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公開番号2025038128
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2024221238,2023204311
出願日2024-12-18,2018-03-07
発明の名称臨床のための、改変されたNK-92 haNK003細胞
出願人イミュニティーバイオ インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 35/17 20250101AFI20250311BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】癌を治療するための医薬を提供する。
【解決手段】改変されたNK-92細胞の集団を含む医薬であって、改変されたNK-92細胞が、CD16およびIL-2を含み、第17番染色体上に特定の配列を含み、かつ、細胞の集団中の90%超の細胞が、CD56、CD16、CD54、およびNKp30を発現し、該細胞の集団中の5%未満の細胞がCD3を発現する、医薬である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
CD16(SEQ ID NO:3)およびIL-2(SEQ ID NO:5)の両方を含む異種性の核酸分子を含む、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)を有する改変されたNK-92細胞の集団であって、
該細胞の集団中の90%超の細胞がCD56、CD16、CD54、およびNKp30を発現し、該細胞の集団中の5%未満の細胞がCD3を発現する、
改変されたNK-92細胞の集団。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
核酸分子がDNA分子である、請求項1記載の細胞。
【請求項3】
核酸分子が、5’から3’へ、CD16をコードする配列、IRES配列、およびIL-2をコードする配列を含む、請求項1記載の細胞。
【請求項4】
細胞が、第17番染色体上にSEQ ID NO:1を含む、請求項1~3のいずれか一項記載の細胞。
【請求項5】
細胞の平均倍加時間が55~70時間である、請求項1~4のいずれか一項記載の細胞。
【請求項6】
細胞の集団が、平均倍加時間を、1日から、2日、3日、4日、5日、10日、15日、20日、または25日維持する、請求項1~5のいずれか一項記載の細胞。
【請求項7】
細胞の集団が、1、2、3、または4日ごとに継代されることができる、請求項1~6のいずれか一項記載の細胞。
【請求項8】
細胞が、細胞100万個あたり10~60 pg/時間の濃度でIL-2を分泌する、請求項1~7のいずれか一項記載の細胞。
【請求項9】
細胞が、照射された細胞である、請求項1~7のいずれか一項記載の細胞。
【請求項10】
細胞が、対照と比較して、CD16発現の下方制御が減少している、請求項1~9のいずれか一項記載の細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
背景
モノクローナル抗体(mAb)を用いた抗がん治療は、がんを有する患者における臨床転帰を有意に改善してきている。治療用抗体の主要な作用機序の1つは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)によるものである。ナチュラルキラー細胞は、ADCCの主要なエフェクター細胞であるため、細胞に基づく免疫療法のための細胞傷害性エフェクター細胞として使用され得る。
続きを表示(約 9,000 文字)【0002】
NK-92は、非ホジキンリンパ腫に罹患している対象の血液中で発見され、そしてその後エクスビボで不死化された、細胞溶解性のがん細胞株である。NK-92細胞はNK細胞に由来するが、活性化受容体の大多数を保持する一方で、正常なNK細胞によって提示される主要な抑制性受容体を欠く。NK-92細胞はしかしながら、正常な細胞を攻撃せず、ヒトにおいて好ましくない免疫拒絶応答を誘発することもない。NK-92細胞株の特徴付けは、国際公開公報第1998/49268号(特許文献1)および米国特許出願公開第2002-0068044号(特許文献2)に開示されている。NK-92細胞はまた、ある種のがんの治療において潜在的な治療剤として評価されている。
【0003】
NK-92細胞は、NK細胞に関連する活性化受容体および細胞溶解経路のほぼすべてを保持するものの、その細胞表面上にCD16を発現しない。CD16は、抗体のFc部分を認識しそしてこれに結合して、ADCCエフェクター機構のためにNK細胞を活性化する、Fc受容体である。未改変のNK-92細胞は、CD16受容体を欠くため、ADCC機構を介して標的細胞を溶解することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開公報第1998/49268号
