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公開番号2025020238
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-12
出願番号2024190195,2022184277
出願日2024-10-30,2016-12-09
発明の名称RSV Fタンパク質突然変異体
出願人ファイザー・インク
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 14/135 20060101AFI20250204BHJP(有機化学)
要約【課題】対応する未変性RSV Fタンパク質と比較して増強した免疫原性または向上した融合前形態の安定性などの、向上した特性を有するRSV Fタンパク質に由来する免疫源、およびこのような免疫原を含む組成物を提供する。
【解決手段】RSV Fタンパク質突然変異体、RSV Fタンパク質突然変異体をコードする核酸またはベクター、RSV Fタンパク質突然変異体または核酸を含む組成物、ならびにRSV Fタンパク質突然変異体、核酸またはベクター、および組成物の使用が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
F1ポリペプチドおよびF2ポリペプチドを含み、野生型RSV Fタンパク質のアミノ酸配列に対する少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む、野生型RSV Fタンパク質の突然変異体であって、アミノ酸突然変異が、
(1)操作されたジスルフィド結合突然変異、
(2)間隙充填突然変異、
(3)静電気的突然変異、
(4)少なくとも1つの操作されたジスルフィド突然変異および少なくとも1つの間隙充填突然変異の組合せ、
(5)少なくとも1つの操作されたジスルフィド突然変異および少なくとも1つの静電気的突然変異の組合せ、
(6)少なくとも1つの間隙充填突然変異および少なくとも1つの静電気的突然変異の組合せ、ならびに
(7)少なくとも1つの操作されたジスルフィド突然変異、少なくとも1つの間隙充填突然変異、および少なくとも1つの静電気的突然変異の組合せ
からなる群から選択される、突然変異体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2015年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/387,270号および2016年11月11日に出願された米国仮特許出願第62/421、184号に対する優先権を主張する。前述の各出願の内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 4,300 文字)【0002】
本発明は、全体としてワクチンに、具体的には呼吸器合胞体ウイルスに対するワクチンに関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸器合胞体ウイルス、またはRSVは、肺および気道に感染する呼吸器ウイルスである。RSVは、世界中の乳児における重篤なウイルス性下気道疾患の主な原因であり、高齢者における呼吸器疾患の重要な原因である。しかし、RSV感染を予防するためのワクチンは承認されていない。
【0004】
RSVは、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)のメンバーである。そのゲノムは、9つの構造タンパク質(3つの糖タンパク質および6つの内部タンパク質)および2つの非構造タンパク質を含む11個のタンパク質をコードする、一本鎖のネガティブセンスRNA分子からなる。構造タンパク質は、3つの膜貫通表面糖タンパク質:付着タンパク質G、融合タンパク質F、および低分子疎水性SHタンパク質を含む。RSVには2つのサブタイプ、AおよびBがある。これらはG糖タンパク質が主に異なるが、F糖タンパク質の配列は、2つのサブタイプ間で、より保存されている。
【0005】
成熟F糖タンパク質は、3つの一般ドメイン:細胞外ドメイン(ED)、膜貫通ドメイン(TM)、および細胞質尾部(CT)を有する。CTは、単一のパルミトイル化されたシステイン残基を含有する。
【0006】
ヒトRSVのF糖タンパク質は、N末端にシグナルペプチド配列(アミノ酸1~25)を含有する、574アミノ酸からなる単一のポリペプチド前駆体(「F0」または「F0前駆体」と呼ぶ)として、mRNAから最初に翻訳される。翻訳の際、シグナルペプチドは、小胞体内でシグナルペプチダーゼによって除去される。F0前駆体の残りの部分(すなわち、残基26~574)は、2つの多塩基部位(アミノ酸109/110および136/137)で細胞プロテアーゼ(特に、フーリン)によってさらに切断され得、pep27と呼ばれる27アミノ酸からなる介在配列(アミノ酸110~136)を除去し、F1(C末端部分、アミノ酸137~574)およびF2(N末端部分、アミノ酸26~109)と呼ばれる2つの連結した断片を生じさせる。F1は、そのN末端に疎水性融合ペプチドを含有し、また2つの7残基反復領域(HRAおよびHRB)を含有する。HRAは融合ペプチドのそばにあり、HRBはTMドメインのそばにある。F1およびF2断片は、2つのジスルフィド結合を介して互いに連結している。シグナルペプチド配列を有さない未切断のF0タンパク質またはF1-F2ヘテロ二量体のいずれかは、RSV Fプロトマーを形成し得る。3つのこのようなプロトマーは組み合わさって最終的なRSV Fタンパク質複合体を形成し、これは3つのプロトマーのホモ三量体である。
【0007】
サブタイプAおよびBのFタンパク質は、アミノ酸配列が約90パーセント同一である。AサブタイプのF0前駆体ポリペプチドの配列の例を配列番号1で示し(A2株、GenBank GI:138251、Swiss Prot P03420)、BサブタイプのF0前駆体ポリペプチドの配列の例を配列番号2で示す(18537株、GenBank GI:138250、Swiss Prot P13843)。配列番号1および配列番号2は共に、574アミノ酸の配列である。配列番号1および配列番号2のシグナルペプチド配列もまた、アミノ酸1~25として報告されている(GenBankおよびUniProt)。両配列において、TMドメインは、およそアミノ酸530から550であるが、525~548という報告もある。細胞質尾部は、アミノ酸548または550で開始し、アミノ酸574で終わり、パルミトイル化されたシステイン残基は、アミノ酸550に位置する。
