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公開番号
2025060910
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2024231090,2023525901
出願日
2024-12-26,2022-06-01
発明の名称
抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩、ならびにその製造に用いられる化合物またはその塩
出願人
味の素株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
A61K
47/68 20170101AFI20250403BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】抗体と機能性物質との結合比率を所望の範囲に制御しつつ、所望の性質に優れた抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩を提供する。
【解決手段】下記式(I):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025060910000188.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">45</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">153</com:WidthMeasure> </com:Image>
〔式中、Igは、2個の重鎖および2個の軽鎖を含むイムノグロブリン単位を示し、かつ、2個の重鎖中のリジン残基の側鎖中のアミノ基を介して、Igに隣接するカルボニル基とアミド結合を位置選択的に形成する;Xは、所定の2価の基;Dは、機能性物質;R
A
は、バリン残基の側鎖;R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖;nは、0または1〕で表される構造単位を含み、かつ少なくとも1個の親水性基が前記構造単位中に存在する、抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(I):
TIFF
2025060910000148.tif
45
153
〔式中、
Igは、2個の重鎖および2個の軽鎖を含むイムノグロブリン単位を示し、かつ、2個の重鎖中のリジン残基の側鎖中のアミノ基を介して、Igに隣接するカルボニル基とアミド結合を位置選択的に形成しており、
イムノグロブリン単位がヒトイムノグロブリン単位であり、
L
1
が、下記式(i):
-L
4
-Y-L
3
- (i)
〔式中、
L
3
、およびL
4
は、それぞれ独立して、-(C(R)
2
)
m
-、-(O-C(R)
2
-C(R)
2
)
m
-、および-(C(R)
2
-C(R)
2
-O)
m
-、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の基を含み、
Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~6のアルキル、炭素原子数2~6のアルケニル、または炭素原子数2~6のアルキニルであり、
mは、0~20の整数であり、
Yは、下記構造式:
TIFF
2025060910000149.tif
50
153
〔ここで、白丸および黒丸は結合手を示し、
白丸の結合手がL
3
に結合している場合、黒丸の結合手がL
4
に結合しており、
白丸の結合手がL
4
に結合している場合、黒丸の結合手がL
3
に結合している。〕のいずれか一つの構造式により表される2価の基である。〕で表される2価の基を示し、
L
2
は、2価の基を示し、
R
1
は、親水性基を含んでいてもよい1価の基を示し、
Xは、置換基を有していてもよい2価の基を示し、ここで、2価の基は、Xの両隣に存在する2個の原子を連結する主鎖部分を構成する炭素原子数が1~3個であり、置換基は、親水性基を含んでいてもよい1価の基であり、
Dは、機能性物質を示し、
R
A
は、バリン残基の側鎖を示し、
R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖を示し、
nは、0または1であり、ここで、nが1の場合、Xにおける置換基は、R
1
と一緒になって、親水性基を含んでいてもよい環を形成していてもよく、
2個の重鎖あたりの前記アミド結合の平均比率rは、1.5~2.5である。〕で表される構造単位を含み、かつ少なくとも1個の親水性基が前記構造単位中に存在し、
リジン残基が、Eu numberingに従う246/248位、288/290位、または317位に存在する、
抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩であって、
式(I)で表される構造単位が、下記式(I-1)、(I-2)、または(I-3)で表される構造単位であり:
TIFF
2025060910000150.tif
45
153
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
rが、1.9~2.1である、請求項1記載のコンジュゲートまたはその塩。
【請求項3】
L
3
、およびL
4
は、それぞれ独立して、-(C(R)
2
)
m
-を含む、請求項1記載のコンジュゲートまたはその塩。
【請求項4】
L
2
が、下記の構造式:
TIFF
2025060910000168.tif
80
153
(ここで、黒丸および白丸は結合手を示し、
黒丸の結合手は、L
2
に隣接するカルボニル基に結合しており、
白丸の結合手は、Dに結合しており、
Eは、電子吸引基を示し、
n2は、1~4の整数である。)で表される2価の基を含む、請求項1~3のいずれか一項記載のコンジュゲートまたはその塩。
【請求項5】
機能性物質が、薬物、標識物質、または安定化剤である、請求項1記載のコンジュゲートまたはその塩。
【請求項6】
機能性物質が、ペプチド、タンパク質、核酸、または低分子有機化合物である、請求項1記載のコンジュゲートまたはその塩。
【請求項7】
下記式(II-1)、(II-2)、または(II-3):
