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公開番号2025022116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126387
出願日2023-08-02
発明の名称慣性センサ
出願人国立大学法人東京科学大学,日本航空電子工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01C 19/00 20130101AFI20250206BHJP(測定;試験)
要約【課題】慣性センサに角速度および/または加速度が印加した場合に生じる、原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さが分布を持つことに起因する原子干渉のコントラストの低下を抑制できる慣性センサを開示する。
【解決手段】慣性センサ900は、二重原子干渉計を含む。二重原子干渉計の進行光定在波生成装置300は、M個(3≦M)の進行光定在波を生成する。M個の進行光定在波のそれぞれは、対向伝播する一対のレーザー光によって生成される。進行光定在波生成装置300は、M個の進行光定在波と干渉して得られた一方の原子線131cのポピュレーションの位相とM個の進行光定在波と干渉して得られた他方の原子線131dのポピュレーションの位相の差が一定なるように、M個の進行光定在波のうちのN個(2≦N<M)の進行光定在波のそれぞれに対応する一対のレーザー光の2光子離調を設定する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
慣性センサであって、
第1の原子線を連続生成する第1の原子線生成装置と、
第2の原子線を連続生成する第2の原子線生成装置と、
Mを3≦Mを満たす予め定められた整数として、それぞれ対向伝播する一対のレーザー光によって生成されるM個の進行光定在波を生成する進行光定在波生成装置と、
互いに向かって進む前記第1の原子線と前記第2の原子線が進入し、前記第1の原子線と前記M個の進行光定在波とが相互作用した結果の第3の原子線と、前記第2の原子線と前記M個の進行光定在波とが相互作用した結果の第4の原子線を得る干渉装置と、
前記第3の原子線を観測する第1の観測装置と、
前記第4の原子線を観測する第2の観測装置と
を含み、
前記M個の進行光定在波は、前記第1の原子線の進行方向に沿って互いに平行に配置され、且つ、前記第1の原子線の進行方向と直交する直線を対称軸として持つ線対称で配置されており、
Nを2≦N<Mを満たす予め定められた整数とし、[ ]をガウス記号とし、iを1≦N≦[M/2]を満たす[M/2]個の整数のうちの少なくとも1個の整数を表すとして、前記進行光定在波生成装置は、前記第3の原子線のポピュレーションの位相と前記第4の原子線のポピュレーションの位相の差が一定になるように、前記M個の進行光定在波のうちのi番目の進行光定在波に対応する前記一対のレーザー光の2光子離調δ
i
と、前記M個の進行光定在波のうちのM-i+1番目の進行光定在波に対応する前記一対のレーザー光の2光子離調δ
M-i+1
を設定し、
δ
i
=-δ
M-i+1
である
ことを特徴とする慣性センサ。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
請求項1に記載の慣性センサにおいて、
前記進行光定在波生成装置は、前記第3の原子線のポピュレーションのコントラストの極値を保ち、または、前記第4の原子線のポピュレーションのコントラストの極値を保つように、前記M個の進行光定在波のうちのi番目の進行光定在波とM-i+1番目の進行光定在波を除く少なくとも1個の進行光定在波に対応する前記一対のレーザー光の2光子離調δを設定する
ことを特徴とする慣性センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の慣性センサにおいて、
前記M個の進行光定在波のうちのM番目の進行光定在波と前記第1の観測装置の間の距離が、前記M個の進行光定在波のうちの1番目の進行光定在波と前記第2の観測装置の間の距離に等しく、且つ、前記第1の原子線の進行方向における速さの分布と、前記第2の原子線に含まれる原子の、第2の原子線の進行方向における速さの分布が互いに同じである
ことを特徴とする慣性センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、原子干渉を利用する慣性センサであって、慣性センサに角速度および/または加速度が印加した場合に生じる、原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さが分布を持つことに起因する原子干渉のコントラストの低下を抑制できる慣性センサに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、レーザー技術の進展に伴い、原子干渉計、原子干渉を利用する慣性センサなどの研究が進んでいる。原子干渉計として、例えば、マッハ-ツェンダー(Mach-Zehnder)型原子干渉計とラムゼー-ボーデ(Ramsey-Borde)型原子干渉計が知られている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
マッハ-ツェンダー型原子干渉計の基本的なスキームでは、原子線が、それぞれπ/2パルスと呼ばれる2個の進行光定在波、および、πパルスと呼ばれる1個の進行光定在波で照射される。原子線と進行光定在波との相互作用によって、原子線は2個の原子線にスプリットし、さらに、2個の原子線は互いに交差する。この結果、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態の重ね合わせ状態に応じた原子線が得られる。
【0004】
マッハ-ツェンダー型原子干渉計に、例えば、2個の原子線を含む平面内の角速度が加わると、スプリット後の2個の原子線の間に位相差が生じ、この位相差が、交差後の2個の原子線の一方に対応する原子の状態の存在確率とその他方に対応する原子の状態の存在確率に反映される。したがって、2個の原子線の一方に対応する原子の状態とその他方に対応する原子の状態の重ね合わせ状態に応じた原子線を観測することによって角速度を検出することができる。
【0005】
また、互いに向かって進む2個の原子線に対して進行光定在波を照射する構成を持つ二重原子干渉計も知られている(例えば非特許文献1,非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
T. L. Gustavson, P. Bouyer and M. A. Kasevich, “Precision Rotation Measurements with an Atom Interferometer Gyroscope,” Phys. Rev. Lett.78, 2046-2049, Published 17 March 1997.
T. Muller, M. Gilowski, M. Zaiser, T. Wendrich, W. Ertmer, and E. M. Rasel, “A compact dual atom interferometer gyroscope based on laser-cooled rubidium,” Eur. Phys. J. D 53, 273-281, 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原子線が例えば熱的原子線である場合、原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さはマクスウェル-ボルツマン分布に従う。原子線が例えば冷却原子線である場合、一般に、冷却原子線の進行方向における原子の速さの分布が最頻値の20%程度の半値全幅を持つことが知られており、例えば、この分布の最頻値が20m/sである場合、この分布は±2m/s程度の半値全幅を持つ。
【0008】
π/2パルスとπパルスとπ/2パルスでこの順番に照射された原子線に含まれる励起状態の原子のポピュレーションP
e
は式(1)で表される。φ
1
は1番目のπ/2パルスの初期位相であり、φ
2
はπパルスの初期位相であり、φ
3
は2番目のπ/2パルスの初期位相であり、k
eff
は実効的な波数であり、Ωは角速度であり、aは加速度であり、vは原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さであり、Lは1番目のπ/2パルスとπパルスとの間の距離(=2番目のπ/2パルスとπパルスとの間の距離)である。
TIFF
2025022116000002.tif
18
169
【0009】
式(1)からわかるとおり、原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さvが全ての原子で同じではない場合、原子の速さの分布の幅に含まれる様々な速さがポピュレーションP
e
に寄与する。したがって、原子干渉計に角速度および/または加速度が印加した場合、様々な位相を持つ余弦関数が互いにキャンセルし、この結果、原子干渉のコントラストが低下する。
【0010】
よって、我々は、原子干渉を利用する慣性センサであって、慣性センサに角速度および/または加速度が印加した場合に生じる、原子線に含まれる原子の、原子線の進行方向における速さが分布を持つことに起因する原子干渉のコントラストの低下を抑制できる慣性センサを開示する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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