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公開番号2025022884
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2024187592,2022554676
出願日2024-10-24,2020-03-12
発明の名称アルデヒド混合物のバイオテクノロジー的製造のための方法
出願人シムライズ・アーゲー
代理人個人,個人,個人
主分類C12P 7/24 20060101AFI20250206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いる、飽和ならびに不飽和アルデヒドとそれらの混合物との製造のためのバイオテクノロジー的方法に関する。
【解決手段】本方法は、発酵法によるかまたは酵素法によるかのいずれかで実行されることがある。さらに、本発明は、ベクターシステム、ならびに本発明によるアルデヒドおよび混合物を製造するために用いることができる酵素をコードする配列および組み換え型の微生物に関する。さらに、本発明は、本発明による方法によって得られる組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1種類の不飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸ならびに/あるいは少なくとも1種類の飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸を製造するためのバイオテクノロジー的方法であって、
少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼを提供すること、
前記少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼと前記少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼを、出発原料としての少なくとも1種類のカルボン酸あるいはアルコールでエステル化されたカルボン酸と同時に反応させること、および
少なくとも1種類の不飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸ならびに/あるいは少なくとも1種類の飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸を前記反応によって得ること
を含み、
前記少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼは、アミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は、配列番号8、11、37、38、39、40、41、43、44、45、46、47、48、50、51、52、53、54、55または56からなる群、あるいはそれらに少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する配列から選ばれ、
前記少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼは、アミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は、配列番号9、10、12、13、14、59または60からなる群、あるいはそれらに少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する配列から選ばれる、
方法。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記バイオテクノロジー的方法は、
i.α-ジオキシゲナーゼをコードする少なくとも1種類の遺伝子および/またはアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする少なくとも1種類の遺伝子を含む核酸セグメントを収容する少なくとも1種類の組み換え型の微生物または真菌を提供するステップ;
ii.前記少なくとも1種類の組み換え型の微生物を前記対応する発現生成物の発現を可能にする条件において培養するステップ;
iii.前記少なくとも1種類の培養された組み換え型の微生物に少なくとも1種類のカルボン酸またはアルコールでエステル化された少なくとも1種類のカルボン酸を加えるステップ;
iv.前記少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび前記少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼをステップiiiの少なくとも1種類のカルボン酸またはアルコールでエステル化されたカルボン酸と同時に反応させることによって、少なくとも1種類の不飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸ならびに/あるいは少なくとも1種類の飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸を得るステップ、
を含む発酵的方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイオテクノロジー的製造方法は、
i.少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼを提供するステップであって、前記少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび/または前記少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼは、天然に、化学的にまたはバイオテクノロジー的に製造され得るステップ;
