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公開番号2025031859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2024226489,2021546250
出願日2024-12-23,2020-05-14
発明の名称抗原結合分子、薬学的組成物、および方法
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/18 20060101AFI20250228BHJP(有機化学)
要約【課題】C1sに結合し、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、およびFc領域を含む抗原結合分子の提供。
【解決手段】本発明は、C1sに結合し、かつ重鎖可変領域、軽鎖可変領域、およびFc領域を含む抗原結合分子であって、(i)重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域が、中性pH範囲におけるC1sに対する抗原結合分子のKD値に対する、酸性pH範囲におけるC1sに対する抗原結合分子のKD値の比である、KD(酸性pH範囲)/KD(中性pH範囲)を、第1の参照抗体のそれと比較して大きくすることができる、少なくとも1つのアミノ酸を含み、(ii)Fc領域が、酸性pH範囲におけるFcRnに対する抗原結合分子の結合能を、第2の参照抗体のそれと比較して増強することができる、少なくとも1つのアミノ酸を含み、(iii)Fc領域が、中性pH範囲におけるFcγ受容体に対する抗原結合分子の結合能を、第2の参照抗体のそれと比較して増強することができる、少なくとも1つのアミノ酸を含む抗原結合分子を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
C1sに結合し、かつ、配列番号:20のHVR-H1、配列番号:21のHVR-H2、および配列番号:22のHVR-H3を含む重鎖可変領域、配列番号:23のHVR-L1、配列番号:24のHVR-L2、および配列番号:25のHVR-L3を含む軽鎖可変領域、ならびにFc領域を含む、抗原結合分子であって、
該重鎖可変領域が配列番号:18のアミノ酸配列に対して95%の同一性を含み、該軽鎖可変領域が配列番号:19のアミノ酸配列に対して95%の同一性を含み、
(i)該重鎖可変領域および/または該軽鎖可変領域が、中性pH範囲におけるC1sに対する該抗原結合分子のKD値に対する酸性pH範囲におけるC1sに対する、該抗原結合分子のKD値の比である、KD(酸性pH範囲)/KD(中性pH範囲)を、2つの重鎖可変領域および2つの軽鎖可変領域を含む第1の参照抗体のそれと比較して大きくすることができる、少なくとも1つのアミノ酸を含み、第1の参照抗体の重鎖可変領域が配列番号:12のアミノ酸配列を含み、かつ第1の参照抗体の軽鎖可変領域が配列番号:13のアミノ酸配列を含み、
(ii)該Fc領域が、酸性pH範囲におけるFcRnに対する該抗原結合分子の結合能を、対形成したFc領域を含む第2の参照抗体のそれと比較して増強することができる、少なくとも1つのアミノ酸を含み、第2の参照抗体のFc領域が配列番号:14のアミノ酸配列を含み、かつ
(iii)該Fc領域が、中性pH範囲におけるFcγ受容体に対する該抗原結合分子の結合能を、第2の参照抗体のそれと比較して増強することができる、少なくとも1つのアミノ酸を含む、
抗原結合分子。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記重鎖可変領域および前記軽鎖可変領域が、前記抗原結合分子の安定性を第1の参照抗体のそれと比較して向上させることができる少なくとも1つのアミノ酸を含む、請求項1に記載の抗原結合分子。
【請求項3】
前記抗原結合分子が定常領域を含み、該抗原結合分子のFc領域が該定常領域内にあり、該定常領域が、該抗原結合分子の免疫原性を低下させることができる少なくとも1つのアミノ酸を含む、請求項1または2に記載の抗原結合分子。
【請求項4】
前記抗原結合分子のFc領域が、リウマトイド因子に対する結合活性を低下させることができる少なくとも1つのアミノ酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合分子。
【請求項5】
前記(i)の可変領域が、以下のアミノ酸:
前記重鎖可変領域における27位のヒスチジン、
前記重鎖可変領域における59位のプロリン、および
前記軽鎖可変領域における96位のヒスチジン
(すべての番号がKabatナンバリングシステムにしたがう)
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗原結合分子。
【請求項6】
前記(ii)のFc領域が、428位のロイシン、434位のアラニン、および436位のスレオニン(すべての番号がEUナンバリングシステムにしたがう)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗原結合分子。
【請求項7】
前記(iii)のFc領域が、以下のアミノ酸:
234位のチロシン、
235位のトリプトファン、
236位のアスパラギン、
238位のアスパラギン酸、
250位のバリン、
264位のイソロイシン、
268位のアスパラギン酸、
295位のロイシン、
307位のプロリン、
326位のスレオニン、および
330位のリジン
(すべての番号がEUナンバリングシステムにしたがう)
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原結合分子。
【請求項8】
前記(iii)のFc領域が、以下の(a)または(b)のアミノ酸:
(a)235位のトリプトファン、236位のアスパラギン、268位のアスパラギン酸、295位のロイシン、326位のスレオニン、および330位のリジン、または
(b)234位のチロシン、238位のアスパラギン酸、250位のバリン、264位のイソロイシン、307位のプロリン、および330位のリジン
(すべての番号がEUナンバリングシステムにしたがう)
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗原結合分子。
【請求項9】
安定性を向上させることができる前記少なくとも1つのアミノ酸が、重鎖可変領域における96位のアラニンおよび軽鎖可変領域における53位のグルタミン酸(両方の番号ともKabatナンバリングシステムにしたがう)のいずれかまたは両方である、請求項2に記載の抗原結合分子。
【請求項10】
