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公開番号2025045935
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023154002
出願日2023-09-20
発明の名称羽根車及び羽根車の製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類F04D 29/30 20060101AFI20250326BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】羽根車の形状や振動モードに依存することなく、注目すべき回転次数のハーモニクス共振時のAFの増大を抑制するインテンショナルミスチューンによる翼配列の羽根車が得ること。
【解決手段】回転体コア12と、回転体コア12の周面に、その周方向に沿って等間隔に配設された複数の翼(16、18)を備えた羽根車において、前記翼が、第1振動固有値を有する第1翼16及び前記第1振動固有値とは異なる第2振動固有値を有する第2翼18からなり、式(1)により定まる節直径数NDの2倍の波数を有するミスチューンフーリエ成分を含まないミスチェーン分布となるように、前記第1翼及び前記第2翼が、前記周方向に所定の規則性をもって交互するように配置されている。
H+ND=nN ・・・(1)
(但し、Hはハーモニクス励振による共振の回転次数、NDはトラベリングウェーブモードにおける節直径数、nは整数、Nは翼の枚数)
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転体コアと、
前記回転体コアの周面に、その周方向に沿って等間隔に配設された複数の翼を備えた羽根車において、
前記翼が、第1振動固有値を有する第1翼及び前記第1振動固有値とは異なる第2振動固有値を有する第2翼からなり、式(1)により定まる節直径数NDの2倍の波数を有するミスチューンフーリエ成分を含まないミスチェーン分布となるように、前記第1翼及び前記第2翼が、前記周方向に所定の規則性をもって交互するように配置されている羽根車。
H+ND=nN ・・・(1)
(但し、Hはハーモニクス励振による共振の回転次数、NDはTWモードにおける節直径数、nは整数、Nは翼の枚数)
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記第1翼及び前記第2翼が、互いに2つおきに交互するように配置されている請求項1に記載の羽根車。
【請求項3】
前記第1翼及び前記第2翼が、互いに4つおきに交互するように配置されている請求項1に記載の羽根車。
【請求項4】
羽根車の製造方法であって、
回転体コアを準備するステップと、
第1振動固有値を有する複数の第1翼及び前記第1振動固有値とは異なる第2振動固有値を有する複数の第2翼をそれぞれ準備するステップと、
前記回転体コアの周面に、その周方向に沿って等間隔に、且つ式(1)により定まる節直径数NDの2倍の波数を有するミスチューンフーリエ成分を含まないミスチェーン分布となるように、前記第1翼及び前記第2翼を、前記周方向に所定の規則性をもって交互に配置するステップとを有する羽根車の製造方法。
H+ND=nN ・・・(1)
(但し、Hはハーモニクス励振による共振の回転次数、NDはTWモードにおける節直径数、nは整数、Nは翼の枚数)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械等に用いられる羽根車及び羽根車の製造方法に関し、更に詳細には、インテンショナルミスチューンによる羽根車及びその羽根車の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
回転体コアの周面に、その周方向に沿って等間隔に翼(動翼)が配置された羽根車(回転体)は、加工誤差や実運用上の誤差などにより、個々の翼の固有値に微小な差異(以降、ミスチューンと呼ぶ)が存在する。この不可避でランダムな差異(以降ランダムミスチューンと呼ぶ)のある状態(以降、ミスチューン系と呼ぶ)では、個々の翼の固有値が理想的に全て一致する状態(以降、チューン系と呼ぶ)と比べ、羽根車の回転数の整数倍の周波数をもつハーモニクス励振による共振時に、個々の翼ごとに応答の増幅や低減が起こる。このチューン系の共振応答増幅率をAmplification Factor(以下、AF)と呼ぶ。
【0003】
羽根車の翼は、ターボ機械の高効率化、軽量化、高出力化の要望を受け、高負荷のうえ薄く設計されることが多く、高サイクル疲労による破損のリスクが高まる傾向がある。ランダムミスチューンによる応答増幅は、この高サイクル疲労のリスクを更に高め、破損による損害を生むため、共振応答増幅率を制御する手法を獲得できれば製品開発において大きな強みと考えられる。そのため、意図的なミスチューン分布(以降、インテンショナルミスチューンと呼ぶ)により、共振応答増幅率を制御する研究が行われている。
【0004】
一方で、昨今広まりつつあるMBD(Model Based Development)や1D・CAE(1D・Computer Aided Engineering)と呼ばれる開発形態では、翼の詳細な形状設計前の開発初期段階における製品、機能としての成立性を見通した設計変数決定により、予め羽根車の素性の良し悪しを見極めつつ進める開発形態であり、手戻りの削減が期待できる。
【0005】
しかし、翼振動応答やインテンショナルミスチューンは、翼形状や羽根車の運用時の空力的条件に大きく依存し、形のない段階で素性を良くする目的の1DCAEの観点からは、取り組み事例が少ない。特に、インテンショナルミスチューンの研究の多くは、空力減衰の大きいトラベリングウェーブ(以下の説明ではTWと呼ぶことがある)モードの連成を利用して、チューン系の応答よりも低い応答(共振応答増幅率AF<1.0)に下げることを課題としている。
【0006】
従来のインテンショナルミスチューンによる羽根車(回転体)として、羽根車の2節直径数モードの共振振動数が、羽根車の定格回転数の回転2次のハーモニクス振動数以下である回転体において、複数の翼の周方向の質量分布、剛性分布または固有振動数分布の回転次数成分のうち、ミスチューンの最大成分の回転次数をNdとしたとき、複数の翼が、Nd≧5となるように配列され、且つ回転次数Ndの成分の大きさで除した比が1/2未満の回転次数成分で構成されるように配列された羽根車が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5519835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の従来の羽根車は、2節直径数モードと、回転2次のハーモニクス振動の共振点での効果に限られる。しかし、一般的に、ターボ装置に用いられ羽根車は、翼の固有振動モードを数多く有し、特に静翼に対するハーモニクス共振では、通常の運転レンジに多くのハーモニクス共振点を有することから、ミスチューンの影響によって予期せぬ応答増幅のハーモニクス共振を生じる可能性を有する。
【0009】
従来の羽根車のインテンショナルミスチューンの分布による翼振動の応答低減効果は、翼形状への依存による翼モード形状や運用時の空力条件が明確な特定のハーモニクス共振条件に限定されるため、航空機用エンジンのように運転レンジが広く、多くの翼が同じハーモニクス励振を受け、且つ運用時の空力条件の様々な変化が考えられる使用に対しては、一定とは考えられない。
【0010】
最適なインテンショナルミスチューンの設計が可能となるのは、羽根車の運用上の注目すべき共振点(抑制目標の共振点)が明確になる開発後期の詳細設計の時期に相当すると考えられる。この注目すべき共振点に起因する羽根車の設計変更は開発初期の形状変更にまで影響する。このため、羽根車の形状や振動モードによらずに、羽根車の開発初期に、羽根車の形状や振動モードによらずに、できる限り羽根車の素性の良し悪しを見極める技術の開発が要望される。
(【0011】以降は省略されています)

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