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公開番号2025031431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023178414
出願日2023-10-16
発明の名称時計用部品および時計
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類G04B 19/06 20060101AFI20250228BHJP(時計)
要約【課題】基材表面に保護膜および調色層を積層した場合に、保護膜および調色層間の密着力を向上できて剥離し難い時計用部品および時計を提供することにある。
【解決手段】時計用部品は、基材と、基材の表面に湿式めっきにより成膜された保護膜と、保護膜の表面に乾式めっきにより成膜された加飾膜と、を有し、加飾膜は、保護膜と接する第1層を含む複数の層が積層された積層膜であり、第1層を構成する主たる材料は、保護膜を構成する主たる材料と同じであることを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
前記基材の表面に湿式めっきにより成膜された保護膜と、
前記保護膜の表面に乾式めっきにより成膜された加飾膜と、を有し、
前記加飾膜は、前記保護膜と接する第1層を含む複数の層が積層された積層膜であり、
前記第1層を構成する主たる材料は、前記保護膜を構成する主たる材料と同じである
ことを特徴とする時計用部品。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記保護膜および前記第1層を構成する主たる材料は、Niである
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項3】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記加飾膜は、前記第1層に接する第2層と、前記第2層の表面側に積層された第3層以降の複数の層とを有し、
前記第2層を構成する主たる材料は、前記第1層との密着性が高く、反射率が所定値以上の材料である
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項4】
請求項3に記載の時計用部品において、
前記第2層を構成する主たる材料は、Crである
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項5】
請求項3に記載の時計用部品において、
前記第3層以降の複数の層は、金属材料で形成された層と、酸化物またはフッ化物で形成された層とを有する
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項6】
請求項5に記載の時計用部品において、
前記金属材料で形成された層は、Cr、Au、Ag、Rhよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成される
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項7】
請求項5に記載の時計用部品において、
前記酸化物またはフッ化物で形成された層は、Ta



、SiO

、TiO

、Al



、ZrO

、Nb



、HfO

、Na

Al


14
、Na

AlF

、AlF

、MgF

、CaF

、BaF

、YF

、LaF

、CeF

、および、NdF

よりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料から構成される
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項8】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記加飾膜の表面に成膜されたトップコート膜を有する
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項9】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記時計用部品は、文字板またはムーブメントの部品である
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項10】
請求項1に記載の時計用部品を備えたことを特徴とする時計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用部品および時計に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、文字板などの時計用部品として、金属光沢を有する基材の上に、複数の酸化物膜からなる調色層を積層することで、貴金属材料を用いた場合と同等の外観の質感を有し、かつ、貴金属材料を用いた場合に比べてコストを低減できる時計用部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-4622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、文字板の基材として真鍮などを用いた場合、基材に錆が発生する可能性がある。このため、基材の表面にニッケルなどの保護膜を湿式めっきで成膜し、この保護膜の表面に、調色層として機能する複数の酸化物膜を真空蒸着によって積層することが考えられる。
しかしながら、本発明者が研究した結果、保護膜を湿式めっきで成膜した後に、調色層を真空蒸着で成膜すると、保護膜の表面は不活性化するため、調色層の1層目の酸化物膜は単に保護膜表面に載っているだけであり、それらの間の密着力が低く、時計の組立時やメンテナンス時等に文字板表面に工具などが接触すると剥離が発生する恐れがあることが判明した。このため、基材表面に保護膜および調色層を積層した場合に、保護膜および調色層間の密着力を向上できて剥離し難い時計用部品およびこの時計用部品を用いた時計が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計用部品は、基材と、前記基材の表面に湿式めっきにより成膜された保護膜と、前記保護膜の表面に乾式めっきにより成膜された加飾膜と、を有し、前記加飾膜は、前記保護膜と接する第1層を含む複数の層が積層された積層膜であり、前記第1層を構成する主たる材料は、前記保護膜を構成する主たる材料と同じであることを特徴とする。
【0006】
本開示の時計は、前記時計用部品を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1実施形態の文字板を有する時計を示す正面図である。
第1実施形態の文字板を示す断面図である。
第1実施形態の文字板の膜構成を示す図である。
文字板の剥離試験結果を示す図である。
第2実施形態の文字板の膜構成を示す図である。
第3実施形態の文字板を示す断面図である。
第3実施形態の文字板の膜構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態の時計1を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の時計用部品である文字板10を有する時計1を示す正面図である。時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、金属製の外装ケース2を備え、外装ケース2の内周側に、文字板10が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。さらに、時計1は、外装ケース2内に収容された図示略のムーブメントと、時刻情報を指示する指針である秒針3、分針4、時針5と、りゅうず7と、Aボタン8と、Bボタン9とを備える。
文字板10には、インデックス12が設けられている。本実施形態のインデックス12は、バーインデックスであるが、ローマ数字やアラビア数字を用いたものでもよく、インデックスの種類はバーインデックスに限定されない。
なお、以下の説明において、各部品の表面とはカバーガラス側の面を意味し、各部品の裏面とは裏蓋側の面を意味する。
【0009】
[文字板]
図2は、時計用部品である文字板10の概略断面図であり、図3は、文字板10の各膜の材料、成膜方法、膜厚を示す図である。
文字板10は、基材20と、基材20の表面に成膜された保護膜21と、保護膜21の表面に積層された複数の層で構成される加飾膜30と、加飾膜30の表面に成膜されたトップコート膜40とを有する。
基材20は、文字板10の基材となる金属製の基板である。基材20は、例えば、厚さ約400000nm=約0.4mmの真鍮製の板材である。なお、基材20の材質は、真鍮に限定するものではなく、貴金属より卑な金属であるのが好ましく、例えば、洋白、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、W、Bi、Mgや、これらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。なお、少量の貴金属を含むことを妨げるものではない。
【0010】
保護膜21は、基材20の表面に、電解めっき等の湿式めっきにより成膜されたNiめっき層である。すなわち、保護膜21は、主たる材料がNiである膜であり、例えば主成分であるNiの含有量が99%以上であり、その他の成分の含有量が1%程度の膜である。また、保護膜21は、真鍮製の基材20を保護し、基材20に錆が発生することなどを防止できるものであれば、主成分であるNiの含有量が99%未満であってもよい。さらに、保護膜21は、湿式めっきで成膜されるため、量産性に優れている。
保護膜21の膜厚は、例えば、約300nmである。なお、保護膜21の主たる材料は、Niに限定されず、防錆機能などの保護膜21として求められる機能を実現できる材料であればよく、Au、Ag、Rh等の湿式めっきが可能な材料であればよい。特に、Niであれば、Au、Ag、Rhに比べてコストを低減できる利点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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