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公開番号2025014241
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116619
出願日2023-07-18
発明の名称排気浄化装置およびエンジンシステム
出願人株式会社豊田中央研究所,株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F01N 3/24 20060101AFI20250123BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】排気ガス中の水素濃度に応じて目標空気過剰率を変動させることなく、窒素酸化物及びアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる技術を提供する。
【解決手段】アンモニアと水素とのうち少なくとも一方を燃料として駆動力を得る内燃機関から排出された排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、排気ガスが流通する排気管に設けられた酸化触媒である第1触媒と、排気管のうち第1触媒が設けられた位置よりも下流側に設けられた三元触媒である第2触媒と、排気管のうち第1触媒が設けられた位置と第2触媒が設けられた位置との間に設けられ、排気ガスの空燃比を検出する第1空燃比センサと、第1空燃比センサが検出した空燃比である第1検出空燃比から算出した空気過剰率である第1空気過剰率に応じて、第1空気過剰率が目標空気過剰率となるよう内燃機関への燃料の供給量を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアと水素とのうち少なくとも一方を燃料として駆動力を得る内燃機関から排出された排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、
前記排気ガスが流通する排気管に設けられた酸化触媒である第1触媒と、
前記排気管のうち前記第1触媒が設けられた位置よりも下流側に設けられた三元触媒である第2触媒と、
前記排気管のうち前記第1触媒が設けられた位置と前記第2触媒が設けられた位置との間に設けられ、前記排気ガスの空燃比を検出する第1空燃比センサと、
前記第1空燃比センサが検出した空燃比である第1検出空燃比を用いて算出した空気過剰率である第1空気過剰率に応じて、前記第1空気過剰率が目標空気過剰率となるよう前記内燃機関への前記燃料の供給量を制御する制御部と、を備える、排気浄化装置。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記第1触媒は、アンモニアの分解能を有さない、排気浄化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記第1触媒は、酸素吸蔵能を有さない、排気浄化装置。
【請求項4】
請求項1に記載の排気浄化装置であって、
前記第2触媒は、酸素吸蔵能を有する、排気浄化装置。
【請求項5】
請求項1に記載の排気浄化装置であって、さらに、
前記排気管のうち前記第2触媒が設けられた位置よりも下流側に設けられた選択還元触媒である第3触媒を備え、
前記第3触媒は、アンモニアの吸着能および窒素酸化物の選択還元能を有する、排気浄化装置。
【請求項6】
請求項1に記載の排気浄化装置であって、さらに、
前記排気管のうち前記第2触媒が設けられた位置よりも下流側に設けられ、前記排気ガスの空燃比を検出する第2空燃比センサを備え、
前記制御部は、
希薄側の空気過剰率の基準として予め設定された希薄側設定空気過剰率よりも前記第2空燃比センサが検出した空燃比である第2検出空燃比を用いて算出した空気過剰率である第2空気過剰率の方が希薄であることを示す場合、前記目標空気過剰率を過濃側の空気過剰率に補正し、
過濃側の空気過剰率の基準として予め設定された過濃側設定空気過剰率よりも前記第2空気過剰率の方が過濃であることを示す場合、前記目標空気過剰率を希薄側の空気過剰率に補正する、排気浄化装置。
【請求項7】
エンジンシステムであって、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の排気浄化装置と、
アンモニアを水素に改質する改質器と、
前記内燃機関と、
前記内燃機関での燃焼に用いられるアンモニアを供給するアンモニア供給部と、を備え、
前記内燃機関は、アンモニアを燃焼する際に併せて水素も燃焼する、エンジンシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置およびエンジンシステムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
アンモニアと水素とのうち少なくとも一方を燃焼して駆動力を得る内燃機関が知られている。このような内燃機関から排出される排気ガスには、窒素酸化物や未燃のアンモニアが含まれている。特許文献1には、触媒を通過させることで窒素酸化物やアンモニアが浄化された排気ガスを外部へ排出する内燃機関が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-139344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
