TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025026441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024134266
出願日2024-08-09
発明の名称グレリン分泌促進用組成物
出願人株式会社明治
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類A61K 35/747 20150101AFI20250214BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】新規のグレリン分泌促進用組成物を提供する。
【解決手段】ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)に属する菌を含有する、グレリン分泌促進用組成物、並びに、成長ホルモン分泌促進、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれか1以上のための、組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)に属する菌を含有する、グレリン分泌促進用組成物。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌を含有する、成長ホルモン分泌促進、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれか1以上のための組成物。
【請求項3】
成長ホルモン分泌促進、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれか1以上が、グレリン分泌促進によるものである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・インディカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ラクティス(Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis)、及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・スンキ(Lactobacillus delbrueckii ssp. sunkii)のいずれかに属するものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、配列番号1~5のいずれか1つで表される塩基配列と90%以上の同一性を有する16S rRNA遺伝子を有するものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus属に属する菌が、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus 2038、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1255(受託番号:NITE BP-76)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1171(受託番号:NITE BP-01569)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1247(受託番号:NITE BP-01814)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL205013(受託番号:NITE BP-02411)、Lactobacillus delbrueckii OLL204989(受託番号:NITE BP-02874)、Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii(JCM 1012T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus(JCM 15610T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis(JCM 1248T)、及びLactobacillus delbrueckii ssp. sunkii(JCM 17838T)からなる群より選択されるいずれか1以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、生菌体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、ラクトバチルス・パラガセリに属する菌を含まない発酵乳である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、配列番号6の配列からなるDNAを有しない、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
Lactobacillus delbrueckiiに属する菌を含有する、医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グレリン分泌促進用組成物に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)【背景技術】
【0002】
グレリンは、胃の内分泌細胞で主に分泌されるペプチドホルモンであり、エネルギー代謝調節、胃酸分泌や消化管運動の促進、血管拡張や心血管系の保護作用、抗糖尿病作用等、様々な機能が報告されている。
【0003】
グレリンは成長ホルモン分泌促進作用を有する。成長ホルモンやグレリンはペプチドホルモンであり、そのまま経口摂取した場合、消化酵素により分解され、それらの効果を発揮することができない。また、成長ホルモンの注射は、ドーピング問題や安全性、副作用等、様々な課題がある。したがって、安全性が高く、手軽に摂取でき、成長ホルモンを内在的に分泌促進できる手法が望まれている。
【0004】
特許文献1及び2には、脱脂乳又は脱脂粉乳を有効成分とするホルモン分泌促進剤が記載されており、これらでいうホルモンが、グレリン又は成長ホルモンであることが記載されている。また特許文献3には、タンパク質としてホエイタンパク質加水分解物及び発酵乳タンパク質;脂質として中鎖脂肪酸、乳リン脂質及び魚油;並びに糖質としてパラチノース(登録商標)を含有する、グレリン分泌促進剤が記載され、特許文献4には、ラクトバチルス・ガセリOLL2716(FERM BP-6999)(2020年にラクトバチルス・パラガセリ(Lactobacillus paragasseri)に分類されなおした。)を有効成分として含有する食欲不振改善剤が記載され、この食欲不振改善が、グレリンの分泌促進作用によるものであることが記載されている。さらに特許文献5には、精製した米胚乳タンパク質のズブチリシン消化物に由来する、4~12アミノ酸長の特定の配列を有するペプチドが記載され、これらのペプチドが、グレリン分泌の低下によってもたらされる食欲不振の治療に有効である旨が記載されている。
【0005】
他方、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)は、乳酸菌の1種である。特許文献6には、乳酸菌の菌体破壊物を有効成分として含有する脂質代謝改善剤であって、該菌体破壊物における菌体の平均長径が破壊前の0~70%である、脂質代謝改善剤が記載されており、乳酸菌の例として、ラクトバチルス・デルブルッキ サブスピーシーズ・ブルガリクスが挙げられている。特許文献7には、ラクトバチルス属の乳酸菌を用いて調製した、疲労感の改善用の発酵乳が記載されており、ラクトバチルス属の乳酸菌として、ラクトバチルス・デルブリュッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスOLL1073R-1が記載されている。特許文献8には、ラクトバチルス デルブルエッキー、ラクトバチルス デルブルエッキー 亜種 ブルガリクス、ラクトバチルス ガセリ、ラクトバチルス ラムノーザス及びラクトバチルス アシドフィルスより成る群から選択される少なくとも一種のラクトバチルス属の乳酸菌、及び、その代謝物の少なくとも一方を含有する自律神経機能改善用の発酵乳が記載されており、ラクトバチルス属の乳酸菌としてラクトバチルス デルブルエッキー 亜種 ブルガリクス OLL1073R-1(FERM BP-10741)が記載されている。特許文献9には、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusと、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus acidophilus、Streptococcus thermophilu、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium breve、及びBifidobacterium infantisとを含む8種類の有用細菌を含むプロバイオティックス化合物VSL

3の投与により潰瘍性大腸炎マウスモデルにおいて体重減少の抑制、疾患活動性指数(DAI)の低下、腸管病変の改善がみられることが示されている。非特許文献1には、ラクトバチルス・デルブルッキーLAB4は、糖摂取直後の初期の血糖値上昇に続くインスリンの追加分泌の過剰反応を抑制し、低血糖を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-205829
特開2015-205830
特許第6657084号公報(国際公開WO2015/199192)
特許第6813974号公報(特開2018-8901号公報)
国際公開WO2020/218450
特許第5801802号公報(国際公開WO2011/063117)
国際公開WO2017/015407
特開2020-184906
特表2021-524751
【非特許文献】
【0007】
永田勝太郎, 大槻千佳, 志和悟子, 前川衛, 杉岡哲也, 池内由里, 血糖値スパイクに対する乳酸菌LAB4及びグルコマンナン加乳酸菌LAB4の作用機序仮説, Comprehensive Medicine 全人的医療 20 (1) 3-12, 2021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、新規のグレリン分泌促進用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下に関する。
