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公開番号2025054556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023163667
出願日2023-09-26
発明の名称射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 220/18 20060101AFI20250331BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、リサイクルメタクリル酸メチルを用いた場合でも重合の失速を防止でき、更には射出成形時のシルバーストリークス発生を抑制することができる射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物は、リサイクルメタクリル酸メチル10~50質量%、非リサイクルメタクリル酸メチル50~90質量%、を含有するモノマー組成物を重合して得られるメタクリル酸メチル共重合体を含むメタクリル酸メチル共重合体組成物であって、前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中のイソ酪酸メチルの含有量が1~1500質量ppmであり、前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中の2-ヘプテン及び/又は3-ヘプテンの含有量が10~2000質量ppmであることを特徴としている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクルメタクリル酸メチル10~50質量%、
非リサイクルメタクリル酸メチル50~90質量%、
を含有するモノマー組成物を重合して得られるメタクリル酸メチル共重合体を含むメタクリル酸メチル共重合体組成物であって、
前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中のイソ酪酸メチルの含有量が1~1500質量ppmであり、
前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中の2-ヘプテン及び/又は3-ヘプテンの含有量が10~2000質量ppmである、
射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記モノマー組成物100質量%中にリサイクルアクリル酸メチル0.1~10質量%をさらに含有する、請求項1に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
【請求項3】
前記モノマー組成物100質量%中に非リサイクルアクリル酸メチル0.1~10質量%をさらに含有する、請求項1又は2に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を含む、射出成形用材料。
【請求項5】
請求項1に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を含む、テールランプ部品成形用材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル酸メチル共重合体を含有する、射出成形用の組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
環境負荷を低減する観点から、ポリメタクリル酸メチルを熱分解、解重合してメタクリル酸メチルを単離し再利用する、「ケミカルリサイクル」の検討が進められている。
例えば特許文献1にはポリメタクリル酸メチル(PMMA、ポリメチルメタクリレート)を熱分解する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2022-520072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、メタクリル酸メチルを用いて懸濁重合又は塊状重合を行うと、重合後期に粘度の上昇によりポリマー末端の成長ラジカルの拡散速度が低下し、これにより重合初期よりもラジカル同士の衝突による停止反応が起きにくくなり、結果として成長反応が進行しやすくなって重合速度が上昇する。これをいわゆるトロムスドルフ効果という。トロムスドルフ効果で重合速度が上昇することで重合の転化率を向上させ、残存モノマーを低減することができる。
しかしながら、リサイクルメタクリル酸メチルを使用して重合しようとすると、トロムスドルフ効果が発生せず、すなわち重合の加速が起きず、残存モノマーが増えるという現象が頻発するという課題が発生した。
残存モノマーの多いメタクリル樹脂は射出成形用途に用いると耐熱性が劣ったり、射出成形時にシルバーストリークスが発生したりするという課題があり積極的には使用されず、結果としてリサイクルメタクリル酸メチルの活用、及び社会実装が進まないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、リサイクルメタクリル酸メチルの使用量を調整し、共重合体を含む樹脂組成物中のイソ酪酸メチル、並びに2-ヘプテン及び/又は3-ヘプテンの量が最適な範囲となるように重合することによって、重合時のトロムスドルフ効果が発現しないことによる重合の失速を防止し、更には射出成形時のシルバーストリークス発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
リサイクルメタクリル酸メチル10~50質量%、
非リサイクルメタクリル酸メチル50~90質量%、
を含有するモノマー組成物を重合して得られるメタクリル酸メチル共重合体を含むメタクリル酸メチル共重合体組成物であって、
前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中のイソ酪酸メチルの含有量が1~1500質量ppmであり、
前記メタクリル酸メチル共重合体組成物中の2-ヘプテン及び/又は3-ヘプテンの含有量が10~2000質量ppmである、
射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
[2]
前記モノマー組成物100質量%中にリサイクルアクリル酸メチル0.1~10質量%をさらに含有する、[1]に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
[3]
前記モノマー組成物100質量%中に非リサイクルアクリル酸メチル0.1~10質量%をさらに含有する、[1]又は[2]に記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を含む、射出成形用材料。
[5]
[1]~[3]のいずれかに記載の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を含む、テールランプ部品成形用材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、リサイクルメタクリル酸メチルを用いた場合でも重合の失速を防止でき、更には射出成形時のシルバーストリークス発生を抑制することができる射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1の重合時の温度トレンドを示す図である。
比較例1の重合時の温度トレンドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
本実施形態の射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物は、リサイクルメタクリル酸メチル10~50質量%、非リサイクルメタクリル酸メチル50~90質量%を含有するモノマー組成物を重合して得られるメタクリル酸メチル共重合体を含むメタクリル酸メチル共重合体組成物であって、上記メタクリル酸メチル共重合体組成物100質量%中のイソ酪酸メチルの含有量が1~1500質量ppmであり、上記メタクリル酸メチル共重合体組成物100質量%中の2-ヘプテン及び/又は3-ヘプテン含有量が10~2000質量ppmである。
(【0011】以降は省略されています)

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