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公開番号
2025066896
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023176433
出願日
2023-10-12
発明の名称
ポンプ固着の解消・検出方法及びポンプ保安装置
出願人
ボッシュ株式会社
代理人
主分類
F01N
3/08 20060101AFI20250417BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約
【課題】簡易な処理でポンプ固着の解消を可能とすると共に、従来の電流検出回路では検出できないポンプ固着の検出を可能とする。
【解決手段】電子制御ユニット(200)により、供給ポンプ(10)の始動前にパージポンプ(20)が始動され、圧力センサ(30)の検出値が負圧状態に相当すると判定された後、供給ポンプ(10)が始動され、しかる後、圧力センサ(30)の検出値が依然として負圧状態に相当すると判定された場合に、供給ポンプ(10)が固着状態にあるとしてポンプ固着の検出を可能とする一方、負圧状態で供給ポンプ(10)に作用する力によってポンプ固着の解消を試み、供給ポンプ(10)の始動後に圧力センサ(30)の検出値が非負圧状態であると判定された場合には、供給ポンプ(10)が正常であるとされて、尿素水SCRシステムの使用が可能とされる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
所望の液体の噴射を行う噴射弁と前記所望の液体を蓄積するタンク(130)との間に設けられて、前記噴射弁への前記所望の液体の供給と吸い戻しを可能に構成されたモジュール(110)であって、前記タンク(130)に吸入側が、前記噴射弁に吐出側が、それぞれ接続された供給ポンプ(10)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間に吸入側が、前記タンク(130)に吐出側が、それぞれ接続されたパージポンプ(20)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間の通路内の圧力を検出可能に設けられた圧力センサ(30)とを有してなるモジュール(110)における前記供給ポンプ(10)のポンプ固着の解消・検出方法であって、
前記供給ポンプ(10)の始動前に前記パージポンプ(20)を始動させ、前記圧力センサ(30)により負圧状態に相当する圧力が検出された後、前記供給ポンプ(10)を始動し、しかる後、再度、前記圧力センサ(30)により負圧状態に相当する圧力が検出された場合に、前記供給ポンプ(10)が固着状態にあるとしてポンプ固着の検出を可能としたことを特徴とするポンプ固着の解消・検出方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記供給ポンプ(10)の始動後に、前記圧力センサ(30)により非負圧状態に相当する圧力が検出された場合は、前記供給ポンプ(10)の固着は解消されたか、又は、前記供給ポンプ(10)に当初から固着は発生しておらず、前記供給ポンプ(10)は正常であるとして、前記噴射弁による前記液体の噴射を許容することを特徴とする請求項1記載のポンプ固着の解消・検出方法。
【請求項3】
前記供給ポンプ(10)は、吸入側と吐出側に、それぞれ逆止弁(1,2)を有してなり、前記パージポンプ(20)の始動による負圧状態の発生は、前記吐出側の逆止弁(2)に対して、その開弁方向の力を与え、当該逆止弁(2)が固着している場合には、その解消を試みるものであることを特徴とする請求項2記載のポンプ固着の解消・検出方法。
【請求項4】
前記供給ポンプ(10)の始動前の前記パージポンプ(20)の始動は、処理開始条件が成立した場合に行われ、
前記処理開始条件は、前記パージポンプ(20)の始動が、装置製造後、最初であることを特徴とする請求項3記載のポンプ固着の解消・検出方法。
【請求項5】
尿素水SCRシステムにおいて、尿素水の噴射を行う噴射弁と前記尿素水を蓄積するタンク(130)との間に設けられて、前記噴射弁への前記尿素水の供給と吸い戻しを可能に構成されてなるサプライモジュール(110)におけるポンプ固着の解消・検出を可能とするポンプ保安装置であって、
前記尿素水SCRシステムが搭載された車両の動作制御を実行可能に構成されてなる電子制御ユニット(200)を有し、
前記サプライモジュール(110)は、前記タンク(130)に吸入側が、前記噴射弁に吐出側が、それぞれ接続された供給ポンプ(10)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間に吸入側が、前記タンク(130)に吐出側が、それぞれ接続されたパージポンプ(20)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間の通路内の圧力を検出可能に設けられた圧力センサ(30)とを有してなるポンプ保安装置において、
前記電子制御ユニット(200)は、前記尿素水SCRシステムの動作制御を可能とすると共に、前記供給ポンプ(10)の始動前に前記パージポンプ(20)を始動させ、前記圧力センサ(30)の検出値が負圧状態に相当すると判定された後、前記供給ポンプ(10)を始動し、しかる後、前記圧力センサ(30)の検出値が依然として負圧状態に相当すると判定された場合に、前記供給ポンプ(10)が固着状態にあるとしてポンプ固着の検出を可能に構成されてなることを特徴とするポンプ保安装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニット(200)は、前記供給ポンプ(10)の始動後に、前記圧力センサ(30)の検出値が非負圧状態に相当すると判定された場合に、前記供給ポンプ(10)の固着は解消されたか、又は、前記供給ポンプ(10)に当初から固着は発生しておらず、前記供給ポンプ(10)は正常であるとして、前記噴射弁による前記尿素水の噴射を許容するよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のポンプ保安装置。
