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公開番号2025093855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2024178512
出願日2024-10-11
発明の名称金属箔付き樹脂シート
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250617BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ガラス転移温度が高く、フィルム柔軟性に優れる硬化物を得ることができる金属箔付き樹脂シート等の提供。
【解決手段】金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムをこの順で備える、金属箔付き樹脂シートであって、樹脂組成物層は、(A)有機溶剤、(B)熱硬化性樹脂、及び(C)無機充填材、を含み、(A)成分が、(A-1)沸点が180℃以上の有機溶剤を含み、(A-1)成分の含有量が、樹脂組成物層中に含まれる(A)成分全体を100質量%としたとき、20質量%以上である、金属箔付き樹脂シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムをこの順で備える、金属箔付き樹脂シートであって、
樹脂組成物層は、（Ａ）有機溶剤、（Ｂ）熱硬化性樹脂、及び（Ｃ）無機充填材、を含み、
（Ａ）成分が、（Ａ－１）沸点が１８０℃以上の有機溶剤を含み、
（Ａ－１）成分の含有量が、樹脂組成物層中に含まれる（Ａ）成分全体を１００質量％としたとき、２０質量％以上である、金属箔付き樹脂シート。
続きを表示（約 590 文字）【請求項２】
さらに、（Ｄ）柔軟性樹脂を含む、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項３】
（Ｄ）成分が、ポリイミド樹脂を含む、請求項２に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項４】
樹脂組成物層中に含まれる（Ａ－１）成分の含有量をａ１とし、樹脂組成物層中に含まれる（Ｄ）成分の含有量をｄ１としたとき、ａ１／ｄ１が、０．１以上２５以下である、請求項２に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項５】
（Ａ－１）成分の沸点が、２５０℃以下である、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項６】
（Ａ－１）成分が、炭素－酸素二重結合、及び炭素－硫黄二重結合のいずれかを含む、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項７】
（Ａ－１）成分が、ラクタム系有機溶剤を含む、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項８】
（Ａ－１）成分が、γ－ブチロラクトンを含む、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項９】
真空プレス処理を用いた絶縁層及び導体層形成用である、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
【請求項１０】
金属箔が、銅箔である、請求項１に記載の金属箔付き樹脂シート。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、金属箔付き樹脂シートに関する。さらには、本発明は、金属箔付き樹脂シートを用いて製造される回路基板、当該回路基板を備える半導体装置、及び回路基板の製造方法に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、回路基板等の絶縁層には、耐熱性及び絶縁性に優れるポリイミド樹脂が用いられている（例えば特許文献１、２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－６６６９４号公報
特許第６２４０７９８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
近年、絶縁層上に導体層を形成する方法として、金属箔付き樹脂シートを用いる。この場合、金属箔、樹脂組成物層及び保護フィルムをこの順に備える金属箔付き樹脂シートを用意し、保護フィルムを剥離する。その後、樹脂組成物層と内層基板とが接合するように、内層基板及び金属箔付き樹脂シートの真空プレス処理（真空ホットプレス処理）を行う。真空プレス処理の際に樹脂組成物層が熱硬化するので、内層基板上に、樹脂組成物層の硬化物を含む絶縁層と、金属箔に相当する導体層と、を形成できる。
【０００５】
しかし、前記の方法では、真空プレス処理の際に樹脂組成物層は、内層基板及び金属箔に挟まれた態様となる。よって、樹脂組成物層の熱硬化時に、樹脂組成物層に含まれる有機溶剤が樹脂組成物層中から円滑に抜け出せない。このため、樹脂組成物層の硬化が十分に進まず、絶縁層のガラス転移温度が低くなる場合があった。
【０００６】
樹脂組成物層を十分に硬化させるには、樹脂組成物層に含まれる有機溶剤の量を減らす方法が考えられる。しかし、有機溶剤の量を減らすと、樹脂組成物層の柔軟性が損なわれ、金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層に割れや欠けが発生することがあった。以下、樹脂組成物層の柔軟性が高く樹脂組成物層の割れ及び欠けを抑制できる性質を「フィルム柔軟性」ということがある。
【０００７】
このように、本発明者らは、金属箔付き樹脂シートを用いて真空プレス処理にて絶縁層を形成する場合に樹脂組成物層の硬化物のガラス転移温度が低く、フィルム柔軟性が劣るという新たな課題を見出した。
【０００８】
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、ガラス転移温度が高く、フィルム柔軟性に優れる硬化物を得ることができる金属箔付き樹脂シート；当該金属箔付き樹脂シートを用いて製造される回路基板；当該回路基板を備える半導体装置；及び回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らが鋭意検討した結果、金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムをこの順で備える、金属箔付き樹脂シートであって、樹脂組成物層は、（Ｂ）熱硬化性樹脂、及び（Ｃ）無機充填材を含み、（Ａ－１）沸点が１８０℃以上の有機溶剤を特定量含有させることで、ガラス転移温度が高く、フィルム柔軟性に優れる硬化物が得られることを見出すことで本発明を完成させるに至った。
【００１０】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
［１］金属箔、樹脂組成物層、及び保護フィルムをこの順で備える、金属箔付き樹脂シートであって、
樹脂組成物層は、（Ａ）有機溶剤、（Ｂ）熱硬化性樹脂、及び（Ｃ）無機充填材、を含み、
（Ａ）成分が、（Ａ－１）沸点が１８０℃以上の有機溶剤を含み、
（Ａ－１）成分の含有量が、樹脂組成物層中に含まれる（Ａ）成分全体を１００質量％としたとき、２０質量％以上である、金属箔付き樹脂シート。
［２］さらに、（Ｄ）柔軟性樹脂を含む、［１］に記載の金属箔付き樹脂シート。
［３］（Ｄ）成分が、ポリイミド樹脂を含む、［２］に記載の金属箔付き樹脂シート。
［４］樹脂組成物層中に含まれる（Ａ－１）成分の含有量をａ１とし、樹脂組成物層中に含まれる（Ｄ）成分の含有量をｄ１としたとき、ａ１／ｄ１が、０．１以上２５以下である、［２］又は［３］に記載の金属箔付き樹脂シート。
［５］（Ａ－１）成分の沸点が、２５０℃以下である、［１］～［４］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［６］（Ａ－１）成分が、炭素－酸素二重結合、及び炭素－硫黄二重結合のいずれかを含む、［１］～［５］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［７］（Ａ－１）成分が、ラクタム系有機溶剤を含む、［１］～［６］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［８］（Ａ－１）成分が、γ－ブチロラクトンを含む、［１］～［７］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［９］真空プレス処理を用いた絶縁層及び導体層形成用である、［１］～［８］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［１０］金属箔が、銅箔である、［１］～［９］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シート。
［１１］［１］～［１０］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物により形成された絶縁層、及び［１］～［１０］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートの金属箔より形成された導体層を含む、回路基板。
［１２］［１１］に記載の回路基板を含む、半導体装置。
［１３］（Ｉ）内層基板上に、［１］～［１０］のいずれかに記載の金属箔付き樹脂シートにおける樹脂組成物層を真空プレス処理にて積層させる工程、及び
（ＩＩ）樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程を含む、回路基板の製造方法。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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