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公開番号2025083753
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197321
出願日2023-11-21
発明の名称内燃機関の排気浄化システム
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類F01N 3/023 20060101AFI20250526BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】フィルタ前後差圧に基づいてフィルタ内の粒子状物質の堆積量を推定する際、フィルタ前後差圧を適切に補正して推定精度をより高くすることができる、内燃機関の排気浄化システムを提供する。
【解決手段】排気ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタ43と、フィルタの流入側と流出側のフィルタ前後差圧を検出する差圧検出装置35と、制御装置50とを有し、制御装置は、フィルタに所定量を超える粒子状物質が堆積していると判定した場合、かつ、所定条件を満足した場合、フィルタ内の粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生処理を実行しており、運転状態に基づいて、フィルタ前後差圧を増加側に補正する増加側補正量を求め、増加側補正量を用いてフィルタ前後差圧を補正した補正後前後差圧を求め、補正後前後差圧が所定量に応じた所定閾値を超える場合、所定量を超える粒子状物質がフィルタ内に堆積していると判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の排気浄化システムであって、
前記内燃機関の排気通路に配置されて前記内燃機関からの排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタにおける排気ガスの流入側と流出側の圧力差であるフィルタ前後差圧を検出する差圧検出装置と、
前記内燃機関の運転状態を検出し、検出した前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記フィルタに所定量を超える前記粒子状物質が堆積していると判定した場合、かつ、所定条件を満足した場合、前記フィルタ内に堆積している前記粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生処理を実行しており、
前記運転状態に基づいて、前記差圧検出装置を用いて検出した前記フィルタ前後差圧を増加側に補正する増加側補正量を求め、
前記増加側補正量を用いて前記フィルタ前後差圧を補正した補正後前後差圧を求め、
前記補正後前後差圧が、前記所定量に応じて設定された所定閾値を超える場合、前記所定量を超える前記粒子状物質が前記フィルタ内に堆積していると判定する、
内燃機関の排気浄化システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
内燃機関の排気浄化システムであって、
前記内燃機関の排気通路に配置されて前記内燃機関からの排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタにおける排気ガスの流入側と流出側の圧力差であるフィルタ前後差圧を検出する差圧検出装置と、
前記内燃機関の運転状態を検出し、検出した前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記フィルタに所定量を超える前記粒子状物質が堆積していると判定した場合、かつ、所定条件を満足した場合、前記フィルタ内に堆積している前記粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生処理を実行しており、
前記運転状態に基づいて、前記差圧検出装置を用いて検出した前記フィルタ前後差圧を増加側に補正する増加側補正量と、前記フィルタ前後差圧を減少側に補正する減少側補正量と、の双方を求め、
前記増加側補正量と前記減少側補正量の双方を用いて前記フィルタ前後差圧を補正した補正後前後差圧を求め、
前記補正後前後差圧が、前記所定量に応じて設定された所定閾値を超える場合、前記所定量を超える前記粒子状物質が前記フィルタ内に堆積していると判定する、
内燃機関の排気浄化システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
前記制御装置は、
前記増加側補正量を求める際、
前記フィルタの流入側の排気ガス温度と前記フィルタの流出側の排気ガス温度の少なくとも一方に基づいて推定した前記フィルタの温度であるフィルタ温度、または前記フィルタの流入側の排気ガス温度、に応じて設定された増加側補正ベース量と、
前記運転状態に基づいて推定した前記フィルタ内の前記粒子状物質の堆積量である粒子状物質堆積量と、
に基づいて求める、
内燃機関の排気浄化システム。
【請求項4】
請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
前記制御装置は、
前記減少側補正量を求める際、
前記フィルタ再生処理の完了後、前記減少側補正量の初期量である減少側初期量を求め、
前記フィルタの流入側の排気ガス温度と前記フィルタの流出側の排気ガス温度の少なくとも一方に基づいて推定した前記フィルタの温度であるフィルタ温度、または前記フィルタの流入側の排気ガス温度、に応じて設定された減少側補正ベース量と、
前記減少側初期量と、
に基づいて求める、
