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公開番号2025050434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023159230
出願日2023-09-22
発明の名称熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、成形体、並びに射出成形体及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 33/04 20060101AFI20250327BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い透過率と同時に低いヘイズを示し、透明性に優れ、耐傷付性、靭性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物は、メタクリル酸エステル単量体単位(a1)80.0~99.9質量%と、メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)0.1~20.0質量%と、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸単量体単位(a3)0~4.0質量%とを含む、主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)50~99質量%、並びにポリエステルポリオール由来の構造単位(b1)と、脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)とを含む、熱可塑性ポリウレタン(B)1~50質量%、を含有することを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メタクリル酸エステル単量体単位(a1)80.0~99.9質量%と、メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)0.1~20.0質量%と、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸単量体単位(a3)0~4.0質量%とを含む、主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)50~99質量%、並びにポリエステルポリオール由来の構造単位(b1)と、脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)とを含む、熱可塑性ポリウレタン(B)1~50質量%、を含有する熱可塑性樹脂組成物。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)中の脂環数が、1つである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
ゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が、50,000~250,000である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量が、0.01モル%以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
前記メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)が、N-置換マレイミド単量体単位及び/又はスチレン系単量体単位である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)が、前記メタクリル酸エステル単量体単位(a1)85~99.9質量%と、N-置換マレイミド単量体単位0.1~15質量%と、スチレン単量体単位0~10質量%とを含む、請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
前記熱可塑性ポリウレタン(B)に含まれるイソシアネート由来の構造単位の合計質量100質量%に対する、脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位の質量割合が、70質量%以上である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)と、前記熱可塑性ポリウレタン(B)とを、200~260℃の範囲の温度で配合する工程を含む、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む、成形体。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む、射出成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、成形体、並びに射出成形体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
メタクリル系樹脂は、透明樹脂として他のプラスチック透明樹脂より高い光透過率、耐候性、剛性を有することに特徴があり、従来から、車両用部品、照明器具、建築用材料、看板、銘板、絵画、表示装置の窓等広い用途で用いられている。中でも、メタクリル系樹脂組成物は、優れた外観より、家電・OA製品用の意匠部品や自動車の内外装用の意匠部品として多く使用されている。しかし、メタクリル系樹脂組成物は、靭性が低く、また、屋外使用時等には表面に傷が付いてしまうという課題があり、機構部分を持つ成形体や歪ませて用いる用途、屋外で用いる際にしばしば使用を制限されることがある。
【0003】
特許文献1では、靭性の向上のために、多層の(メタ)アクリル系ゴム重合体を用いる方法が試みられている。しかしながら、これらの組成物は、応力白化を起こす。応力白化とは、曲げ応力を受けたときに生じるヘイズである。また、これらの組成物においては、耐傷付性は改良されず課題として残ったままであった。
【0004】
また、靭性向上の別のアプローチとして、特許文献2では、エラストマーとの複合化が検討され、熱可塑性プラスチック(TPU)及び耐衝撃性が改良されたポリ(メタ)アクリレートからなる透明の低温耐衝撃性プラスチック混合物が記載されている。特許文献2によると、これらのプラスチック混合物は、良好な耐衝撃性、高引張弾性率及び良好な耐候性たけではなく、許容可能な透明度を示す。プラスチック混合物は、脂肪族結合を有する熱可塑性ポリウレタンを使用する。特許文献2には、記載された試験条件下で、耐衝撃性が改良されたポリ(メタ)アクリレート及び脂肪族結合を有する熱可塑性ポリウレタンの混合物で83%の透過率が達成されることが示されているが、全光線透過率は83%では透明材料としては不十分である。また、材料の透明性は、全光線透過率だけではなく、ヘイズにも影響を受ける。
【0005】
特許文献3では、不十分であった透明性の改善として、特定構造の脂肪族イソシアネートを高い透過率と同時に低いヘイズ、特に低いヘイズと高い透明度を示す組成物が示されている。しかし、特許文献3に示されている組成物もヘイズが十分に低いものではなく透明材料として用いるには改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-183471号公報
国際公開第2007/057242号
特表2015-532345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高い透過率と同時に低いヘイズを示し、透明性に優れ、耐傷付性、靭性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
メタクリル酸エステル単量体単位(a1)80.0~99.9質量%と、メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)0.1~20.0質量%と、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸単量体単位(a3)0~4.0質量%とを含む、主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)50~99質量%、並びにポリエステルポリオール由来の構造単位(b1)と、脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)とを含む、熱可塑性ポリウレタン(B)1~50質量%、を含有する熱可塑性樹脂組成物。
[2]
前記脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)中の脂環数が、1つである、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
ゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が、50,000~250,000である、[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]
前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)の不飽和二重結合末端量が、0.01モル%以下である、[1]から[3]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]
前記メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)が、N-置換マレイミド単量体単位及び/又はスチレン系単量体単位である、[1]から[4]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]
主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)が、前記メタクリル酸エステル単量体単位(a1)85~99.9質量%と、N-置換マレイミド単量体単位0.1~15質量%と、スチレン単量体単位0~10質量%とを含む、[5]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]
前記熱可塑性ポリウレタン(B)に含まれるイソシアネート由来の構造単位の合計質量100質量%に対する、脂環を1つ有するイソシアネート由来の構造単位の質量割合が、70質量%以上である、[1]から[6]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8]
前記主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)と、前記熱可塑性ポリウレタン(B)とを、200~260℃の範囲の温度で配合する工程を含む、[1]から[7]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[9]
[1]から[7]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む、成形体。
[10]
[1]から[7]の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む、射出成形体。
[11]
[1]から[7]の何れかに記載の熱可塑性組成物をシリンダー温度200~260℃で成形する工程を含む、射出成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、高い透過率と同時に低いヘイズを示し、透明性に優れ、耐傷付性、靭性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[熱可塑性樹脂組成物]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、主鎖に環構造を有するメタクリル系樹脂(A)(以下、「メタクリル系樹脂(A)」と略すことがある。)50~99質量%と、熱可塑性ポリウレタン(B)1~50質量%とを含有する。上記メタクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸エステル単量体単位(a1)80.0~99.9質量%と、メタクリル酸エステル、マレイン酸、及び無水マレイン酸を除くメタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体単位(a2)(以下、「ビニル単量体単位(a2)」と略すことがある。)0.1~20.0質量%と、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸単量体単位(a3)0~4.0質量%とを含む。上記熱可塑性ポリウレタン(B)は、ポリエステルポリオール由来の構造単位(b1)と、脂環を有するイソシアネート由来の構造単位(b2)とを含む。本明細書においては、特に明記しない限り、熱可塑性樹脂組成物の全成分の合計質量を100質量%とする。
(【0011】以降は省略されています)

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