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公開番号
2025044021
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-01
出願番号
2023151687
出願日
2023-09-19
発明の名称
酵母の新規スクリーニング方法
出願人
独立行政法人酒類総合研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
1/16 20060101AFI20250325BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明によると、従前までの育種方法と比較し、目的の成分のみを増減させ、その他成分は親株とほぼ変化のない優良酵母の育種に関わる効率性の飛躍的な向上をもたらすことができる。
【解決手段】その解決手段は、候補となる変異株が多数採れた段階でその酵母抽出液を一度メタボローム解析に供し、基準の優良酵母に近い複数の株のみについて小仕込み試験を行い、それを再度メタボローム解析に供することで、より効率的かつ精度の高い優良酵母の選抜が可能となる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の工程を順番どおりに行うことで、目的の成分のみを増加又は減少させ、その他の成分は親株からほぼ変化がない酵母を取得することが可能であることを特徴とする、酵母のスクリーニング方法。
(1)通常の変異方法により、変異株を取得すること。
(2)酵母の純粋培養を行い、酵母内容物を抽出すること。
(3)当該抽出物を用いたメタボローム解析を行うこと。
(4)同解析から、目的とする親株と同様の特性をもつ同クラスターに属する株を選抜すること。
(5)同クラスターに属する株からさらに候補株を選抜し、小仕込み試験を行うこと。
(6)小仕込みで得られた製成酒成分のメタボローム解析を行うこと。
(7)同解析から、目的とする親株と同様の特性をもつクラスターに属する株を選抜すること。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
下記の工程を順番どおりに行うことで、目的の成分を増加又は減少させることなく、その他の成分も親株からほぼ変化がない酵母を取得することが可能であることを特徴とする、酵母のスクリーニング方法。
(1)通常の変異方法により、変異株を取得すること。
(2)培養を行い、酵母内容物を抽出すること。
(3)当該抽出物を用いたメタボローム解析を行うこと。
(4)同解析から、目的とする親株と同様の特性をもつ同クラスターに属する株を選抜すること。
(5)同クラスターに属する株から選抜し、小仕込み試験を行うこと。
(6)小仕込みで得られた製成酒成分のメタボローム解析を行うこと。
(7)同解析から、目的とする親株と同様の特性をもつクラスターに属する株を選抜すること。
【請求項3】
酵母がビール酵母又はパン酵母である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
酵母が酒類醸造用酵母である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
酵母が清酒酵母又は焼酎酵母である、請求項1又は2に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、近年求められている酒質の多様性・独自性等に中心的な役割を及ぼす醸造用酵母の育種技術、特に、目的とする形質を備えた優良な酵母を簡易かつ効率的に選抜する技術に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
酵母は、国酒(清酒、焼酎、泡盛)や、ビール、ワイン等の酒の製造や、パン酵母等のように、食品の製造等にも用いられる、重要な微生物である。特に、酒の製造に用いられる醸造用酵母は、アルコール発酵に用いる菌株の性質により、発酵能力が高いものや、泡を発生しにくいもの、酸の生成が少ないもの、また、香気性成分を多く産生するもの等、多くの種類が存在する。よって、どの醸造用酵母菌株を選抜、使用するかによって、製造される酒の様々な性質を実現していくことができることとなる。
このように、目的の酒類の品質を実現するために、醸造用酵母の育種、選抜技術は非常に重要である。
【0003】
また、近年、国の政策として国酒の輸出促進に取り組んでいる中、今後国酒に求められる要件は、酒質の多様性、GI(地理的表示)に関わる独自性など、非常に幅広い。よって、その中で、目的の酒類品質を可能とするために、目的の酒質を実現させることができる醸造用酵母の育種をより効率的に可能とする技術の開発ニーズが非常に高い。
【0004】
目的形質を持つ株を育種する方法として、従来から自然突然変異や変異剤処理など様々な方法が用いられている。
これまでにも、優良醸造用酵母の育種技術としては、例えば、変異剤処理を施した後に同株のセルレニン耐性を利用したカプロン酸エチル高生産株の単離(特許文献1:特開昭63-309175号)など、薬剤耐性を指標とした酵母の育種法が多数報告されている。
【0005】
しかしながら、このような方法では、非常に多くの候補変異株を取得する必要があり、候補株の中には目的の形質を備えるものの発酵能が低い株や、不快な臭いの原因成分を多く生成する株など、実際の清酒醸造には不向きな形質が生じる場合が多い。
すなわち、実際の変異剤処理によるスクリーニングでは、目的の遺伝子以外にも変異が生じ、発酵特性の低下やオフフレーバーが生じるケースが多々あるのである。そこで、従来までの優良醸造用酵母の育種工程では、これら負の形質が生じた株を除外するために、得られた全ての変異株について醸造試験を行ったうえで代表的な各清酒成分について解析する必要があり、非常に多くの時間と労力を要していた。
つまり、優良な酵母の選抜には、多大な小仕込み試験による広範なスクリーニングと実醸造の規模に近い試験醸造による製成酒の成分分析及び官能試験などによる選抜・実証が必要となる、といった問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-309175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況下、有用な形質を備えた酵母菌株を選抜するためには、従来の方法では目的とする形質以外の部分で変異が起こった菌株を取得してしまう可能性があった。すなわち、従来手段でも、目的とする形質を備え、目的とする成分を増加又は減少させることができる株を取得することは可能であったが、目的とする部分以外の形質の変化については、あらかじめ考慮することができなかったのである。よって、目的とする形質を備えた株を取得することができたとしても、その他の部分で望まぬ性質が備わってしまっている菌株、例えば、発酵力が低いとか、異味・異臭が強くなってしまっている等の株を取得することがあった。
【0008】
上記の事態を回避するためには、多数の取得された菌株につき、実際に小仕込み試験をするなど、実際に酒を製造し、官能試験等で望まぬ形質が発現されていないかどうかを確認しなければならない。これは、大量の数の菌株を試験しなければならない場合には、すべて実際に酒を製造し試験・解析をおこなわなければならないことを意味するため、きわめて費用・時間もかかるし、確認試験の作業負担も莫大に大きいものとなっている。
【0009】
すなわち、現状においては、新たな酵母菌株を育種する際の試みとしては、ある薬剤での耐性でのスクリーニングや特徴の異なる酵母間での融合などがあるが、大量に取得した候補菌株の絞り込み方法についての明確でかつ効率的な育種・選抜技術は存在していない。つまり、目的とする薬剤の耐性能や目的成分分析の結果からある選抜基準を設けることで、人為的に絞り込みを行っているのが現状なのである。
このような技術的背景の下、ある程度効率的な選抜方法を確定することができれば、上記のように人為的に基準を定めなくとも、客観的に目的の性質のみを備えた菌株を取得することができるようになる。
また、大量の候補菌株につき、大規模かつ詳細な確認試験の作業をする必要を軽減したい、という当業界のニーズが存在する。
あわせて、目的部分以外の変異が少ない菌株を容易且つ簡便に取得したいニーズも存する。
【0010】
したがって、目的の酒類品質を実現するため、親株の希望する性質を備えた菌株であり、且つ、目的とする性質以外は親株から変化が少なく、大規模な確認試験の作業をできる限り減少させた、酵母のスクリーニング方法を開発することが望まれていたのである。そして、上記のように、選抜育種は多くの変異株の中から少数を選び出す作業となるため、選抜基準が重要となる。よって同時に、この方法を用いれば、ある程度客観的に、希望する菌株が取得できる、という方法であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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