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公開番号2025039442
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023146547
出願日2023-09-08
発明の名称アミノ酸又はその塩と糖とが共非晶質構造を形成している組成物、並びにその製造方法
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 5/00 20160101AFI20250313BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】水溶解性が向上したアミノ酸含有組成物等の提供。
【解決手段】(A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩、並びに(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖を含有し、前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とが共非晶質構造を形成している、組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩、並びに
(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖を含有し、
前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とが共非晶質構造を形成している、組成物。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
(i)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(ii)前記(A)として少なくともバリン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(iii)前記(A)として少なくともイソロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(iv)前記(A)として少なくともシスチン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(v)前記(A)として少なくともチロシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(vi)前記(A)として少なくともグルタミン酸又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(vii)前記(A)として少なくともアルギニン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、あるいは、
(viii)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともグルコースを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物に含有される前記(A)及び前記(B)のモル比が、A:B=1:0.1~10である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、食品用組成物、医薬用組成物、飼料用組成物又は香粧品用組成物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物を用いることを含む、食品、医薬、飼料又は香粧品の製造方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物を含む食品、医薬、飼料又は香粧品。
【請求項7】
(A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩、並びに(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖を粉砕及び混合することを含む、
前記(A)及び前記(B)を含有し、前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とが共非晶質構造を形成している組成物の製造方法。
【請求項8】
前記(A)及び前記(B)の粉砕及び混合を、ボールミルを使用して行う、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
(i)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(ii)前記(A)として少なくともバリン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(iii)前記(A)として少なくともイソロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(iv)前記(A)として少なくともシスチン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(v)前記(A)として少なくともチロシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(vi)前記(A)として少なくともグルタミン酸又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(vii)前記(A)として少なくともアルギニン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、あるいは、
(viii)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともグルコースを用いる、請求項7記載の製造方法。
【請求項10】
粉砕及び混合される前記(A)及び前記(B)のモル比が、A:B=1:0.1~10である、請求項7記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸又はその塩と糖とが共非晶質構造を形成している組成物、並びにその製造方法に関する。また、本発明は、アミノ酸又はその塩の水溶解性の向上方法にも関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
アミノ酸は、栄養機能、生理機能及び呈味機能等の多くの優れた機能を有することから、食品、医薬、飼料、香粧品等の様々な分野で利用されている。そのようなアミノ酸の利用性の向上を目的として種々の検討が従来なされている。
【0003】
例えば、結晶として通常存在するアミノ酸を非晶質(アモルファス)とすることによって溶解性を向上させ得ることに着目し、アミノ酸を有機酸と組み合わせて共非晶質(コ・アモルファス)構造体とすること(特許文献1)や、種類の異なるアミノ酸同士を組み合わせて共非晶質構造体とすること(特許文献2)が提案されている。
【0004】
一方、親水性物質の固体マトリクス中に難水溶性物質を分子レベルで安定的に分散させた固体分散体を製造するために、糖、糖アルコール及びアミノ酸からなる群から選ばれる親水性物質を用いて製造した非晶質の親水性物質と、難水溶性物質を分散させた有機溶媒とを混合し、乾燥させることが提案されている(特許文献3)。また、所定量の活性成分、ロイシン及び糖を含む噴霧乾燥粉末を、吸入製剤に利用することが提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/187472号
国際公開第2020/262455号
特開2015-193613号公報
国際公開第2014/167023号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に開示された技術は、アミノ酸の溶解性向上等に大いに優れた技術であるが、アミノ酸と有機酸との共非晶質構造体は、水等に溶解させた時のpHが酸性となり、また、味も酸味が強くなるため、食品(例えば、中性付近の製品等)等への利用は制限が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、新たなアミノ酸の水溶解性の向上方法(好ましくは、溶解時のpHや味への影響を抑えて、アミノ酸の水溶解性を向上する方法)を提供すること、並びに、水溶解性が向上したアミノ酸含有組成物及びその製造方法(好ましくは、溶解時のpHや味への影響を抑えて、水溶解性が向上したアミノ酸含有組成物及びその製造方法)を新たに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、特定のアミノ酸を、特定の糖とともに粉砕及び混合することによって、当該アミノ酸と糖とが共非晶質構造を形成し得ることを見出した。また、特定のアミノ酸と特定の糖とが共非晶質構造を形成している組成物は、水溶解性が向上し得ることも見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき、更に研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
[1](A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩、並びに
(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖を含有し、
前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とが共非晶質構造を形成している、組成物。