内燃機関の排気浄化システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関としてディーゼルエンジンを搭載した車両は、排気ガス中の微細な粒子状物質(PM:Particulate Matter)を、排気通路に設けたフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)にて捕集し、大気中に放出しないようにしている。フィルタは粒子状物質を通過させない微細孔が多数設けられた壁を有しており、当該壁の微細孔に排気ガスを通過させて粒子状物質を捕集している。
【0003】
フィルタには捕集した粒子状物質が堆積しており、堆積した粒子状物質を定期的に除去しなければフィルタが目詰まりしてしまう。このため、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生処理を定期的に行っている。フィルタ再生処理では、普段の運転状態では約300~400[℃]程度の排気ガスの温度を強制的に約600[℃]以上程度に昇温させて、フィルタ内に堆積している粒子状物質を燃焼させて除去している。排気ガスを強制的に昇温する場合、排気ガス中に燃料を添加して、当該燃料をフィルタの上流側に配置された酸化触媒で反応させて排気ガスを昇温しているので燃料の消費を伴う。
【0004】
フィルタ再生処理の実行は、必要以上に頻度が多いと燃費が悪化するので好ましくなく、頻度が少ないとフィルタが目詰まりする可能性があるので好ましくない。従って、適切な頻度でフィルタ再生処理を行う必要があり、そのためにフィルタ内の粒子状物質の堆積量を精度よく検出する必要がある。
【0005】
フィルタ内の粒子状物質の堆積量を直接的に検出することはできず、堆積量を推定する方式として、以下の(1)、(2)の方式が一般的に利用されている。
(1)実際の車両を用いて内燃機関の運転状態に応じた粒子状物質の発生量を測定し、これをマップ等にして、所定時間間隔にて運転状態に応じた発生量を求めて積算することで粒子状物質の堆積量を推定する、積算式推定方式。
(2)フィルタ前後差圧(フィルタの流入側と流出側の圧力差)を計測して、このフィルタ前後差圧に基づいて粒子状物質の堆積量を推定する、差圧式推定方式。
【0006】
上記の(1)の積算式推定方式は、内燃機関のばらつきや劣化等による誤差が比較的大きく、(2)の差圧式推定方式よりも推定精度が低いので好ましくない。また上記の(2)の差圧式推定方式は、粒子状物質の堆積量に対してフィルタ前後差圧が基準となる前後差圧に対して高い側にズレる場合や、低い側にズレる場合などがある。このため、検出したフィルタ前後差圧を適切に補正することが所望されている。
【0007】
フィルタ前後差圧の基準となる特性に対する高い側へのズレ(誤差)は、以下に説明する現象によって発生する。フィルタに堆積する粒子状物質には、フィルタの壁内の微細孔に入り込んだ粒子状物質(微細孔堆積粒子状物質)と、フィルタの壁の表面に堆積する粒子状物質(壁表面堆積粒子状物質)があり、微細孔堆積粒子状物質の量に応じて排気ガスが通過しにくくなり(図6参照)、フィルタ前後差圧が高い側にズレていく。フィルタ再生処理の完了直後の粒子状物質が堆積していないフィルタでは、まずフィルタの壁内の微細孔に飽和状態(微細孔堆積初期量)となるまで粒子状物質(微細孔堆積粒子状物質)が入り込み、その後、フィルタの壁表面に粒子状物質(壁表面堆積粒子状物質)が堆積していく。フィルタの壁表面に粒子状物質が堆積していくと、フィルタの壁内の微細孔に粒子状物質が入り込めないので、微細孔堆積粒子状物質は、微細孔堆積初期量よりも増量することは無い。そして微細孔堆積粒子状物質は、内燃機関の運転状態に応じて徐々に燃焼して減量していき、フィルタ前後差圧の高い側へのズレは徐々に小さくなっていく。つまり、フィルタ前後差圧の高い側へのズレは、初期の頃のズレ量が大きく、その後は徐々にズレ量が小さくなっていく(図8に示す基準となる特性Aに対して高い側にズレた特性Bを参照)。
【0008】
フィルタ前後差圧の基準となる特性に対する低い側へのズレ(誤差)は、以下に説明する現象によって発生する。フィルタの壁表面に堆積した粒子状物質(壁表面堆積粒子状物質)の層に、内燃機関の運転状態に基づいてヒビ割れ等が発生した場合、ヒビ割れ等の量に応じて排気ガスが通過しやすくなり(図7参照)、フィルタ前後差圧が低い側にズレていく。フィルタ再生処理を行ってフィルタの壁の表面に粒子状物質(壁表面堆積粒子状物質)が堆積していくと、内燃機関の運転状態によって、亀裂やヒビ割れ等が発生する場合がある。この亀裂やヒビ割れ等は回復されないので、内燃機関の運転状態に応じて亀裂やヒビ割れ等が増えていくと、フィルタ前後差圧の低い側へのズレは徐々に大きくなっていく。つまり、フィルタ前後差圧の低い側へのズレは、最初のズレ量は小さく、その後は徐々にズレ量が大きくなっていく(図8に示す基準となる特性Aに対して低い側にズレた特性Cを参照)。
【0009】
例えば特許文献1には、微細孔堆積粒子状物質によって基準となる特性に対して高い側にズレたフィルタ前後差圧を補正して、フィルタ内の粒子状物質の堆積量の推定精度をより向上させる排気浄化装置が開示されている。特許文献1では、フィルタ再生処理の完了後、まず微細孔堆積初期量を求め、その後は運転状態に応じた微細孔堆積粒子状物質の燃焼量を求め、微細孔堆積初期量から燃焼量を減算した残存量に基づいてフィルタ前後差圧を補正している。
【0010】
また例えば特許文献2では、フィルタ再生処理の完了後、まず差圧式推定方式にて粒子状物質の堆積量を推定している。その後、壁表面堆積粒子状物質に発生した亀裂によってフィルタ前後差圧が基準となる特性に対して低い側にズレる推定精度の劣化判定用の指標が閾値を超えた場合、粒子状物質の堆積量の推定方式を、差圧式推定方式から積算式推定方式に切り替えている。ただし、低い側にズレたフィルタ前後差圧を補正するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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