【請求項7】
前記供給ポンプ(10)は、吸入側と吐出側に、それぞれ逆止弁(1,2)を有してなり、前記電子制御ユニット(200)による前記パージポンプ(20)の始動による負圧状態の発生は、前記吐出側の逆止弁(2)に対して、その開弁方向の力を与え、当該逆止弁(2)が固着している場合には、その解消を試みるものであることを特徴とする請求項6記載のポンプ保安装置。
【請求項8】
前記電子制御ユニット(200)による前記供給ポンプ(10)の始動前の前記パージポンプ(20)の始動は、処理開始条件が成立した場合に行われ、
前記処理開始条件は、前記パージポンプ(20)の始動が、装置製造後、最初であることを特徴とする請求項7記載のポンプ保安装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる尿素水SCRシステムに用いられるポンプの固着の解消・検出方法及びポンプ保安装置に係り、特に、信頼性向上、構成の簡素化等を図ったものに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
いわゆる尿素水SCR(Selective Catalytic Reduction)システムは、車両の排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を除去し、排気浄化を図る手段として良く知られている通りである(例えば、特許文献1等参照)。
かかる尿素水SCRシステムは、一般に、尿素SCR触媒、還元剤噴射弁やその駆動回路等から構成されるドージングモジュール、還元剤噴射弁への尿素水の供給を行う供給ポンプ等から構成されるサプライモジュール、尿素水を蓄積する尿素水タンクに大別された構成が採られる。
【0003】
上述のサプライモジュールは、通常、尿素水の供給を行う供給ポンプと、尿素水噴射後に還元剤噴射弁や接続配管などから余分な尿素水を尿素水タンクへ吸い戻すためのパージポンプと共に、これら2つのポンプの電流を検出する電流検出回路が設けられた構成を有するものである。
ここで、電流検出回路は、ポンプの電気的な故障判定を行うためのもので、それぞれのポンプの動作電流を検出し、異常な電流値が検出された場合、ポンプの電気的な故障と判定可能に構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-190227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の供給ポンプやパージポンプには、その流入口や流出口に、逆止弁(一方向弁)が設けられた構成のものがあるが、このような逆止弁を用いたポンプにあっては、逆止弁に起因するいわゆるポンプ固着が発生することがある。すなわち、何らかの原因により逆止弁の開閉成ができなくなることがあり、その結果、ポンプの吸入、吐出動作が不可能となるポンプ固着の状態が発生することとなる。
この場合、ポンプの動作電流は、上述した電流検出回路においてポンプ故障と判定される規定値を超すことは殆どないため故障とは判定されず、電流検出回路だけではポンプの故障や異常を十分に検出し、迅速な対応を採ることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な処理でポンプ固着の解消を可能とすると共に、従来の電流検出回路では検出できないポンプ固着の検出を可能とするポンプ固着の解消・検出方法及びポンプ保安装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るポンプ固着の解消・検出方法は、
所望の液体の噴射を行う噴射弁と前記所望の液体を蓄積するタンク(130)との間に設けられて、前記噴射弁への前記所望の液体の供給と吸い戻しを可能に構成されたモジュール(110)であって、前記タンク(130)に吸入側が、前記噴射弁に吐出側が、それぞれ接続された供給ポンプ(10)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間に吸入側が、前記タンク(130)に吐出側が、それぞれ接続されたパージポンプ(20)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間の通路内の圧力を検出可能に設けられた圧力センサ(30)とを有してなるモジュール(110)における前記供給ポンプ(10)のポンプ固着の解消・検出方法であって、
前記供給ポンプ(10)の始動前に前記パージポンプ(20)を始動させ、前記圧力センサ(30)により負圧状態に相当する圧力が検出された後、前記供給ポンプ(10)を始動し、しかる後、再度、前記圧力センサ(30)により負圧状態に相当する圧力が検出された場合に、前記供給ポンプ(10)が固着状態にあるとしてポンプ固着の検出を可能に構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るポンプ保安装置は、
