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公開番号2025054532
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023163612
出願日2023-09-26
発明の名称建設機械
出願人日立建機株式会社
代理人弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
主分類F01P 11/16 20060101AFI20250331BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】冷却対象の流体への入熱状況によらずに流体温度の過大なオーバーシュートを防止することができる建設機械を提供する。
【解決手段】油圧ショベルは、冷却ファン77と、冷却ファン77により冷却されるオイルクーラ73と、オイルクーラ73を流れる作動油の温度を検出する作動油温センサ73sと、冷却ファン77の回転数を制御する車体コントローラ51と、を備え、車体コントローラ51は、作動油温センサ73sにより検出された作動油の実温度と、予め定められた目標温度との温度差に応じて比例積分制御により冷却ファン77の目標回転数を設定し、比例積分制御の積分制御において、積分項の出力値N_Iを所定の積分項下限値N_Imin以上に制限する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
冷却ファンと、
前記冷却ファンにより冷却される熱交換器と、
前記熱交換器を流れる流体の温度を検出する温度検出器と、
前記冷却ファンの回転数を制御するコントローラと、を備えた建設機械において、
前記コントローラは、前記温度検出器により検出された前記流体の実温度と、予め定められた目標温度との温度差に応じて比例積分制御により前記冷却ファンの目標回転数を設定し、
前記比例積分制御の積分制御において、積分項の出力値を所定の下限値以上に制限する
ことを特徴とする建設機械。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
大気温を検出可能な大気温検出器をさらに備え、
前記コントローラは、前記大気温検出器により検出された大気温に応じて、前記下限値を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械において、
車体負荷を検出可能な車体負荷検出器をさらに備え、
前記コントローラは、前記車体負荷検出器により検出された車体負荷に応じて、前記下限値を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項2に記載の建設機械において、
車体負荷を検出可能な車体負荷検出器をさらに備え、
前記コントローラは、前記大気温検出器により検出された大気温又は前記車体負荷検出器により検出された車体負荷に応じて、前記下限値を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械において、
前記コントローラは、前記大気温により決定される下限値または前記車体負荷により決定される下限値のうちいずれか大きい方の下限値を用いて前記積分項の出力値を制限する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械において、
前記コントローラは、前記積分項の出力値の候補値が前記下限値よりも小さい場合は、前記下限値を前記積分項の出力値とし、前記候補値が前記下限値以上である場合は、前記候補値を前記積分項の出力値とする
ことを特徴とする建設機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器を冷却する冷却ファンを備えた建設機械に係り、特に、エンジンの回転数に関わらずに冷却ファンの回転数を設定可能な建設機械に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
一般に油圧ショベルなどの建設機械に使用され、熱交換器を冷却する冷却ファンには、エンジンクランク軸と連結され、エンジンクランク軸の回転に伴い回転されるものや、エンジンとは切り離され、油圧モータや電動モータによって独自に駆動され、回転数を設定可能なものがある。後者の独自に回転数を設定可能に駆動される冷却ファンの制御方法には、熱交換器を流れる流体の実温度を監視し、検出された実温度と目標温度との差分に応じて比例積分制御器により冷却ファンの目標回転数を設定し、実温度が目標温度になるように冷却ファンの目標回転数を可変制御するものがある。
【0003】
建設機械においては、例えばエンジン冷却水や、アクチュエータを駆動する作動油などが冷却対象の流体となる。冷却ファンによる冷却風の増減に対する流体の実温度の応答遅れのため、積分制御による負側への蓄積に起因して冷却ファンの実回転数の立ち上がりが遅れ、流体の実温度が目標温度に対して過大となる大きなオーバーシュートが発生する場合がある。この場合、過大なオーバーシュートに対し過剰に冷却ファンの目標回転数が高く設定され、そのため流体の実温度が低下しすぎて低すぎる目標回転数が設定される、といった現象が繰り返される場合がある。その結果、冷却ファンの実回転数が目標値付近でハンチングを起こし、聴感の悪化によりオペレータや周囲者に不快感を与える恐れがある。また、過度に流体が高温となった場合には車体に不具合を起こす原因となる可能性もあり、流体温度の過大なオーバーシュートは避けることが望ましい。
【0004】
流体温度のオーバーシュートを抑制するファン回転数制御方法として、例えば特許文献1には、ファン目標回転数がファン最低回転数に達するまでは、実温度と目標温度との温度差に応じて比例積分制御器の比例要素のみによりファン目標回転数を設定し、ファン目標回転数がファン最低回転数を超えたときは、実温度と目標温度との温度差に応じて、比例積分制御器の比例要素と積分要素とによりファン目標回転数を設定することで、比例積分制御器における積分の負側に対する蓄積を制限する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4206008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、建設機械において流体への入熱状況は様々であるため、ファン目標回転数がファン最低回転数に達した後、流体の実温度が長時間目標温度に到達しない場合も考えられる。このような場合には、実温度と目標温度の差分に応じた比例積分制御を行っても、実温度が目標温度に到達しない間の積分器における負側の蓄積に起因して、流体温度の過大なオーバーシュートが発生する恐れがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却対象の流体への入熱状況によらずに流体温度のオーバーシュートを抑制することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の建設機械は、冷却ファンと、前記冷却ファンにより冷却される熱交換器と、前記熱交換器を流れる流体の温度を検出する温度検出器と、前記冷却ファンの回転数を制御するコントローラと、を備えた建設機械において、前記コントローラは、前記温度検出器により検出された前記流体の実温度と、予め定められた目標温度との温度差に応じて比例積分制御により前記冷却ファンの目標回転数を設定し、前記比例積分制御の積分制御において、積分項の出力値を所定の下限値以上に制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷却対象の流体への入熱状況によらずに流体温度の過大なオーバーシュートを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の油圧ショベルの全体構造の一例を示す側面図である。
図1の油圧ショベルに備えられる旋回体上の機器配置形態の一例を示す、旋回体を上方から見た透視図である。
油圧ショベルの冷却ファンの制御に関わる構成の一例を示すブロック図である。
作動油温度に基づく比例積分制御による目標回転数の制御方法の一例を示したブロック図である。
図4の積分項出力値決定部における処理の一例を示したフローチャートである。
図5のステップS4における積分項下限値の決定方法の一例を示したブロック図である。
積分項出力値の制限を行わない比較例における、横軸に時間、縦軸に流体への入熱、流体の実温度及び目標温度、比例項出力値及び積分項出力値、冷却ファンの実回転数及び目標回転数が示されたタイムチャートである。
積分項出力値の制限を行う本実施形態における、横軸に時間、縦軸に流体への入熱、流体の実温度及び目標温度、比例項出力値及び積分項出力値、冷却ファンの実回転数及び目標回転数が示されたタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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