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公開番号2025033423
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139130
出願日2023-08-29
発明の名称積層体の製造方法及び回路モジュール
出願人日本発條株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H05K 3/20 20060101AFI20250306BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】接着する部材を損傷することなく、高い熱伝導性と絶縁性を有する積層体を得ることが可能な積層体の製造方法、及び当該方法を用いて製造された回路モジュールを提供すること。
【解決手段】本開示の積層体の製造方法は、管を介して蒸発器と凝縮器とに作動流体を循環するループ型ヒートパイプを準備する工程と、前記蒸発器の少なくとも一面に、回路パターンを少なくとも含む発熱体を、間に半硬化状態の樹脂組成物を介在させて配置した圧着前積層体を準備する工程と、前記圧着前積層体をフィルムで被覆してオートクレーブの内部に配置する工程と、前記フィルムの内部を排気するとともに前記オートクレーブの内部の温度及び圧力を上昇させて半硬化状態の前記樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
管を介して蒸発器と凝縮器とに作動流体を循環するループ型ヒートパイプを準備する工程と、
前記蒸発器の少なくとも一面に、回路パターンを少なくとも含む発熱体を、間に半硬化状態の樹脂組成物を介在させて配置した圧着前積層体を準備する工程と、
前記圧着前積層体をフィルムで被覆してオートクレーブの内部に配置する工程と、
前記フィルムの内部を排気するとともに前記オートクレーブの内部の温度及び圧力を上昇させて半硬化状態の前記樹脂組成物を硬化させる工程と、を備える、
積層体の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記回路パターンの厚みが0.8mm以上である、
請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記発熱体は、前記回路パターンと、前記回路パターンの表面に実装された電子部品と、前記回路パターンの前記樹脂組成物が配置された面を除く周囲を覆う絶縁樹脂と、を備える、
請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記圧着前積層体を準備する工程を実施する前に、半硬化状態の前記樹脂組成物に圧縮力を付与する工程をさらに備える、
請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
半硬化状態の前記樹脂組成物における重量平均分子量の増加率は、前記圧縮力を付与する工程の前を基準として当該圧縮力を付与する工程の後では30%以下である、
請求項4に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
半硬化状態の前記樹脂組成物の密度は、硬化した後の前記樹脂組成物の実密度を基準として前記圧縮力を付与する工程の後では85%以上である、
請求項4に記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により製造された積層体を備える、
回路モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体の製造方法及び回路モジュールに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従前より、半導体チップ等の電子部品が実装される回路モジュールとして、金属ベース基板と、絶縁層と、回路パターンとが積層された積層体を含むものが知られている(例えば特許文献1参照)。この種の積層体は、例えば樹脂とフィラーを配合させた樹脂組成物を準備し、金属ベース基板に樹脂組成物を塗布して予備硬化を行った後、この樹脂組成物上に回路パターンを配置して熱プレスを行うことによって製造される。
【0003】
また、対象物の冷却を行う装置として、高温部で流体を液相から気相に変化させ、低温部で気相から液相に変化させる気液相変化を利用することにより熱移動を行うループ型ヒートパイプが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-012653号公報
特開2002-181469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は高輝度LEDやパワーモジュールのような大電流が流れる電子部品を使用する機会が増えている。そして、このような電子部品を含む回路モジュールに、特許文献2に記載されたようなループ型ヒートパイプを取り付ければ、回路モジュールの冷却を行うことができる。従来、特許文献1に記載のような回路モジュールに他の部品、例えばループ型ヒートパイプの蒸発器を取り付ける場合には、グリースのような粘性の接着剤を用いるのが一般的である。
【0006】
他方、部材同士を接着させる他の方法として、特許文献1に記載のような、樹脂組成物を塗布した上で熱プレスを行うことにより接着する方法も知られている。樹脂組成物を用いた接着は、グリース等を用いた接着に比して、高い熱伝導性と絶縁性が実現できるという利点がある。しかし、回路モジュールと蒸発器との取り付けに上述した熱プレスを用いると、当該熱プレスの際の圧力が10MPa~25MPa程度と比較的高いため、当該圧力によって蒸発器が変形し、蒸発器内に設けられた作動流体が通過する通路も変形あるいは破損してしまう恐れがある。
【0007】
加えて、積層体の製造にあたって熱プレスを行う場合、回路パターンを構成する導通部分(金属部分)と接触する樹脂組成物は加圧されるが、隣り合う導通部分同士の間に位置する隙間の部分は樹脂組成物に接触しないため、この隙間部分において樹脂組成物は加圧が不足する傾向がある。すなわち、熱プレスを行う際、樹脂組成物は、導通部分との接触の有り無しによって受ける圧力は不均一になる。これにより、隙間部分が位置する部位では、加圧不足に伴って樹脂組成物内に含まれる気体を排出できずにボイドが多数生成され、これにより絶縁性が確保できないおそれがある。特に回路パターンを厚肉化した場合は、この隙間部分の深さが深くなって加圧不足が顕著になるため、このような不具合が生じやすくなる。また導通部分が位置する部位においては、導通部分の端部によって樹脂組成物が強く押される(あるいは導通部分の端部を境に隙間部分と導通部分との間で急激な圧力変化が生じる)ことにより、絶縁層として形成した際に割れが生じることがある。
【0008】
本開示は、上述の問題点に鑑み、接着する部材の変形や損傷を抑え、且つ高い熱伝導性と絶縁性を有する積層体を得ることが可能な積層体の製造方法、及び当該方法を用いて製造された回路モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様に係る積層体の製造方法は、管を介して蒸発器と凝縮器とに作動流体を循環するループ型ヒートパイプを準備する工程と、前記蒸発器の少なくとも一面に、回路パターンを少なくとも含む発熱体を、間に半硬化状態の樹脂組成物を介在させて配置した圧着前積層体を準備する工程と、前記圧着前積層体をフィルムで被覆してオートクレーブの内部に配置する工程と、前記フィルムの内部を排気するとともに前記オートクレーブの内部の温度及び圧力を上昇させて半硬化状態の前記樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む。
【0010】
このような積層体の製造方法においては、回路パターンを含む発熱体を、蒸発器に絶縁層により取り付けることができるため、高い熱伝導性と絶縁性を備えた積層体を製造することができる。また、絶縁層により発熱体と蒸発器を接合するのにオートクレーブを用いることで、接合時の圧力を低くでき、当該圧力によって蒸発器が変形することを抑制できる。さらに、オートクレーブを用いることで、接合時に発熱体にかかる圧力を概ね均一にすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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