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公開番号2025028523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133376
出願日2023-08-18
発明の名称サーモスタット装置
出願人日本サーモスタット株式会社
代理人個人
主分類F01P 7/16 20060101AFI20250221BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】冷却水の流路を形成するカバー部材またはハウジングへの取り付け作業を容易にしたサーモスタット装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかるサーモスタット装置1は、冷却水の流路を形成するカバー部材およびハウジングでフランジ24を挟持することにより自動車の冷却回路に組み込まれたサーモスタット装置であって、フランジ24の外周縁24bとその周辺部分とを含む外周縁部に取り付けられた環状のシール部材30を備える。また、このシール部材30は、内周面に形成された嵌込用溝部と、外周面に設けられた外向突起30bと、を有する。さらに、本発明においては、サーモスタット装置1を冷却回路に組み込む際の押圧によって弾性変形するシール部材30の一部を収容する逃げとして、隙間34を形成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
冷却水の温度に反応して膨張、収縮する熱膨張体を内蔵するサーモエレメントと、前記サーモエレメントに取り付けられた制御バルブと、前記熱膨張体の膨張、収縮により伸縮するピストンロッドと、内周縁部に前記制御バルブが着座する弁座を形成するフランジと、を備え、前記ピストンロッドの伸縮による前記サーモエレメントの移動により前記制御バルブが開閉するように動作し、冷却水の流路を形成するカバー部材およびハウジングで前記フランジを挟持することにより冷却回路に組み込まれるサーモスタット装置であって、
前記フランジの外周縁とその周辺部分とを含む外周縁部に取り付けられ、前記カバー部材と前記ハウジングとの接続部分をシールする環状のシール部材を備え、
前記シール部材は、前記フランジの外周縁部を覆うように嵌め込むために内周面に形成された嵌込用溝部と、外周面に設けられた外向突起と、を有し、
さらに、サーモスタット装置を前記冷却回路に組み込む際の押圧によって弾性変形する前記シール部材の一部を収容する逃げとして、特定の隙間を形成する、
ことを特徴とするサーモスタット装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記隙間を、前記フランジの外周縁と前記嵌込用溝部の底面との間に形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーモスタット装置。
【請求項3】
前記外向突起を前記シール部材の外周面に複数設け、
前記フランジの外周縁の一部に切り欠き部を設け、
前記隙間を、前記フランジの切り欠き部の外周縁と前記嵌込用溝部の底面との間に形成し、
前記切り欠き部は前記外向突起の位置に合わせて設ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーモスタット装置。
【請求項4】
隣接する外向突起は、前記カバー部材および前記ハウジングで前記フランジを挟持した際に前記カバー部材側と前記ハウジング側に分散するように、前記シール部材の外周面に配置される、
ことを特徴とする請求項3に記載のサーモスタット装置。
【請求項5】
前記フランジに補助弁であるジグルバルブが設けられている場合において、
前記シール部材は、その内周面に位置決め用目印部を有し、
前記位置決め用目印部は、前記ジグルバルブの位置に基づいて前記シール部材を嵌め込んだ際に、前記切り欠き部と前記外向突起の位置が一致するように設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載のサーモスタット装置。
【請求項6】
前記外向突起を前記シール部材の外周面に複数設け、
さらに、前記嵌込用溝部の底面に、前記フランジの外周縁部を前記シール部材に嵌め込んだ際に当該外周縁部の外周縁と当接する複数のリブを設け、
前記隙間を、前記フランジの外周縁と前記リブ以外の前記嵌込用溝部の底面との間に形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーモスタット装置。
【請求項7】
前記リブを、前記外向突起の位置からずらして配置する、
ことを特徴とする請求項6に記載のサーモスタット装置。
【請求項8】
前記リブを、前記外向突起の位置に合わせて配置する、
ことを特徴とする請求項6に記載のサーモスタット装置。
【請求項9】
前記シール部材には、前記隙間としての逃げ溝を断続的に設けることとし、
各逃げ溝は、それぞれ前記シール部材の外周縁から内周縁に向かって形成される対向する2つの面のうちの一方側の面に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーモスタット装置。
【請求項10】