尿素水SCRシステムにおいて、尿素水の噴射を行う噴射弁と前記尿素水を蓄積するタンク(130)との間に設けられて、前記噴射弁への前記尿素水の供給と吸い戻しを可能に構成されてなるサプライモジュール(110)におけるポンプ固着の解消・検出を可能とするポンプ保安装置であって、
前記尿素水SCRシステムが搭載された車両の動作制御を実行可能に構成されてなる電子制御ユニット(200)を有し、
前記サプライモジュール(110)は、前記タンク(130)に吸入側が、前記噴射弁に吐出側が、それぞれ接続された供給ポンプ(10)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間に吸入側が、前記タンク(130)に吐出側が、それぞれ接続されたパージポンプ(20)と、前記供給ポンプ(10)と前記噴射弁との間の通路内の圧力を検出可能に設けられた圧力センサ(30)とを有してなるポンプ保安装置において、
前記電子制御ユニット(200)は、前記尿素水SCRシステムの動作制御を可能とすると共に、前記供給ポンプ(10)の始動前に前記パージポンプ(20)を始動させ、前記圧力センサ(30)の検出値が負圧状態に相当すると判定された後、前記供給ポンプ(10)を始動し、しかる後、前記圧力センサ(30)の検出値が依然として負圧状態に相当すると判定された場合に、前記供給ポンプ(10)が固着状態にあるとしてポンプ固着の検出を可能に構成されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パージポンプにより生ずる負圧状態を利用し、ポンプ固着の解消を図ると共に、ポンプ固着の有無を検出可能としたので、特段に新たな構成を追加することなく、従来構成を利用してポンプ固着の解消を図ることが可能となると共に、従来の電流検出回路では検出できなかったポンプ固着の有無を確実に検出することができ、尿素水SCRシステム全体の信頼性、安全性のさらなる向上に寄与することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態におけるポンプ保安装置の構成例を示す構成図である。
本発明の実施の形態におけるサプライモジュールに用いられる供給ポンプの構成例及び概略動作を模式的に説明する模式図であって、図2(A)は供給ポンプが駆動停止状態にある場合の内部状態を示す模式図、図2(B)は供給ポンプ内の電磁コイルへの通電によりアーマチュアが所定位置に変位した際の内部状態を示す模式図、図2(C)は電磁コイルの通電停止によりアーマチュアが初期位置へ戻ることにより尿素水の吸入が行われる際の内部状態を示す模式図、図2(D)は供給ポンプ内の電磁コイルへの再通電によりアーマチュアが所定位置に変位し尿素水の吐出が行われる際の内部状態を示す模式図である。
本発明の実施の形態におけるポンプ保安装置により実行されるポンプ固着の解消・検出処理手順を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態におけるポンプ保安装置によりポンプ固着の解消・検出処理が実行された場合のサプライモジュールにおける圧力状態を模式的に示す模式図であって、図4(A)は供給ポンプ及びパージポンプいずれもが非駆動状態にある場合におけるサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図、図4(B)はパージポンプの始動直後のサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図、図4(C)はパージポンプによる吸い戻しが進行した状におけるサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図、図4(D)は負圧状態が発生した後に供給ポンプを始動した直後におけるサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図である。
ポンプ固着が解消された場合とポンプ固着が解消されない場合のサプライモジュール内のそれぞれの圧力状態を模式的に示す模式図であって、図5(A)は負圧状態の後にポンプ固着が解消された場合のサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図、図5(B)は負圧状態が解消されない場合のサプライモジュール内の圧力状態を模式的に示す模式図である。
ポンプ固着が解消されない場合とポンプ固着が解消された場合の供給ポンプにおける圧力状態を模式的に示す模式図であって、図6(A)はポンプ固着が解消されない場合の供給ポンプの圧力状態を模式的に示す模式図、図6(B)はポンプ固着が解消された場合の供給ポンプの圧力状態を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるポンプ保安装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるポンプ保安装置は、いわゆる尿素水SCR(Selective Catalytic Reduction)システムに適用されるものとして好適なものである。尿素水SCRシステムは、車両の排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を除去し、排気浄化を図る手段として従来から良く知られているものである。
かかるポンプ保安装置は、尿素水SCRシステムを構成するモジュールの一つであるサプライモジュール110と、尿素水SCRシステム全体の動作制御に用いられるエンジン制御用電子制御ユニット200を主たる構成要素として構成されたものである。
(【0011】以降は省略されています)
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