米国特許出願公開第2002-0068044号
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書において、改変されたNK-92細胞の集団、該細胞を含む組成物およびキット、ならびに該細胞の集団を作製する方法および用いる方法が、提供される。
[本発明1001]
CD16(SEQ ID NO:3)およびIL-2(SEQ ID NO:5)の両方を含む異種性の核酸分子を含む、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)を有する改変されたNK-92細胞の集団であって、
該細胞の集団中の90%超の細胞がCD56、CD16、CD54、およびNKp30を発現し、該細胞の集団中の5%未満の細胞がCD3を発現する、
改変されたNK-92細胞の集団。
[本発明1002]
核酸分子がDNA分子である、本発明1001の細胞。
[本発明1003]
核酸分子が、5’から3’へ、CD16をコードする配列、IRES配列、およびIL-2をコードする配列を含む、本発明1001の細胞。
[本発明1004]
細胞が、第17番染色体上にSEQ ID NO:1を含む、本発明1001~1003のいずれかの細胞。
[本発明1005]
細胞の平均倍加時間が55~70時間である、本発明1001~1004のいずれかの細胞。
[本発明1006]
細胞の集団が、平均倍加時間を、1日から、2日、3日、4日、5日、10日、15日、20日、または25日維持する、本発明1001~1005のいずれかの細胞。
[本発明1007]
細胞の集団が、1、2、3、または4日ごとに継代されることができる、本発明1001~1006のいずれかの細胞。
[本発明1008]
細胞が、細胞100万個あたり10~60 pg/時間の濃度でIL-2を分泌する、本発明1001~1007のいずれかの細胞。
[本発明1009]
細胞が、照射された細胞である、本発明1001~1007のいずれかの細胞。
[本発明1010]
細胞が、対照と比較して、CD16発現の下方制御が減少している、本発明1001~1009のいずれかの細胞。
[本発明1011]
細胞が、対照と比較して、ADCC後により高いレベルのCD16を維持する、本発明1001~1009のいずれかの細胞。
[本発明1012]
本発明1001~1011のいずれかの細胞の集団を含む、キット。
[本発明1013]
抗体をさらに含む、本発明1012のキット。
[本発明1014]
本発明1001~1011のいずれかの細胞の集団、および薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
[本発明1015]
本発明1014の薬学的組成物を対象に投与する段階を含む、対象においてがんを処置する方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1AはhaNK003細胞の拡大を示すグラフである。図1BはhaNK003細胞の集団倍加レベル(PDL)を示すグラフである。生存率(%)、細胞の密度(細胞/mL)、および累積PDLは、拡大期間の間モニターされた。
aNK細胞およびhaNK003細胞における表面マーカーの発現の、代表的なヒストグラムを示す。
aNK細胞およびhaNK003細胞における表面マーカーの発現の、代表的なヒストグラムを示す。
K562細胞に対するhaNK003細胞の自然細胞傷害を示すグラフである。
Raji細胞に対するhaNK003細胞の自然細胞傷害を示すグラフである。
SKOV3細胞に対するhaNK003細胞の自然細胞傷害を示すグラフである。
SKBR3細胞に対するhaNK003細胞の自然細胞傷害を示すグラフである。
図4AはRaji細胞に対するhaNK003細胞のADCCを示すグラフである。図4BはSKOV3細胞に対するhaNK003細胞のADCCを示すグラフである。図4CはSKBR3細胞に対するhaNK003細胞のADCCを示すグラフである。
K562細胞に対する、照射されたhaNK003細胞 対 非照射のhaNK003細胞の、自然細胞傷害活性を示すグラフである。haNK003細胞は、偽照射された(実線)か、または10 Gyで照射された。照射されたhaNK003のK562細胞に対する細胞傷害活性は、照射後6時間(破線)または24時間(点線)の時点でアッセイされた。
