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公開番号2025138525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037669
出願日2024-03-11
発明の名称クリーミングパウダー及びインスタント飲料用組成物
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A23C 11/00 20250101AFI20250917BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】冷水に容易に溶解させることができ、かつ風味も良好な冷水可溶性クリーミングパウダー、及び当該クリーミングパウダーを含有する粉末状のインスタント飲料用組成物の提供。
【解決手段】食用油脂と乳化剤とを含有しており、クリーミングパウダー全量に対する前記食用油脂の含有量の割合が40質量%以上であり、前記食用油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセライド及びラウリン系油脂からなり、前記食用油脂の全量に対する前記中鎖脂肪酸トリグリセライドの含有量の割合が25~75質量%であり、前記乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル及びHLB1~5のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上と、HLB14~20のポリグリセリン脂肪酸エステルと、からなることを特徴とする、クリーミングパウダー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
食用油脂と乳化剤とを含有しており、
クリーミングパウダー全量に対する前記食用油脂の含有量の割合が40質量%以上であり、
前記食用油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセライド及びラウリン系油脂からなり、前記食用油脂の全量に対する前記中鎖脂肪酸トリグリセライドの含有量の割合が25~75質量%であり、
前記乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル及びHLB1~5のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上と、HLB14~20のポリグリセリン脂肪酸エステルと、からなることを特徴とする、クリーミングパウダー。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステルとHLB14~20のポリグリセリン脂肪酸エステルとからなる、請求項1に記載のクリーミングパウダー。
【請求項3】
前記食用油脂の全量に対する、ラウリン酸の含有量の割合が10~40質量%である、請求項1に記載のクリーミングパウダー。
【請求項4】
前記食用油脂の全量に対する、カプリル酸の含有量の割合が18~60量%であり、カプリン酸の含有量の割合が5~35量%である、請求項1に記載のクリーミングパウダー。
【請求項5】
前記ラウリン系油脂が、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム核油、及び水添パーム核油からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のクリーミングパウダー。
【請求項6】
可食性液体と混合して飲料を調製するための粉末状のインスタント飲料用組成物であって、
請求項1~5のいずれか一項に記載のクリーミングパウダーを含有することを特徴とする、インスタント飲料用組成物。
【請求項7】
さらに、可溶性飲料固形分又は飲料原料の微粉末を含有する、請求項6に記載のインスタント飲料用組成物。
【請求項8】
前記可溶性飲料固形分が、可溶性コーヒー固形分、可溶性紅茶固形分、可溶性緑茶固形分、可溶性ほうじ茶固形分、可溶性ウーロン茶固形分、可溶性ハーブティー固形分、及びココアパウダーからなる群より選択される1種以上であり、
前記飲料原料の微粉末が、抹茶パウダー、緑茶パウダー、及びウーロン茶パウダーからなる群より選択される1種以上である、請求項7に記載のインスタント飲料用組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷水に容易に溶解させることができ、かつ風味も良好な冷水可溶性クリーミングパウダー、及び当該クリーミングパウダーを含有するインスタント飲料用組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に乳風味や乳の食感を付与するため、生乳やクリーム、クリームチーズ、バターなどの乳製品が使用される。しかし、これらの材料はコストが高く、その配合量が制限されてしまうという問題がある。この問題を解決するために、乳脂肪分の一部又は全部を植物油脂で代替する方法が汎用されている。乳脂肪分に代えて植物油脂を用いることにより、より低コストで、乳風味の飲食品を製造することが可能になる。例えば、コーヒーや紅茶などの嗜好性飲料に添加するクリームの代用として、植物油脂とカゼインタンパク質等の乳タンパク質と粉末化基材とを含む水中油型乳化物や、これを乾燥粉末化したクリーミングパウダーがある。インスタントコーヒーをはじめとする飲料の可溶性固形分を主要原料とするインスタント飲料用組成物にクリーミングパウダーを配合することにより、水に溶解させることによって、カフェオレの様な乳風味の飲料を簡便に提供しうる。
【0003】
