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公開番号2025150597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051577
出願日2024-03-27
発明の名称電子レンジ加熱調理用容器入り即席食品
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 5/10 20160101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】大型の乾燥食材を、生食材を長時間煮込んだような優れた食感に調理し得る即席食品、及びその調理方法を提供する。
【解決手段】容器本体内に大型の乾燥食材を少なくとも1つ含有する即席食品を入れて注水し、中蓋により液中に沈めた状態で電子レンジを用いて調理する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電子レンジ加熱耐性及びマイクロ波透過性を持つ容器本体(1)と、
電子レンジ加熱耐性及びマイクロ波透過性を持ち、容器本体(1)の深さの10%~90%の深さを有し、且つ、側面及び/又は底面に蒸気排出用の孔を有する中蓋(2)と、
乾燥食材であって、少なくとも1辺が1cm以上のサイズを有し、且つ、水に浮く前記乾燥食材を1つ以上含有する即席食品(3)から構成され、
容器本体(1)に中蓋(2)をセットした際の中蓋(2)の底面に相当する高さ又はそれより上の容器本体(1)の内側側面に注水時の液面を示す印が付されており、且つ、
容器本体(1)に即席食品(3)が入れられ、且つ、容器本体(1)の内側側面に付された注水時の液面を示す印まで水が投入された後に、容器本体(1)に空の状態の中蓋(2)がセットされた状態で電子レンジで加熱調理されることを特徴とする、
電子レンジ加熱調理用容器入り即席食品。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
乾燥食材が、フリーズドライ又はエアドライ又は油ちょうにより製造された食材であることを特徴とする、請求項1に記載の即席食品。
【請求項3】
乾燥食材が、野菜類、果物類、穀類、豆類、卵類、きのこ類、肉類、魚介類、海藻類、麺類、水練り類、食肉加工品、豆加工品、卵加工品、乳加工品、米加工品、もち米加工品、小麦加工品、澱粉加工品より選ばれる1つ以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の即席食品。
【請求項4】
乾燥食材が、少なくとも1辺が2cm以上のサイズを有し、且つ、水に浮くものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の即席食品。
【請求項5】
電子レンジ加熱耐性及びマイクロ波透過性を持つ容器本体(1)と、
電子レンジ加熱耐性及びマイクロ波透過性を持ち、容器本体(1)の深さの10%~90%の深さを有し、且つ、側面及び/又は底面に蒸気排出用の孔を有する中蓋(2)と、
乾燥食材であって、少なくとも1辺が1cm以上のサイズを有し、且つ、水に浮く前記乾燥食材を1つ以上含有する即席食品(3)から構成され、且つ、
容器本体(1)に中蓋(2)をセットした際の中蓋(2)の底面に相当する高さ又はそれより上の容器本体(1)の内側側面に注水時の液面を示す印が付されている電子レンジ加熱調理用容器入り即席食品を調理することによる、食感の優れた即席食品の復水調理方法であって、
容器本体(1)に即席食品(3)を入れる工程と、
容器本体(1)の内側側面に付された注水時の液面を示す印まで水を投入する工程と、
容器本体(1)に空の状態の(2)をセットし、電子レンジで加熱調理する工程を含むことを特徴とする、
前記の食感の優れた即席食品の復水調理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体内に大型の乾燥食材を1つ以上含有する即席食品を入れて注水し、中蓋により液中に沈めた状態で電子レンジを用いて調理することを特徴とする、大型の乾燥食材を、生食材を長時間煮込んだような優れた食感に調理し得る即席食品に関するものである。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