<1> ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)に属する菌を含有する、グレリン分泌促進用組成物。
<2> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌を含有する、成長ホルモン分泌促進、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれか1以上のための組成物。
<3> 成長ホルモン分泌促進、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれか1以上が、グレリン分泌促進によるものである、<2>に記載の組成物。
<4> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・インディカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ラクティス(Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis)、及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・スンキ(Lactobacillus delbrueckii ssp. sunkii)のいずれかに属するものである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の組成物。
<5> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、配列番号1~5のいずれか1つで表される塩基配列と90%以上の同一性を有する16S rRNA遺伝子を有するものである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の組成物。
<6> Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricusに属する菌が、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus 2038、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1255(受託番号:NITE BP-76)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1171(受託番号:NITE BP-01569)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1247(受託番号:NITE BP-01814)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL205013(受託番号:NITE BP-02411)、Lactobacillus delbrueckii OLL204989(受託番号:NITE BP-02874)、Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii(JCM 1012T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus(JCM 15610T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis(JCM 1248T)、及びLactobacillus delbrueckii ssp. sunkii(JCM 17838T)からなる群より選択されるいずれか1以上である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の組成物。
<7> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、生菌体である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の組成物。
<8> 組成物が、ラクトバチルス・パラガセリに属する菌を含まない発酵乳である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の組成物。
<9> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、配列番号6の配列からなるDNAを有しない、<1>~<8>のいずれか1つに記載の組成物。
<10> Lactobacillus delbrueckiiに属する菌を含有する、医薬組成物。
<11> ホルモン剤である、<10>に記載の医薬組成物。
【0010】
また、本発明は、以下に関する。
[1]ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)に属する菌を含有する、グレリン分泌促進用組成物。
[2]Lactobacillus delbrueckiiに属する菌を含有する、成長ホルモン分泌促進、脂肪蓄積促進(体重減少抑制)、インスリン分泌抑制、褐色脂肪組織の機能抑制、消化管運動促進、胃酸分泌亢進、膵外分泌亢進、血管拡張、心収縮力増大、及び心筋細胞の保護からなる群より選択されるいずれかのための、組成物。
[3]グレリン分泌促進によるものである、[2]に記載の組成物。
[4]Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・インディカス(Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus)、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・ラクティス(Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis)、及びラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシス・スンキ(Lactobacillus delbrueckii ssp. sunkii)のいずれかに属するものである、[1]~[3]のいずれか1項に記載の組成物。
[5]Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricusに属する菌が、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus 2038、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1255(受託番号:NITE BP-76)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1171(受託番号:NITE BP-01569)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1247(受託番号:NITE BP-01814)、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL205013(受託番号:NITE BP-02411)、Lactobacillus delbrueckii OLL204989(受託番号:NITE BP-02874)、Lactobacillus delbrueckii ssp. delbrueckii(JCM 1012T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. indicus(JCM 15610T)、Lactobacillus delbrueckii ssp. lactis(JCM 1248T)、及びLactobacillus delbrueckii ssp. sunkii(JCM 17838T)からなる群より選択されるいずれかである、[1]~[4]のいずれか1項に記載の組成物。
[6]Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、生菌体である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[7]ラクトバチルス・パラガセリに属する菌を含まない発酵乳である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[8]Lactobacillus delbrueckiiに属する菌が、配列番号6の配列からなるDNAを有しない、[1]~[7]のいずれか1項に記載の組成物。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社明治ゴム化成
磁性体部品
1か月前
株式会社明治
グレリン分泌促進用組成物
5日前
株式会社明治
香気を発する製品の製造方法
1か月前
株式会社明治
香気を発する製品の製造方法
1か月前
株式会社明治
ホエイ加工食品
1か月前
株式会社明治
高タンパク質の乳原料の製造方法
2か月前
株式会社明治
抑うつ症状改善剤及びそれを含む組成物
3か月前
株式会社明治
全体的健康感改善用組成物および活力向上用組成物
27日前
個人
健康器具
9日前
個人
歯茎みが品
1か月前
個人
鼾防止用具
5日前
個人
歯の掃除具
3か月前
個人
錠剤撒き器
6か月前
個人
マッサージ機
20日前
個人
身体牽引装置
4か月前
個人
脈波測定方法
5日前
個人
導電香
26日前
個人
乗馬テラピー
4か月前
個人
脈波測定方法
12日前
個人
塗り薬塗り具
2か月前
個人
収納容器
2か月前
個人
発熱器具
3か月前
個人
健康器具
2か月前
個人
染毛方法
3か月前
個人
片足歩行支援具
1か月前
個人
クリップ
1か月前
個人
鼻腔拡張具
6か月前
個人
挟圧手工爪矯正具
6か月前
個人
眼科診療車
1か月前
株式会社コロナ
脱臭機
5か月前
個人
口内洗浄具
12日前
個人
磁器治療器
4か月前
個人
動体視力強化装置
4か月前
株式会社コーセー
化粧料
1か月前
個人
避難困難者救出台車
1か月前
東レ株式会社
下肢着用具
4か月前
続きを見る