅子において、
前記下側支持アームは、当該下側支持アームの左側を構成する第１下側アーム構成部材と、当該下側支持アームの右側を構成する第２下側アーム構成部材と、前記第１下側アーム構成部材の右端部及び前記第２下側アーム構成部材の左端部を回動可能に連結する下側連結部材とを有し、
前記第１下側アーム構成部材の左端部は前記左側サイドフレームに対して車体前後方向に延びる軸周りに回動可能に連結され、
前記第２下側アーム構成部材の右端部は前記右側サイドフレームに対して車体前後方向に延びる軸周りに回動可能に連結され、
前記第１下側アーム構成部材及び前記第２下側アーム構成部材は、下方へ回動することにより折り畳まれる、車椅子。
【請求項９】
請求項８に記載の車椅子において、
前記ワイヤは前記上側連結部材及び前記下側連結部材に連結されている、車椅子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、折り畳み可能に構成された折り畳み式の車椅子に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
一般に、不使用時に折り畳み可能に構成された折り畳み式の車椅子が知られている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の車椅子は、左側の駆動輪が取り付けられた左側サイドフレームに対して左側支持アームが回動可能に連結され、また、右側の駆動輪が取り付けられた右側サイドフレームに対して右側支持アームが回動可能に連結されている。この車椅子の折り畳み機構は、折り畳み状態から展開状態へ切り替えられるときの左側支持アーム及び右側支持アームの回動方向へ向かって延びる把持部を備えており、車椅子利用者が把持部を掴んで持ち上げる動作を行うことで、車椅子の自重を利用して車椅子を展開させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－１１４８３５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、自動車を運転することができる車椅子利用者の場合、その行動自由度を拡大すべく、車椅子利用者が１人で自動車を運転することがある。自動車の運転席に着座している車椅子利用者が車椅子に乗り移る際には、車内に積載していた折り畳み状態の車椅子を車外に運び出してから展開する必要がある。
【０００５】
このとき、特許文献１の把持部は左側支持アーム及び右側支持アームに取り付けられているので、把持部の移動方向は両支持アームによって拘束されることになり、自由度が低い。このため、例えば車椅子利用者が運転席に着座したままで把持部を握って展開操作しようとした際に、車椅子利用者に無理な体勢を強いるおそれがある。
【０００６】
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、例えば車両の運転席に着座した状態でも、片手での簡単な操作により車外にある車椅子の展開が容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、本開示の第１の側面では、車椅子利用者が着座可能な折り畳み式の車椅子を前提とすることができる。車椅子は、車体左側の駆動輪を軸支する左側サイドフレームと、車体右側の駆動輪を軸支する右側サイドフレームと、前記左側サイドフレーム及び前記右側サイドフレームを連結するとともに左右方向の中央部で上下方向に折り畳まれる上側支持アームと、前記左側サイドフレーム及び前記右側サイドフレームを連結するとともに左右方向の中央部で上下方向に折り畳まれ、前記上側支持アームよりも下方に設けられた下側支持アームと、前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結される可撓性を持った張力付与部材と、前記張力付与部材における前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結された側と反対側に取り付けられた把持部とを備えている。前記張力付与部材に入力された所定の張力により、折り畳み状態にある前記上側支持アーム及び前記下側支持アームを展開方向に付勢するように構成されている。
【０００８】
この構成によれば、上側支持アーム及び下側支持アームを上下方向に折り畳むことにより、左側サイドフレームと右側サイドフレームとが互いに接近して車椅子が折り畳まれた状態になる。折り畳まれた車椅子を展開する際には、例えば車椅子利用者が把持部を把持して張力付与部材に所定の張力を入力すると、上側支持アーム及び下側支持アームが展開方向に付勢されて展開していき、これにより、車椅子が展開状態になる。
【０００９】
張力付与部材が可撓性を有しているので、車椅子利用者が把持した把持部の移動方向は上側支持アームや下側支持アームによって規制されにくく、比較的に自由に移動させることが可能になる。よって、把持部を自分の方に引き寄せながら所定の張力を入力することや、張力の入力が容易な所に把持部を移動させることが可能になり、車椅子の展開操作が容易になる。
【００１０】
本開示の第２の側面に係る張力付与部材はワイヤにより構成することができる。この場合、車椅子は、前記ワイヤを巻き取り可能な巻き取り装置を備えることができる。前記把持部は、前記巻き取り装置の上部に設けられるとともに、前記ワイヤにおける前記上側支持アーム及び前記下側支持アームに連結された側と反対側に、前記巻き取り装置を介して取り付けることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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