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公開番号2025042942
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150157
出願日2023-09-15
発明の名称骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化増進剤
出願人株式会社渡辺オイスター研究所
代理人個人
主分類A61K 31/085 20060101AFI20250321BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、骨髄微小環境における炎症状態に関連する骨芽細胞の骨形成と石灰化の障害を防御し、治療する、新たな戦略を提供できる3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol、DHMBA)を有効成分とした抑制剤などを提供するものである。
【解決手段】本発明は、3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化を増進させる作用を有することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化を増進させる作用を有する、
ことを特徴とする骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化増進剤。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし骨芽細胞MC3T3-E1細胞の増殖または細胞死に対するTNF-αの影響を制御する作用を有する、
ことを特徴とする骨芽細胞MC3T3-E1細胞の増殖または骨芽細胞MC3T3-E1細胞の細胞死に対するTNF-αの影響制御剤。
【請求項3】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし骨芽細胞MC3T3-E1細胞の増殖または細胞死に対するTNF-αの影響を制御しMC3T3-E1細胞における TNF-α 誘発性の石灰化障害の防止作用を有する、
ことを特徴とするMC3T3-E1細胞におけるTNF-α誘発性の石灰化障害の防止剤。
【請求項4】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし炎症性マクロファージ RAW264.7細胞と共培養した骨芽細胞MC3T3-E1の増殖の抑制と細胞死の増進を制御する作用を有する、
ことを特徴とする炎症性マクロファージRAW264.7細胞と共培養した骨芽細胞MC3T3-E1の増殖の抑制と細胞死の増進を制御する抑制制御剤。
【請求項5】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし、骨芽細胞MC3T3-E1細胞の増殖または細胞死に対する炎症性マクロファージRAW264.7細胞の培養から得られるコンディション培養液の影響を防御する作用を有する、
ことを特徴とする骨芽細胞MC3T3-E1細胞の増殖または細胞死に対する炎症性マクロファージRAW264.7細胞の培養から得られるコンディション培養液の影響を防御する防御剤。
【請求項6】
3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol(DHMBA)を有効成分とし、骨芽細胞の転写因子NF-κBに関連する遺伝子プロモーター活性を抑制する作用を有する、
ことを特徴とする骨芽細胞の転写因子NF-κBに関連する遺伝子プロモーター活性の抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化増進剤に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
マガキ(Crassostrea Gigas)などで発見されたフェノール系抗酸化物質3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(DHMBA)は、Troloxなどの他の強い抗酸化物質と比較して、さらに優れたペルオキシルラジカルスカベンジャーとして機能する。そのために、DHMBAは健康障害の予防において重要な役割を果たす可能性がある。
【0003】
本発明では、マウスマクロファージRAW264.7細胞をin vitroで使用することにより、DHMBAが炎症状態において惹起されるマウス骨芽細胞MC3T3-E1細胞の石灰化障害を防止するかどうかを解明した。
【0004】
骨芽細胞の培養系において、DHMBA(1~100μM)の添加は、MC3T3-E1細胞の増殖および死滅に影響を与えなかった。この状態で、DHMBAは骨芽細胞の石灰化を増進することが見出された。DHMBAは、炎症性サイトカインTNF-αの添加によって引き起こされるMC3T3-E1細胞の石灰化の減少を抑制した。
