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公開番号2025061427
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025006688,2019218955
出願日2025-01-17,2019-12-03
発明の名称封止剤、封止シート、電子デバイスおよびペロブスカイト型太陽電池
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250403BHJP()
要約【課題】水分の浸入を抑制でき、且つ、鉛含有部から電子デバイスの外部への鉛の漏出を抑制できる、電子デバイス用の封止剤を提供する。
【解決手段】鉛含有部を備える電子デバイス用の封止剤であって、半焼成ハイドロタルサイト及び焼成ハイドロタルサイトからなる群より選ばれる1種類以上を含む無機フィラーと、樹脂とを含む、封止剤。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
鉛含有部を備える電子デバイス用の封止剤であって、
前記封止剤が、無機フィラー及び樹脂を含み、
前記封止剤の鉛吸着性パラメータが、10μg/m

以上であり、
前記封止剤の水蒸気侵入バリア性パラメータが、0.025cm/h
0.5
未満であり、
前記鉛吸着性パラメータは、鉛吸着能評価試験を行った場合に、封止剤の層1m

当たりに吸着される鉛の質量を表し、
前記鉛吸着能評価試験では、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された厚さ20μmの前記封止剤の層と、を備える、長さ16cm、幅24cmの第一試験用シートを用意すること;前記第一試験用シートの前記封止剤の層側に、ナイロン製のメッシュ布を貼合すること;メッシュ布を貼合された前記第一試験用シートを、1cm角に切断すること;切断された前記第一試験用シートを、20℃~25℃に調整した鉛イオン濃度20μg/Lの鉛イオン含有水溶液50mlに浸漬し、15分撹拌することを行い、
前記水蒸気浸入バリア性パラメータは、水蒸気バリア性評価試験を行った場合に、下記式(1)から求められる定数Kを表し、
前記水蒸気バリア性評価試験では、厚み30μmのアルミニウム箔及び厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを備える支持フィルムと、前記支持フィルムの前記アルミニウム箔上に形成された前記封止剤の層と、を備える第二試験用シートを、乾燥すること;無アルカリガラスで形成された50mm角のガラス板を、煮沸したイソプロピルアルコールで5分間洗浄し、乾燥すること;前記ガラス板の片面の、前記ガラス板の端部からの距離0mm~2mmのエリアを除く部分に、カルシウムを蒸着して、厚さ200nmのカルシウム膜を形成すること;窒素雰囲気内で、前記第二試験用シートの前記封止剤の層と、前記ガラス板の前記カルシウム膜側の面と、を貼り合わせ、評価サンプルを得ること;前記評価サンプルの端部と前記カルシウム膜の端部との間の距離X2[mm]を測定すること;前記評価サンプルを、温度85℃、湿度85%RHの恒温恒湿槽に収納すること;前記評価サンプルを前記恒温恒湿槽に収納した時点から、前記恒温恒湿槽に収納された前記評価サンプルの端部と前記カルシウム膜の端部との間の距離X1[mm]が「X2+0.1mm」となる時点までの時間t[時間]を測定すること;及び、下記式(1)に基づいて、定数Kを計算すること、を行う、封止剤。
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発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛含有部を備える電子デバイス用の封止剤、並びに、それを用いた封止シート、電子デバイスおよびペロブスカイト型太陽電池に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年注目を集める電子デバイスの一つに、ペロブスカイト型太陽電池がある。ペロブスカイト型太陽電池は、一般に、電極と、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層とを備える。また、電極及び光電変換層を水から保護するために、ペロブスカイト型太陽電池には、封止部が設けられることが通常である。このような封止部について、従来から、様々な検討が行われてきた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/056312号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペロブスカイト型太陽電池が備える光電変換層には、鉛が含まれることがある。この光電変換層に仮に水分が浸入した場合、光電変換層から鉛が流出し、太陽電池の外部へと漏出する可能性がある。また、このような鉛の漏出は、前記の光電変換層のような鉛含有部を備えるペロブスカイト型太陽電池以外の電子デバイスにおいても、生じうる。鉛の漏出は、環境面及び安全面のいずれの観点からも、抑制することが望まれる。
【0005】
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、水分の浸入を抑制でき、且つ、鉛含有部から電子デバイスの外部への鉛の漏出を抑制できる、電子デバイス用の封止剤;前記封止剤を含む封止シート;並びに、前記封止剤を封止に用いた電子デバイスおよびペロブスカイト型太陽電池;を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、無機フィラーと樹脂とを適切に組み合わせて用いた場合に、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
【0007】
〔1〕 鉛含有部を備える電子デバイス用の封止剤であって、
前記封止剤が、無機フィラー及び樹脂を含み、
前記封止剤の鉛吸着性パラメータが、10μg/m