乾燥食材を用いた即席食品としては様々なものが存在し、カップラーメンをはじめ、フリーズドライの味噌汁や、フリーズドライの具が入ったカップスープ等が市場に多く見られる。これらは軽くて日持ちがする上、熱湯を注いで3分~5分程度の短時間で調理が可能であることから、時間のない日の食事や、間食、夜食等に重宝されており、家庭や職場にストックされているケースも多い。一方で、あくまでも簡便食や非常食というイメージが強く、生の食材を鍋で長時間煮込んだ料理とは様々な点で大きく異なる。とりわけその違いが顕著に見られるのが、食材のサイズと食感である。例えば、フリーズドライの味噌汁に入っているにんじんは、一辺が1cmにも満たない非常に小さいサイズにカットされていて、食べ応えが十分とは言えない。また、同じくフリーズドライの味噌汁に入っているなすは、スポンジのような空洞のあるフカフカとした食感で、生のなすを長時間煮込んだトロトロの食感からは程遠い。フライ製法で製造されたカップ麺のうどんも、スポンジのようなフカフカとした食感で、生のうどんを鍋で茹でたツルツルでもちもちとした食感とは大きく異なる。
【0003】
即席食品に使用されている乾燥食材の主な課題であるサイズ及び食感には、課題が生じる明確な背景が存在する。乾燥食材に熱湯をかけて短時間で湯戻しするためには、乾燥食材中の細かい空隙に熱湯が短時間で隈なく浸透する必要があるが、乾燥食材のサイズが大きいと、中心部まで熱湯が浸透するのに時間を要してしまうため、サイズを小さくせざるを得ない。そのため、食材の食べ応えはどうしても低下し、満足感の得られる食事にはならない。また、乾燥食材の中心部まで熱湯が浸透したとしても、乾燥食材中には無数の細かい空隙が存在しており、その全ての空隙を水分子で満たすことは困難であり、水分子で満たされた穴と空気が入った穴が混在した状態になるため、スポンジのような食感になる。例えば、なすの味噌汁を調理する場合、生のなすを鍋で長時間煮込んだ場合、調理後のなすは鍋の底に沈むが、フリーズドライの味噌汁のなすは、熱湯を注いで推奨される時間が経過しても液面に浮いている。これは、前者はなすの中に空気が入った穴はほとんど存在していないため沈み、後者は空気の入った穴が多く残っているため液面に浮くものと考えられる。従って、乾燥食材を用いた即席食品であっても、乾燥食材中の無数の細かい空隙に、隈なく水分子を浸透させる技術を確立することができれば、生食材を長時間鍋で煮込んだような優れた食感となり得る。また、短時間で乾燥食材の中心部まで水分子を浸透させる技術を確立することができれば、大型の乾燥食材を用いても、短時間で調理可能な即席食品を製造することが可能となる。
【0004】
本発明においては、前述の課題を解決するため、容器本体内に大型の乾燥食材を1つ以上含む即席食品を入れて注水し、中蓋により液中に沈めた状態で電子レンジを用いて調理する。それにより、大型の乾燥食材を、生食材を長時間煮込んだような優れた食感に調理し得る即席食品を製造することができる。電子レンジを用いてマイクロ波を照射することにより、水分子の運動性が大幅に高まることで、乾燥食材中の無数の細かい空隙に、隈なく浸透する。2450MHz(2.45GHz)の電子レンジを用いた場合、1秒間に水分子は24.5億回振動する。また、水分子の運動性が高まるため、大型の乾燥食材であっても短時間で中心部まで水分子が到達し得るが、大型の乾燥食材の場合、水面に浮いてしまい、水と接する面からしか水分子が浸透しない。そのため、本発明においては、中蓋で大型の乾燥食材を1つ以上含む即席食品を液中に押さえ込んで沈めながらマイクロ波を照射することで、大型の乾燥食材であっても、短時間で食材中心部まで隈なく水分子を浸透させることができる。
【0005】
浮遊する食材を調理液内に物理的に沈降させる方法としては、マイクロ波透過性の外鍋とマイクロ波不透過性の内鍋を用いる方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に記載の方法は食材を液中に沈降させた状態で加熱調理ができるため、食材に均一に火が通りやすく、電子レンジ調理の質を高めることができるが、特許文献1には乾燥食材の湯戻しに関する記載はなく、とりわけ大型の乾燥食材をマイクロ波で隈なく湯戻し可能な即席食品の設計に関する記載はない。即席食品において、乾燥食材をムラなく湯戻しする方法としては、ヒートシール性の液体透過性不織布を用いた即席食品用包装材を用いる方法が開示されている(特許文献2)。特許文献2に記載の方法は液体透過性不織布の上から湯を注ぐことができるため、吸水した液体透過性不織布が乾燥食材表面を覆いながら湯戻しすることができ、乾燥食材の表面全体に水分子を接触させて浸透させることができるが、特許文献2においてはマイクロ波との併用には着想しておらず、調理後の食材の食感に課題が残されていた。浮遊する食材に起因する課題を解決する方法としては、注水の目安線の直下に3~10mm幅の色帯を付する方法が開示されている(特許文献3)。特許文献3に記載の方法においては浮遊する食材により見えにくい注水の目安が明確化するものの、特許文献3には浮遊する食材を沈降させる手段についての記載はなく、湯戻り性や調理後の食感には課題が残されていた。