DOHH2細胞に対する、照射されたhaNK003細胞 対 非照射のhaNK003細胞の、自然細胞傷害活性を示すグラフである。haNK003細胞は、偽照射された(実線)か、または10 Gyで照射された。照射された haNK003のDOHH2細胞に対する細胞傷害活性は、照射後6時間(破線)または24時間(点線)の時点でアッセイされた。細胞死によってhaNK003細胞の数が不十分となったため、20:1のE:T比についてのデータ点は、照射された細胞については取得されなかったことに注意。
DOHH2細胞に対する、照射されたhaNK003細胞 対 非照射のhaNK003細胞の、ADCC活性を示すグラフである。haNK003細胞は、偽照射された(黒い記号)か、または10 Gyで照射された(白い記号)。照射されたhaNK003および非照射のhaNK003のDOHH2細胞に対するADCC活性は、Rituxan(四角)もしくはDOHH2細胞と反応しないHerceptin(三角)と組み合わせて、照射後6時間(破線)または24時間(点線)の時点でアッセイされた。細胞死によってhaNK003細胞の数が不十分となったため、20:1のE:T比についてのデータ点は、24時間の時点での照射された細胞については取得されなかったことに注意。
サンドイッチELISAの実験番号1によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの放出されたIL-2(pg/mL)を示すグラフである。
サンドイッチELISAの実験番号2によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの放出されたIL-2(pg/mL)を示すグラフである。
マルチプレックスELISAの実験番号1によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの放出されたIL-2(pg/mL)を示すグラフである。
マルチプレックスELISAの実験番号2によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの放出されたIL-2(pg/mL)を示すグラフである。
サンドイッチELISAの実験番号1によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの全細胞内IL-2含有量(pg)を示すグラフである。
サンドイッチELISAの実験番号2によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの全細胞内IL-2含有量(pg)を示すグラフである。
マルチプレックスELISAの実験番号1によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの全細胞内IL-2含有量(pg)を示すグラフである。
マルチプレックスELISAの実験番号2によって決定されたときの、6、12、24、および48時間(h)の時点での、照射された細胞 対 非照射の細胞の、細胞1 x 10
6
個あたりの全細胞内IL-2含有量(pg)を示すグラフである。
マルチプレックスELISAおよびサンドイッチELISAによって決定されたときの、実験番号1における細胞1 x 10
6
個あたりの可溶化IL-2(pg)の量を示すグラフである。
マルチプレックスELISAおよびサンドイッチELISAによって決定されたときの、実験番号2における細胞1 x 10
6
個あたりの可溶化IL-2(pg)の量を示すグラフである。
NOD/SCIDマウスにおける、動物の体重に対する静脈内投与されたhaNK003の影響を示すグラフである。NOD/SCIDマウス(1つの群につき3匹の雄および3匹の雌)は、単回投与での、それぞれPBSか、細胞1 x 10
7
個の用量での非照射かまたは照射されたhaNK003細胞の静脈内注入によって、処置された。動物の体重は、週に2回、5週間モニターされた。値は平均 ± SEMであり、n = 6である。
NOD/SCIDマウスにおける、動物の体重に対するhaNK003細胞の影響を示すグラフである。NOD/SCIDマウス(1つの群につき3匹の雄および3匹の雌)は、PBSか、1 x 10
7
個の非照射かまたは照射されたhaNK003細胞で、週に1回、4週間処置され、動物の体重は、週に2回、5週間モニターされた。値は平均 ± SEMであり、n = 6である。
K562細胞に対する自然細胞傷害について、aNK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
Daudi細胞に対する自然細胞傷害について、NK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
DOHH2細胞に対する自然細胞傷害について、aNK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
