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公開番号2025020016
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2024113738
出願日2024-07-17
発明の名称大型2ストロークユニフロー掃気過給式クローズドサイクル・オキシ燃料内燃機関
出願人エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
代理人個人
主分類F01N 3/08 20060101AFI20250131BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】CO2回収システムを備える、大型2ストロークユニフロー掃気クローズドサイクル・オキシ燃料内燃機関に関する。
【解決手段】複数のシリンダ1と、シリンダの燃焼室に掃気ガスを供給するためにシリンダに接続される掃気受け2を有する吸気システムと、炭素系燃料の燃焼により発生した排気ガス流を受容する排気受け3を有する排気システムとを備える。前記機関はクローズドサイクル・オキシ燃料機関であり、更に、排気受けを掃気受けに接続する再循環導管5と、再循環導管内のブロワ7と、酸素供給システム12と、分離及び二酸化炭素液化システム60とを備え、燃焼室内で生成された排気ガス流の一部が、分離及び二酸化炭素液化システムに分流される。分離及び二酸化炭素液化システムは、分流された排気ガス流からの二酸化炭素の液化に補助されながら、分流された排気ガス流から酸素を分離する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
大型2ストロークユニフロー掃気内燃機関であって、
・ シリンダライナ及び前記シリンダライナ内の往復ピストンを有するシリンダと、前記シリンダを覆うシリンダカバーと;
・ 前記シリンダライナ内において、前記往復ピストンと前記シリンダカバーとの間に形成される燃焼室と;
・ 前記燃焼室に掃気ガスを導入するための掃気ポートであって、前記シリンダライナに配される掃気ポートと;
・ 前記シリンダカバーに配され、排気弁により制御される排気出口と;
・ 前記シリンダの前記燃焼室に掃気ガスを供給するために前記シリンダに接続される掃気受けを有する吸気システムと;
・ 前記燃焼室に炭素系燃料を供給するように構成される燃料システムと;
・ 前記排気弁を介して前記燃焼室に結合され、前記燃焼室での前記炭素系燃料の燃焼により発生した排気ガス流を受容する排気受けを有する排気システムと;
を備え、前記機関はクローズドサイクル・オキシ燃料機関であり、更に、
・ 前記排気受けを前記掃気受けに接続する再循環導管と;
・ 前記排気受けからの排気ガスを加圧して前記掃気受けに送り込むために、前記再循環導管内に配されるブロワと;
・ 前記吸気システムに酸素を供給するように構成される酸素供給システムと;
・ 分離及び二酸化炭素液化システムと;
を備え、前記燃焼室内で生成された排気ガス流の一部が、前記分離及び二酸化炭素液化システムに分流され、前記分離及び二酸化炭素液化システムは、前記分流された排気ガス流からの二酸化炭素の液化に補助されながら、前記分流された排気ガス流から酸素と二酸化炭素を分離し、前記機関は更に、
・ 前記排気ガス流から分流された前記一部を迂回させるための迂回導管であって、前記再循環導管に結合され、分流コンプレッサと1つ又は複数の冷却器を有する迂回導管、
を備える、機関。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記迂回導管が、前記第1冷却器の下流の位置で前記再循環導管に結合されている、請求項1に記載の機関。
【請求項3】
前記1つ又は複数の冷却器は前記迂回導管内で前記分流コンプレッサの下流に配される、請求項1又は2に記載の機関。
【請求項4】
前記分離及び二酸化炭素液化システムは、前記分流された排気ガス流を目標圧力に加圧するコンプレッサと、前記分流された排気ガス流を目標温度まで冷却するための1つ又は複数の熱交換器とを有し、
所望の圧力と所望の温度の組み合わせは、蒸気中の二酸化炭素の液化を生じさせ、それによって、分離容器内に、前記分流された排気ガス流内の酸素を分離する、
請求項1から3のいずれかに記載の機関。
【請求項5】
前記酸素供給システムは液体酸素タンクを有する、請求項1から4のいずれかに記載の機関。
【請求項6】
前記炭素系燃料が炭化水素系燃料であり、前記燃焼室における炭化水素系燃料の燃焼によって水が発生し、前記機関は、排気ガス流から水を分離するように構成される水分離システムを備える、請求項1から5のいずれかに記載の機関。
【請求項7】
排気ガスを冷却するための第1の冷却器を前記再循環導管内に備える、請求項1から6のいずれかに記載の機関。
【請求項8】
前記第1の冷却器は排気ガスから水を分離するように構成される、請求項6を引用する請求項7に記載の機関。
【請求項9】
前記燃焼室は炭素系燃料を酸素と共に燃焼させ、それによって二酸化炭素を含む排気ガス流を生成するように構成される、請求項1から8のいずれかに記載の機関。
【請求項10】
前記燃焼室に供給される掃気ガス中の二酸化炭素のモル分率は、0.70mol/molより大きい、請求項1から9のいずれかに記載の機関。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書の開示事項(以下、本開示という)は、大型2ストローク内燃機関に関し、特に、CO2回収システムを備える、大型2ストロークユニフロー掃気クローズドサイクル・オキシ燃料内燃機関に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景】
【0002】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関は、典型的には、大型船舶の推進システムや、発電プラントの原動機として用いられる。その大きさや重量、出力は、大型2ストロークターボ過給式圧縮着火内燃機関を他の燃焼機関からかけ離れたものとしており、このタイプの圧縮内燃機関を独特の分類に位置づけている。
