発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、頭部鼻孔周辺に配置する再還流方式を用いた非接触的水素ガス吸引装置に関するものである。 続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】 【0002】 水素は、体内にガスとして吸引したり、水素水摂取等により体内に水素を取り込むことで、図8で示すように、活性酸素減弱(抗酸化)作用を介して、癌細胞の増殖の阻害、抗炎症作用、免疫増進、癌リスクの低減等が期待され、予防や治療を目的とした水素生成供給機器が提案されているが、投与量、投与方法など未解明な部分が多く、また水素ガス吸引法もまだ改良の余地がある。 【0003】 一般的には、100ml/分~600ml/分を1日1~2時間投与されることが多い。しかし癌治療では、1日1200ml/分を3時間以上投与されることもあるが、このような高容量の水素生成器は、極めて高価である。 安価な低容量水素生成器(電解法)でなければ広く予防治療として普及することはできない。 しかし、低容量では、投与時間を長くしなければならず、また働いている人では、日中投与は困難なため、睡眠中に快適に投与することが求められている。 【0004】 さらに活性酸素は酸素が外部からの様々な刺激(例えば、 紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤ならびに酸化された物質の摂取など)を受けることで、反応性の高くなった状態に変化する。特に老化に伴う抗酸化作用の減弱などにより、活性酸素による細胞老化が、進行する(フリーラジカル老化仮説)ということも定説になっている。 【0005】 過剰な活性酸素の発生は、図9で示すように、認知症、糖尿病の合併症の進行、動脈硬化に伴う脳卒中、心筋梗塞、ガンや生活習慣病、アトピーや自己免疫疾患、しみしわ等の皮膚障害、感染症の悪化等、生体に対し様々な悪影響を及ぼす。超高齢社会において、これら疾患の予防は、極めて重要である。 水素ガスは、この活性酸素、とくにヒドロキシラジカル(・OH)と反応することで、水を生成し、活性酸素を消去する他、細胞内へ浸透することで、ミトコンドリアの活性、免疫細胞の活性を向上させることから、水素ガスを体内に取り込み各種疾病の予防や、治療を可能にすると考えられ、この10年間で広く用いられるようになっている。そのなかには、ラットの研究ではあるが、交感神経抑制作用や血圧低下作用も報告され(Sugai K,et.al. Daily inhalation of hydrogen gas has a blood pressure-lowering effect in a rat model of hypertension.(Scientific Report 10(1):20173,Nov26 2020 .))またスポーツの疲労の回復にも役立つこと(Shibayama Y, Dobashi S, Arisawa T, Fukuoka T, Koyama K. Impact of hydrogen-rich gas mixture inhalation through nasal cannula during post-exercise recovery period on subsequent oxidative stress, muscle damage, and exercise performances in men. Med Gas Res. (2020) 10:155?62. 10.4103/2045-9912.304222)も報告されている。 【0006】 特開2017-86839公報には、枕を含めてベッドの全体には、微小孔が開けられ、孔の全てから水素ガスが放出される構成が示されており、ベッドの上に寝る者の背面全体の皮膚から水素ガス、酸水素ガスを長時間に渡り、経皮吸収して全身の細胞へと水素を送る構成がしめされている。 【0007】 実用新案登録第3213310号公報には、全身で水素ガスを浴びれる構成とすると共に、利用者が水素ガスを吸入・吸収するためのマットを含む器具が開示され、水素マットの広範囲から少量ずつ放出される水素ガスを時間を掛けて吸入・吸収することで、水素ガス発生装置等から直接的に大量の水素ガスを短時間に吸入・吸収する場合と同様の効果を得ることができる事が開示されている。 特開2022-166879号公報には、ガスバリアー性能の高い着衣が開示され、着衣内に水素ガスを放出する放出口が、複数配置され、複数部位での経皮吸収を行うことが開示されている。 【0008】 特開2015-205257号公報には 水素を含有する水素液を生成し、当該水素液を平たく広げることにより、水素液が広げられた水素液充填層の少なくとも一面を放出面として、当該放出面から水素ガスを放出させることで、広い面積への供給を、効率よく可能とする水素放出器が記載されている。 特開2021-74482号公報には、枕の両脇に設置した水素を放出するアウトレット装置を備えた水素吸入装置が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0009】 特開2017-86839号公報 実用新案登録第3213310号公報 特開2015-205257号公報 特開2022-166879号公報 特開2021-74482号公報 【非特許文献】 【0010】 SaiLi et.al.Hydrogen gas in cancer treatment, Frontiears in Oncology;696,2019 Sugai K,et.al. Daily inhalation of hydrogen gas has a blood pressure-lowering effect in a rat model of hypertension.(Scientific Report 10(1):20173,Nov26 2020 .) Shibayama Y, Dobashi S, Arisawa T, Fukuoka T, Koyama K. Impact of hydrogen-rich gas mixture inhalation through nasal cannula during post-exercise recovery period on subsequent oxidative stress, muscle damage, and exercise performances in men. Med Gas Res. (2020) 10:155?62. 10.4103/2045-9912.304222 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する