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公開番号2025070809
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181365
出願日2023-10-20
発明の名称無機養液の製造方法及びその装置
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構,旭化成株式会社
代理人弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類C05G 5/20 20200101AFI20250424BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】より効率的に、有機物から無機養液を製造できる技術を提供すること。
【解決手段】無機養液の製造方法であって、
上流から下流に向けて配置された複数の分解槽のうち最上流の分解槽に有機物含有水を供給する供給工程と、
前記有機物含有水を上流側の分解槽から下流側の分解槽に順次移送しながら、前記有機物含有水に含まれる有機物を前記分解槽内の硝化微生物群によって好気的条件下で分解する分解工程と、
を含む、無機養液の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
無機養液の製造方法であって、
上流から下流に向けて配置された複数の分解槽のうち最上流の分解槽に有機物含有水を供給する供給工程と、
前記有機物含有水を上流側の分解槽から下流側の分解槽に順次移送しながら、前記有機物含有水に含まれる有機物を前記複数の分解槽内の硝化微生物群によって好気的条件下で分解する分解工程と、
を含む、無機養液の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記分解工程は、前記分解槽で前記有機物含有水が分解処理された後の処理水を、前記分解槽よりも下流側にある分解槽へ移送し、前記下流側にある分解槽において前記処理水中に残存する有機物を前記各分解槽に生息する前記硝化微生物群により好気的条件下で分解する、請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項3】
前記複数の分解槽のうち最下流の分解槽から無機養液を取出す工程を、さらに含む、請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項4】
前記複数の分解槽の容積は、いずれも1~10000Lである、請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項5】
前記有機物含有水の1日あたりの供給量は、前記最上流の分解槽の容積に対して1~100%であり、かつ、
前記有機物含有水における前記有機物の含有量は、乾燥重量換算で0.1~100g/Lである、
請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項6】
前記有機物は、炭素と窒素の含有比であるC/N比が24以下の有機物である、請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項7】
前記有機物は、魚煮汁、トウモロコシ浸出液、油粕、魚粉、メタン消化液、堆肥、米ぬか、大豆粉、大豆粕、植物体残渣、牛乳、粉ミルク、酵母粕、酒粕、焼酎粕、生ゴミ及び家畜糞から選ばれた1種以上の有機物である、請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項8】
前記硝化微生物群は、
アンモニア化成を行う微生物群と硝酸化成を行う微生物群を含み、かつ、
通気性を有する繊維質又は多孔質の固体担体に固定化されている、
請求項1に記載の無機養液の製造方法。
【請求項9】
前記固体担体は、ポリ塩化ビニリデン系繊維、炭、パーライト、砂、バーミキュライト、セラミック、ゼオライト、ガラス、ロックウール、ウレタン、ナイロン及びメラミン樹脂から選ばれた1種以上の素材からなる固体担体である、請求項8に記載の無機養液の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の無機養液の製造方法を実施するための装置であって、
上流から下流に向けて配置された複数の分解槽を備え、
前記複数の分解槽はそれぞれ空気供給部を備えるとともに硝化微生物群を収容し、
前記複数の分解槽のうち最上流の分解槽は、有機物含有水が供給される供給部をさらに備え、
前記複数の分解槽は、前記供給部から供給された有機物含有水が、前記最上流の分解槽から下流側の分解槽に順次移送されながら、前記有機物含有水に含まれる有機物が前記各分解槽内の前記硝化微生物群によって好気的条件下で分解されるように、直列的に配置された構成である、
無機養液の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は無機養液の製造方法及びその装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
養液栽培において有機質肥料を利用する技術として、本願発明者の一人が開発した特許文献1、2及び3の技術がある。特許文献1の技術は、有機物を無機養分までスムーズに分解する硝化微生物群が生息する分解槽に有機質肥料を加え、約2週間かけて硝酸などに分解し、無機養分化するものである。特許文献2の技術は、特許文献1の技術を改良し、硝化微生物群を含む種菌を製造する技術である。この種菌を使用することにより無機養液の生成、つまり有機物の無機養分化にかかる期間を最短で4日間に短縮することが可能となった。
【0003】
特許文献3の技術は、硝化微生物群を固定化した担体(カラム)に、有機物(有機質肥料)を加えて1晩静置し、翌日水で洗浄するという操作を繰り返すことで、有機物が分解され、硝酸などの無機養分が生成されるという技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5071897号公報
特許第5388096号公報
特許第5686352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あらかじめ有機質肥料を別容器で分解し、無機養分化したものを養液に与える特許文献1及び2のバッチ法では、有機物の無機養分化に4日から2週間程度と時間がかかるうえに、有機物の添加量も限られていた。また、特許文献3のカラム法では、1日で有機物を無機養分化することが可能だが、カラムの大型化が困難であり、無機養液の生成量に限りがあった。このため、有機物から効率よく無機養液を製造できる技術の開発が求められていた。
【0006】
本開示の課題は、より効率的に、有機物から無機養液を製造できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本開示によれば、無機養液の製造方法であって、
上流から下流に向けて配置された複数の分解槽のうち最上流の分解槽に有機物含有水を供給する供給工程と、
前記有機物含有水を上流側の分解槽から下流側の分解槽に順次移送しながら、前記有機物含有水に含まれる有機物を前記各複数の分解槽内の硝化微生物群によって好気的条件下で分解する分解工程と、
を含む、無機養液の製造方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、前記無機養液の製造方法を実施するための装置であって、
上流から下流に向けて配置された複数の分解槽を備え、
前記複数の分解槽はそれぞれ空気供給部を備えるとともに硝化微生物群を収容し、
前記複数の分解槽のうち最上流の分解槽は、さらに有機物含有水が供給される供給部を備え、
前記分解槽は、前記供給部から供給された有機物含有水が、前記最上流の分解槽から下流側の分解槽に順次移送されながら、前記有機物含有水に含まれる有機物が前記各分解槽内の前記硝化微生物群によって好気的条件下で分解されるように、直列的に配置された構成である、
無機養液の製造装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、上流から下流に向けて配置された複数の分解槽のうち最上流の分解槽に対し、有機物含有水を供給し、前記有機物含有水を上流側の分解槽から下流側の分解槽に順次移送しながら、前記有機物含有水に含まれる有機物を前記各分解槽内の硝化微生物群によって好気的条件下で分解することで、有機物を効率よく無機養分化することができる。したがって、本開示によれば、より効率的に、有機物から無機養液を製造できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施の形態及び実施例1の無機養液の製造装置を示す概略図である。
実施例2の無機養液の製造装置を示す概略図である。
第1分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例1)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
第2分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例1)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
第3分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例1)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
第1分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例2)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
第2分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例2)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
第3分解槽におけるアンモニウムイオン(-×-)、亜硝酸イオン(-△-)、硝酸イオン(-〇-)の各濃度の経日変化を示すグラフである(実施例2)。図中、縦軸は各イオン濃度(mg/L)、横軸は日付を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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