前記外向突起を前記シール部材の外周面に複数設け、
前記逃げ溝は、前記外向突起周辺に設けられる、
ことを特徴とする請求項9に記載のサーモスタット装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はサーモスタット装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
サーモスタット装置は、エンジンとラジエータとの間の流路内を流れる冷却水の温度変化を感知して膨張、収縮する熱膨張体を内蔵するサーモエレメントを備え、この熱膨張体の膨張、収縮に伴うピストンロッドの進退動作により制御バルブの開閉を行うことよって、冷却水を所定の温度内に保持するように機能する。そして、このように機能するサーモスタット装置は、冷却水の流路を形成するカバー部材とハウジングで挟持して一体形成することによって自動車の冷却回路に組み込まれる。
【0003】
上述したサーモスタット装置の冷却回路への組込み手段の一例として、特許文献1には、ラジエータからの冷却水を通す冷却媒体流路の一部を形成するインレットハウジングの所定位置にサーモスタットが係止され、エンジンの組立工程における梱包、搬送の際にサーモスタットがインレットハウジングから脱落することなく、エンジンの組立工程の合理化に寄与するサーモスタットの取付構造が開示されている。
【0004】
詳細には、従来のサーモスタット200は、図19に示すように、弁函(上記サーモエレメントに相当)内に封入されたサーモワックス(上記熱膨張体に相当)の膨張、収縮に伴う伸縮ロッド(上記ピストンロッドに相当)の進退動作により弁体(上記制御バルブに相当)の開閉動作を行うことよって冷却水を所定の温度内に保持するサーモ動作ユニット221と、内周縁部を弁座222とする環状の支持基体223と、支持基体223に一体に形成され、弁函を伸縮ロッドの長手方向に沿って摺動自在にガイドするとともに、弁体を弁座側に付勢するスプリングを弁体との間に装着した支持フレーム224と、支持基体223に一体に形成され伸縮ロッドの突出頭部を規制する規制フレーム225と、を備える。
【0005】
また、弁座222の外径側には板状のフランジ部226が連なり、このフランジ部226の外周側には、上下両面にわたって外周縁部を覆うガスケット227が取り付けられている(図19参照)。
【0006】
また、インレットハウジング211の下部開口の内周縁部には、その全周にわたりガスケット227を受容し得る段差部212が設けられており、ガスケット227外周の縁部には、係止手段として、弾力を保った状態でサーモスタット200を支持する外向突起部228が形成されている。特許文献1に記載された取付構造においては、外向突起部228によってサーモスタット200を段差部212に係止させた状態で、インレットハウジング211とエンジン本体213でガスケット227を挟装することにより、サーモスタット200を冷却媒体流路内に固定する。
【0007】
具体的には、ガスケット227を段差部212に圧入すると、外向突起部228は段差部212の内周面に弾力を保った状態で接触し、ガスケット227のビード部229は段差部212の天面に当接された状態となる。このとき、外向突起部228は押圧によって弾性変形し、その復元弾力により、ガスケット227は段差部212内に保持される。これにより、サーモスタット200は、落下することなく段差部212の内周面に弾力を保った状態で支持され、インレットハウジング211とエンジン本体213とを締結一体とする前でもサーモスタット200を安定して係止状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2008-50969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のように、外向突起部228を有するガスケット(後述する実施形態のシール部材に相当)227がフランジ部226の外周縁部を覆うように取り付けられている場合において、ガスケット227を、インレットハウジング(後述する実施形態のカバー部材に相当)211に形成された段差部212に圧入するためには、大きな荷重が必要となる。
【0010】
具体的にいうと、エンジンの組立工程における梱包、搬送の際にサーモスタット200がインレットハウジング211から脱落しないようにするためには、外向突起部228の弾性変形による復元弾力をより大きくする必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の取付構造においては、圧入時の荷重に対し、段差部212内には弾性変形による圧力を逃がすための手段がなく、外向突起部228の弾性変形による復元弾力を大きくするほど、段差部212内にガスケット227を圧入しづらくなる。すなわち、脱落防止の観点からガスケット227を圧入する際に必要な荷重を大きくすると、サーモスタット200のインレットハウジング211への取り付け作業が困難になる、という課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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