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公開番号2025160826
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-23
出願番号2024063640
出願日2024-04-10
発明の名称腸内環境改善用素材の製造方法
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 1/12 20060101AFI20251016BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明の目的は、下部消化管で単量体のグルタミン酸を効率的に生成させることができる、経口組成物及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】(1)γ-ポリグルタミン酸を、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液中で加水分解して、加水分解物を含有する水溶液を得る工程、及び(2)(1)で得られた加水分解物を含有する水溶液を中和し、生じた塩の沈殿物を除去する工程を含む、γ-オリゴグルタミン酸の製造方法。γ-オリゴグルタミン酸を含有する、経口組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(1)γ-ポリグルタミン酸を、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液中で加水分解して、加水分解物を含有する水溶液を得る工程、及び
(2)(1)で得られた加水分解物を含有する水溶液を中和し、生じた塩の沈殿物を除去する工程
を含む、γ-オリゴグルタミン酸の製造方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記(1)の工程における加水分解が、無機酸水溶液中で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
無機酸水溶液が、硫酸水溶液である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
硫酸水溶液の濃度が、0.9~1mol/Lである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記(2)の工程における中和が、アルカリ土類金属水酸化物を用いて行われる、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記(2)の工程における中和が、水酸化カルシウムを用いて行われる、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
γ-オリゴグルタミン酸が、2~15分子のグルタミン酸残基を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
γ-オリゴグルタミン酸とオリゴ糖を含有する、経口組成物。
【請求項9】
γ-オリゴグルタミン酸が、2~15分子のグルタミン酸残基を含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
腸内環境改善用である、請求項8又は9に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腸内環境改善用素材となり得る、γ-オリゴグルタミン酸の新規製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、γ-ポリグルタミン酸とオリゴ糖の併用により、乳酸菌、ビフィズス菌の増殖を促進して、腸内環境を改善する食品が開示されている。γ-ポリグルタミン酸とオリゴ糖は、摂取後に分解されずに下部消化管まで届く。そこで消化液や腸内細菌が分泌する酵素類等によってγ-ポリグルタミン酸から単量体グルタミン酸が酵素的、化学的に切り出され、該グルタミン酸とオリゴ糖が腸内に同時に存在することでプレバイオティクス効果を有すると考えられる。
しかしながら、γ-ポリグルタミン酸は、酵素的、化学的分解効率が低く、多くは便としては排出されてしまうため、十分な効果を得るためには、多量のγ-ポリグルタミン酸を摂取する必要があるという問題があった。
また、単量体グルタミン酸は摂取後に代謝されてしまい腸内細菌叢に影響できる下部消化管まで届かないという問題があった。
【0003】
特許文献3には、γ-ポリグルタミン酸を蓄積したγ-ポリグルタミン酸生産菌の培養液を酸性又はアルカリ性条件下で熱処理することを特徴とする低分子γ-ポリグルタミン酸の製造方法が開示されている。
しかしながら、該製造方法では、低分子化γ-ポリグルタミン酸を含む反応液から低分子化γ-ポリグルタミン酸を回収するためには、反応液をpH1.0~1.5で2~3日放置することにより析出させるか、又は反応液に対して2~10倍量のメタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどの有機溶媒を添加することにより析出させ、さらに脱塩などの精製操作をする必要があるため、析出までに長時間を要したり、環境負荷の高い有機溶剤を多量に要することから実用的観点からは多くの課題がある。
