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公開番号2025042334
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2023149282
出願日2023-09-14
発明の名称純水用水の製造方法及び製造装置、純水製造方法及び純水製造システム
出願人野村マイクロ・サイエンス株式会社
代理人個人
主分類C02F 1/52 20230101AFI20250319BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】水中の懸濁物質等を効率的に除去するとともに、水回収率を著しく向上させることができ、膜ろ過装置の閉塞を長期にわたって抑制することのできる、純水用水の製造方法及び製造装置を提供すること。
【解決手段】原水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第1処理水を得る工程と、
第1処理水を前段のろ過膜装置でろ過して第1濃縮水を得て、第1濃縮水を後段のろ過膜装置でろ過する2段以上のろ過工程を有し、前記2段以上のろ過工程の透過水として純水用水を得る、純水用水の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
純水用水の製造方法であって、
原水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第1処理水を得る工程と、
第1処理水を前段のろ過膜装置でろ過して第1濃縮水を得て、第1濃縮水を後段のろ過膜装置でろ過する2段以上のろ過工程を有し、前記2段以上のろ過工程の透過水として純水用水を得る、製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記原水に、高塩基度のポリ塩化アルミニウムを添加することでマイクロフロックを含む第1処理水を得る、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が、75%より大きい、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ポリ塩化アルミニウムが、塩化アルミニウム5水酸化物を含み、
前記塩化アルミニウム5水酸化物の添加量が、酸化アルミニウム(Al



)換算の濃度で、原水に対して0.25mg/L以上25mg/L以下となる量である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が75%以下であり、
さらに、前記ポリ塩化アルミニウムの添加される原水のpHを調整するpH調整工程を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも1段のろ過膜装置の濃縮水にポリ塩化アルミニウムを添加したのち後段のろ過膜装置に供給する、少なくとも1つの工程を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも最終段のろ過膜装置の濃縮水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第2処理水を得る工程と、
前記第2処理水を、ろ過膜装置によって全量ろ過処理する全量ろ過工程を有し、
前記全量ろ過工程で得られた透過水を、前記原水として用いる、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
さらに、前記全量ろ過処理したろ過膜装置を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程で発生する洗浄廃水から上澄液を分離する沈降濃縮工程を有し、
前記上澄液を前記原水として用いる、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
純水の製造方法であって、
原水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第1処理水を得る工程と、
第1処理水を、前段のろ過膜装置でろ過して第1濃縮水を得て、第1濃縮水を後段のろ過膜装置でろ過する2段以上のろ過工程を有し、前記2段以上のろ過膜工程の透過水として純水用水を得る純水用水製造工程と、
紫外線酸化工程と、イオン交換工程と、をこの順に有する、
製造方法。
【請求項10】
純水用水の製造装置であって、
原水を供給する原水供給装置と、
ポリ塩化アルミニウムを原水に添加するポリ塩化アルミニウム供給装置と、
原水にポリ塩化アルミニウムが添加されて生成した第1処理水をろ過処理する2段以上のろ過膜装置と、
前記2段以上のろ過膜装置のうち、前段のろ過膜装置の濃縮水を、後段のろ過膜装置へ供給する濃縮水管と、前記2段以上のろ過膜装置の透過水を移送して純水用水を得る複数の移送管と、
を有する製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、純水用水の製造方法及び製造装置、純水製造方法及び純水製造システムに関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
河川水、井水、湖沼水等からの工業用水の製造、廃水処理等の水処理における除濁処理技術として、砂ろ過法、凝集沈殿法などによる処理が行われてきた。しかし、砂ろ過法や緩速ろ過による凝集沈殿法では、設備のための広大な設備面積を必要としたり、被処理水によっては、厳密な運転管理を行う必要があるなどの問題がある。その欠点を解消することができる技術として、精密ろ過膜(MF)や限外ろ過膜(UF)等のろ過膜を用いた膜分離法が幅広く採用されている。この膜分離法においては、除濁効率を高めるために、膜分離に先立ち、被処理水にポリ塩化アルミニウム(PAC)などの無機凝集剤を添加して凝集反応を行って凝集フロックを生成させ、この凝集フロックを含む凝集処理水をろ過膜でろ過することも行われている(例えば、特許文献1、2を参照。)。
【0003】
凝集処理水をろ過膜でろ過して分離する方法では、無機凝集剤を添加したことに起因するろ過膜のファウリングの課題があり、これを抑制するために、有機性アニオン性物質を被処理水に添加する方法も提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
【0004】
半導体電子産業用や医薬製薬用の純水や超純水の製造では、上水道水や工業用水道水等を原水として、原水を逆浸透膜装置(RO)、限外ろ過膜装置(UF)等の膜処理装置に通水し、その後、イオン交換樹脂装置、紫外線照射装置等を組み合わせて処理するのが一般的である。上水や工業用水等を原水とする場合は、原水中の懸濁物質を除去するため、原水はPACで処理されたうえで後段の処理装置に供給されるが、PAC由来の残留アルミニウムが含まれるため、これを、鉄系無機高分子凝集剤を用いて除去する方法も知られている。原水中の残留アルミニウムは、逆浸透膜装置等の膜に付着することで膜処理装置の透過流束が著しく低下するためである(例えば、特許文献4を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-168729号公報
特開2005-246157号公報
特開2022-165279号公報
特開2008-86966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した、凝集処理水をろ過する方法は、装置の規模の割に水回収率が悪いという問題がある。したがって、凝集処理水をろ過する従来の方法は、大量の純水や超純水を製造する半導体電子産業用や医薬製薬用の製造には適さない。また、半導体電子産業用や医薬製薬用の純水や超純水の製造におけるPACの使用には、水中の残留アルミニウムの膜への付着による、ファウリング発生や膜閉塞の課題がある。しかしながら、有機性アニオン性物質や鉄系無機高分子凝集剤を用いる方法では、薬剤使用量の増加によるコスト増大や環境負荷の課題がある。また、高分子凝集剤の残留物が後段の膜処理装置への膜表面に吸着されて生じる膜閉塞の課題もある。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、原水中の懸濁物質等を効率的に除去するとともに、水回収率を著しく向上させることができ、膜ろ過装置の閉塞を長期にわたって抑制することのできる、純水用水の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、原水中の懸濁物質を効率的に除去するとともに、水回収率を著しく向上させ、膜ろ過装置の閉塞を長期にわたって抑制することで、長期にわたって高水質の純水を製造することのできる、純水製造方法及び製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の製造方法、製造装置及び純水製造システムは次のものである。
[1]純水用水の製造方法であって、
原水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第1処理水を得る工程と、
第1処理水を前段のろ過膜装置でろ過して第1濃縮水を得て、第1濃縮水を後段のろ過膜装置でろ過する2段以上のろ過工程を有し、前記2段以上のろ過工程の透過水として純水用水を得る、製造方法。
[2]前記原水に、高塩基度のポリ塩化アルミニウムを添加することでマイクロフロックを含む第1処理水を得る、[1]に記載の製造方法。
[3]前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が、75%より大きい、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記ポリ塩化アルミニウムが、塩化アルミニウム5水酸化物を含み、
前記塩化アルミニウム5水酸化物の添加量が、酸化アルミニウム(Al