SKOV-3細胞に対する自然細胞傷害について、aNK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
HL-60細胞に対する自然細胞傷害について、aNK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
SR-91細胞に対する自然細胞傷害について、aNK細胞 対 haNK003細胞の比較を示すグラフである。
雌のNSGマウスでのMDA-MB-453皮下異種移植モデルにおける、haNK003細胞の抗腫瘍活性を示すグラフである。MDA-MB-453ヒト乳がん腫瘍を有する雌のNSGマウスは、それぞれPBSか、または細胞2.5 x 106個もしくは1 x 107個の用量での照射されたhaNK003細胞の静脈内注入によって、週に2回、4週間処置された。腫瘍の体積は週に2回モニターされた。値は平均 ± SEMである;n = 8。
雌のNSGマウスにおける、動物の体重に対するhaNK003細胞の影響を示すグラフである。MDA-MB-453ヒト乳がん腫瘍を有する雌のNSGマウスは、それぞれPBSか、または細胞2.5 x 106個もしくは1.0 x 107個の用量での照射されたhaNK003細胞の静脈内注入によって、週に2回、4週間処置された。マウスの体重は、週に2回モニターされた。値は平均 ± SEMである;n = 4。
20%酸素条件下および0%酸素(低酸素)条件下での、haNK細胞の遺伝子発現だけでなく正常なNK細胞950、962、および996の遺伝子発現について、試料のペア間の距離を示す表である。
950、962、996、およびhaNK細胞における、20%酸素条件と0%酸素条件との間で、発現における最大の変動性を示す遺伝子を示す表である。
950、962、996、およびhaNK細胞において、20%酸素条件と0%酸素条件との間で最大の変化を示す遺伝子の、発現における変化を示す表である。
haNK細胞、ならびにNK細胞950、962、および996における、20%酸素条件と0%酸素条件との間での、低酸素に関連する遺伝子の発現における変化を示す表である。
PMA処置の前後での、haNK003細胞およびドナーNK細胞におけるCD16発現のフローサイトメトリー分析を示すグラフである。CD16発現の下方制御はドナーNK細胞において94.36% ± 3であり、haNK003細胞において30% ± 0.04である。aNK(CD16を有さないNK-92細胞)は対照として使用された。
K562細胞と共培養されたhaNK003細胞およびドナーNK細胞(E:T = 1:1)におけるCD16発現レベルのフローサイトメトリー分析を示すグラフである。4時間後、haNK003細胞は、ドナーNK細胞と比較して安定的なCD16発現を示した。K562との共培養の4時間後のドナーNK細胞におけるCD16下方制御は60.25% ± 09であり、haNK003細胞については4.9% ± 2.57であった。一晩の回復の後、ドナーNK細胞においては依然として57.54% ± 26.82のCD16発現の下方制御があったが、一方でhaNK003細胞においてはCD16のレベルはわずか2.78% ± 3.5の下方制御と、正常の近くまで回復した。aNK(CD16を有さないNK-92細胞)は対照として使用された。
図27Aおよび27Bは、haNK003細胞におけるADCC後のCD16の発現レベルを示すグラフである。ADCCは、1 μg/mlのリツキシマブの存在下で4時間、1:0(エフェクター単独)~1:4のE:T比でhaNK003細胞およびDoHHを共培養することによって実施された。CD16の発現レベルは、4時間の時点で、および24時間後に、フローサイトメトリーによって測定された。図27Aは、対照(E:T = 1:0)とともに、ADCC後のhaNK-003におけるCD16の発現レベルのフローサイトメトリー分析を示す。図27Bは、ADCC後の、およびADCCの24時間後の、CD16発現の蛍光強度の中央値(MFI)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