以上であり、
前記封止剤の水蒸気侵入バリア性パラメータが、0.025cm/h
0.5
未満であり、
前記鉛吸着性パラメータは、鉛吸着能評価試験を行った場合に、封止剤の層1m

当たりに吸着される鉛の質量を表し、
前記鉛吸着能評価試験では、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された厚さ20μmの前記封止剤の層と、を備える、長さ16cm、幅24cmの第一試験用シートを用意すること;前記第一試験用シートの前記封止剤の層側に、ナイロン製のメッシュ布を貼合すること;メッシュ布を貼合された前記第一試験用シートを、1cm角に切断すること;切断された前記第一試験用シートを、20℃~25℃に調整した鉛イオン濃度20μg/Lの鉛イオン含有水溶液50mlに浸漬し、15分撹拌することを行い、
前記水蒸気浸入バリア性パラメータは、水蒸気バリア性評価試験を行った場合に、下記式(1)から求められる定数Kを表し、
前記水蒸気バリア性評価試験では、厚み30μmのアルミニウム箔及び厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを備える支持フィルムと、前記支持フィルムの前記アルミニウム箔上に形成された前記封止剤の層と、を備える第二試験用シートを、乾燥すること;無アルカリガラスで形成された50mm角のガラス板を、煮沸したイソプロピルアルコールで5分間洗浄し、乾燥すること;前記ガラス板の片面の、前記ガラス板の端部からの距離0mm~2mmのエリアを除く部分に、カルシウムを蒸着して、厚さ200nmのカルシウム膜を形成すること;窒素雰囲気内で、前記第二試験用シートの前記封止剤の層と、前記ガラス板の前記カルシウム膜側の面と、を貼り合わせ、評価サンプルを得ること;前記評価サンプルの端部と前記カルシウム膜の端部との間の距離X2[mm]を測定すること;前記評価サンプルを、温度85℃、湿度85%RHの恒温恒湿槽に収納すること;前記評価サンプルを前記恒温恒湿槽に収納した時点から、前記恒温恒湿槽に収納された前記評価サンプルの端部と前記カルシウム膜の端部との間の距離X1[mm]が「X2+0.1mm」となる時点までの時間t[時間]を測定すること;及び、下記式(1)に基づいて、定数Kを計算すること、を行う、封止剤。
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〔2〕 前記水蒸気バリア性評価試験における第二試験用シートの乾燥を、130℃60分の条件、及び、100℃5分の条件の、少なくとも一方で行う、〔1〕に記載の封止剤。
〔3〕 前記無機フィラーが、半焼成ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、酸化カルシウム、及び、ゼオライトからなる群より選ばれる1種類以上を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の封止剤。
〔4〕 鉛含有部を備える電子デバイス用の封止剤であって、
半焼成ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる1種類以上を含む無機フィラーと、樹脂とを含む、封止剤。
〔5〕 前記無機フィラーが、半焼成ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる1種類以上を含む無機フィラーを含み、
前記樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、〔3〕又は〔4〕に記載の封止剤。
〔6〕 前記無機フィラーが、半焼成ハイドロタルサイト及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる1種類以上を含む無機フィラーを含み、
前記樹脂が、エポキシ樹脂を含む、〔3〕~〔5〕のいずれか一項に記載の封止剤。
〔7〕 前記封止剤の不揮発成分100質量%に対する、前記無機フィラーの量が、5質量%以上80質量%以下である、〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の封止剤。
〔8〕 支持体と、前記支持体上に形成された〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の封止剤の層と、を備える、封止シート。
〔9〕 鉛含有部と、前記鉛含有部を封止する封止部とを備え、
前記封止部が、〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の封止剤を含む、電子デバイス。
〔10〕 第一電極と、鉛原子を含むペロブスカイト層と、第二電極と、前記ペロブスカイト層を封止する封止部とを備え、
前記封止部が、〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の封止剤を含む、ペロブスカイト型太陽電池。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水分の浸入を抑制でき、且つ、鉛含有部から電子デバイスの外部への鉛の漏出を抑制できる、電子デバイス用の封止剤;前記封止剤を含む封止シート;並びに、前記封止剤を封止に用いた電子デバイスおよびペロブスカイト型太陽電池;を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、水蒸気バリア性評価試験で製造される評価サンプルを模式的に示す断面図である。
図2は、恒温恒湿槽に収納される前の評価サンプルを、ガラス板側から見た様子を模式的に示す平面図である。
図3は、恒温恒湿槽に収納された後の評価サンプルを、ガラス板側から見た様子を模式的に示す平面図である。
図4は、本発明の一実施形態に係るペロブスカイト型太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態及び例示物に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
(【0011】以降は省略されています)

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