触媒による窒素酸化物やアンモニアの浄化率は、排気ガスの空気過剰率に応じて決まる。この排気ガスの空気過剰率を調整するために、内燃機関よりも下流側に設けられた空燃比センサが出力する空燃比から算出される空気過剰率が空気過剰率の目標値である目標空気過剰率となるよう内燃機関へのアンモニアや水素の供給量が制御される。一般的に、排気ガス中の水素濃度が高くなるほど、空燃比センサが出力する空燃比から算出される空気過剰率は排気ガスの真の空気過剰率よりも過濃側に寄った空気過剰率となる傾向にある。すなわち、排気ガス中の水素濃度が異なれば真の空気過剰率が同じ排気ガスであったとしても空燃比センサが出力する空燃比から算出される空気過剰率は異なる値となる。このような傾向を考慮し、排気ガス中の水素濃度に応じて目標空気過剰率を変動させることが考えられるが、制御の煩雑化が懸念される。そのため、排気ガス中の水素濃度に応じて目標空気過剰率を変動させることなく、窒素酸化物およびアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる技術が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、排気ガス中の水素濃度に応じて目標空気過剰率を変動させることなく、窒素酸化物およびアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、排気浄化装置が提供される。この排気浄化装置は、アンモニアと水素とのうち少なくとも一方を燃料として駆動力を得る内燃機関から排出された排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、前記排気ガスが流通する排気管に設けられた酸化触媒である第1触媒と、前記排気管のうち前記第1触媒が設けられた位置よりも下流側に設けられた三元触媒である第2触媒と、前記排気管のうち前記第1触媒が設けられた位置と前記第2触媒が設けられた位置との間に設けられ、前記排気ガスの空燃比を検出する第1空燃比センサと、前記第1空燃比センサが検出した空燃比である第1検出空燃比を用いて算出した空気過剰率である第1空気過剰率に応じて、前記第1空気過剰率が目標空気過剰率となるよう前記内燃機関への前記燃料の供給量を制御する制御部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、酸化触媒である第1触媒が第1空燃比センサよりも上流側に設けられている。このため、第1触媒に流入する排気ガスの真の空気過剰率が目標空気過剰率よりも希薄である場合、排気ガス中には比較的多量の酸素が含まれるため、その酸素の量だけ排気ガス中の水素を酸化して減らせることから、排気ガス中の水素の影響で第1空気過剰率が排気ガスの真の空気過剰率よりも過濃側に寄るのを抑制することができる。すなわち、第1触媒に流入する排気ガスの真の空気過剰率が目標空気過剰率よりも希薄である場合には、制御部は、排気ガス中の水素濃度を考慮することなく、第1空気過剰率を当該第1空気過剰率よりも過濃側である目標空気過剰率となるよう燃料の供給量を増加させることで、窒素酸化物およびアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる。一方、第1触媒に流入する排気ガスの真の空気過剰率が目標空気過剰率よりも過濃である場合、排気ガス中には比較的少量の酸素しか含まれていないため、その酸素の量だけしか排気ガス中の水素を酸化できない。しかし、排気ガス中に酸化されなかった水素が残存した影響で第1空気過剰率が排気ガスの真の空気過剰率よりも過濃側に寄ったとしても、排気ガスの真の空気過剰率も元々過濃である。このため、第1触媒に流入する排気ガスの真の空気過剰率が目標空気過剰率よりも過濃である場合には、制御部は、排気ガス中に残存する水素の量に関わらず、第1空気過剰率を当該第1空気過剰率よりも希薄側である目標空気過剰率となるよう燃料の供給量を減少させることに変わりないことから、その結果、窒素酸化物およびアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる。したがって、この構成によれば、第1触媒に流入する排気ガスの真の空気過剰率が目標空気過剰率よりも希薄である場合、もしくは、過濃である場合、のいずれの場合においても、排気ガス中の水素濃度に応じて目標空気過剰率を変動させることなく、窒素酸化物およびアンモニアをいずれも高い浄化率で浄化することができる。
【0009】
(2)上記形態の排気浄化装置において、前記第1触媒は、アンモニアの分解能を有さなくてもよい。
この構成によれば、第1触媒による排気ガス中のアンモニアの分解によって水素が生成されないことから、排気ガス中の水素の影響で第1空気過剰率が排気ガスの真の空気過剰率よりも過濃側に寄るのをより一層抑制することができる。
【0010】
(3)上記形態の排気浄化装置において、前記第1触媒は、酸素吸蔵能を有さなくてもよい。
第1触媒が酸素吸蔵能を有する場合、第1触媒への酸素の出入りによって第1空燃比センサが検出する第1検出空燃比に値のずれや応答遅れを生じさせたりする可能性があることから、制御部による空気過剰率制御の精度の低下につながる。一方、この構成によれば、第1触媒は酸素吸蔵能を有さないことで、第1触媒への酸素の出入りによる不具合は生じないことから、制御部に空気過剰率制御を精度良く実行させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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