【0005】
DHMBAは、マクロファージのRAW264.7細胞の培養において、リポ多糖(LPS)の刺激によるTNF-αの産生を阻害した。LPS刺激下で、MC3T3-E1細胞の増殖は、RAW264.7細胞との共培養によるクロストークによって、抑制された。
【0006】
興味深いことに、マクロファージをLPSで培養して得られた培養液で培養することにより、MC3T3-E1細胞の増殖が抑制されることが見出された。この効果は、DHMBAあるいはTNF-αシグナル伝達経路の阻害剤であるBay 11-7082の存在によって、抑制された。このDHMBAの抑制効果は、Bay 11-7082の存在下ではさらに強化されなかった。このメカニズムとして、DHMBAは、MC3T3-E1細胞におけるNF-κB p65のレベルと遺伝子NF-κBレポーター発現の活性を低下させることが判明した。DHMBAは、骨髄微小環境におけるマクロファージの活性化に関与するTNF-αシグナル伝達の抑制を介して、炎症性サイトカインTNF-αによる骨芽細胞の石灰化の障害を防ぐことが発明された。この発明は、炎症による骨芽細胞障害の治療に新しい戦略を提供するものでもある。
【0007】
(序 論)
骨の恒常性は、骨組織の主要細胞である骨芽細胞、骨細胞、ならびに破骨細胞の機能によって調節されている。骨の恒常性において、まず骨吸収が破骨細胞によって引き起こされる。この破骨細胞は、造血前駆細胞から分化し、骨表面の部位において発達する。次に、破骨によって生じた空洞は局所間葉系幹細胞から発生する骨芽細胞によって再び満たされる。骨芽細胞は空洞の底面に集まって、骨形成を開始する。このような細胞機構によって骨組織は新鮮な柔軟性ある組織を保持している。この骨の再構築(骨リモデリング)の機構を伴う骨恒常性は、新しい骨量を維持するために生理的役割を果たしている。
【0008】
骨リモデリングのプロセスは、ホルモンやサイトカイン、身体活動や体重負荷に伴う骨格系に作用するストレス、骨芽細胞から産生される因子であるトランスフォーミング成長因子-β1、血小板由来成長因子およびインスリン様成長因子などのさまざまな成長因子、さらには全身性の影響ならびにこれらの相互作用をもって、複雑に制御されている。さらに、骨髄微小環境に存在するリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞は、骨リモデリングの制御に寄与している。
【0009】
加齢に伴って生理的に女性の骨量減少を引き起こす閉経後骨粗鬆症は、加齢に伴うエストロゲン欠乏によって引き起こされる。さらに、注目すべきことに、骨転移性癌細胞によって重度の骨量減少が誘発され、骨折患者の死亡につながる。特に、炎症性マクロファージは、がん細胞の骨転移を介しての骨障害の発現に寄与している。主に、腫瘍壊死因子(TNF)-αである炎症性サイトカインは、変形性関節症、骨粗鬆症、癌の骨転移を引き起こす。興味深いことに、炎症性マクロファージによって産生されるTNF-αは、NF-κBシグナル伝達の活性化によって骨芽細胞の石灰化を抑制し、破骨細胞の骨吸収を刺激することが示されている。マクロファージRAW264.7細胞は、マクロファージを介した免疫、代謝、および食作用の機能に関してよく特徴付けられている単球/マクロファージ様細胞である。RAW264.7細胞は、破骨細胞が単球マクロファージ系統から分化する破骨細胞形成の細胞モデルとして研究に使用されている。 宿主の免疫系は、グラム陰性菌の主な抗原であるリポ多糖類(lipopolysaccharide; LPS)によって刺激される。骨髄微小環境において、LPS刺激によって活性化される炎症性マクロファージはTNF-αを産生し、骨量減少において大きな役割を果たしている。臨床的には、炎症や癌の骨転移などのさまざまな疾患による骨量の減少や骨折を防ぐための治療因子の開発が重要となる。
【0010】
海洋因子フェノール性抗酸化物質3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコール(3,5-dihydroxy-4-methoxybenzyl alcohol、DHMBA)は、太平洋カキCrassostrea Gigasで最初に発見された。DHMBAは、いくつかの細胞でラジカル消去して酸化ストレスを防ぐことが示されている。興味深いことに、DHMBAは優れたペルオキシル ラジカル スカベンジャーであり、脂質媒体および水性媒体において、それぞれ既知の強いラジカル スカベンジャーTroloxよりも約15倍および4桁優れている。また、DHMBAは、レスベラトロールやアスコルビン酸などの他の既知の抗酸化剤よりも早くHOO(・)と反応することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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