免疫原性を低下させることができる前記少なくとも1つのアミノ酸が、EUナンバリングシステムにしたがう214位のアルギニンである、請求項3に記載の抗原結合分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗原結合分子、薬学的組成物、および方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
補体系は、病原体、外来抗原および腫瘍細胞に対する宿主の防御において重要な役割を果たす約25~30種の補体タンパク質を含む。補体系はまた、身体から免疫複合体およびアポトーシス細胞を除去することによって恒常性の維持にも関与している。補体成分は、一連の酵素プロセスおよび膜結合事象のカスケードにおいて相互作用することによって、それらの機能を遂行する。これらのプロセスの最終結果は、溶解機能、免疫調節機能、およびオプソニン機能を有する産物の生成である。
【0003】
補体系は、3つの異なる経路:古典経路、レチシン経路、および副経路に分類できることが広く知られている。各経路の開始は異なるが、3つの経路はすべて収束し、最終的に標的細胞の破壊に関与する同じ終末補体成分(C5~C9)を共有している。
【0004】
C1複合体は、古典経路カスケードの主要な開始因子として機能する大型のタンパク質複合体である。C1複合体は、モル比がそれぞれ1:2:2のC1q、C1r、およびC1sの3つの成分から構成される(非特許文献1)。古典経路は、抗体と結合した標的にC1複合体が結合すると開始される。6つの球状頭部を有するC1qは、Fc領域とのアビディティ型相互作用によってC1複合体が抗体に結合するのを媒介する。標的に緊密に結合すると、C1複合体内のC1rは自己活性化し、酵素的に活性となる。活性化したC1rはその後、C1複合体内のプロ酵素C1sを切断して活性化させる(非特許文献2)。その後、活性化したC1sは、その基質である補体成分C2およびC4を切断し、それぞれC2a/C2bおよびC4a/C4bフラグメントにする。これにより、C3コンバターゼであるC4b2aの集合体が標的の表面上にあらわれ、C3を切断してC3bを形成させる。C3bはその後、C5を切断して、C5b、C6、C7、C8、およびC9の終末膜攻撃複合体の形成を開始させ、これが孔形成を通じて標的を溶解させる。
【0005】
C1sは、カルシウム依存的にホモ二量体を形成する(非特許文献3)。1 mMのカルシウムイオン濃度ではC1sのほとんどが二量体状態にあり、1 nMのカルシウム濃度下ではそれは主として単量体状態にあることが報告されている(非特許文献4)。血中では、C1sおよびC1rは、大部分がカルシウム依存的C1r2s2ヘテロ四量体としてひとつに結合しており、これがC1qと1:1比で可逆的に結合してC1複合体を形成する。カルシウムが存在しないかまたは低濃度の場合、C1r2s2四量体は、1つのC1r二量体および2つのC1s単量体へと解離する(非特許文献5)。C1sは79 kDaの糖タンパク質であり、その質量の5~6%がグリコシル化に起因する(非特許文献6)。血清中のC1sの濃度は、およそ55μg/mL(0.7μM)であると報告されている(非特許文献7)。
【0006】
適切に機能する補体系は宿主を病原体から防御するが、古典経路の異常調節または不適切な活性化は、様々な補体介在性の障害、例えば、非限定的に、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡(BP)、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)等を引き起こす。したがって、古典経路の過剰なまたは制御されない活性化の阻害は、そのような障害を有する患者に臨床的利益を提供し得る。
【0007】
抗体は、血漿中で安定性があり、それらの標的に対して高度に特異的であり、一般に良い薬物動態プロファイルを示すことから、非常に魅力的な医薬品である。しかし、それらの大きな分子サイズのために、治療用抗体の用量は通常、高い。標的が多量に存在する場合は、必要とされる抗体の治療用量はさらに高くなる。その結果、抗体の薬物動態、薬力学、および抗原結合特性を改善する方法は、治療用抗体に伴う用量および高い製造費を減少させる魅力的な方法である。
【0008】
いくつかの先行する報告が、抗C1s抗体を記載している。例えば、Matsumotoら(1986)(非特許文献8)は、C1s上の異なるエピトープに結合する3つの抗体を記載している。1つのクローンは活性型のC1sに優先的に結合し、他の2つはプロ酵素および活性型の両方のC1sに結合した。これらの2つのクローンのうち1つのみが、C1sによるC2およびC4の切断を阻害することができた。特許文献1は、C1sを通じたC4の切断を阻害するがC2の切断は阻害しない抗体を記載している。加えて、特許文献2は、プロ酵素型と比較して活性型のC1sに選択的なC1s上の立体構造エピトープに結合するいくつかの抗体を記載している。特許文献3は、C4の切断を阻止することができる2クローンの抗C1s抗体を記載している。
【0009】
その抗原に対する抗体のアフィニティは、その抗体がどのくらい効果的にその標的を中和することができるかを決定する。治療効果に必要な用量を減少させるように抗体のアフィニティを高めるために、様々なアフィニティ成熟方法(非特許文献9)が使用されている。しかし、1つの抗体分子は、典型的に2つの結合部位を有し、したがって投与後に2つの標的(結合部位1つにつき抗原1つ)を中和することができるのみであるという制約がある。抗体が共有結合相互作用により無限大のアフィニティで標的に結合できる場合でさえも、その抗体によって中和される標的の最大数は、依然として2つが上限となる。
【0010】
pH依存的に抗原に結合する抗体(以降、本明細書で「pH依存的抗体」または「pH依存的結合抗体」とも称される)は、単一の抗体分子による複数の抗原分子の中和を可能にすることが報告されている(非特許文献10、特許文献4)。pH依存的抗体は、血漿中の中性pH条件下でその抗原に強く結合するが、細胞のエンドソーム内の酸性pH条件下で抗原から解離する。抗原から解離すると、抗体はFcRn受容体により血漿中にリサイクルされ、解離した抗原は、細胞のリソソーム内で分解される。リサイクルされた抗体はその後、再び自由に抗原分子に結合してそれを中和し、このプロセスは抗体が血中にとどまる限り繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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