)換算の濃度で、原水に対して0.25mg/L以上25mg/L以下となる量である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が75%以下であり、
さらに、前記ポリ塩化アルミニウムの添加される原水のpHを調整するpH調整工程を有する、[1]に記載の製造方法。
[6]さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも1段のろ過膜装置の濃縮水にポリ塩化アルミニウムを添加したのち後段のろ過膜装置に供給する、少なくとも1つの工程を有する、[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも最終段のろ過膜装置の濃縮水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第2処理水を得る工程と、
前記第2処理水を、ろ過膜装置によって全量ろ過処理する全量ろ過工程を有し、
前記全量ろ過工程で得られた透過水を、前記原水として用いる、[1]乃至[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]さらに、前記全量ろ過処理したろ過膜装置を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程で発生する洗浄廃水から上澄液を分離する沈降濃縮工程を有し、
前記上澄液を前記原水として用いる、[7]に記載の製造方法。
【0009】
[9]純水の製造方法であって、
原水に、ポリ塩化アルミニウムを添加することで第1処理水を得る工程と、
第1処理水を、前段のろ過膜装置でろ過して第1濃縮水を得て、第1濃縮水を後段のろ過膜装置でろ過する2段以上のろ過工程を有し、前記2段以上のろ過膜工程の透過水として純水用水を得る純水用水製造工程と、
紫外線酸化工程と、イオン交換工程と、をこの順に有する、
製造方法。
【0010】
[10]純水用水の製造装置であって、
原水を供給する原水供給装置と、
ポリ塩化アルミニウムを原水に添加するポリ塩化アルミニウム供給装置と、
原水にポリ塩化アルミニウムが添加されて生成した第1処理水をろ過処理する2段以上のろ過膜装置と、
前記2段以上のろ過膜装置のうち、前段のろ過膜装置の濃縮水を、後段のろ過膜装置へ供給する濃縮水管と、前記2段以上のろ過膜装置の透過水を移送して純水用水を得る複数の移送管と、
を有する製造装置。
[11]前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が、75%より大きい、[10]に記載の製造装置。
[12]前記ポリ塩化アルミニウムが、塩化アルミニウム5水酸化物を含み、
前記ポリ塩化アルミニウム供給装置は、原水に対して、酸化アルミニウム(Al



)換算の濃度で、0.25mg/L以上25mg/L以下となる量の塩化アルミニウム5水酸化物を供給する、[10]又は[11]に記載の製造装置。
[13]前記ポリ塩化アルミニウムの塩基度が75%以下であり、
さらに、前記ポリ塩化アルミニウムの添加される原水のpHを調整するpH調整装置を有する、[10]に記載の製造装置。
[14]さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも1段のろ過膜装置の濃縮水にポリ塩化アルミニウムを添加する1つ以上のポリ塩化アルミニウム供給装置を有し、前記ポリ塩化アルミニウムの添加された濃縮水を後段のろ過膜装置がろ過する、[10]乃至[13]のいずれかに記載の製造装置。
[15]さらに、前記2段以上のろ過膜装置のうち、少なくとも最終段のろ過膜装置の濃縮水に、ポリ塩化アルミニウムを添加するポリ塩化アルミニウム供給装置と、
最終段のろ過膜装置の濃縮水にポリ塩化アルミニウムが添加されて生成する第2処理水を全量ろ過するろ過膜装置を備え、
前記全量ろ過するろ過膜装置の透過水を、前記原水として用いるために前記原水供給装置に送る配管とを有する、[10]乃至[14]のいずれかに記載の製造装置。
[16]さらに、前記全量ろ過するろ過膜装置を洗浄する洗浄装置と、
前記洗浄装置で発生する洗浄廃水から上澄液を分離する沈降濃縮装置と、
前記上澄み液を前記原水供給装置に送る配管を有する、[15]に記載の製造装置。
[17][10]又は[15]に記載の純水用水の製造装置と、
紫外線酸化装置と、イオン交換装置と、をこの順に備える、純水製造システム。
なお、「~」の符号はその前後の数値を含む数値範囲を示す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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