【0006】
レンジ耐性を有する容器と食材がセットになった二段式の即席食品としては、上段容器底面に孔を有し、下段の食材から出る蒸気により上段に収納された食材が調理される仕組みの即席食品が開示されている(特許文献4)。特許文献4に記載の技術は二段に分けて入れられた食材が同時に調理可能な有用なものであるが、特許文献4においては上段容器は下段の食材を押さえ込む機能は果たしておらず、乾燥食材を用いた場合の湯戻り性や調理後の食感には課題が残されていた。同じく、レンジ耐性を有する容器と食材がセットになった二段式の即席食品としては、下段に乾燥食材が収納され、上段に流動性のあるレトルト食品が収納され、下段の乾燥食材を湯戻しした後に上段のレトルト食材を下段にかけることで完成する即席食品が開示されている(特許文献5)。特許文献5に記載の即席食品は下段に収納した乾燥食材を湯戻しすることが可能な設計ではあるものの、大型の乾燥食材に短時間で隈なく水分子を浸透させる工夫はなされておらず、乾燥食材の種類やサイズによっては水面に浮いてしまい、湯戻り性や調理後の食感には課題が残されていた。レンジ耐性を有する二段式の食品容器としては、上段容器底面に孔を有し、上段に収納された含水ゲルが加熱によりゾル化した時に孔を通過し下段に収納された食材上に流れ落ちる仕組みの容器が開示されている(特許文献6)。特許文献6に記載の技術は一定の粘度を持ったゾルが時間差で上段から移行することで料理の幅が広がる有用なものであるが、本発明においては大型の乾燥食材が終始液中に浸っている状態でマイクロ波が照射されることが重要であり、着眼点が全く異なる。
【0007】
乾燥食材をムラなく湯戻し可能な電子レンジ調理用即席食品としては、乾燥食材と膨張剤を収納し、乾燥食材が完全に浸らない少量の水又は湯を加水して電子レンジ加熱する食品が開示されている(特許文献7)。特許文献7に記載の食品においては膨張剤により効率的に乾燥食材に水を浸透させ、調理後に湯切りの必要のないレベルに吸水し切ることができるため、特許文献7に記載の技術は焼きそばの調理などにおいて極めて有用なものであるが、十分量の水分子を乾燥食材の細かい空隙に隈なく浸透させる技術とは着眼点が異なるため、当該技術により生食材を長時間煮込んだような食感に調理することはできない。
【0008】
このように、二段式の構造を持つ調理器具や食品包材、電子レンジ加熱耐性を持つ二段式食品包材、乾燥食材をムラなく湯戻しするための技術に関しては、それぞれ多くの知見が報告されている。しかし、大型の乾燥食材の細かい空隙に短時間で中心部までムラなく水分子を浸透させ得る手段として、中蓋で大型の乾燥食材を1つ以上含む即席食品を液中に沈めた状態でマイクロ波により運動性が大幅に向上した水分子を浸透させるという発想に基づく発明は一切なかった。また、本発明以外の方法で、大型の乾燥食材を用い、生食材を長時間煮込んだような優れた食感に短時間で調理し得る方法は、未だ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2002-223937号公報
特開2008-285189号公報
特許第7195992号公報
特許第2779412号公報
特開2005-218441号公報
実公平6-37779号公報
特許第4782178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、大型の乾燥食材を、生食材を長時間煮込んだような優れた食感に調理し得る即席食品を提供すること、及び、大型食材を有する食感の優れた即席食品の復水調理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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