ii.ステップiの提供された酵素に少なくとも1種類のカルボン酸またはアルコールでエステル化された少なくとも1種類のカルボン酸を加えるステップ;
iii.前記少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび前記少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼをステップiiの前記少なくとも1種類のカルボン酸またはアルコールでエステル化された前記カルボン酸と同時に反応させることによって、少なくとも1種類の不飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸ならびに/あるいは少なくとも1種類の飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸を得るステップ、
を含む酵素的方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記出発原料の少なくとも1つは、バイオテクノロジー起源、天然起源または化学起源、あるいはそれらの組み合わせである、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記出発原料は、パルミトオレイン酸、アラキドン酸、α-リノレン酸、オレイン酸、プニカ酸、α-エレオステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ペトロセリン酸、ショールムーグリン酸、α-リカリン酸、オリーブ油、ナタネ油、マカダミアナッツ油、シーバックソーン果実油、桐油、魚油、ルリヂサ油、大風子油、オランダセリ油、オイチシカ油、ザクロ種子油、ヤシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、およびコニディオボルス属(Conidiobolus)、エノキタケ属(Flammulina)、ツリガネタケ属(Fomes)、マンネンタケ属(Ganoderma)、モルティエラ属(Mortierella)、ワサビタケ属(Panellus)、ヒラタケ属(Pleurotus)、ナヨタケ属(Psathyrella)、キウロコタケ属(Stereum)、およびウンベロプシス属(Umbelopsis)から選ばれた属の何れかから得られる菌の油からなる群から選ばれる、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法の生成物は、7Z,10Z-ヘキサデカジエナール、8Z,11Z-ヘプタデカジエナール、6E,9E-ペンタデカジエナール、7Z-ヘキサデセナール、8Z-ペンタデセナール、8Z,11Z,14Z-ヘプタデカトリエナール、7Z,10Z,13Z-ヘキサデカトリエナール、4Z,7Z,10Z,13Z-ノナデカテトラエナール、8Z,10E,12E-ヘプタデカトリエナール、8Z,10E,12Z-ヘプタデカトリエナール、7Z,9E,11Z-ヘキサデカトリエナール、7Z,9E,11E-ヘキサデカトリエナール、9-デセナール、10-ウンデセナール、3Z-デセナール、4Z-ウンデセナール、7Z-ドデセナール、8Z-トリデセナール、7Z-テトラデセナール、8Z-ペンタデセナール、9Z-テトラデセナール、10Z-ペンタデセナール、7Z-ペンタデセナール、8Z-ヘキサデセナール、9Z-ヘキサデセナール、10Z-ヘプタデセナール、5Z,8Z-テトラデカジエナール、6Z,9Z-ペンタデカジエナール、7Z,10Z-テトラデカジエナール、8Z,11Z-ペンタデカジエナール、7Z,9E-ヘキサデカジエナール、8Z,10E-ヘプタデカジエナール、8E,10Z-ヘキサデカジエナール、9E,11Z-ヘプタデカジエナール、9-メチルウンデカナール、10-メチルウンデカナール、10-メチルドデカナール、11-メチルドデカナール、11-メチルトリデカナール、12-メチルトリデカナール、12-メチルテトラデカナール、13-メチルテトラデカナールおよび13-メチルペンタデカナールからなる群から選ばれた少なくとも1種類の飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸ならびに/あるいは少なくとも1種類の不飽和アルデヒドおよびその対応するカルボン酸である、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種類の組み換え型の微生物は、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス属種(Bacillus spp.)、サッカロミセス属種(Saccharomyces spp.)、ハンゼヌラ(Hansenula)またはコマガテラ属種(Komagatella spp.)、クルイベロミセス属種(Kluyveromyces spp.)からなる群から選ばれる、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
追加として少なくとも1種類のNADHオキシダーゼおよび/または少なくとも1種類のリパーゼが提供される、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1種類のNADHオキシダーゼは、アミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、配列番号62および64、またはそれに少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する配列からなる群から選ばれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1種類のリパーゼは、カンディダ・アンタルクティカ(Candida antarctica)、クロカビ(Aspergillus