本明細書において、改変されたNK-92 haNK003細胞が提供される。該細胞は、Fc受容体CD16、および小胞体結合型のIL-2を発現する。したがって該細胞は、増殖に関して外部のIL-2に依存しているわけではない。さらに、改変されたNK-92細胞は、CD16受容体の高親和性変異体の挿入により強化された細胞傷害能力を有しており、そしてそれゆえに、CD16標的抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の能力を有する。ADCCは、標的に結合した抗体(IgG)のFc断片の、CD16 Fc受容体を介する認識により、媒介される。したがって、腫瘍学的な適用に関し、改変された該細胞によるADCCは、腫瘍細胞に結合したIgGのFc断片へのCD16受容体の結合により誘発され、したがって、改変されたNK-92細胞は、標的の死滅に関して活性化される。本明細書において記載されるように、提供される改変されたNK-92細胞は、小胞体へと向けられたIL-2の配列とともにCD16 高親和性Fcガンマ受容体(FcγRIIIa/CD16a)の配列をも含む、バイシストロン性プラスミドに基づくベクターの、安定的なトランスフェクションによって作製された。該細胞は、第17番染色体上の+鎖の15,654,977位の単一の位置に挿入されたプラスミド配列を含む。該改変されたNK-92細胞は内因性IL-2を産生し、表現型としてはCD56+、CD3-、およびCD16+である。本願において提供される改変されたNK-92 haNK003細胞は、本明細書においてときおり、単にhaNK003細胞と称される。
【0008】
以下の実施例においてより詳細に記載されるように、NK-92細胞はpNEUKv1_FcRIL2プラスミド(SEQ ID NO:1)で形質転換された。pNEUKv1_FcRIL2プラスミドは、アミノ酸176位(全長CD16ペプチドを参照する場合)にバリンを含む改変されたCD16、および小胞体保留シグナルを有するIL-2を発現する、バイシストロン性の構築物である。細胞の全ゲノム配列決定(WGS)が実施され、第17番染色体上の1つのプラスミド挿入部位が同定された。WGSにより、haNK003細胞株におけるバイシストロン性プラスミドの組み込みは、発がんの潜在能力を有するいかなる遺伝子からも離れた、ゲノムの一領域中にあることが確認された。5’の最も近い遺伝子TBC1D26は10,722 bp上流であり、3’の最も近い遺伝子ADORA2Bは186,828 bp下流である。3~4日ごとに継代され、細胞およそ0.3~0.5 x 10
6
個/mLの密度で播種された場合に、改変されたNK-92細胞は安定的に増殖する。平均倍加時間は、第3日~第29日で65(48~95)時間であった。フローサイトメトリーデータの分析は、改変されたNK-92細胞がCD54、CD56、NKG2D、NKp30、およびCD16表面マーカータンパク質を発現し、かつCD3を欠くことを示す。改変されたNK-92細胞は、培養培地におけるIL-2の添加無しに増殖することができる。さらに、IL-2を発現する改変されたNK-92細胞は、培養培地中に低いレベルのIL-2を放出することが確認された。非照射のhaNK003細胞は単独で、培養の6時間の時点で細胞1,000,000個あたり平均およそ276.1 pg/mLを分泌し、培養の48時間の時点で細胞1,000,000個あたり最大1403.3 pg/mLを分泌する。提供される改変されたNK-92細胞は、いくつかのがん細胞株に対して自然細胞傷害性であり、抗体と組み合わされた場合に、ADCCを介した、強化された特異的溶解の能力を有する。
【0009】
NK-92細胞株は、インターロイキン2(IL-2)の存在下で増殖することが発見された。Gong et al., Leukemia 8:652-658 (1994)。これらの細胞は、多様ながんに対して高い細胞溶解活性を有する。NK-92細胞株は、拡大後の産量が予想可能である、幅広い抗腫瘍細胞傷害性を有する均質なNK細胞集団である。第I相臨床試験により、その安全性プロファイルが確認されている。NK-92は、非ホジキンリンパ腫に罹患している対象の血液中で発見され、そしてその後エクスビボで不死化された。NK-92細胞はNK細胞に由来するが、大多数の活性化受容体を保持する一方で、正常なNK細胞によって提示される主要な抑制性受容体を欠く。NK-92細胞はしかしながら、正常な細胞を攻撃せず、ヒトにおいて好ましくない免疫拒絶応答を誘発することもない。NK-92細胞株の特徴付けは、国際公開公報第1998/49268号および米国特許出願公開第2002-0068044号に開示されている。
【0010】
NK-92細胞は公知であり、そして限定するものではないが、たとえば、参照によりそれらの全体においてそれらのすべてが本明細書に組み入れられる、米国特許第7,618,817号、米国特許第8,034,332号、および米国特許第8,313,943号、米国特許出願公開第2013/0040386号に記載されるもの、たとえば野生型NK-92、NK-92-CD16、NK-92-CD16-γ、NK-92-CD16-ζ、NK-92-CD16(F176V)、NK-92MI、およびNK-92CIを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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