【0008】
RSVサブユニットワクチンのために調査された主要な抗原の1つはFタンパク質である。RSV Fタンパク質三量体は、ビリオン膜と宿主細胞膜との間の融合を媒介し、また、シンシチウムの形成を促進する。宿主細胞の膜と融合する前のビリオンにおいて、F分子の最大の集団は、TMドメインがウイルスエンベロープ内に固定された、ロリポップ形状の構造を形成する[Dormitzer,P.R.、Grandi,G.、Rappuoli,R.、Nature Reviews Microbiol、10、807、2012]。この立体構造は、融合前立体構造と呼ばれる。融合前RSV Fは、オリゴマーの状態の間を区別することなく、モノクローナル抗体(mAb)D25、AM22、およびMPE8によって認識される。融合前F三量体は、mAb AM14によって特異的に認識される[Gilman MS、Moin SM、Mas Vら、Characterization of a prefusion-specific antibody that recognizes a quaternary,cleavage-dependent epitope on the RSV fusion glycoprotein.PLoS Pathogens、11(7)、2015]。RSVが細胞内に侵入する間、Fタンパク質は、融合前状態(本明細書において「融合前F」と呼ばれ得る)から、中間体の広がった構造を介して、融合後状態(「融合後F」)に再編成される。この再編成の間、融合前分子のC末端コイルドコイルは、その3つの構成要素鎖に解離し、これは次いで、球状頭部の周りを包み、3つのさらなるへリックスと合わさって、融合後の6ヘリックスバンドルを形成する。融合前RSV F三量体は、温度の上昇などの苛酷さが次第に増す化学的または物理的条件に置かれると、構造的変化を起こす。まず、三量体構造が失われ(分子内で少なくとも局所的に)、次いで、融合後形態に再編成され、次いで、ドメインが変性する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ウイルスの侵入を防ぐために、F特異的な中和抗体は、ウイルスエンベロープが細胞膜と融合する前に、おそらく、ビリオン上のFの融合前立体構造、または場合によっては広がった中間体上に結合しなくてはならない。したがって、融合前形態のFタンパク質は、所望のワクチン抗原として好ましい立体構造であると見なされる[Ngwuta,J.O.、Chen,M.、Modjarrad,K.、Joyce,M.G.、Kanekiyo,M.、Kumar,A.、Yassine,H.M.、Moin,S.M.、Killikelly,A.M.、Chuang,G.Y.、Druz,A.、Georgiev,I.S.、Rundlet,E.J.、Sastry,M.、Stewart-Jones,G.B.、Yang.Y.、Zhang,B.、Nason,M.C.、Capella,C.、Peeples,M.、Ledgerwood,J.E.、Mclellan,J.S.、Kwong,P.D.、Graham,B.S.、Science Translat.Med.、14、7、309(2015)]。トリトンX-100、トリトンX-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、SDS、CHAPS、CHAPSOなどの界面活性剤での膜からの抽出、または細胞外ドメインとしての発現、物理的もしくは化学的ストレス、または保存の際に、F糖タンパク質は融合後形態に容易に変換される[McLellan JS、Chen M、Leung SらStructure of RSV fusion glycoprotein trimer bound to a pre-fusion-specific neutralizing antibody.Science 340、1113~1117(2013);Chaiwatpongsakorn,S.、Epand,R.F.、Collins,P.L.、Epand R.M.、Peeples,M.E.、J Virol.85(8):3968~77(2011);Yunus,A.S.、Jackson T.P.、Crisafi,K.、Burimski,I.、Kilgore,N.R.、Zoumplis,D.、Allaway,G.P.、Wild,C.T.、Salzwedel,K.Virology.2010年1月20日、396(2):226~37]。したがって、ワクチン抗原としての融合前Fの調製は、依然として困難である。中和抗体および防御抗体は、ウイルスの侵入に干渉することによって機能するため、融合後特異的抗体のみを誘起するF抗原は、融合前特異的抗体を誘起するF抗原としては効果的でないと予想されるという仮説が立てられる。したがって、融合前形態(または場合によっては広がった中間体形態)のFタンパク質免疫原を含有するFワクチンを利用することがさらに望ましいと考えられる。これまでの試みでは、RSVワクチンの承認をサポートするために十分なレベルの保護を誘起することを臨床で実証したRSVワクチンは得られていない。したがって、対応する未変性RSV Fタンパク質と比較して増強した免疫原性または向上した融合前形態の安定性などの、向上した特性を有するRSV Fタンパク質に由来する免疫源、および、このような免疫原を含む組成物、例えばワクチンが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一部の態様では、本発明は、対応する野生型RSV Fタンパク質のアミノ酸配列に対する、アミノ酸配列において導入された突然変異を呈し、かつ野生型RSV Fタンパク質に対してまたは野生型Fタンパク質を含むウイルスに対して免疫原性である、野生型RSV Fタンパク質の突然変異体を提供する。突然変異体におけるアミノ酸突然変異には、野生型RSV Fタンパク質に対する、アミノ酸の置換、欠失、または付加が含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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