[2](i)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(ii)前記(A)として少なくともバリン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(iii)前記(A)として少なくともイソロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(iv)前記(A)として少なくともシスチン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(v)前記(A)として少なくともチロシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(vi)前記(A)として少なくともグルタミン酸又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、
(vii)前記(A)として少なくともアルギニン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともスクロースを含むか、あるいは、
(viii)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を含み、かつ前記(B)として少なくともグルコースを含む、[1]記載の組成物。
[3]前記組成物に含有される前記(A)及び前記(B)のモル比が、A:B=1:0.1~10である、[1]又は[2]記載の組成物。
[4]前記組成物における前記(A)の含有量が、前記組成物に対して0.1~85重量%である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[5]前記組成物における前記(B)の含有量が、前記組成物に対して0.1~85重量%である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6]前記組成物が、食品用組成物、医薬用組成物、飼料用組成物又は香粧品用組成物である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7][1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物を用いることを含む、食品、医薬、飼料又は香粧品の製造方法。
[8][1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物を含む食品、医薬、飼料又は香粧品。
[9](A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩、並びに(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖を粉砕及び混合することを含む、
前記(A)及び前記(B)を含有し、前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とが共非晶質構造を形成している組成物の製造方法。
[10]前記(A)及び前記(B)の粉砕及び混合を、ボールミルを使用して行う、[9]記載の製造方法。
[11]前記(A)及び前記(B)の粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、300~2000rpmである、[10]記載の製造方法。
[12]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、500~1500rpmである、[10]記載の製造方法。
[13]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、800~1200rpmである、[10]記載の製造方法。
[14]前記(A)及び前記(B)を粉砕及び混合する時間が、0.1~12時間である、[9]~[13]のいずれか一つに記載の製造方法。
[15]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合する時間が、0.5~5時間である、[9]~[13]のいずれか一つに記載の製造方法。
[16]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合する時間が、1~3時間である、[9]~[13]のいずれか一つに記載の製造方法。
[17](i)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(ii)前記(A)として少なくともバリン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(iii)前記(A)として少なくともイソロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(iv)前記(A)として少なくともシスチン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(v)前記(A)として少なくともチロシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(vi)前記(A)として少なくともグルタミン酸又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(vii)前記(A)として少なくともアルギニン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、あるいは、
(viii)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともグルコースを用いる、[9]~[16]のいずれか一つに記載の製造方法。
[18]粉砕及び混合される前記(A)及び前記(B)のモル比が、A:B=1:0.1~10である、[9]~[17]のいずれか一つに記載の製造方法。
[19]前記組成物における前記(A)の含有量が、前記組成物に対して0.1~85重量%である、[9]~[18]のいずれか一つに記載の製造方法。
[20]前記組成物における前記(B)の含有量が、前記組成物に対して0.1~85重量%である、[9]~[19]のいずれか一つに記載の製造方法。
[21]前記組成物が、食品用組成物、医薬用組成物、飼料用組成物又は香粧品用組成物である、[9]~[20]のいずれか一つに記載の製造方法。
[22][9]~[21]のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる組成物を用いることを含む、食品、医薬、飼料又は香粧品の製造方法。
[23](A)ロイシン、バリン、イソロイシン、シスチン、チロシン、グルタミン酸及びアルギニンからなる群より選択される少なくとも一種のアミノ酸又はその塩を、(B)スクロース及びグルコースからなる群より選択される少なくとも一種の糖とともに粉砕及び混合して、前記(A)の少なくとも一部と前記(B)の少なくとも一部とに共非晶質構造を形成させることを含む、前記(A)の水溶解性の向上方法。
[24]前記(A)及び前記(B)の粉砕及び混合を、ボールミルを使用して行う、[23]記載の方法。
[25]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、300~2000rpmである、[24]記載の方法。
[26]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、500~1500rpmである、[24]記載の方法。
[27]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合するときの、ボールミルの回転数が、800~1200rpmである、[24]記載の方法。
[28]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合する時間が、0.1~12時間である、[23]~[27]のいずれか一つに記載の方法。
[29]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合する時間が、0.5~5時間である、[23]~[27]のいずれか一つに記載の方法。
[30]前記(A)を前記(B)とともに粉砕及び混合する時間が、1~3時間である、[23]~[27]のいずれか一つに記載の方法。
[31](i)前記(A)として少なくともロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(ii)前記(A)として少なくともバリン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
(iii)前記(A)として少なくともイソロイシン又はその塩を用い、かつ前記(B)として少なくともスクロースを用いるか、
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定のアミノ酸又はその塩の水溶解性の向上方法が提供される。本発明の方法は、有機酸を必須として用いるものでないため、溶解時のpHや味への影響を抑えて、特定のアミノ酸又はその塩の水溶解性を向上し得る。
また、本発明によれば、水溶解性が向上した、特定のアミノ酸又はその塩を含有する組成物、並びにその製造方法が提供される。本発明の組成物は、有機酸を必須として含有するものでなく、溶解時のpHや味への影響を抑えられ得るため、食品等へ利用される場合でも制限が生じない。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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