niger)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)、ペニシリウム・カメンベルティイ(Penicillium camembertii)、ムコル・ジュバニクス(Mucor juvanicus)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、豚すい臓、カンディダ・ルゴーサ(Candida rugosa)、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)、カンディダ・アンタルクティカ(Candida antarcticaまたはリゾプス・デレマール(Rhizopus delemar)からなる群から選ばれた市販リパーゼである、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類のα-ジオキシゲナーゼおよび少なくとも1種類のアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いる、飽和および不飽和アルデヒドならびにそれらの混合物の製造のためのバイオテクノロジー的方法に関する。この方法は、発酵法または酵素法のいずれによっても実行されることがある。さらに、本発明は、ベクターシステム、ならびに本発明によるアルデヒドおよび混合物を製造するために用いることができる酵素をコードする配列および組み換え型の微生物に関する。さらに、本発明は、本発明による方法によって得られる組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
フレーバーの工業生産の分野において、フレーバーを合成する効率的かつコスト効果の高い方法が常に求められている。そのようなフレーバーの例は、(不)飽和アルデヒドである。アルデヒドの例は、8Z-テトラデセナールまたは1-デセナールである。この種類の物質は、主に肉調製品および柑橘類油中に見いだされる。しかし、現在、これらのアルデヒドおよび対応する酸の製造のための一般に適用可能なバイオテクノロジー的なプロセスは、記載されたことがない。
【0003】
先行技術から不飽和アルデヒドの調製のためのプロセスが公知である。例えば、不飽和アルコールの化学酸化によって8Z,11Z-ヘプタデカジエナールを得ることができる(特許文献1)。また、特許文献2に記載されているようにさまざまな植物酵素を用いるα酸化によって、公知の方法で脂肪酸からアルデヒドを製造することができる。不飽和アルデヒドを製造する藻類バイオマスの使用も公知である(非特許文献1)。さらに、4,7,10,13,16-ノナデカペンタエナールまたは3,6,9,12,15,18-ヘンイコサヘキサエナールの調製のためのプロセスが公知である(ハロポリエンおよびそれらの中間体の調製、特許文献3)。
【0004】
さらに、アルデヒドを酸に酸化するためにアルデヒドデヒドロゲナーゼを用いる多数のプロセスが公知である(非特許文献2;非特許文献3)。
【0005】
しかし、上述の化学的な方法ならびに非常に特殊な酵素だけに基づく方法には、包括的な範囲のアルデヒドまたはその混合物に適用できないという不利がある。さらに、これらの方法のいくつかは、化学試薬ならびに触媒との反応に基づいており、そのため、そのような方法は非特許文献4の意味での天然プロセスとはみなされない。α-ジオキシゲナーゼをアルデヒドデヒドロゲナーゼと特異的に組み合わせ、製造の範囲を特異的に拡大する組み合わせ方法は知られていない。所望の触媒反応が順番にかつ基質特異性および選択性に関して特異的に進むことになる、2種類以上の酵素を有する組み換え型の反応システムにおいては、用いられる酵素を、例えば全細胞触媒反応の場合に産生生物の内在酵素によって邪魔されないように精密に整合させることが必要である。従って、反応制御は、中間体もカスケード中の第2のまたはそれぞれの次段の酵素によって認識され、後者に利用可能であることを確実にするために決定的に重要である。そのような調整または組み合わせは、常に技術的に困難であり、直截的に予測することができず、それぞれのバイオテクノロジー的状況において対象となる酵素について集中的な分析を必要とする。
【0006】
キュウリ(非特許文献5)または緑藻アナアオサ(Ulva pertusa)(非特許文献6)の圧搾汁中に8Z-ヘプタデセナール、8Z,11Z-ヘプタデカジエナールまたは8Z,11Z,14Z-ヘプタデカトリエナールのような1つ以上の二重結合を有するいくつかの不飽和アルデヒドが天然に存在することが報告されている。アルデヒド8Z-ヘプタデセナール、8Z,11Z-ヘプタデカジエナール、8Z,11Z,14Z-ヘプタデカトリエナールの含有量は2%、19.9%および26.1%と文献に報告されている。
【0007】
8Z,11Z-ヘプタデカジエナールの匂いは、藻類に典型的であると記載されている(非特許文献6)。
【0008】
対照的に、4Z,7Z,10Z,13Z-ノナデカテトラエナール、4Z,7Z,10Z,13Z,16Z-ノナデカペンタエナールまたは3,6,9,12,15,18-ヘネイコサヘキサエン酸の味感は記載されていない。
【0009】
8Z-ペンタデセナールがキュウリの天然構成成分であることが知られている(非特許文献7)。8Z-ペンタデセナールのフレーバーは、第一義的に油っぽいと記載され、チキンおよび焼かれた牛肉に対するフレーバー強化特性も記載されている。さらに、1-ノニンおよび6-ブロモ-1-ヘキサノールからの製造のための方法も知られている(特許文献4)が、これは非特許文献4に従う天然製造プロセスとして分類することができない。
【0010】
4Z,7Z,10Z,13Z-ノナデカテトラエナールの味感は知られておらず、これまで製造方法が存在しなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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