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公開番号
2025031911
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024228457,2020212297
出願日
2024-12-25,2020-12-22
発明の名称
反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体デバイスの製造方法
出願人
HOYA株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G03F
1/24 20120101AFI20250228BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】反射型位相シフトマスクに要求される位相シフト機能及び光学特性を満たしつつ、マスク検査を高精度に行うことができる反射型マスクブランクを提供する。
【解決手段】基板の主表面上に、多層反射膜、第1の薄膜および第2の薄膜をこの順に備える反射型マスクブランクであって、波長13.5nmの光における前記多層反射膜の反射率に対する第2の薄膜の相対反射率R
2
は3%以上であり、波長13.5nmの光における前記第1の薄膜の消衰係数をk
1
、前記第1の薄膜の厚さをd
1
[nm]としたとき、(式1)の関係を満たすことを特徴とする反射型マスクブランク。
(式1) 21.5×k
1
2
×d
1
2
-52.5×k
1
×d
1
+32.1>R
2
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
基板の主表面上に、多層反射膜、第1の薄膜および第2の薄膜をこの順に備える反射型マスクブランクであって、
波長13.5nmの光における前記多層反射膜の反射率に対する第2の薄膜の相対反射率R
2
は3%以上であり、
波長13.5nmの光における前記第1の薄膜の消衰係数をk
1
、前記第1の薄膜の厚さをd
1
[nm]としたとき、(式1)の関係を満たすことを特徴とする反射型マスクブランク。
(式1) 21.5×k
1
2
×d
1
2
-52.5×k
1
×d
1
+32.1>R
2
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
前記相対反射率R
2
は、32%以下であることを特徴とする請求項1記載の反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記第1の薄膜の消衰係数k
1
は、0.05以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記第1の薄膜の厚さd
1
は、1nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記第1の薄膜は、金属元素と、酸素および窒素のうち少なくともいずれかの元素とを含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
【請求項6】
前記第2の薄膜は、金属元素を含有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記多層反射膜と前記第1の薄膜の間に保護膜を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
【請求項8】
前記保護膜は、ルテニウムを含有することを特徴とする請求項7記載の反射型マスクブランク。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の反射型マスクブランクの前記第1の薄膜および前記第2の薄膜に転写パターンが形成されていることを特徴とする反射型マスク。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いる反射型マスクの製造方法であって、
前記第2の薄膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成された第2の薄膜に対し、波長13.5nmの光を含む検査光を用いて前記転写パターンの欠陥検査を行う工程と、
前記欠陥検査で検出された第2の薄膜の転写パターンに存在する欠陥に対し、フッ素を含有する物質を供給しつつ荷電粒子を照射する欠陥修正を行う工程と、
前記欠陥修正後、前記第1の薄膜に転写パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの製造などに使用される露光用マスクを製造するための原版である反射型マスクブランク、反射型マスク、反射型マスクの製造方法、及び半導体デバイスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造における露光装置は、光源の波長を徐々に短くしながら進化してきている。より微細なパターン転写を実現するため、波長が13.5nm近傍の極端紫外線(EUV:Extreme Ultra Violet。以下、EUV光という場合がある。)を用いたEUVリソグラフィーが開発されている。EUVリソグラフィーでは、EUV光に対して透明な材料が少ないことから、反射型マスクが用いられる。代表的な反射型マスクとして、反射型バイナリーマスクおよび反射型位相シフトマスク(反射型のハーフトーン位相シフトマスク)がある。反射型バイナリーマスクは、EUV光を十分吸収する比較的厚い吸収体パターンを有する。反射型位相シフトマスクは、EUV光を光吸収により減光させ、且つ多層反射膜からの反射光に対して所望の角度で位相が反転した反射光を発生させる比較的薄い吸収体パターン(位相シフトパターン)を有する。反射型位相シフトマスクは、位相シフト効果によって高い転写光学像コントラストが得られるので解像度をより向上させることができる。また、反射型位相シフトマスクの吸収体パターン(位相シフトパターン)の膜厚が薄いことから、精度良く微細な位相シフトパターンを形成できる。