TIFF
2025060910000169.tif
39
153
〔式中、
L
2
は、2価の基を示し、
L
3
は、-(C(R)
2
)
m
-、-(O-C(R)
2
-C(R)
2
)
m
-、および-(C(R)
2
-C(R)
2
-O)
m
-、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の基を含む、2価の基を示し、
R
1
は、親水性基を含む1価の基を示し、
Dは、機能性物質を示し、
R
A
は、バリン残基の側鎖を示し、
R
B
は、シトルリン残基、またはアラニン残基の側鎖を示し、
Bは、生体直交性官能基を示し、
生体直交性官能基が、マレイミド残基、チオール残基、フラン残基、ハロカルボニル残基、アルケン残基、アルキン残基、アジド残基、またはテトラジン残基である。〕;
TIFF
2025060910000170.tif
48
153
〔式中、
L
2
、L
3
、D、R
A
、R
B
、およびBは、式(II-1)と同じであり、
R
2
は、親水性基を含む1価の基を示す。〕;または
TIFF
2025060910000171.tif
44
153
〔式中、
L
2
、L
3
、D、R
A
、R
B
、およびBは、式(II-1)と同じであり、
R
3
は、水素原子、または炭素原子数1~6のアルキル、または親水性基を含む1価の基を示し、
R
4
は、親水性基を含む1価の基を示す。〕で表される、化合物またはその塩であって、
式(II-1)、(II-2)、または(II-3)で表される化合物が、下記式(II-1a’)、(II-1b’)、(II-1c’)、(II-2’)、(II-3a’)、または(II-3b’)で表され:
TIFF
2025060910000172.tif
45
153
〔式中、
L
2
、L
3
、D、R
A
【請求項8】
L
2
が、下記の構造式:
TIFF
2025060910000187.tif
80
153
(ここで、黒丸および白丸は結合手を示し、
黒丸の結合手は、L
2
に隣接するカルボニル基に結合しており、
白丸の結合手は、Dに結合しており、
Eは、電子吸引基を示し、
n2は、1~4の整数である)で表される2価の基を含む、請求項7記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
機能性物質が、薬物、標識物質、または安定化剤である、請求項7記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
機能性物質が、ペプチド、タンパク質、核酸、または低分子有機化合物である、請求項7記載の化合物またはその塩。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体および機能性物質のコンジュゲートまたはその塩、ならびにその製造に用いられる化合物またはその塩などに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)の研究開発が盛んに行われている。ADCはその名の通り、抗体に薬物(例、抗癌剤)をコンジュゲーションした薬剤であり、癌細胞などに対して直接的な殺細胞活性を有する。代表的なADCとしては、Immunogene社およびRoche社が共同開発したT-DM1(商品名:カドサイラ(登録商標))がある。
【0003】
ADCは、抗体中に存在する特定のアミノ酸残基の側鎖中の官能基を薬物に結合することにより作製されている。ADCの作製に利用されるこのような官能基の例は、抗体中に存在するリジン残基の側鎖中のアミノ基である。抗体中のリジン基(例、246/248位、288/290位、または317位のリジン残基)を位置選択的に修飾する技術として、幾つかの技術が報告されている(例、特許文献1~4)。
【0004】
ADCでは、リンカーを介して抗体および薬物が連結されている。ADCにおけるリンカーとしては、種々のものが存在する。例えば、抗癌剤として用いられるADCでは、ヒト血漿中で安定であり、かつ、癌細胞内で薬物を放出するために特定酵素で切断可能な構造を有するリンカーとして、バリン-シトルリンからなるジペプチド(Val-Cit:VC構造)を含むリンカーが存在する。このようなジペプチドを含むリンカーは、下記(A)に示されるように、ヒト血漿中では安定であるものの、下記(B)に示されるように、ヒト癌細胞内のリソソーム中のカテプシン(cathepsin)BによりVC構造が認識されて、シトルリンのカルボキシ末端側に存在するアミド結合が切断される。したがって、このようなジペプチドを含むリンカーを有するADCは、ヒト癌細胞内で薬物を放出して薬効を発現することができる。
【0005】
TIFF
2025060910000001.tif
90
153
【0006】
TIFF
2025060910000002.tif
141
153
【0007】
しかし、上記のようなジペプチドを含むリンカーを有するADCは、マウス血漿中では
不安定である(非特許文献1および2)。これは、マウス血漿中には、VC構造を認識して、シトルリンのカルボキシ末端側に存在するアミド結合を切断するカルボキシラーゼであるCes1cが存在することから、上記のようなジペプチドを含むリンカーがCes1cにより血漿中で切断されてしまうためである。したがって、上記のようなジペプチドを含むリンカーを有するADCについては、マウスとヒトでは体内動態が大きく異なる。そのため、マウスでは、ヒトにおける薬効を評価し難いという問題がある。
【0008】
TIFF
2025060910000003.tif
170
153
【0009】
上述のように「抗体-スペーサー-VC構造-スペーサー-薬物」という構造を有するADCについてマウス血漿中での不安定性を改善するため、リンカー(すなわち、スペーサー-VC構造-スペーサー)の改変によるADCの安定化が試みられている。
【0010】
例えば、特許文献5および非特許文献3は、VC構造と薬物との間に存在するスペーサー中(Ces1cによる切断部位の近傍)に、親水性基(PEG)を導入することによりリンカーを安定化することを開示している。
(【0011】以降は省略されています)
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