しかし、クリーミングパウダーは、油分が多く、水への濡れ性や分散性が低い。特に、脂質含有量が比較的高いクリーミングパウダーでは、低温の水における乳化安定性が顕著に低下し、溶解しにくい。このため、水に分散させる場合、粉末が水面上に浮いたまま湿潤、沈降せず、撹拌しても「ダマ」になりやすい。そこで、この水分散性を改善するためにいくつかの解決手段が提案されている。例えば、特許文献1には、粒子表面の少なくとも一部を、炭素数6~10の脂肪酸で構成される中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)で被覆することにより、20℃以下の低温の水に対する溶解性を改善したクリーミングパウダーが開示されている。また、特許文献2には、クリーミングパウダーの表面の少なくとも一部を、食用油脂とジグリセリンモノオレエートの混合物で被覆することにより、風味を損なうことなく、冷水への可溶性が改善された冷水可溶性クリーミングパウダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公平7-10214号公報
特開2021-176297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のMCTで被覆したインスタントクリーミングパウダーは、低温での可溶性を改善できるものの、特有の風味が影響してしまう、という問題がある。また、特許文献2及び3に記載の方法では、ココア粉末の熱水への分散安定性は改善されているものの、冷水への分散性はまだ改善の余地がある。
【0006】
本発明は、冷水への可溶性が良好であり、かつ風味も良好なクリーミングパウダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、食用油脂の含有量がクリーミングパウダー全量に対して40質量%以上と比較的高いクリーミングパウダーにおいて、食用油脂としてMCT及びラウリン系油脂のみを用い、かつ食用油脂の全量に対する前記中鎖脂肪酸トリグリセライドの含有量の割合を特定の範囲内とし、かつ特定の乳化剤を使用することにより、風味を損なうことなく、冷水への可溶性を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、以下の通りである。
[1] 食用油脂と乳化剤とを含有しており、
クリーミングパウダー全量に対する前記食用油脂の含有量の割合が40質量%以上であり、
前記食用油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセライド及びラウリン系油脂からなり、前記食用油脂の全量に対する前記中鎖脂肪酸トリグリセライドの含有量の割合が25~75質量%であり、
前記乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル及びHLB1~5のショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上と、HLB14~20のポリグリセリン脂肪酸エステルと、からなることを特徴とする、クリーミングパウダー。
[2] 前記乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステルとHLB14~20のポリグリセリン脂肪酸エステルとからなる、前記[1]のクリーミングパウダー。
[3] 前記食用油脂の全量に対する、ラウリン酸の含有量の割合が10~40質量%である、前記[1]又は[2]のクリーミングパウダー。
[4] 前記食用油脂の全量に対する、カプリル酸の含有量の割合が18~60質量%であり、カプリン酸の含有量の割合が5~35質量%である、前記[1]~[3]のいずれかのクリーミングパウダー。
[5] 前記ラウリン系油脂が、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム核油、及び水添パーム核油からなる群より選択される1種以上である、前記[1]~[4]のいずれかのクリーミングパウダー。
[6] 可食性液体と混合して飲料を調製するための粉末状のインスタント飲料用組成物であって、
前記[1]~[5]のいずれかのクリーミングパウダーを含有することを特徴とする、インスタント飲料用組成物。
[7] さらに、可溶性飲料固形分又は飲料原料の微粉末を含有する、前記[6]のインスタント飲料用組成物。
[8] 前記可溶性飲料固形分が、可溶性コーヒー固形分、可溶性紅茶固形分、可溶性緑茶固形分、可溶性ほうじ茶固形分、可溶性ウーロン茶固形分、可溶性ハーブティー固形分、及びココアパウダーからなる群より選択される1種以上であり、
前記飲料原料の微粉末が、抹茶パウダー、緑茶パウダー、及びウーロン茶パウダーからなる群より選択される1種以上である、前記[7]のインスタント飲料用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクリーミングパウダーは、食用油脂含有量が40質量%以上と高いにもかかわらず、風味が良好であり、かつ冷水への可溶性が高い。このため、当該クリーミングパウダーやこれを含有するインスタント飲料用組成物により、水や牛乳等の液体が低温であっても溶解させやすく、かつ風味も良好な飲料や液状食品を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明及び本願明細書において、「X~Y(XとYはX<Yを満たす実数)」は、「X以上Y以下」の数値範囲を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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