【0003】
このようなEUVリソグラフィー用の反射型マスクおよびこれを作製するためのマスクブランクに関連する技術が特許文献1および2に記載されている。
【0004】
特許文献1には、EUV光における吸収体膜の反射率が2%以下であることを意図して、基板上に、多層反射膜、吸収体膜及びエッチングマスク膜をこの順で有する反射型マスクブランクであって、吸収体膜が、バッファ層と、バッファ層の上に設けられた吸収層とを有し、バッファ層が、タンタル(Ta)又はケイ素(Si)を含有する材料からなり、バッファ膜の膜厚が0.5nm以上25nm以下であり、吸収層が、クロム(Cr)を含有する材料からなり、バッファ膜のEUV光に対する消衰係数よりも吸収層の消衰係数が大きく、エッチングマスク膜が、タンタル(Ta)又はケイ素(Si)を含有する材料からなり、エッチングマスク膜の膜厚が0.5nm以上14nm以下である反射型マスクブランクが開示されている。
【0005】
特許文献2には、基板上に、多層反射膜、保護膜及びEUV光の位相をシフトさせる位相シフト膜をこの順で有する反射型マスクブランクであって、位相シフト膜は、第1の層と第2の層とを有し、第1の層は、タンタル(Ta)及びクロム(Cr)のうち少なくとも1以上の元素を含む材料からなり、第2の層は、ルテニウム(Ru)と、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo),タングステン(W)及びレニウム(Re)のうち少なくとも1以上の元素とを含む金属を含む材料からなる反射型マスクブランクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開2020/175354号公報
国際公開2019/225737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
パターンを微細にするほど、およびパターン寸法やパターン位置の精度を高めるほど半導体デバイスの電気的特性および性能が上がり、また、集積度向上およびチップサイズを低減できる。そのため、EUVリソグラフィーには従来よりも一段高い高精度かつ微細な寸法のパターン転写性能が求められている。現在では、hp16nm(half pitch 16nm)世代対応の超微細かつ高精度なパターン形成が要求されている。このような要求に対し、EUV光を露光光として用い、更に位相シフト効果を用いる反射型位相シフトマスクが求められている。
【0008】
反射型マスクブランクを用いて超微細かつ高精度なパターンを備える反射型マスクを製造する際、ドライエッチングによって吸収体膜にパターンを形成する。しかし、吸収体膜に全てのパターンを高精度に形成することは難しく、吸収体膜のパターニング後、エッチングで除去すべき領域の吸収体膜が除去しきれずに残存してしまっている、いわゆる黒欠陥が発生することが避け難くなってきている。このような吸収体パターンの黒欠陥は、欠陥修正技術によって修正できる場合が多い。近年では、黒欠陥の周囲に対して非励起のエッチンガス(フッ素系ガス等)を供給しつつ、黒欠陥に対して電子線等の荷電粒子を照射することで、黒欠陥を揮発させて除去する欠陥修正(EB欠陥修正)が用いられることが多い。しかし、吸収体膜の構成元素によっては、このEB欠陥修正で黒欠陥の修正を行うときに、吸収体膜と保護膜との間での修正レート差が十分に確保できない場合がある。一方、近年、様々な材料が吸収体膜を構成する材料として検討されている。吸収体膜の材料によっては、吸収体膜をパターニングするときのドライエッチングの際、吸収体膜と保護膜との間で十分なエッチング選択性が確保できない場合がある。
【0009】
これらの事情から、保護膜と吸収体膜の間に、保護膜と吸収体膜の両方に対して十分なエッチング選択性を有するバッファ膜を設けることがある。このバッファ膜を備える反射型マスクブランクから反射型マスクを製造する工程では、吸収体膜にドライエッチングで転写パターンを形成する工程が行われた後であって、バッファ膜にドライエッチングで転写パターンを形成する工程が行われる前に、吸収体パターンの黒欠陥の有無を含む検査であるマスク検査(欠陥検査)が行われる。このマスク検査では、検査光に対する吸収体膜が存在する領域からの反射光と、吸収体膜が除去されてバッファ膜が露出した領域からの反射光との間のコントラストから、基板上に吸収体膜が存在している領域を検出する。このため、高精度な欠陥検査を行うためには、検査光に対して吸収体膜の反射光とバッファ膜の反射光との間で十分なコントラストを確保する必要がある。それに加え、反射型マスク用のマスクブランクは、吸収体膜とバッファ膜と吸収体膜の積層構造で転写パターンを構成するため、光学的な制約がある。特に、反射型位相シフトマスクの場合、バッファ膜と吸収体膜の積層構造の転写パターン全体で所望の位相シフト機能を発揮する必要がある。これらの事情から、反射型マスクに要求されるEUV光に対する光学特性を満たしつつ、マスク検査を高精度に行うことができる反射型マスクブランクを提供することが求められている。
【0010】
そこで、本発明は、反射型マスクに要求される光学特性を満たしつつ、マスク検査を高精度に行うことができる反射型マスクブランクを提供することを目的とする。
(【0011】以降は省略されています)
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