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公開番号2025067740
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023187196
出願日2023-10-13
発明の名称揮発性液体を利用する回分式外燃機関
出願人個人
代理人
主分類F01K 25/00 20060101AFI20250417BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】水飲み鳥の原理で位置エネルギーを生み出す際、動作切替時に装置全体の傾斜を必要としない構造の提供。
【解決手段】高温熱源による加熱室1と低温熱源による冷却室2を通気管3と通液管6で接続し、通気管の内部に揮発性液体8と揮発性液体の蒸気が入り込むことができ、加熱室の内部において、加熱室と冷却室の蒸気圧の平衡時の液面の位置に1個の開放端を持ち、冷却室の内部は液面よりも高い位置に1個の開放端を持ち、2個ある開放端の中間部分は、2個の開放端よりも低く、通気管の最低位置から加熱室に延びた排液管4の先端にフロートバルブ5を設置し、加熱室の液面高さが最低時にフロートバルブが開き、加熱室の断面積a、冷却室の断面積b、通気管の加熱室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積c、通気管の冷却室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積dに関し、bc-da>0であり、通液管の途中に水車7を設ける。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
次の構造をすべて備えた装置。
・加熱室と冷却室を設ける。
・加熱室と冷却室を、通気管と通液管で接続する。
・通気管の構造は、以下のとおりである。
・通気管の内部に、揮発性液体と揮発性液体の蒸気が入り込むことができる。
・加熱室の内部において、加熱室と冷却室の蒸気圧が平衡している時の液面の位置に、1個の開放端を持つ。
・冷却室の内部において、冷却室の液面よりも常に高い位置に、1個の開放端を持つ。
・2個ある開放端の中間部分は、2個の開放端よりも低い位置にある。
・通気管の最低位置は、加熱室の液面高さが最低となるときに、揮発性液体の蒸気が入り込まない高さとする。
・通気管の最低位置から加熱室に延びた排液管の先端に、フロートバルブを設置する。加熱室の液面高さが最低となるときに、フロートバルブが開く。
・加熱室の水平方向の断面積をa、冷却室の水平方向の断面積をb、通気管の加熱室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積をc、通気管の冷却室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積をdとすると、bc-da>0の関係である。
・装置内には、揮発性液体を入れる。
・揮発性液体の蒸気以外の気体を、装置内からなるべく排除する。
・加熱室を高温熱源で加熱し、冷却室を低温熱源で冷却する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性液体を利用する外燃機関に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
「水飲み鳥」の名称で知られる科学模型(以下、「水飲み鳥」と記載)は、室温付近の微小な温度差から力学的な仕事を取り出すことができる外燃機関である。
「水飲み鳥」は、閉鎖空間の中で揮発性液体の蒸発による体積膨張を行っているため、微小な温度差を利用して液面の高低差(位置エネルギー)を発生できるという利点を持つ。
【0003】
しかし、「水飲み鳥」は、動作を切り替える際に、冷却室内の液体を加熱室へ移送し、加熱室内の蒸気を冷却室へ移送するために、装置全体を傾斜させている。その結果、次のような問題点が生じるため、傾斜動作は望ましくない動作である。
・発生した位置エネルギーの一部が装置の傾斜運動で消費されるため、エネルギーの回収効率が低下する。
・加熱室と冷却室を床に固定できないため、加熱源と冷却源の設置が困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
クリフォード・ピックオーバー、ビジュアル物理全史、岩波書店、2019年3月26日第1刷発行、p185
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
「水飲み鳥」の原理で位置エネルギーを生み出す際に、動作を切り替えるために装置全体を傾斜させる必要のない構造を提示することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の構造を備えた装置を用意する(図1参照)。