従って、γ-ポリグルタミン酸を、簡便に、かつ多量の有機溶剤の使用なしに、ろ過工程および粉末化操作により製造し得る方法の開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/070061号
米国出願公開第2020/237790号明細書
特開平7-316286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、下部消化管でグルタミン酸を効率的に生成させることができる、経口組成物及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意検討したところ、γ-ポリグルタミン酸を低分子化したペプチド(すなわち、γ-オリゴグルタミン酸)は、原料のγ-ポリグルタミン酸と比較して、下部消化管でグルタミン酸を、効率的に生成させることができることを見出した(後述の試験例4参照)。
一方で、γ-オリゴグルタミン酸は、分子量が数百~数千程度であり、UF膜による精製および脱塩操作を行うと、所望の分子量画分まで除去してしまうことから、収率良くγ-オリゴグルタミン酸を得ることが難しい。また、有機溶剤による析出を行う場合は、夾雑する塩類が析出してしまい、目的とする精製操作を行うことができない。従って、γ-オリゴグルタミン酸の製造においては、分子量が数万以上のγ-ポリグルタミン酸とは異なる精製操作が必要である。
本発明者らは、γ-ポリグルタミン酸を酸又はアルカリで処理して加水分解し、得られた加水分解物を含有する水溶液を中和して生じた沈殿物を除去することで、γ-オリゴグルタミン酸を、簡便に、例えばUF膜による分子量分画および脱塩や、有機溶剤の使用なしに、かつ収率よく製造できることを見出した。
本発明者らは、これらの知見に基づき、さらに検討して、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1](1)γ-ポリグルタミン酸を、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液中で加水分解して、加水分解物を含有する水溶液を得る工程、及び
(2)(1)で得られた加水分解物を含有する水溶液を中和し、生じた塩の沈殿物を除去する工程
を含む、γ-オリゴグルタミン酸の製造方法。
[2]前記(1)の工程における加水分解が、無機酸水溶液中で行われる、上記[1]記載の方法。
[3]無機酸水溶液が、硫酸水溶液である、上記[2]記載の方法。
[4]硫酸水溶液の濃度が、0.9~1mol/Lである、上記[3]記載の方法。
[5]前記(2)の工程における中和が、アルカリ土類金属水酸化物を用いて行われる、上記[2]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記(2)の工程における中和が、水酸化カルシウムを用いて行われる、上記[2]~[4]のいずれかに記載の方法。
[7]γ-オリゴグルタミン酸が、2~15分子のグルタミン酸残基を含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]γ-オリゴグルタミン酸とオリゴ糖を含有する、経口組成物。
[9]γ-オリゴグルタミン酸が、2~15分子のグルタミン酸残基を含む上記[8]記載の組成物。
[10]腸内環境改善用である、上記[8]又は[9]に記載の組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明のγ-オリゴグルタミン酸の製造方法は、γ-オリゴグルタミン酸を、簡便に、収率よく製造することができる。また、本発明のγ-オリゴグルタミン酸の製造方法は、有機溶媒の使用や、UF膜による脱塩や分子量分画なしに行うことができる点で有利である。
【0009】
本発明のγ-オリゴグルタミン酸を含有する経口組成物は、従来のγ-ポリグルタミン酸を含有する経口組成物と比較して、摂取した対象の下部消化管でグルタミン酸を効率的に(即ち、高い分解効率で)生成させることができる。従って、本発明のγ-オリゴグルタミン酸を含有する経口組成物においては、少ない有効成分(γ-オリゴグルタミン酸)の配合量で、従来のγ-ポリグルタミン酸を含有する経口組成物と同等の効果が期待できる。その結果、投与量削減による、コスト削減や組成物に配合した時の食味への影響の抑制が期待できる。
【0010】
従来のγ-ポリグルタミン酸を含有する経口組成物は、γ-ポリグルタミン酸の物性(溶液の粘度が高い、吸湿性が高い、溶解時ダマになりやすい)から、商品形態(剤形)が限定されていた(例えば、飲料の形態は困難であった)が、本発明のγ-オリゴグルタミン酸を含有する経口組成物は、γ-オリゴグルタミン酸の物性(溶液の粘度が低い、吸湿性が低い、溶解時ダマになりにくい)から、商品形態(剤形)を拡充できる(例えば、飲料の形態とすることが可能となる)ことが期待できる。
(【0011】以降は省略されています)

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