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公開番号
2025079659
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-22
出願番号
2023192478
出願日
2023-11-10
発明の名称
樹脂シート及びその製造方法、回路基板の製造方法、並びに、樹脂組成物
出願人
味の素株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20250515BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ムラを抑制しながら絶縁層を形成できる樹脂シートを提供する。
【解決手段】樹脂組成物層を備える樹脂シートであって;樹脂組成物層が、(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂、(B)テトラヒドロフラン及び(C)無機充填材を含み;(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂の量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、2質量%以上であり;(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、0.1質量%以上であり;(C)無機充填材の量が、樹脂組成物層の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以上である、樹脂シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂組成物層を備える樹脂シートであって、
樹脂組成物層が、(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂、(B)テトラヒドロフラン及び(C)無機充填材を含み、
(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂の量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、2質量%以上であり、
(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、0.1質量%以上であり、
(C)無機充填材の量が、樹脂組成物層の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以上である、樹脂シート。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
樹脂組成物層中の不揮発成分の、下記式(M2)で表されるバイオマス比率が、0.1質量%以上である、請求項1に記載の樹脂シート。
バイオマス比率(質量%)=(不揮発成分中の生物由来成分の質量/不揮発成分の質量)×100 (M2)
【請求項3】
樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層の平均線熱膨張係数が、50ppm/℃以下である、請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項4】
樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層の誘電正接が、0.015未満である、請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項5】
樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層のガラス転移温度が、150℃より高い、請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂シートを用いた回路基板の製造方法であって;
前記製造方法が、
樹脂組成物層と内層基板とが接合するように、樹脂シートと内層基板とを積層する工程と、
樹脂組成物層を硬化する工程と、
を含む、回路基板の製造方法。
【請求項7】
(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂、(B)テトラヒドロフラン及び(C)無機充填材を含む、樹脂組成物であって、
(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂の量が、樹脂組成物の全量100質量%に対して、2質量%以上であり、
(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物の全量100質量%に対して、1質量%以上であり、
(C)無機充填材の量が、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以上である、樹脂組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造方法であって;
前記製造方法が、
樹脂組成物を支持体上に塗布する工程と、
塗布された樹脂組成物を乾燥させて樹脂組成物層を形成する工程と、
を含み;
樹脂組成物層中の(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、0.1質量%以上である、樹脂シートの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シート及びその製造方法、当該樹脂シートを用いた回路基板の製造方法、並びに、樹脂シートの製造に用いる樹脂組成物、に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
プリント配線板等の回路基板は、各種電子機器に広く使用されている。回路基板の製造方法としては、内層基板に絶縁層と導体層とを交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。絶縁層は、例えば、樹脂組成物の硬化物によって形成される。具体例を挙げると、樹脂組成物を含む樹脂組成物層を形成し、その樹脂組成物層を硬化させることにより、当該樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層が形成される。
【0003】
近年、サステナビリティの観点から、絶縁層の材料としてバイオマス樹脂の適用が検討されている。絶縁性に優れるバイオマス樹脂の一つとして、フラン骨格を含有する樹脂が知られている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6631889号公報
特開2016-060766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイオマス樹脂は、一般に、耐熱性の低いものが多いが、フラン骨格を含有する樹脂は、耐熱性が高い。また、フラン骨格を含有する樹脂は、線熱膨張係数が、比較的小さい。そこで、本発明者は、フラン骨格を含有する硬化性樹脂を用いて、絶縁層を形成することを試みた。
【0006】
具体的には、本発明者は、誘電正接及び線熱膨張係数の改善のために無機充填材をフラン骨格を含有する硬化性樹脂と組み合わせて含む樹脂組成物を製造し、その樹脂組成物を含む樹脂組成物層を備えた樹脂シートを用いて絶縁層を形成することを試みた。ところが、この方法で絶縁層を形成すると、当該絶縁層にムラが生じることが判明した。
【0007】
絶縁層のムラは、詳細には、下記のように生じた。通常、樹脂シートを用いた絶縁層の形成方法は、樹脂組成物層と内層基板とが接合するように樹脂シートと内層基板とを積層することと、樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を得ることと、を含む。しかし、形成された絶縁層の縁部の近傍には、当該縁部に沿って凹み状のムラが見られた。
【0008】
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、ムラを抑制しながら絶縁層を形成できる樹脂シート及びその製造方法;当該樹脂シートを用いた回路基板の製造方法;並びに、当該樹脂シートを製造できる樹脂組成物;を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、特定範囲の量のフラン骨格を含有する硬化性樹脂、特定範囲の量のテトラヒドロフラン(THF)、及び、特定範囲の量の無機充填材、を組み合わせた場合に、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
【0010】
<1> 樹脂組成物層を備える樹脂シートであって、
樹脂組成物層が、(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂、(B)テトラヒドロフラン及び(C)無機充填材を含み、
(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂の量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、2質量%以上であり、
(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、0.1質量%以上であり、
(C)無機充填材の量が、樹脂組成物層の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以上である、樹脂シート。
<2> 樹脂組成物層中の不揮発成分の、下記式(M2)で表されるバイオマス比率が、0.1質量%以上である、<1>に記載の樹脂シート。
バイオマス比率(質量%)=(不揮発成分中の生物由来成分の質量/不揮発成分の質量)×100 (M2)
<3> 樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層の平均線熱膨張係数が、50ppm/℃以下である、<1>又は<2>に記載の樹脂シート。
<4> 樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層の誘電正接が、0.015未満である、<1>~<3>のいずれか一項に記載の樹脂シート。
<5> 樹脂組成物層を硬化して得られる硬化物層のガラス転移温度が、150℃より高い、<1>~<4>のいずれか一項に記載の樹脂シート。
<6> <1>~<5>のいずれか一項に記載の樹脂シートを用いた回路基板の製造方法であって;
前記製造方法が、
樹脂組成物層と内層基板とが接合するように、樹脂シートと内層基板とを積層する工程と、
樹脂組成物層を硬化する工程と、
を含む、回路基板の製造方法。
<7> (A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂、(B)テトラヒドロフラン及び(C)無機充填材を含む、樹脂組成物であって、
(A)フラン骨格を含有する硬化性樹脂の量が、樹脂組成物の全量100質量%に対して、2質量%以上であり、
(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物の全量100質量%に対して、1質量%以上であり、
(C)無機充填材の量が、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以上である、樹脂組成物。
<8> <7>に記載の樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造方法であって;
前記製造方法が、
樹脂組成物を支持体上に塗布する工程と、
塗布された樹脂組成物を乾燥させて樹脂組成物層を形成する工程と、
を含み;
樹脂組成物層中の(B)テトラヒドロフランの量が、樹脂組成物層の全量100質量%に対して、0.1質量%以上である、樹脂シートの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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