・加熱室1と冷却室2を設ける。
・加熱室1と冷却室2を、通気管3と通液管6で接続する。
・通気管3の構造は、以下のとおりである。
・通気管3の内部に、揮発性液体8と揮発性液体8の蒸気が入り込むことができる。
・加熱室1の内部において、加熱室1と冷却室2の蒸気圧が平衡している時の液面の位置に、1個の開放端を持つ。
・冷却室2の内部において、冷却室2の液面よりも常に高い位置に、1個の開放端を持つ。
・2個ある開放端の中間部分は、2個の開放端よりも低い位置にある。
・通気管3の最低位置は、加熱室1の液面高さが最低となるときに、揮発性液体8の蒸気が入り込まない高さとする。
・通気管3の最低位置から加熱室1に延びた排液管4の先端に、フロートバルブ5を設置する。加熱室1の液面高さが最低となるときに、フロートバルブ5が開く。
・加熱室1の水平方向の断面積をa、冷却室2の水平方向の断面積をb、通気管3の加熱室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積をc、通気管3の冷却室側の開放端から最下部までの部分の水平方向の断面積をdとすると、
bc-da>0の関係である。
・装置内には、揮発性液体8を入れる。
・揮発性液体8の蒸気以外の気体を、装置内からなるべく排除する。
・加熱室1を高温熱源で加熱し、冷却室2を低温熱源で冷却する。
・通液管6の途中に、水車7を設ける。
【0007】
本装置の動作を示す。加熱室は継続的に加熱され、冷却室は継続的に冷却されているとする。
・状態1(図2):加熱室と冷却室の蒸気圧が釣り合っている。加熱室1、冷却室2、通気管3の内部の液面の高さは等しい。
・状態1→状態2(図3):加熱室1は加熱され、冷却室2は冷却されるため、両室内の蒸気圧が変化し、両室の液面位置に差が生じる。加熱室1から押し出された液体は、通液管6を通って冷却室2へ入り込む。このとき、通気管3の加熱室側の液面は、加熱室1の液面よりも高くなる。通気管3の冷却室側の液面は、冷却室2の液面よりも高くなる。
・状態2(図4):加熱室1の液面が、フロートバルブ5が開く位置まで低下する。
・状態2→状態3(図5):フロートバルブ5が開き、通気管3の内部の液体が加熱室1へ排出される。
・状態3(図6):通気管3から、加熱室1と冷却室2の蒸気部分を分離していた液体がなくなる。加熱室1の内部の蒸気が、通気管3を通って冷却室1へ流入する。加熱室1と冷却室2の蒸気圧が等しくなる。
・状態3→状態1(前半)(図7):加熱室1の内部の蒸気が、通気管3を通って冷却室1へ流入する。フロートバルブ5が閉塞する。冷却室2の内部の液体が、通液管6を通り加熱室1へ流入する。この時、通液管6を通る液体が水車7を回す。
・状態3→状態1(後半)(図8):加熱室1に流入した液体が、通気管3に入り込む。加熱室1と冷却室2の蒸気部分が、通気管3に入り込んだ液体によって分離される。
さらに加熱を続けると、状態1(図2)へ戻る。
【発明の効果】
【0008】
本発明の外燃機関は、「水飲み鳥」とは異なり、本体の傾斜動作を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の外燃機関の模式図である。
本発明の外燃機関の動作図(状態1)である。
本発明の外燃機関の動作図(状態1→状態2)である。図2から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。
本発明の外燃機関の動作図(状態2)である。図3から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。
本発明の外燃機関の動作図(状態2→状態3)である。図4から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。
本発明の外燃機関の動作図(状態3)である。図5から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。
本発明の外燃機関の動作図(状態3→状態1)(前半)である。図6から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。
本発明の外燃機関の動作図(状態3→状態1)(後半)である。図7から、さらに加熱と冷却をおこなった状態である。図8から、さらに加熱と冷却を行うと、図2に戻る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1において、水車7に発電機を取り付ければ、電力を発生することができる。なお、水車7は連続回転しないため、用途によっては充電池等を用いて出力を平準化する必要がある。
【産業上の利用可能性】
(【0011】以降は省略されています)

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