【0003】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関はこれまで、ディーゼル油のような燃料油や、天然ガス又は石油ガスのような燃料ガスといった、炭化水素燃料によって主に運転されてきた。炭化水素燃料の燃焼は、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの発生を伴うが、これらは大気汚染や気候変動の原因になり得る。副生成物の排出を生じる石油燃料の不純物と違って、CO2の発生は、炭化水素の燃焼に不可避である。燃料のエネルギー密度やCO2排出量は、炭化水素鎖の長さと炭化水素分子の複雑さに依存する。このためガス状炭化水素燃料は、液体の炭化水素燃料よりもCO2排出量が少ない。しかし、ガス状炭化水素燃料は、取り扱いや貯蔵が難しく、コストもかかる。CO2排出量を削減するために、炭化水素燃料で動作する大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式圧縮着火内燃クロスヘッド機関であって、CO2の回収・貯蔵システムを有する機関が提案されている。
【0004】
既知のCO2回収・貯留技術のひとつは、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関にアミンベースのスクラバーを搭載するものである。これは現在最も完成した炭素回収ソリューションと考えられており、今後数年の間にパイロットプラントや実証プラントとして船舶に搭載される予定である。この技術には次のような不利な点がある。アミンは、SOx、NOx、O2、粒子状物質に弱く、また約150℃以上の温度に弱いため、時間とともに劣化する。アミンが有害な排出物を形成するため、これを制御しなければならない。更に、リボイラーで消費されるエネルギーは膨大で、機関軸出力の60%に相当する。
【0005】
もう一つのCO2回収・貯留技術は、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関にEGR及び上流空気分離装置(N2とO2)を取り付け、下流にCO2液化装置を搭載するものである。上流空気分離は膜によって行われる。この技術には次のような不利な点がある。この技術の欠点は空気分離膜は大きく、高価で、圧力損失が大きく、壊れやすい。当初、この技術は(NOx生成を避けるために)陸上の発電所でテストされたが、成功したとは言えなかった。更に、排気ガス中でO2とCO2が分離される際、かなりの量のO2が無駄になる可能性がある。
【0006】
もうひとつの既知の技術は、燃料を上流で熱分解/改質してH2とCO2の混合物にすることである。H2とCO2は膜で分離され、H2は水素機関で燃焼され、CO2は液化される。この技術には次のような不利な点がある。熱分解/改質には触媒が必要である。触媒は運転温度を下げ、反応の選択性を向上させる。触媒は高価で、燃料中の不純物に敏感で、寿命が限られる。また、分解・改質プロセスからの生成物には、目的のCO2+H2以外の化学種(CO、CH4など)が含まれる可能性がある。熱分解/改質のためのエネルギー消費は、機関軸出力の40%程度である。更に、この技術は、H2とCO2を効率的に分離するための膜を必要とする。CO2/H2-膜分離に関する情報はほとんど見つかっていないが、コスト、サイズ、寿命を考慮する必要がある。最後に、この技術には水素を燃料とする。大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関の開発が必要である。
【0007】
更にもうひとつの技術は、水素と窒素から合成したアンモニア燃料で動く大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関である。この技術は現在開発中である。この技術には次のような不利な点がある。アンモニアは非常に毒性が強く、特定の材料に対して腐食性がある。アンモニア機関には、SCR触媒と、おそらくN2O触媒も必要になる。アンモニアICEはカーボンフリーであるが、N2Oの排出を考慮すると、ディーゼル油に比べたGWPの削減高価は約90%であると予想される。アンモニアの燃焼特性は、圧縮着火(ディーゼル)機関には適していない。
【摘要】
【0008】
目的は、上述の問題を解決するか又は少なくとも緩和する、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関を提供することである。別の目的は、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式内燃クロスヘッド機関からのガス状CO2排出をなくす又は少なくとも低減する方法を提供することである。
【0009】
上述の課題やその他の課題が、独立請求項に記載の特徴により解決される。より具体的な実装形態は、従属請求項や明細書、図面から明らかになるだろう。
【0010】
第1の捉え方によれば、次のような、大型2ストロークユニフロー掃気内燃機関が提供される。この機関は、
・ シリンダライナ及び前記シリンダライナ内の往復ピストンを有するシリンダと、前記シリンダを覆うシリンダカバーと;
・ 前記シリンダライナ内において、前記往復ピストンと前記シリンダカバーとの間に形成される燃焼室と;
・ 前記燃焼室に掃気ガスを導入するための掃気ポートであって、前記シリンダライナに配される掃気ポートと;
・ 前記シリンダカバーに配され、排気弁により制御される排気出口と;
・ 前記シリンダの前記燃焼室に掃気ガスを供給するために前記シリンダに接続される掃気受けを有する吸気システムと;
・ 前記燃焼室に炭素系燃料を供給するように構成される燃料システムと;
・ 前記排気弁を介して前記燃焼室に結合され、前記燃焼室での前記炭素系燃料の燃焼により発生した排気ガス流を受容する排気受けを有する排気システムと;
を備え、前記機関はクローズドサイクル・オキシ燃料機関であり、更に、
・ 前記排気受けを前記掃気受けに接続する再循環導管と;
・ 前記排気受けからの排気ガスを加圧して前記掃気受けに送り込むために、前記再循環導管内に配されるブロワと;
・ 前記吸気システムに酸素を供給するように構成される酸素供給システムと;
・ 分離及び二酸化炭素液化システムと;
を備え、前記燃焼室内で生成された排気ガス流の一部が、前記分離及び二酸化炭素液化システムに分流され、前記分離及び二酸化炭素液化システムは、前記分流された排気ガス流からの二酸化炭素の液化に補助されながら、前記分流された排気ガス流から酸素と二酸化炭素を分離し、前記機関は更に、
・ 前記排気ガス流から分流された前記一部を迂回させるための迂回導管であって、前記再循環導管に結合され、分流コンプレッサと1つ又は複数の冷却器を有する迂回導管を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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